2016年総評が完成しました。(2017/10/10)

2012年 次点

総評案1(シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩)

2012年始まって早々、携帯機版クソゲーオブザイヤー(以下「KOTY」)スレは嵐に見舞われた。
そのきっかけは2/14、バレンタインデーにコナミから発売された「NEWラブプラス」。
人気のギャルゲーで、ぴあの増刊が出たり任天堂社長からインタビューを受けたりと、
ギャルゲーというジャンルでとしては破格のブームを起こしたシリーズの最新作という事もあり、
人々の期待と注目ははちきれんばかりだったのだが、あろう事かコナミはそれにはちきれんばかりに山盛りのバグで応えてしまったのだ。
最終的には2度の大型パッチにより、KOTYを競えるレベルではなくなったのだが、当時は注目作が壮大にやらかした事に興奮したのか、
冷静な検証などおっぽりだして騒ぎ、貶し、煽りまくる、空気とスレのテンプレが読めない方々が大量に出現。
もはやまともな会話が成立せず、クソゲーを語るために住民はスレ外部への脱出を余儀なくされる異常事態に陥った。

そんな混乱のさなか、遙か七つの次元を超えた先から忽然と現れたのが「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」(ガスト)であった。
ギャルゲーの注目作、頻発するフリーズと大量のバグなど、NEWラブプラスとの共通点が多いため、
混乱冷めぬスレ内では両者を並べて、片方を貶すためにもう片方を引き合いに出す行為が横行して荒れ模様に。
そういう困った方々を無視したとしても、ゲームのストーリーは毎月追加配信される有料ダウンロードコンテンツ(DLC)を買わないと完結しない。
その終了まで1年はかかり、パッチも頻繁に当てられている事もあり、年末まで語るのは時期尚早という扱いとなる。

しかし、いざ年末になって振り返ってみても、そこにあったのは依然として高くそびえ立つクソの山であった。

12度にわたるパッチでいくらかのバグは解消されたものの、逆にパッチで発生したバグもあり、手つかずで残る物も含め、未だエラー報告は絶える事がない。
プレイヤーが自衛で取ったバックアップデータに公式が対応する有様である。
バグ以外はどうなのかと言えば、このゲームは画面をトントンとダブルタップし、イオンという女の子とコミュニケーションを取るのと、シャールという小妖精を育成し使役するのが主となっている。
まずコミュニケーションだが、セリフの量がかなり少なく、日に10分程度のプレイでも何度も同じセリフを聞かされる羽目になる。
セリフがネタ切れになるとイオンの体をお触りできる状態になるが、これもろくにパターンがない。
アップデートでセリフ量は徐々に増えているが、アップデート頻度が低いので焼け石に水、あっという間に消費されてしまう。

というかコミュニケーションと言っても、ほとんどはイオンのセリフを一方的に聞かされるだけで、会話にはならない。
たまに選択肢が出る事もあるが、選択肢が1つしかない「選択が出来ない選択肢」である事も多く、
イオンちゃんが「腕を組んで歩きたい」と言ってもプレイヤーは「歩きづらくてイライラしそう」と答える事しか許されないディスコミュニケーションっぷりだ。
機嫌のパラメータは存在するものの、時間でぐんぐん上がり、寝ればあっさりリセットされ、そもそも特にデメリットが存在しない。
一応イオンのリアルタイム・ライフ・シュミレーション(パッケージの記述より)の体裁を取っており、日々イオンが食ったり寝たり工作したりぼーっとしたりしているが、
これもパターン数が少なく、曲も一種類で、眺めていてもすぐに飽きてしまう。
外出などされた日には眺めて退屈どころの話ではなく、一切のコミュニケーションが取れなくなる有様だ。

だがもしかすると、我々は固定観念に囚われすぎなのかもしれない。何しろイオンちゃんは七次元人なのだ。
せっかくのデートがループする背景を3分ほど歩いて終わりなのも、
トイレ中のイオンちゃんをトントンすると「一緒に入る?」などと言い出すのも、
イオンちゃんがテーブルの裏で寝たり、壁に埋まったり、胴体が伸びたり、
テーブルから生えたりするのも、きっと七次元流のコミュニケーションなのだ。
ただ残念ながら、この名状しがたきイオンちゃんとの七次元コミュニケーションは我々の理解が及ぶ物ではなく、三次元的な認識ではやはりクソゲーと言うしかないだろう。

小妖精シャールはバーコードからキャラが生成されるのだが、生成に使う数字が国とメーカーを表す部分なので同じシャールばかりぞろぞろ作られ、
大勢に使われるシャールは契約に支払うポイントがお高くなる仕様なので、高い連中ばかりで新規プレイヤーはシャールとの契約が困難になってしまう。
救済のため1体目のシャール雇用がタダになったり、シャール無料契約券が発行されたりしたが、そうなるともう誰かの強いシャールを雇えばいいだけで、育成もバランスも崩壊。
雇用のためのポイントを稼ぐ、というゲーム性も無くなってしまった。
シャールの主な仕事はシナリオロックの解除であり、「エロゲの体験版より少ない」と言われる2時間弱の一本道シナリオを、少しでも長く保たせるための足かせであったはずだが、
強シャールなら解除に1日しかかからない。
シャールの仕事にはクエーサーを送るというのもあり、みんながサーバーに送ったクエーサーの累積量で特典が開放されるシステムなのだが、
せっかく送ったクエーサーがゲージを振り切ったのに、公式が「バグで本当は貯まってない」と発言し開放が遅れる事件が発生。
プレイヤーたちがやる気をなくし、ゲージの進みが悪くなると、貯まりきらない内に特典開放。gdgdすぎる。

毎月配信のはずのDLCは2ヶ月1本のペースに遅延し、もういつ完結するのかも定かではない状態。
やきもきするプレイヤーをよそに、アップデートで会話が追加されたと思ったら、あなたに気持ちを伝えたいと本を書きだし
「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」とか苦労とあなたのためにをことさらアピール、プレイヤーに一択の「楽しみに待ってるよ」を言わせたあげく、
最後には「出来上がった本はコミケで買ってね(意訳)」と言い放つイオンちゃん。
ストーリー完結の作業はどこへやら、小遣い稼ぎにデート商法を始める前代未聞の展開には呆れるばかりだ。
それとも、これが七次元人と付き合うという事なのだろうか?

七次元ほど遠くはないものの、海の向こうからも刺客が現れていた。
「HEAVY FIRE The Chosen Few」(ハムスター)。
このヘビーファイアというタイトルは低価格のガンシューティングとして人気のシリーズで、このたび据え置き・携帯機両方にソフトを擁して上陸したわけだが、
そのあまりのクオリティーに据え置き版KOTYスレで話題騒然となる。
となれば携帯の方は……? そう、蛙の子は蛙。クソゲーの子もやはりクソゲーだった。

このゲームは北米のWiiware2作品を1本にしたものだが、2つ入ってるからお得かと思いきや、元はWiiwareの5ドル×2がなんとびっくり4,980円(税込)の大幅値上げ。
おまけに2人プレイモードや一部の武器も削られた、まごう事なき劣化版になっている。
無理矢理ニコイチにした辻褄合わせのためか、ミッション開始時にストーリー解説のグラフィックが追加されているが、これが中学生の落書きレベルのチープな代物。
内容も「狙撃兵だ!」と笑顔で警告したかと思えば次の絵ではもう倒していたり、研究者を救出に来たはずなのに施設を爆破したり、核弾頭のある武器庫も爆破してたりで、
逆にストーリーどうなってるんだと混乱してしまう始末。だがスキップできないので、見るしかない。

延々続くチープな紙芝居に戦闘意欲が萎えきったところでステージ開始。
このゲームはレールシューティングで、移動は自動、プレイヤーは出てくる敵の射撃に専念する事になる。
PS1時代かと思うようなローポリの敵の頭上に「!」マークが出ると、その敵はライフを減らす命中弾を撃ってくるので、撃たれる前に倒さなければならない。
のだが、出現と同時に「!」を出し間髪入れず発砲してきたり、画面上部にいる敵の「!」が画面外に見切れていて見えなかったり、
遠くの敵は小さすぎて照準しづらかったり、ダメージの弾痕で敵の姿が隠れたり。
ひどい時には同時に10人近い敵が現れたり、「!」が何個も出たりする。
当然グレネードなんて親切な物はなく、隠れる機能もない。
それどころか、あのデスクリムゾンにすらあったライフ回復アイテムもない。
チェックポイントもないので、やられればまた最初、つまり冒頭の長い紙芝居からやり直しになる。
この過酷な戦場で何とか気持ちを奮い立たせようにも、BGMはメイン画面用曲が特定ステージで使い回されるだけで、あとは無音。心が渇くこと請け合いである。
そして頑張ってクリアしても、エンディングで流れるのはまたも使い回されたあの曲。
スタッフロールは手動でページめくりせねばならず、キャンペーンモードはデータリセットしない限り再プレイできない。

戦いは空しい。そのありふれた言葉も、このゲームをやった後ならばこれ以上なく実感できる事だろう。

据え置きで話題、という話では、このタイトルも忘れてはならない。
「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(PIACCI)は、2011年に据え置き版スレでKOTYを争ったPia4、あるいはPアフォと呼ばれたゲームの移植である。

このゲームのクソっぷりは、据え置き版KOTYを知っている者には繰り返しになってしまうが、まずギャルゲーなのにグラフィックが低レベル。
キャラの半分は「できるだけテキストウィンドウから上を見たくない」と言われるほどのヒラメ顔、
背景も「地平線が見え木々が生えている、サバンナのような競技場」を始め、枚挙に暇がない。
ADV+SLGというジャンルのADV部分は、そもそものシナリオが陳腐で薄っぺらなのに、
語尾に♪や汗マークを頻繁につけ、嫌がる女の子をつけ回すストーカー気質の主人公に余計にイライラさせられる。
18禁でのエロシーンをただ削除した結果「プレイヤーの知らない内に恋人になり肉体関係にまでなっていた」事もしばしば。
SLG部分は能力値がエンディング分岐にしか関係なく、数多くある仕事も能力値上昇が最高の物以外はほとんど存在価値がないという意味不な仕様。
しかし能力値が足りていなければ、例えヒロインと肉体関係になっていても「この夏は働いてた記憶しかない」と言い放ちヤリ捨てる結果に。
パッケージ裏にはシュミレーションとの記述があり、シェルノサージュの事も考えると、この「シュミレーション」という謎のジャンルの奥深い邪悪さに戦慄を覚えずにはいられない。

実は携帯機移植で、UIなどシステム面は大幅に改善されている。
しかしそれも上記のクソ要素の前では焼け石に水、再びのKOTY登場となった。
そもそも18禁の時からクソゲー呼ばわりでエロ以外評価されなかったのに、取り柄のエロを抜いてしまったのだから、
据え置きで既に誰得移植だったこのゲーム、どうしてさらに携帯機に持ってきてしまったのか。
そんなに2011年のKOTYを逃したのが悔しかったのだろうか?

最後に、2つのミニゲームを紹介しよう。
1つは「パシャットバシット~Whack A Friend~」(アイシーエムジャパン)。
DSiダウンロードソフトで、価格は200円。タッチペンを使ったモグラ叩きゲームという他愛ない内容だが、この価格なら文句を言うのは野暮というもの……だったはずだが、そうは問屋が卸さなかった。
普通のモグラ叩きと違って、このゲームはカメラ機能を使って取った顔写真をモグラに貼り付けられる(タイトルの英語も、和訳すれば「友人叩き」)。
写真を使わない場合は、デフォルトで用意されているイラストを使うのだが……これがかなり不快な顔をしている。
コンセプト的に、殴って気がとがめる顔でも困るのだが、それにしてもひどすぎる。
イラストはこの一種類しかなく、これが常に上画面で大写しなので非常にイラつく。

さてゲームを始めてみると、モグラが出てくる穴は9個なのだが、なんと1匹ずつしか出てこない。
同時に画面にいるのは2匹まで。偽物やフェイントなどの、ミスを誘う要素もないので、出てくるモグラを順番にただただ叩く単調な、砂を噛むような味気ないゲームとなる。
さらにモグラの初期速度がかなり遅く、スピードアップのペースもゆっくりなため、ミスが発生する程度に慌ただしい速度には、人にもよるが30分はかかる。
その間はずっと、ミスしようもないモグラ叩きを淡々続ける事になる。

「叩かれたターゲットにはユニークな効果がつく」とゲームの説明で述べられているが、
実際はユニークでも何でもないピンクのイボやら青あざやらイモリやらトカゲやらがランダムで顔にべたべた貼られていくだけ。
元からキモいイラストがさらにグロく、生理的嫌悪をもよおすレベルになる。
それが前述の通り、常に上画面に大写しなのだからたまらない。
タイトル通りに友人の顔写真でも使ってみようとするのなら、本体保存の写真は使えず、このソフト上で撮影するしかない。
保存も1枚しかできず、新しい写真を撮るなら前の写真を消すしかない。
そして写真を消すと、スコアの記録も消えてしまう。
タイトルにもなっている目玉機能を使うと、30分以上の単調な作業と気色悪い効果に耐えてようやく記録したスコアが警告一つ無く消去されるのだ。

ミスを4回するとゲームオーバーではなくクリアと表示されるこのゲームだが、確かにこんなゲー無をやっていれば、脳内の何か大切な物がクリアされてしまう事だろう。

もう1つのミニゲーム、というかミニゲーム集は「みんなの縁日」(バンダイナムコゲームス)。
縁日、バンナム、ミニゲーム集、のキーワードにあるクソゲーを思い出してしまう人もいるだろうが、別に移植でも続編でもない。
だが関係ないならクソゲーじゃないのかと思うと、残念ながら立派にクソゲーである。

7つのミニゲームが収録されているが、その中で面白いと言えるのはミニボウリングとスマートボールの2つのみ。
金魚すくいは何をやってもポイが破れる事はなく、ヨーヨー釣りのコヨリも同じ。
マーカーとターゲットが重なってる時に3DSをちょっと持ち上げるだけで釣れる。重なってなくても釣れる事すらある。
輪投げと射的はターゲットがふわふわと空中浮遊している謎シチュエーション。
輪投げに微妙な力加減は必要なく、射的は半自動の追尾があるので、テクニックは何もいらない。
ちなみに射的の操作ではマイクに息を吹く。それは射的でなく吹き矢だろう。
かき氷に至っては、3DSを回して氷を削りシロップをかけるだけ。どう考えてもゲームではない。
これら5つはゲームオーバーという概念が無い。モードが複数あるがどれも代わり映えが無く、収集要素があるもののゲームがつまらないのでモチベーションにならない。
最後は常に、疲労感とため息と共に自らBボタンを押してゲームを終わらせる事になる。

なおこの他に7つおまけゲームという物も入っているが、映像を万華鏡化するだけ、3DSのゲームコインで収集アイテムと引き替えられるお札を買う、など
ろくにゲームがない。まぁかき氷を思えば今更ではあるが。
面白いゲームもあるとはいえ、所詮ミニゲームレベルの面白さ。4000円近くを払う価値は全くない。
そもそもゲームの背景は3DSカメラの映像にエフェクトをかけただけで、縁日っぽさは皆無。
無理に縁日らしさを探すとすれば、値段に合わないこのぼったくり感ぐらいなものだろう。

さて、5本の候補が出揃ったところで、いよいよ2011年携帯機版KOTYを発表する事としよう。
今年一番のクソゲー、KOTYに選ばれたそのソフトは――「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」である。

確かにどのクソゲーもいずれ劣らぬひどさだ。
しかし当然ではあるが、一通りやればクソゲーだとわかる。
クソゲーとわかれば、後はやめてしまえばいいだけだ。それでもう、そのクソゲーからダメージを受ける事はない。
だが、シェルノサージュは「未完成」なのだ。
今はどう見てもクソゲーだが、DLCが揃って完結したら、パッチでバグが根絶したら、もしかしたら。
そんな錯覚からゲームをやめられず、延々とクソゲーに囚われ続ける。
希望を求めた結果、絶望に絡め取られるその様は、蜘蛛の巣に捕まった哀れな蝶のようである。
本来は欠陥である「未完成」を逆手にとって人々をクソゲーに縛りつけ続けるシェルノサージュは、累積ダメージという点で他の候補に勝る破壊力を有していると言えよう。

シェルノサージュについては、「ネットオンリーのゲームはネトゲ板で」というルールにも触れねばなるまい。
オンライン専用と銘打ってはいるものの、実はこのゲーム、イオンとの簡単なコミュニケーションならオフラインでもプレイ可能になっている。
そのためここでは「ネットオンリー」の条件には当たらないとした。
この解釈には異論のある者もいるかもしれない。
だが今年一番のクソゲーを決めるのがKOTYだ。
今年一番のクソだと思えるゲームがそこにある時、それを解釈の問題で除外する事にどんな得があるのだろうか?
少なくともそれは、KOTYスレにとってはマイナスでしかないだろう。

さて、2013年には「シェルノサージュ~失われた星に捧ぐ詩~RE:Incarnation」という、今までのDLCと最新パッチ、さらには追加要素など収録したソフトが発売されるそうだ。
一見すると完全版商法のようだが、これも未完成品である事は変わらない。
そもそもシェルノサージュ自体が「サージュ・コンチェルト」なるシリーズの第一弾と聞く。
いったいシリーズ完結はいつの日になる事やら……。

「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」
 「……いや、いいからとっとと終わらせてください」

総評案1.1(総評案1の差分)    

※シェルノサージュ部分

12度にわたるパッチでいくらかのバグは解消されたものの、逆にパッチで発生したバグもあり、手つかずで残る物も含め、未だエラー報告は絶える事がない。
プレイヤーが自衛で取ったバックアップデータに公式が対応する有様である。
バグ以外はどうなのかと言えば、このゲームはイオンという女の子とコミュニケーションするのと、シャールという小妖精を育成し使役するのが主となっている。
まずコミュニケーションだが、とにかく量が貧弱すぎる。
画面をトントン叩いて会話を試みても、イオンの体をお触りしてみても、日に10分程度のプレイでもすぐに同じセリフを見る羽目になる。
リアルタイム・ライフ・シュミレーション(パッケージの記述より)と銘打っており、イオンの日々の生活が見られるのだが、これもパターンが少なくすぐに飽きてしまう。
注目するのはせいぜい、イオンの胴体が伸びたり机から生えたりする時くらいか。(勿論バグ)
外出などされた日には眺めて退屈どころの話ではなく、一切のコミュニケーションが取れなくなる有様だ。
アップデートで徐々に量は増えているが、アップデート頻度が低いので焼け石に水。
というかコミュニケーションと言っても、ほとんどはイオンのセリフを一方的に聞かされるだけで、会話にはならない。
たまに選択肢が出る事もあるが、選択肢の量まで貧弱で、1つしかない事も珍しくない。選ぶ事が出来ないそれを選択肢と呼んでいいのかは疑問だが。

シャールはバーコードからキャラが生成されるのだが、生成に使う数字が国とメーカーを表す部分なので同じシャールばかりぞろぞろ作られ、
大勢に使われるシャールは契約に支払うポイントが高額化する仕様なので、新規プレイヤーはシャールとの契約が困難になってしまった。
救済のためシャール無料契約キャンペーンなども行われたが、そうなるともう誰かの強いシャールを雇えばいいだけで、育成もバランスも崩壊。
雇用のためのポイントを稼ぐ、というゲーム性も無くなってしまった。
シャールの主な仕事はシナリオロックの解除であり、「エロゲの体験版より少ない」と言われる、オートでも2時間半ない一本道シナリオを、少しでも長く保たせるための足かせであったはずだが、
強シャールなら解除に1日しかかからない。
シャールにはクエーサーを送るという仕事もあり、みんながサーバーに送ったクエーサーの累積量で特典が開放される……はずが、
ゲージを振り切っても「バグで本当は貯まってない」と開放を遅らせる事件が発生。
そうかと思えば貯まりきらない内に特典開放される事もあり、gdgdすぎる。

毎月配信のはずのDLCは2ヶ月1本のペースに遅延し、もういつ完結するのかも定かではない状態。
やきもきするプレイヤーをよそに、アップデートで会話が追加されたと思ったら、あなたに気持ちを伝えたいと本を書きだし
「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」とか苦労とあなたのためにをことさらアピール、プレイヤーに一択の「楽しみに待ってるよ」を言わせたあげく、
最後には「出来上がった本はコミケで買ってね(意訳)」と言い放つイオンちゃん。
ストーリー完結の作業はどこへやら、小遣い稼ぎにデート商法を始める前代未聞の展開には呆れるばかりだ。
それともこれが七次元のコミュニケーションなのだろうか。高度に発達しすぎて、三次元人にはクソゲーと見分けがつかないが。

※発表・受賞理由部分

さて、5本の候補が出揃ったところで、いよいよ2012年携帯機版KOTYを発表する事としよう。
今年一番のクソゲー、KOTYに選ばれたそのソフトは――「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」である。

いずれ劣らぬクソゲーたちの中で、シェルノサージュが栄冠を勝ち得たのは、その「未完成」さ故だ。
Wiiwareとはいえ2本分のゲームが入ったヘビーファイア、18禁より1人減ったがそれでも8人を攻略可能なPia4、
不快なグラフィックと30分の助走を我慢すればモグラ叩きにはなっているパシャットバシット、モードが複数ある大小14本のゲームらしき物が入っている縁日、
これらは質はともかく量はそれなりにあり、未完成品とは言い難い。完成形がひどかった、というだけだ。
だがシェルノサージュは「未完成」なのだ。
勿論ストーリーが未完成のまま売られる事は最初から告知されている(その売り方自体、賛否両論ではあったが)。買った者の多くは、その点に関しては納得していただろう。
しかしコミュニケーションも日に10分程度のプレイに耐えられないほどスカスカ、シャールはシナリオ解除に使う1日以外は単なる鑑賞物に堕する、そして言うまでもないがバグ。
そんな全方位に未完成である事にまで納得していただろうか?
しかも未完成である以上、今がクソゲーであってもDLCが揃って完結したら、パッチでバグが根絶したら、もしかしたら……そんな言い訳が成立してしまう。
そんな希望にすがりつく人々はしかし、いつまで経ってもクソゲーであるという現実に苦しめられ続けるのだ。
諦めずにもがく者こそ、より深い絶望に絡め取られるその様は、蜘蛛の巣に捕まった哀れな蝶のようである。
「未完成」であるが故に、人々にいつまでもクソゲーの苦しみを与え続けるシェルノサージュは、累積ダメージという点で他の候補に勝る破壊力を有していると言えよう。

シェルノサージュについては、「ネットオンリーのゲームはネトゲ板で」というルールにも触れねばなるまい。
オンライン専用と銘打ってはいるものの、実はこのゲーム、イオンとの簡単なコミュニケーションならオフラインでもプレイ可能になっている。
そのためここでは「ネットオンリー」の条件には当たらないとした。
この解釈には異論のある者もいるかもしれない。
だが今年一番のクソゲーを決めるのがKOTYだ。
今年一番のクソだと思えるゲームがそこにある時、それを解釈の問題で外す事にどんな得があるのだろうか?
少なくともそれは、KOTYスレにとってはマイナスでしかないだろう。

さて、2013年には「シェルノサージュ~失われた星に捧ぐ詩~RE:Incarnation」という、今までのDLCと最新パッチ、さらには追加要素など収録したソフトが発売されるそうだ。
一見すると完全版商法のようだが、これも未完成品である事は変わらない。
そもそもシェルノサージュ自体が「サージュ・コンチェルト」なるシリーズの第一弾と聞く。
いったいシリーズ完結はいつの日になる事やら……。

「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」
 「……いや、いいからとっとと終わらせてください」

総評案2(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

総評案2

2012年。
わずか二本のタイトルで大賞選びが行われた前年度、その少なさから携帯ゲームにおけるクソゲーはいよいよ枯渇したのかと危ぶまれた。
しかし一年を終えてみれば、そんな不安は些細な事であったと言えよう。
なぜならば、海の向こう、据置、はてには過去からと時空を超えて四方八方から魑魅魍魎が押し寄せ、
かつて無いほどのレベルの瘴気にスレ住人達はあてられる事になった。
年末に突如起きた選評ラッシュは昨年の据置版の様相を呈し、前年度の静けさが嘘だったかのような賑わいを見せた。

では、発売順にそれぞれの候補を紹介しよう:

まず先鋒に、『パシャットバシット~Whack A Friend~』(略:「パシャット」/アイシーエムジャパン)。

2月1日にDSiウェア専用ソフトで200ポイントで配信されたこのゲームは、DSi(または3DS)本体のカメラを使い、
撮影した顔を用いてモグラ叩きをするという内容。
タッチスクリーンで下画面に表示される的を叩いていくだけのシンプルなゲームだが、
プレイした者に昨年の覇者『対戦チンチロリン』に匹敵し「ゲー無」としての究極の到達点とまで言わしめたいわく付きの一本である。

具体的な問題点を見てみよう:
まずそのゲームの趣旨だが、サブタイトルを和訳すると「友人叩き」となり、この時点で制作者のセンスが鈍く輝く。
そしてタイトル画面以降ずっと上画面に表示される男性のイラストが、直接画面を叩き割りたくなるレベルで酷い。
これ以外に収録されているイラストは一枚も無い。写真機能を使えば別の映像に変えられるが、保存できるのは一枚のみ。
DSi本体から引っぱりだす事はできないため、サブタイ通りに「友人叩き」をしたいのであれば直接撮影をお願いするしかない。
言うまでもなくケンカの元にならないよう注意しなければならず、コンセプトからして何かが狂っている。

モグラ叩きとしても問題を抱えており、3x3マスの穴からはかならず一体ずつしか的は出ず、最高でも2つ同時にしか表示されない。
フェイントも偽物も無いため、延々と「出たらタッチ」を繰り返す事になる。
もはやゲームというよりも単純な反射運動となっているため、「的以外をタッチする」というミスは意図的にやらなければ発生せず、
疲れきって四回ミスするまでゲームは終わらない。
何十分と続くこの無意味な作業は「ゴールの見えないマラソン」「精神的シャトルラン」とまで言われている。

多少のスピードアップ以外に起きる変化と言えば上画面の顔への演出だが、公式がいう「ユニークな視覚効果」とは裏腹に、
イボや絆創膏、青あざにイモリがランダムに配置され、不快感を一気に加速させる。場合によっては蓮コラ並に気持ち悪い配置となるため、
金を払ってシャトルランをしグロ画像を見せられるという最悪の罰ゲームが待ち受けている。
しかし、これだけの苦労の末にハイスコアを叩き出しても、目玉機能の写真撮影をするだけでスコアが全て消えるというトドメが残されている。
この事は説明書には記載されておらず、代わりに「ミスは3回まで」と誤記が挿入されている。
しかし真に無へと帰す瞬間は、このゲームの改善版がItunesストアで無料で配信されている事に気付いた時だろう。
金も時間も友情も努力も全てを無にしてしまうこのゲー無は、200ポイントでも安易に手を出さない方がいい。

続いて5月24日、夏祭りシーズンを目前に控えた頃、過去からの亡霊が携帯へと蘇ってくる。
その名も『みんなの縁日』(略:「縁日」/バンダイナムコゲームス)。

かつてWiiロンチタイトルとして同社から発売され、2006年据置KOTYの次点に輝いた『縁日の達人』。
6年の沈黙を破り、装いも新たに3DSの機能をふんだんに使った携帯ゲームソフトととして帰ってきた
・・・と紹介すれば聞こえはいいものの、まったく異なるゲームデザインでありながら同じぐらいつまらないクソゲー集であった事が明らかになる。

縁日を題材とした7つのミニゲームと7つのおまけ、それにちなんだ景品を集める図鑑。
一見豪華そうに思えるが、いつぞやのおせち騒動を想起させるぐらいに中身がスカスカなのである。
ミニゲームのうち、まともに遊べるのは「ミニボウリング」と「スマートボール」ぐらいであり、残り五つは遊びと呼べるかすらも怪しいレベル。

「射的」と「輪投げ」はプレイヤーの周囲に浮遊する景品をジャイロ機能を使って入手するのが目的となるが、
背景は3DSのカメラ機能で撮った映像のため縁日の雰囲気は微塵も感じられない。
仮に本物の縁日でプレイした場合、弾を発射するためにひたすら息を吹きかけ、輪っかを投げるために3DSを揺らしまくる変質者にプレイヤーは早変わりするだろう。

「ヨーヨー釣り」と「金魚すくい」では糸が切れたりポイが破れる事もないので、せっかく残される記録に対しても達成感がまるで無い。
操作もマーカーに合わせて本体をただ上下すればいいだけで何の面白みもなく、金魚すくいにいたっては魚群探知機を眺めている気分になる。
それぞれ得られる景品が深海魚だったり日本地図の欠片や楽器だったりと多少は楽しませようとする工夫は感じられるものの、
元のゲームがただの作業でしかないのでそれらを入手する喜びは皆無と言ってもいい。

極めつけは最後のミニゲームであり、なんと3DS本体をぐるぐる回して作る「かき氷」が楽しめる
・・・わけでもなく、自ら画面を回転させることで映像がとてつもなく見づらくなり、
適当にシロップをかけたあとに「これは本当にゲームなのか」と思わず3DSの蓋を閉めたくなる。

この5本には明確なゴールもないため、プレイヤー自身がわざわざ終了ボタンを押さなければならない虚しさまで味わうことになる。
まともな2つのミニゲームも景品をコンプすればすぐに飽きてしまうあたり、これらは7本の「ゲー無集」の間違いではないのかと疑ってしまう。

上記のミニゲームよりまだマシと感じてしまう「日本じゅうだん」という名の新幹線ゲームを除けば、おまけも同様にしょぼい。
「お面」はカメラの映像にカツラやヒゲを8種類くっつけるだけの合成アプリ、「万華鏡」は文字通りカメラの映像を万華鏡化するだけ、
塗れる範囲が固定された自由度のない「砂絵」、なぜかある「プラネタリウム」など、存在価値があるのかさえよくわからないものも。
「お札交換」では図鑑をコンプするために3DSのゲームコインを景品と交換できるが、これによってミニゲームをプレイする意義がさらに無くなる。
そもそもゲームシステムの一部をおまけに入れてよいものなのかはさておき、
あえて褒めるとすれば「おみくじ」という名の前世占いに登場する巫女さんが可愛い事ぐらいだろうか。

こうして表舞台に舞い戻ってきた『みんなの縁日』だが、6年の間なにも学習していないばかりか次世代機の機能を完全に間違った形で使っているあたり、
余計悪化しているのではないかと疑問に思えてならない。同じ金額を使うなら、みんなで縁日に行った方がいいと結論づけられる事になる。

2009年には修羅の国から『戦国姫』が急襲し他のソフトを圧倒したことから「黒船」と呼ばれたが、
今回は北米市場からのリアル黒船が海の向こうから飛来する。
6月14日、突如やってきたその怪物の名は『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』(略:「重火」/ハムスター)

移動が全て固定され、決まったシーンで一人称視点での射撃を行うレールシューティング形式の本作。
同ジャンルに『タイムクライシス』などの名作が挙げられる一方で、
『デスクリムゾン』という妖怪がかつて存在していた事からも決して安心してはならない本作。
だが、部分的にとはいえ、かの征夷大将軍をも超える問題をこのゲームは抱えているのであった。


強制的に顔写真を撮られるセーブスロットを作成し終えると、パッケージを飾るいかつい兵士同様のイラストがメイン画面で出迎えてくる。
この時点でオプション項目がない事に気付くべきなのかもしれないが、
ストーリーを追う「キャンペーン」を選択した直後から始まる低クォリティな紙芝居に、プレイヤーは度肝を抜かれる。
話の流れもかなり雑で、どこかのアジトで大怪我をした後に突然南米でのゲリラ掃討を命じられ、そして唐突に人質救出にアフリカに飛ばされる。
核弾頭がある武器庫を爆破したり、人質がいる宮殿を空爆したりと、エリート部隊の仕事とは思えないことを平然とやってのける。
中学生のラクガキかと思うくらいチープな寸劇の後には、初代バーチャコップもビックリなくらいローポリな3D世界が待っている。
モッサリとしたスキップ不可のムービーの後に戦闘が始まる頃には、BGMが全く無い事に気付く。
正確には1ステージだけ音楽が付いているのだがなんとメイン画面と全く同じ物であり、この曲はEDでも使い回され、今時珍しい全1曲収録という事が判明する。
敵のモーションもお粗末であり、中には欽ちゃん走りで画面を駆け抜ける者まで登場する。
敵の種類も船(ステージ1限定)、ヘリ1機(ステージ7限定)、火炎放射機持ち(ステージ2~7限定)を除けば、全員色違いの同じものしかいない。
スタッフロールも手動でページをめくる等、あらゆる点で演出がおかしい。

しかしこれらはほんの飾りでしかなく、ほんとうの問題点はシューティング部分にある。
まず、回復アイテムがない。そしてチェックポイントもない。
よって一度でもライフを5つ失えば最初からやり直さなければならなく、ステージが長けば長くなるほどに難易度が激増する。
ところが、ステージごとの長さにばらつきがあり、ステージ1がいきなり8分もあるのに対し中盤以降に3分程度のものがあったりする。

弾丸を当ててくる敵の頭上に表示される「!」マークからの被ダメージまでの間隔にも問題があり、表示直後に命中させてきたり、
あるいは撃たずにどこかへと走り去ったりする。終盤では画面上に10人近い敵が表示されることもあり、とても一人では対処しきれない場面も多々ある。
そのため終盤の難易度は異様に高く、最強の武器を持ってしてもちょっとの油断でリスタートするハメになる。
また、警告マークが画面から見切れる、移動シーンで撃たずに素通りすると敵が消えるなど、調整不足も数え上げればきりがない。

武器に関しては、そもそもゲーム中は1丁しか持ち運べず、ハンドガンか連射系のどちらかしか選べない。
スナイパーライフルや銃座を使うシーンもあるが限定的であり、自由には切り替えられない。
また武器の耐久ゲージが下がると弾詰まりを起こしやすくなり、
突然画面に「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」とデカデカと表示されプレイを中断してくる。
回避するためには修理費が必要となるが、新しい武器を購入する妨げとなるので非常にうっとうしい。

システム面でも問題はある。「キャンペーン」は一度クリアすればデータを消さない限り二度とプレイできない、
「スコア」は3つのセーブスロットの最高得点しか表示しない、そもそもずっと画面上に得点が表示されているので「スコア」自体いらないなど、
明らかに不要な項目が存在している。タッチスクリーンでしか銃の照準は操作できず、オプションもないため操作変更もできない。

こうしたゲームそのものダメさ加減も相当なものだが、それをさらに悪化させているのがこのローカライズである。
元々DL専用ソフトだったものをカートリッジ化しているのだが、5ドルから5,000円近くまで値上げしている理由にはならないだろう。
付属された紙の説明書も1Pしかなく、内蔵版も警告文と会社紹介を除けばわずか5Pでボーナスポイントなど説明不足な部分も否めない。
たった1ページしかない日本の公式HPからは、開発元のHPにあったトレイラーは削除され極力ゲーム内容を見せない努力が見られる。

ゲームの仕様から販売方法まで、ありとあらゆる方向で絶大な火力を維持し突撃してきたその姿はまさに重苦しい炎の恥じない勇ましさであり、
バグに頼らないストロングスタイルは多いにスレ住人を盛り上げた。

そして10月25日。冬の足音が近づく中、再び時期外れなタイミングでとあるゲームがKOTYの舞台に戻ってくる。
ただし、据置版では惜しくも次点止まりとなってしまった前回と違い、今回は携帯ゲームとして生まれ変わった姿で。
その名も「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~」(略:「Pia4」/PIACCI)。
通常版と謳いながらも限定版がなかったXbox360版とは異なり、今度はきちんと限定版と同時発売された本作ではあるが、
元々KOTYの次点の選ばれるほどのゲームを丁寧に移植しただけなので、結局は同じレベルのクソゲーでしかない事があっさり判明する。

それでは、抜きゲーとしての価値のしかないと言われた大元からエロ要素を抜き、
誰得ゲーム状態であったXbox360版からさらに誰得な移植を果たした本作の概要を見ていこう

本作はPC(エロゲー)、Xbox360とPSPのマルチで移植された恋愛ゲーム。
大まかな物語は、「Piaキャロット」というファミレスで一か月働き、その間に8人のヒロインと仲良くなるという「恋愛シュミレーション(原文ママ)」。
タイトルの「恋活」を「バイト」と読むあたり、『パシャット』に近いセンスを感じずにはいられない。
そのセンスを色ごく反映したのか、プレイヤーの分身であるところの主人公の性格が非常に鬱陶しく、思考パターンにも問題がある。
ストーカー行為ともとれる犯罪ギリギリのことをやらかす一方、それによってヒロインと恋仲になるというとんでもないシナリオ展開がある。
こういったとんでもシナリオはほとんどのルートで存在する。 その原因の一つとして挙げられるのは、PC版からの単純なエロ要素の削除だ。
何の埋め合わせもなくPC版からごっそり絡みシーンを削除しているために前後の脈絡がなく、
「同僚と格闘ゲームをしていたら彼女になった」「いつのまにか従姉妹を妊娠させている」
「気付いたら実妹と肉体関係を結んでいた」などの超展開も待ち受けている。

しかし、これらの唐突すぎる展開も、単にライトユーザー向け移植による弊害だけでは片付けられない。
各シナリオも元から掘り下げが不十分であり、主人公がいてもいなくても何の問題もなかったり、
相手の父親を助けて付き合いを認めてもらうなどの使い古された手法を用いる等、非常につまらない展開がつづく。
さらにこのゲームは基本的なキャラ設定をイベント毎に更新しては無視するを繰り返し、一貫性のない主人公の設定もその鬱陶しさに拍車をかけている。
怪我で断念した陸上を再開すると宣言しながらも一向に何もしない主人公の姿勢は「走る走る詐欺」と呼ばれ、プレイヤー達のストレスを存分に加速させた。

シナリオ面での酷さもさることながら、システム面でもプレイヤーをたびたび苛つかせる仕様がプレイ環境を悪化させる。
入りたてのバイトがなぜかいきなり人事権を行使できるが、このことによりプレイヤーは好きに仕事を決定できる。
仕事の内容によってパラメーターが変化する育成SLGとなっているわけだが、
パラメーターによって途中のシナリオが変化するわけでもなく、それが影響するのはエンディング分岐のみとなっている。
体調がゼロになると強制的にゲームオーバーとなるが、最初に二回休んでおけばあとは何の問題もなくなるため、
足りない所を上げる仕事を適当に選ぶだけという単純作業に早変わりする。

仕事による各ヒロインの固有イベントも異様に少なく、なかには無いものさえいる。
一方で特定の日に同じ部署にいないと強制バッドエンドに突入するキャラもいるが、
こちらはなんとノーヒントとまさかの鬼畜仕様であり、セーブ&ロードまでもが必須となってくる。
さらにちょっとでもパラメーターが足らなければヒロインと密接な仲でもゲームオーバー直行なため、
肉体関係を持った実妹相手に「この一か月間仕事以外の記憶が無い」と言い放ち去っていく主人公の姿も拝める。
身に覚えのない妊娠やヤリ捨てEDなど、さっそく純粋な恋愛ゲームとはほど遠い内容となってくる。

シナリオやキャラ設定、システム面でも問題が山積している当作品だが、最後の砦となるグラフィックまでもがあっさり匙を投げる。
パッケージや公式HPのイラストからは想像もつかないほどの作画の崩壊ぶりがあちらこちらで散見しており、
プレイしたものに「テキストウインドの上はなるべく見ない方がいい」と言わしめる惨状となっている。
ヒラメのように顔が変形したキャラクターのみならず背景にまで不自然さが目立ち、競技場の中から木が生えていたり、
コピペや修正跡などの手抜きが素人でもわかるレベルで残されている。
キャラゲーとしてもシリーズファンから見放される原因はこういった手抜きにも原因があるのだろう。

相も変わらず全方位にクソをぶちまける結果となった本作ではあるが、バグが追加さたXbox360版からの移植に伴っていくつかの改善点はある。
バックログやスキップの仕様変更やインターフェースの全体的な見直し、バグの除去といった点は素直にいい仕事をしていると言えるかもしれない。
だが、そもそも存在自体がバグではないかと思われるシナリオとキャラクターが100%そのままの時点で、結局は重度のクソゲーでしかない。
いくら綺麗に装っても中身が相変わらずならば当然需要もほとんどないに等しく、あまりにも無駄な移植だったと言わざるを得ない。
あるいは、クソゲーの頂点を目指すためだけに舞い戻ってきたのではないかとさえ思えてくる。

こうして2012年度の四強が一同に年末に出そろったわけだが、長い期間それぞれの選評がとどかなった。
なぜならば携帯ゲームにおいては2つの大事件が巻き起こってしまい、
半年以上もの間当スレッドの機能が麻痺し避難所まで設けられる事態にまで発展したからだ。

その原因の一つが、かの『ラブプラス』の3DS版最新作『Newラブプラス』(略:「NLP」、コナミ、2/14発売)が巻き起こしたバグ騒動。
バレンタインデーに発売日を合わせたためか、数多くの不具合を抱えたままプレイヤー達の手に渡り、
多くのシリーズファンらを阿鼻叫喚の地獄にたたき落とした。
突発的に起きるフリーズによってゲームが中断され攻略対象の彼女との仲違いが発生する、
グラフィックがおかしくなるなどゲームの根幹部分に差し障るバグが目立った。
発売当時はまだ3DSにはゲームにパッチを当てる機能がなかったため、スレ内では大賞間違い無しとの意見が圧倒的大多数を占める。

しかし、3DS本体がまさかのパッチ対応可能になったため事態は急変し、当ゲームの扱いに柔軟性が求められる結果となった。
二回目のパッチとなるVer1.2を経て、致命的なバグの除去、インターフェースの改善、
ゲームスピードの調整がなされるなどの対応が取られ、一部に細かいバグが残されている状態ではありながらも騒動は概ね収拾される。
少なくともギャルゲーとしてみた場合残されたバグを含めたとしても、
シナリオ自体が修正不可能なまでにバグっている『Pia4』とは比較できるようなレベルではないだろう。

その一方で、今度はPSVitaで発売された『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』(略:『シェルノ』、ガスト、4/26)がバグ騒動を引き起こし、
『NLP』の一件と相まって騒ぎを拡大することとなる。
ヒロインの映像がおかしくなる、フリーズによるプレイ不能、データが破損するなど凶悪なバグが頻繁に発生し、
パッチが配布されては新たなバグが発生するといったどこぞの麻雀ゲームの様相を呈した。
元々DLCでストーリーの続きが拡張される予定だったためか収録されている攻略内容は薄く、
バグ対応によって予定されたDLCが次々と延期を繰り返した結果、話がほとんど進まないまま年末を迎える事となった。
度重なるパッチ配布によってゲーム単体の重大なバグはそこそこ落ち着きを見せるものの、
C2をはじめとしたVita本体によるソフトウェアやアプリへのバグが依然として残っている。
プレイ環境による発生率の差にあまりにも開きがあるため、どこまでがゲーム機側の責任で、
どこまでがソフト会社の責任なのかの線引きが困難な状況に陥ってしまった。

しかし、仮にバグを抜きにしてても、記憶喪失のヒロインとのコミュニケーションや妖精の育成等の要素が「ゲー無」としては
『みんなの縁日』や『パシャット』のレベルには及ばず、ギャルゲーにしても『Pia4』の惨状にはほど遠く、
DLC商法も雑誌等で事前告知がある点で『ヘビーファイア』の10倍値上げとどちらが酷いか等、クソゲーとしてもかなり微妙なラインに立ってしまう。
オンラインゲームとしての側面や年越しのDLC配信によるストーリーの延長、
発生条件があまりにも不明虜なバグにより、結局スレでは悪い意味で扱いきれず、
たとえ扱えたとしても他に挙っている候補に太刀打ちすらできないと判断され、最終的にはクソゲーとしてもいらない子となってしまった。

こうした散々な扱いを受けてはいるものの、当スレッドを一年中引っ掻き回した張本人たちである事には間違いない。
この二作が巻き起こした騒動のおかげでほぼ一年間、大賞候補となりえる選評が到着する事はなかった。
しかし、この停滞しきった息苦しい雰囲気の中、颯爽と現れ当スレッドを一瞬にして炎の海に変えてしまった猛者がいる。

4つの大賞候補最初の特攻隊長にしてKOTYの歴史に新たな一石を投じたその作品、『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』。
大騒動を巻き起こした『NLP』『シェルノ』の二大タイトルを前にして、
「引き立て役ごくろう」とあざ笑うかのように話題をかっさらっていったその堂々っぷりを讃え、2012年携帯版KOTY大賞の栄冠を送りたい。

『重火』を大賞に推す理由は、やはりその全方向に圧倒的な火力でクソを撃ち込む姿勢にあるだろう。
まずグラフィックにおいては、総合的な酷さにでは『Pia4』も十分張り合えるのだが、
やはり『重火』の紙芝居のクォリティは抜群に低く、こと背景においてはもはや手抜きなんてレベルをとうに超えている。
気持ち悪さでいえば『パシャット』に軍配が上がる所だが、写真機能を使えばとりあえず別のもの差し替えられるあたり、
そもそもデータ保存時以外は何の役にも立っていない『重火』の写真撮影もここぞとばかりに鈍く輝く。

BGMでは『パシャット』でさえメイン画面とゲーム画面で二種類とある以上、
『重火』の1曲収録はもはや擁護不可能なレベルである。

単純作業という点では、実は『パシャット』『縁日』とも共通点がある。
『重火』では敵以外は基本的に動かないため、「動いたものを撃てばいい」という単純な反射運動に陥り爽快感がかなり失われる。
しかし、所々で敵と見分けの付かない味方が出てきては誤射を誘発するあたり、余計なものを『パシャット』からぶんどってきたのではないかとさえ思えてくる。

また同じ3DS作品として比べた場合、間違った方向でとはいえジャイロ機能や写真機能を使おうとする努力が伺える『縁日』に対し、
プレイヤーに「邪魔なだけ」と言われた弾詰まりやプロフ写真ぐらいでしか本体機能を使えてない『重火』。
いったい3DSに何をしに来たのかと思わず問いたくなる。

成長要素としての武器の収拾や改造も、もっとも効率がよく安全な方法が「ステージ1を何度も繰り返す」という苦行そのものであり、
『Pia4』のSLGパートともいい勝負をしている。ゴールが見えている分『縁日』『パシャット』よりもマシかもしれないが、
成長しきった最強武器でも最終ステージがクリアできないかもしれないという絶望感は異常としか言えない。
そしてクリアできたとしても、投げっ放しなEDを見せられた上にストーリーが二度と見れなくなるため、
それまでの努力が無駄になる「ゲー無」としての素質も垣間みれる。

移植作品としてみた場合、『Pia4』は直すべき所を全く直してはいないが、一応はインターフェース等での改善点が見られる。
一方で『重火』は、Wiiware版からの「2P削除」「武器削除」「ゲームバランス崩壊」「操作性悪化」「グラフィックの劣化」「どうでもいいシナリオ追加」と、
移植としてやってはいけないお手本を次から次へとやらかしている。

プロモーションの仕方でも、公式HPを1Pしか用意しない手抜きはともかく、
一応はニンテンドーeshopでプレイ映像が見えるので回避する手だてがある『パシャット』に対し、
開発元まで飛ばなければPVすら見られない点も見逃せないだろう。
特に『縁日』『パシャット』『Pia4』と仕様通りの素材をCMに使っているのに対し、
「ゲーム中に存在しないBGMを使う」、「画面を小さく表示して粗を隠す」、
「映像を加速させる」などのせこい手を使っているのはさすがとしか言えない。
それに付随してローカライズによる「読みづらいフォントの日本語訳」、「10倍値上げ」とさらなる疾走も見せてくれる。

バグ以外は全てがクソという清々しいまでのその姿は、歴代の覇者達にも引けを取らない風格を存分に見せつけてくれた。
誰もが予期しなかった海外からの襲撃は、停滞する日本のゲーム業界に「これがクソゲーだ!」と思い出させに来たのだろうか。
何はともあれ、据置版同様にクソゲー界に新たな風を吹かせた当作品は、2012年最強のクソゲーの名に恥じない健闘ぶりを披露し、
洋ゲーという新たな道を我々に示してくれたのである。

本年度の携帯板におけるKOTYは混迷そのものであったと言えよう。
大物タイトルでも焦って販売すれば話題作入りするリスクを露呈する一方で、パッチ等の対応を柔軟に検証するべきとの反省を促す形となった。
しかしその裏では、注目されていた2010年度覇者『覇王鬼帝』の続編がまさかの良ゲー化という、
まさに前回の反省を活かした形でのカムバックを見せてくれた。
かと思えば、昨年の据置での扱いを全く顧みずほとんどそのままの形で携帯板に来場した『Pia4』や、
6年前とは全く違う方向で自爆する『みんなの縁日』など、反省の方向音痴を見せてしまう困ったちゃんがいたのも事実。
2012年はスレ内外ともども、「反省」とは一体なんなのかを痛いほど考えさせられる一年となった

・・・が「そんな事よりクソゲーしようぜ」と全く空気を読まずに乱入し、
瞬く間にスレを火の海へと変えてしまった『ヘビーファイア』の火力はやはり圧倒的だったと言えるだろう。
据置、携帯双方で洋ゲーという新しい旋風を巻き起きしたその実績(禍根)はあまりにも大きく、
ローカライズ作品への道を開拓したことは今後のクソゲーへの希望となるかもしれない。
少なくとも、説明書のイラストを次回作『シャッタード・スピア』のHPに使い回しているあたり、こちらは反省する気はさらさら無いようである。

そんな『ヘビーファイア』の登場人物からの一言を拝借して、今年度の締めとさせていただきたい:

「で、お前達のクソゲーはどこだ?」

総評案2.1(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

2012年。

わずか二本のタイトルで大賞選びが行われた前年度、その少なさから携帯ゲームにおけるクソゲーはいよいよ枯渇したのかと危ぶまれた。
しかし一年を終えてみれば、そんな不安は些細な事であったと言えよう。
なぜならば、海の向こう、据置、はてには過去からと時空を超えて四方八方から魑魅魍魎が押し寄せ、
かつて無いほどのレベルの瘴気にスレ住人達はあてられる事になった。
年末に突如起きた選評ラッシュは昨年の据置版の様相を呈し、前年度の静けさが嘘だったかのような賑わいを見せた。

では、発売順にそれぞれの候補を紹介しよう:

まず先鋒に、『パシャットバシット~Whack A Friend~』(略:「パシャット」/アイシーエムジャパン)。

2月1日にDSiウェア専用ソフトで200ポイントで配信されたこのゲームは、DSi(または3DS)本体のカメラを使い、
撮影した顔を用いてモグラ叩きをするという内容。
タッチスクリーンで下画面に表示される的を叩いていくだけのシンプルなゲームだが、
プレイした者に昨年の覇者『対戦チンチロリン』に匹敵し「ゲー無」としての究極の到達点とまで言わしめたいわく付きの一本である。

サブタイトルを和訳すると「友人叩き」となり、この時点で制作者のセンスが鈍く輝く。
上画面に表示されるデフォルトのイラストが画面を直接叩き割りたくなるぐらい酷く、収録されているのはこの一枚のみ。
写真機能を使えば別の映像に変えられるが、保存できるのも一枚のみ。 DSi本体から引っぱりだす事すらできない。

モグラ叩きとしても問題を抱えており、3x3マスの穴からはかならず一体ずつしか的は出ず、最高でも2つ同時にしか表示されない。
フェイントも偽物も無く延々と「出たらタッチ」を繰り返す反射運動となるため、
「的以外をタッチする」というミスは意図的にやらなければ発生せず、 四回ミスして「クリア」扱いになるまでゲームは終わらない。
何十分と続くこの無意味な作業は「ゴールの見えないマラソン」「精神的シャトルラン」とまで言われる。

多少のスピードアップ以外に上画面の顔がすこしずつ変化するも、公式がいう「ユニークな視覚効果」とは裏腹に、
イボや絆創膏などがランダムに配置され、不快感を一気に加速させる。場合によっては蓮コラ並に気持ち悪い配置となるため、
金を払ってシャトルランをしグロ画像を見せられるという最悪の罰ゲームが待ち受けている。
これだけの苦労の末にハイスコアを出しても、写真撮影をするだけでスコアが全て消えるというトドメが残されている。
この事は説明書には記載されておらず、代わりに「ミスは3回まで」と誤記が挿入されている。
しかし真に無へと帰す瞬間は、このゲームの改善版がItunesストアで無料で配信されている事に気付いた時だろう。
金も時間も友情も努力も全てを無にしてしまうこのゲー無は、200ポイントでも安易に手を出さない方がいい。

続いて5月24日、夏祭りシーズン直前。

2006年据置KOTYの次点に輝いた『縁日の達人』(バンダイナムコゲームス)が6年の沈黙を破り、
装いも新たに3DSの機能をふんだんに使った『みんなの縁日』 (略:「縁日」)として帰ってきた 。
しかしその実態は、異なるゲームデザインでありながら同じぐらいつまらないゲー無集であった。

縁日を題材とした7つのミニゲームとおまけ、それにちなんだ景品を集める図鑑。
一見豪華そうに思えるが、いつぞやのおせち騒動を想起させるぐらいに中身がスカスカなのである。
ミニゲームのうち、まともに遊べるのは2つぐらいであり、残り5つは遊びと呼べるかすらも怪しい。

「射的」と「輪投げ」はプレイヤーの周囲に浮遊する景品をジャイロ機能を使って入手するのが目的となるが、
背景は3DSのカメラ機能で撮った映像のため、縁日の雰囲気は微塵も感じられない。
「ヨーヨー釣り」と「金魚すくい」では糸が切れたりポイが破れる事もないので、残される記録に対しても達成感がまるで無い。
マーカーに合わせて本体をただ上下すればいいだけで何の面白みもなく、金魚すくいにいたっては魚群探知機を眺めている気分になる。
それぞれのゲームで得られる景品で楽しませようとする工夫は感じられるものの、 元のゲームがただの単純作業では入手する喜びは皆無と言っていい。
極めつけは最後のミニゲームであり、なんと3DS本体をぐるぐる回して作る「かき氷」が楽しめる
・・・わけでもなく、自ら画面を回転させることで映像がとてつもなく見づらくなり、
適当にシロップをかけたあとに「これは本当にゲームなのか」と思わず本体の蓋を閉めたくなる。

この5本には明確なゴールもないため、プレイヤー自身がわざわざ終了ボタンを押さなければならない虚しさまで味わうことになる。
まともな2つのミニゲームも、景品をコンプすればすぐに飽きてしまう内容となっている。

上記のミニゲームよりまだマシと感じてしまう「新幹線ゲーム」を除けば、おまけも同様にしょぼい。
「お面」はカメラの映像にカツラやヒゲをくっつけるだけの合成アプリ、「万華鏡」はカメラ映像を万華鏡化するだけ、
塗れる範囲が固定された自由度のない「砂絵」、なぜかある「プラネタリウム」など、存在価値があるのかさえよくわからないものも。
「お札交換」では図鑑をコンプするために3DSのゲームコインを景品と交換できるが、これによってミニゲームをプレイする意義がさらに無くなる。
あえて褒めるとすれば「おみくじ」に登場する巫女さんが可愛い事ぐらいだろうか。

こうして6年ぶりに表舞台に舞い戻ってきた『みんなの縁日』だが、3DSの機能を間違った形で使って余計に悪化していると言われる始末。
同じ金額を使うなら、みんなで縁日に行った方がいいと結論づけられる事に。


そして6月14日、かつて修羅の国から『戦国姫』が突如急襲してきたことから「黒船」と呼ばれたが、
今度は北米市場からのリアル黒船『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』(略:「重火」/ハムスター) が襲来した。

移動が全て固定され、決まったシーンで一人称視点での射撃を行うレールシューティング形式の本作。
同ジャンルに『タイムクライシス』などの名作が挙げられる一方で、
『デスクリムゾン』という妖怪が存在していた事からも決して安心してはならない。

強制的に顔写真を撮られるセーブスロットを作成すると、いかつい兵士のイラストがメイン画面で出迎えてくる。
この時点でオプション項目がない事に気付くべきなのかもしれないが、
「キャンペーン」を選択した直後から始まる中学生のラクガキかと思うくらいチープな紙芝居に、プレイヤーは度肝を抜かれる。
ストーリーも粗雑で、どこかのアジトで大怪我をした後に南米でのゲリラ掃討を命じられ、そして唐突に人質救出にアフリカに飛ばされる。
核弾頭がある武器庫を爆破したり、人質がいる宮殿を空爆したりと、エリート部隊の仕事とは思えないことを平然とやってのける。
3Dのグラフィックも初代バーチャコップ並であり、 スキップ不可のムービーの後に戦闘が始まる頃には BGMが全く無い事に気付く。
正確には1ステージだけ音楽が付いているのだがメイン画面と全く同じ物であり、この曲はEDでも使い回され、今時珍しい全1曲収録という事が判明する。
敵のモーションもお粗末であり、中には欽ちゃん走りで画面を駆け抜ける兵士まで登場する。
敵の種類も一部例外を除けば、全員色違いの同じものしかいなく、スタッフロールも手動でページをめくる等、あらゆる点で演出がおかしい。

しかし、本当の問題はシューティング部分にある。
まず、回復アイテムがない。そしてチェックポイントもない。
よって一度でもライフを5つ失えば最初からやり直さなければならなく、ステージが長けば長くなるほどに難易度が激増する。
ところが、ステージ1がいきなり8分もあるのに対し中盤以降に3分程度のものがあったりとバラつきがひどい。

弾丸を当ててくる敵の頭上に表示される「!」マークからの被ダメージまでの間隔も、表示直後に命中させたり、 撃たずにどこかへと走り去ったりもする。
終盤では画面上に10人近い敵が表示されることもあり、とても一人では対処しきれない場面もある。
そのため終盤の難易度は異様に高く、最強の武器を持ってしてもちょっとの油断でリスタートするハメになる。
また、警告マークが画面から見切れる、移動シーンで撃たずに素通りすると敵が消えるなど、調整不足も数え上げればキリがない。

武器はハンドガンか連射系のどちらか1丁しか持ち運べず、狙撃銃や銃座を使うシーンは限定されるため自由には切り替えられない。
また武器の耐久ゲージが下がると弾詰まりを起こしやすくなり、
突然画面に「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」とデカデカと表示されプレイを中断してくる。
回避するためには修理費が必要となるが、新しい武器を購入する妨げとなる。

システム面でも問題はある。「キャンペーン」は一度クリアすればデータを消さない限り二度とプレイできない、
「スコア」は3つのセーブデータの最高得点しか表示せず、そもそも画面上に得点が表記されるので「スコア」自体いらないなど、
明らかに不要な項目が存在している。タッチスクリーンでしか銃の照準は操作できず、オプションもないため操作変更もできない。

こうしたゲームそのもののダメさ加減をさらに悪化させているのが、本作のローカライズである。
元々DL専用ソフトだったものをカートリッジ化しているのだが、5ドルから5,000円近くまで値上げしている理由にはならないだろう。
付属された紙の説明書も1Pしかなく、内蔵版も警告文と会社紹介を除けばわずか5Pでボーナスポイントなど説明不足な部分も否めない。
たった1ページしかない日本の公式HPからは、開発元のHPにあったトレイラーは削除され極力ゲーム内容を見せない努力が見られる。

ゲームの仕様から販売方法まで、あらゆる方向で絶大な火力を維持しながら突撃してきたその姿は勇ましくもあり、
バグに頼らないストロングスタイルは黒船としての実力を存分に見せつけたのであった。


そして10月25日。冬の足音が近づく中、再び時期外れなタイミングでとあるゲームがKOTYの舞台に戻ってくる。
その名も「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(略:「Pia4」/PIACCI)。
通常版と謳いながらも限定版がなかったXbox360版とは異なり、今度は限定版と同時発売された本作ではあるが、
元々KOTYの次点に選ばれるほどのゲームを移植しただけなので、結局は同じレベルのクソゲーでしかない事があっさり判明する。

本作はPC(エロゲー)、Xbox360とPSPのマルチで移植された恋愛ゲーム。
大まかな物語は、「Piaキャロット」というファミレスで一か月間働き、8人のヒロインと仲良くなるという「恋愛シュミレーション(原文ママ)」。
まず、プレイヤーの分身である主人公の性格が非常に鬱陶しく、思考パターンにも問題がある。
ストーカー行為ともとれる犯罪ギリギリのことをやらかす一方、それによってヒロインと恋仲になるというとんでもないシナリオ展開がある。
こういったとんでも展開はほとんどのルートで存在し、その原因の一つとして挙げられるのが PC版からの単純なエロ要素の削除だ。
何の埋め合わせもなくPC版から絡みシーンを削除したためか前後の脈絡がなく、 「同僚と格闘ゲームをしていたら彼女になった」
「いつのまにか従姉妹を妊娠させている」 「気付いたら実妹と肉体関係を結んでいた」などの超展開もある。

しかしこれも、単にライトユーザー向け移植による弊害だけでは片付けられない。
各シナリオも元から掘り下げが不十分であり、主人公の存在が空気化したり、 恋愛ゲームで使い古された手法を乱発する等、つまらなさに拍車をかける。
さらに何度もキャラ設定をイベント毎に更新しては無視し、一貫性のない主人公の設定もその鬱陶しさを増幅させている。
怪我で断念した陸上を再開すると宣言しながらも一向に何もしない主人公の姿勢は「走る走る詐欺」と呼ばれ、プレイヤー達のストレスを存分に加速させた。

また、システム面でもプレイヤーをたびたび苛つかせる仕様がプレイ環境を悪化させる。
入りたてのバイトがなぜかいきなり人事権を行使できるが、仕事の内容によってパラメーターが変化する育成SLGとなっている。
が、パラメーターによって途中のシナリオが変化することもなく、それが影響するのはエンディング分岐のみとなっている。
体調がゼロになるとゲームオーバーとなるが、最初に二回休んでおけばあとは何の問題もなくなるため、
足りない所を上げる仕事を適当に選ぶだけという単純作業に早変わりする。

仕事による各ヒロインの固有イベントも異様に少なく、なかには無いものさえいる。
一方で特定の日に同じ部署にいないと強制バッドエンドに突入するキャラもいるが、
こちらはノーヒントとまさかの鬼畜仕様であり、セーブ&ロードまでもが必須となってくる。
さらにちょっとでもパラメーターが足らなければヒロインと密接な仲でもゲームオーバー直行なため、
肉体関係を持った実妹相手に「この一か月間仕事以外の記憶が無い」と言い放ちながら去っていく主人公の姿も拝める。

その一方で、当作品の最後の砦とも言うべきグラフィックまでもがあっさり匙を投げる。
作画の崩壊はあちらこちらで散見し、 プレイしたものに「テキストウインドの上はなるべく見ない方がいい」と言わしめる惨状となっている。
ヒラメのように顔が変形したキャラクターのみならず背景にまで不自然さが目立ち、競技場の中から木が生えていたり、
コピペや修正跡などの手抜きが素人でもわかるレベルで残されている。

相も変わらず全方位にクソをぶちまける結果となった本作ではあるが、バグが追加さたXbox360版からの移植に伴っていくつかの改善点はある。
バックログやスキップの仕様変更やインターフェースの全体的な見直し、バグの除去といった点は素直にいい仕事をしていると言えるかもしれない。
だが、そもそも存在自体がバグではないかと思われるシナリオとキャラクターが100%そのままの時点で、結局は重度のクソゲーでしかない。
いくら綺麗に装っても中身が相変わらずならば当然需要もほとんどないに等しく、あまりにも無駄な移植だったと言わざるを得ない。
あるいは、クソゲーの頂点を目指すためだけに舞い戻ってきたのではないかとさえ思えてくる。

こうして2012年度の四強が一同に年末に出そろったわけだが、長い期間それぞれの選評がとどかなった。
なぜならば携帯ゲームにおいて2つの大事件が巻き起こってしまい、
半年以上もの間当スレッドの機能が麻痺し避難所まで設けられる事態にまで発展したからだ。

その原因の一つが、『Newラブプラス』が巻き起こしたバグ騒動。
バレンタインデーに発売日を合わせたためか、数多くの不具合を抱えたままプレイヤー達の手に渡り、
多くのシリーズファンらを阿鼻叫喚の地獄にたたき落とした。
突発的に起きるフリーズによってゲームが中断され攻略対象の彼女との仲違いが発生する、
グラフィックがおかしくなるなどゲームの根幹部分に差し障るバグが目立った。
しかし、3DS本体がまさかのパッチ対応可能になったため事態は急変し、二回のパッチを経て致命的なバグの除去、インターフェースの改善、
ゲームスピードの調整がなされるなどの対応が取られ、一部に細かいバグが残されている状態ではありながらも騒動は概ね収拾される。
少なくともギャルゲーとしてみた場合、シナリオ自体が修正不可能なまでにバグっている『Pia4』とは比較できるようなレベルではなくなった。

その一方で、今度はPSVitaで発売された『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』がバグ騒動を引き起こし、 上記の一件と相まって騒動を拡大する。
映像がおかしくなる、フリーズ、データ破損などのバグが頻繁に発生し、 パッチが配布されては新たなバグが発生する事態に陥った。
元々DLCでストーリーの続きが拡張されるためか収録されている内容は薄く、 バグ対応によってDLCが延期のため話がほとんど進まないまま年末を迎える事となった。
しかし、C2をはじめとしたVita本体によるソフトウェアやアプリへのバグが依然として残っているものの、
プレイ環境による発生率の差にあまりにも開きがあり、再現性の不確定さからクソ要素としての扱いには慎重にならざるを得なくなった。
そして度重なるパッチ配布によってゲーム単体の重大なバグはそこそこ落ち着きを見せ、アップデートによるストーリーや台詞の拡張も2012年内に成された
その結果、「ゲー無」としては 『みんなの縁日』や『パシャット』のレベルには及ばず、ギャルゲーとしても『Pia4』の惨状にはほど遠く、
DLC商法も雑誌等で事前告知がある点で『ヘビーファイア』の10倍値上げとどちらが酷いかなど様々な検証を続けた末、
後に出そろった4強と比較すると騒ぎの割にはさほどの事でもなかったと判断される。


しかし、この二作が巻き起こした騒動のおかげでほぼ一年間、大賞候補となりえる選評が到着する事はなかったのも事実である。
そしてこの大騒動を巻き起こした二大タイトルを前にして、当スレッドを一瞬にして炎の海に変えてしまった『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』。
「引き立て役ごくろう」とあざ笑うかのように話題をかっさらっていったその堂々っぷりを讃え、2012年携帯版KOTY大賞の栄冠を送りたい。

『重火』を大賞に推す理由は、やはりその全方向に圧倒的な火力でクソを撃ち込む姿勢にあるだろう。
まずグラフィックにおいては、総合的な酷さでは『Pia4』も十分張り合えるのだが、
『重火』の紙芝居のクォリティは抜群に低く、こと背景においてはもはや手抜きなんてレベルをとうに超えている。
気持ち悪さでいえば『パシャット』に軍配が上がる所だが、写真機能を使えばとりあえず別のもの差し替えられるあたり、
そもそもデータ保存時以外は何の役にも立っていない『重火』の写真撮影もここぞとばかりに鈍く輝く。

BGMでは『パシャット』でさえメイン画面とゲーム画面で二種類とある以上、 『重火』の1曲収録はもはや擁護不可能なレベルである。

単純作業という点では、『重火』では敵以外は基本的に動かないため、「動いたものを撃てばいい」という『パシャット』『縁日』同様の反射運動に陥り爽快感が失われる。
しかし、所々で敵と見分けの付かない味方が出てきては誤射を誘発するあたり、余計なものを『パシャット』からぶんどってきたのではないかとさえ思えてくる。

また同じ3DS作品として比べた場合、間違った方向でとはいえジャイロ機能や写真機能を使おうとする努力が伺える『縁日』に対し、
プレイヤーに「邪魔なだけ」と言われた弾詰まりやプロフ写真ぐらいでしか本体機能を使えてない『重火』。
いったい3DSに何をしに来たのかと思わず問いたくなる。

成長要素としての武器の収拾や改造も、もっとも効率がよく安全に行う方法が「ステージ1を何度も繰り返す」という苦行そのものであり、
ゴールが見えている分『縁日』や『パシャット』よりもマシかもしれないが、 成長しきった最強武器でもクリアできないかもしれないという絶望感は異常としか言えない。
そしてクリアできたとしても、投げっ放しなEDを見せられた上にストーリーが二度と見れなくなるため、
それまでの努力が無駄になる「ゲー無」としての素質も垣間みれる。

移植作品としてみた場合、『Pia4』は治すべき所を全く治していないが、インターフェース等での改善点が見られる。
一方で『重火』は、Wiiware版からの「2P削除」「武器削除」「ゲームバランス崩壊」「操作性悪化」「グラフィックの劣化」「どうでもいいシナリオ追加」と、
移植としてやってはいけないお手本を次から次へとやらかしている。

プロモーションの仕方でも、公式HPを1Pしか用意しない手抜きはともかく、
一応はニンテンドーeshopでプレイ映像が見えるので回避する手だてがある『パシャット』に対し、
開発元まで飛ばなければPVすら見られない点も見逃せないだろう。
特に『縁日』『パシャット』『Pia4』と仕様通りの素材をCMに使っているのに対し、
「ゲーム中に存在しないBGMを使う」、「画面を小さく表示して粗を隠す」、
「映像を加速させる」などのせこい手を使っているのはさすがとしか言えない。
それに付随してローカライズによる「読みづらいフォントの日本語訳」、「10倍値上げ」とさらなる疾走も見せてくれる。

バグ以外は全てがクソという清々しいまでのその姿は、歴代の覇者達にも引けを取らない風格を存分に見せつけてくれた。
誰もが予期しなかった海外からの襲撃は、停滞する日本のゲーム業界に「これがクソゲーだ!」と思い出させに来たのだろうか。
何はともあれ、据置版同様にクソゲー界に新たな風を吹かせた当作品は、2012年最強のクソゲーの名に恥じない健闘ぶりを披露し、
洋ゲーという新たな道を我々に示してくれたのである。

本年度の携帯板におけるKOTYは混迷そのものであったと言えよう。
大物タイトルでも焦って販売すれば話題作入りするリスクを露呈する一方で、パッチ等の対応を柔軟に検証するべきとの反省を促す形となった。
しかしその裏では、注目されていた2010年度覇者『覇王鬼帝』の続編がまさかの良ゲー化という、 まさに前回の反省を活かした形でのカムバックを見せてくれた。
かと思えば、昨年の据置での扱いを全く顧みずほとんどそのままの形で携帯板に来場した『Pia4』や、
6年前とは全く違う方向で自爆する『みんなの縁日』など、反省の方向音痴を見せてしまう困ったちゃんがいたのも事実。
2012年はスレ内外ともども、「反省」とは一体なんなのかを痛いほど考えさせられる一年となった

・・・が「そんな事よりクソゲーしようぜ」と全く空気を読まずに乱入し、
瞬く間にスレを火の海へと変えてしまった『ヘビーファイア』の火力はやはり圧倒的だったと言えるだろう。
据置、携帯双方で洋ゲーという新しい旋風を巻き起きしたその実績(禍根)はあまりにも大きく、
ローカライズ作品への道を開拓したことは今後のクソゲーへの希望となるかもしれない。
少なくとも、次回作『シャッタード・スピア』が早くも悪化した姿を見せているあたり、こちらは反省する気はさらさら無いようである。

そんな『ヘビーファイア』の登場人物からの一言を拝借して、今年度の締めとさせていただきたい:

「で、お前達のクソゲーはどこだ?」

総評案2.3(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

※案2.2本文+案4結句の合成

2012年。

わずか二本のタイトルで大賞選びが行われた前年度、その少なさから携帯ゲームにおけるクソゲーはいよいよ枯渇したのかと危ぶまれた。
しかし一年を終えてみれば、そんな不安は些細な事であったと言えよう。
なぜならば、海の向こう、据置、はてには過去からと時空を超えて四方八方から魑魅魍魎が押し寄せ、
かつて無いほどのレベルの瘴気にスレ住人達はあてられる事になった。
年末に突如起きた選評ラッシュは昨年の据置版の様相を呈し、前年度の静けさが嘘だったかのような賑わいを見せた。

では、発売順にそれぞれの候補を紹介しよう:

まず先鋒に、『パシャットバシット~Whack A Friend~』(略:「パシャット」/アイシーエムジャパン)。

2月1日にDSiウェア専用ソフトで200ポイントで配信されたこのゲームは、DSi(または3DS)本体のカメラを使い、
撮影した顔を用いてモグラ叩きをするという内容。
タッチスクリーンで下画面に表示される的を叩いていくだけのシンプルなゲームだが、
プレイした者に昨年の覇者『対戦チンチロリン』に匹敵し「ゲー無」としての究極の到達点とまで言わしめたいわく付きの一本である。

サブタイトルを和訳すると「友人叩き」となり、この時点で制作者のセンスが鈍く輝く。
上画面に表示されるデフォルトのイラストが画面を直接叩き割りたくなるぐらい酷く、収録されているのはこの一枚のみ。
写真機能を使えば別の映像に変えられるが、保存できるのも一枚のみ。 DSi本体から引っぱりだす事すらできない。

モグラ叩きとしても問題を抱えており、3x3マスの穴からはかならず一体ずつしか的は出ず、最高でも2つ同時にしか表示されない。
フェイントも偽物も無く延々と「出たらタッチ」を繰り返す反射運動となるため、
「的以外をタッチする」というミスは意図的にやらなければ発生せず、 四回ミスして「クリア」扱いになるまでゲームは終わらない。
何十分と続くこの無意味な作業は「ゴールの見えないマラソン」「精神的シャトルラン」とまで言われる。

多少のスピードアップ以外に上画面の顔がすこしずつ変化するも、公式がいう「ユニークな視覚効果」とは裏腹に、
イボや絆創膏などがランダムに配置され、不快感を一気に加速させる。場合によっては蓮コラ並に気持ち悪い配置となるため、
金を払ってシャトルランをしグロ画像を見せられるという最悪の罰ゲームが待ち受けている。
これだけの苦労の末にハイスコアを出しても、写真撮影をするだけでスコアが全て消えるというトドメが残されている。
この事は説明書には記載されておらず、代わりに「ミスは3回まで」と誤記が挿入されている。
しかし真に無へと帰す瞬間は、このゲームの改善版がItunesストアで無料で配信されている事に気付いた時だろう。
金も時間も友情も努力も全てを無にしてしまうこのゲー無は、200ポイントでも安易に手を出さない方がいい。

続いて5月24日、夏祭りシーズン直前。

2006年据置KOTYの次点に輝いた『縁日の達人』(バンダイナムコゲームス)が6年の沈黙を破り、
装いも新たに3DSの機能をふんだんに使った『みんなの縁日』 (略:「縁日」)として帰ってきた 。
しかしその実態は、異なるゲームデザインでありながら同じぐらいつまらないゲー無集であった。

縁日を題材とした7つのミニゲームとおまけ、それにちなんだ景品を集める図鑑。
一見豪華そうに思えるが、いつぞやのおせち騒動を想起させるぐらいに中身がスカスカなのである。
ミニゲームのうち、まともに遊べるのは2つぐらいであり、残り5つは遊びと呼べるかすらも怪しい。

「射的」と「輪投げ」はプレイヤーの周囲に浮遊する景品をジャイロ機能を使って入手するのが目的となるが、
背景は3DSのカメラ機能で撮った映像のため、縁日の雰囲気は微塵も感じられない。
「ヨーヨー釣り」と「金魚すくい」では糸が切れたりポイが破れる事もないので、残される記録に対しても達成感がまるで無い。
マーカーに合わせて本体をただ上下すればいいだけで何の面白みもなく、金魚すくいにいたっては魚群探知機を眺めている気分になる。
それぞれのゲームで得られる景品で楽しませようとする工夫は感じられるものの、 元のゲームがただの単純作業では入手する喜びは皆無と言っていい。
極めつけは最後のミニゲームであり、なんと3DS本体をぐるぐる回して作る「かき氷」が楽しめる
・・・わけでもなく、自ら画面を回転させることで映像がとてつもなく見づらくなり、
適当にシロップをかけたあとに「これは本当にゲームなのか」と思わず本体の蓋を閉めたくなる。

この5本には明確なゴールもないため、プレイヤー自身がわざわざ終了ボタンを押さなければならない虚しさまで味わうことになる。
まともな2つのミニゲームも、景品をコンプすればすぐに飽きてしまう内容となっている。

上記のミニゲームよりまだマシと感じてしまう「新幹線ゲーム」を除けば、おまけも同様にしょぼい。
「お面」はカメラの映像にカツラやヒゲをくっつけるだけの合成アプリ、「万華鏡」はカメラ映像を万華鏡化するだけ、
塗れる範囲が固定された自由度のない「砂絵」、なぜかある「プラネタリウム」など、存在価値があるのかさえよくわからないものも。
「お札交換」では図鑑をコンプするために3DSのゲームコインを景品と交換できるが、これによってミニゲームをプレイする意義がさらに無くなる。
あえて褒めるとすれば「おみくじ」に登場する巫女さんが可愛い事ぐらいだろうか。

こうして6年ぶりに表舞台に舞い戻ってきた『みんなの縁日』だが、3DSの機能を間違った形で使って余計に悪化していると言われる始末。
同じ金額を使うなら、みんなで縁日に行った方がいいと結論づけられる事に。


そして6月14日、かつて修羅の国から『戦国姫』が突如急襲してきたことから「黒船」と呼ばれたが、
今度は北米市場からのリアル黒船『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』(略:「重火」/ハムスター) が襲来した。

移動が全て固定され、決まったシーンで一人称視点での射撃を行うレールシューティング形式の本作。
同ジャンルに『タイムクライシス』などの名作が挙げられる一方で、
『デスクリムゾン』という妖怪が存在していた事からも決して安心してはならない。

強制的に顔写真を撮られるセーブスロットを作成すると、いかつい兵士のイラストがメイン画面で出迎えてくる。
この時点でオプション項目がない事に気付くべきなのかもしれないが、
「キャンペーン」を選択した直後から始まる中学生のラクガキかと思うくらいチープな紙芝居に、プレイヤーは度肝を抜かれる。
ストーリーも粗雑で、どこかのアジトで大怪我をした後に南米でのゲリラ掃討を命じられ、そして唐突に人質救出にアフリカに飛ばされる。
核弾頭がある武器庫を爆破したり、人質がいる宮殿を空爆したりと、エリート部隊の仕事とは思えないことを平然とやってのける。
3Dのグラフィックも初代バーチャコップ並であり、 スキップ不可のムービーの後に戦闘が始まる頃には BGMが全く無い事に気付く。
正確には1ステージだけ音楽が付いているのだがメイン画面と全く同じ物であり、この曲はEDでも使い回され、今時珍しい全1曲収録という事が判明する。
敵のモーションもお粗末であり、中には欽ちゃん走りで画面を駆け抜ける兵士まで登場する。
敵の種類も一部例外を除けば、全員色違いの同じものしかいなく、スタッフロールも手動でページをめくる等、あらゆる点で演出がおかしい。

しかし、本当の問題はシューティング部分にある。
まず、回復アイテムがない。そしてチェックポイントもない。
よって一度でもライフを5つ失えば最初からやり直さなければならなく、ステージが長けば長くなるほどに難易度が激増する。
ところが、ステージ1がいきなり8分もあるのに対し中盤以降に3分程度のものがあったりとバラつきがひどい。

弾丸を当ててくる敵の頭上に表示される「!」マークからの被ダメージまでの間隔も、表示直後に命中させたり、 撃たずにどこかへと走り去ったりもする。
終盤では画面上に10人近い敵が表示されることもあり、とても一人では対処しきれない場面もある。
そのため終盤の難易度は異様に高く、最強の武器を持ってしてもちょっとの油断でリスタートするハメになる。
また、警告マークが画面から見切れる、移動シーンで撃たずに素通りすると敵が消えるなど、調整不足も数え上げればキリがない。

武器はハンドガンか連射系のどちらか1丁しか持ち運べず、狙撃銃や銃座を使うシーンは限定されるため自由には切り替えられない。
また武器の耐久ゲージが下がると弾詰まりを起こしやすくなり、
突然画面に「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」とデカデカと表示されプレイを中断してくる。
回避するためには修理費が必要となるが、新しい武器を購入する妨げとなる。

システム面でも問題はある。「キャンペーン」は一度クリアすればデータを消さない限り二度とプレイできない、
「スコア」は3つのセーブデータの最高得点しか表示せず、そもそも画面上に得点が表記されるので「スコア」自体いらないなど、
明らかに不要な項目が存在している。タッチスクリーンでしか銃の照準は操作できず、オプションもないため操作変更もできない。

こうしたゲームそのもののダメさ加減をさらに悪化させているのが、本作のローカライズである。
元々DL専用ソフトだったものをカートリッジ化しているのだが、5ドルから5,000円近くまで値上げしている理由にはならないだろう。
付属された紙の説明書も1Pしかなく、内蔵版も警告文と会社紹介を除けばわずか5Pでボーナスポイントなど説明不足な部分も否めない。
たった1ページしかない日本の公式HPからは、開発元のHPにあったトレイラーは削除され極力ゲーム内容を見せない努力が見られる。

ゲームの仕様から販売方法まで、あらゆる方向で絶大な火力を維持しながら突撃してきたその姿は勇ましくもあり、
バグに頼らないストロングスタイルは黒船としての実力を存分に見せつけたのであった。


そして10月25日。冬の足音が近づく中、再び時期外れなタイミングでとあるゲームがKOTYの舞台に戻ってくる。
その名も「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(略:「Pia4」/PIACCI)。
通常版と謳いながらも限定版がなかったXbox360版とは異なり、今度は限定版と同時発売された本作ではあるが、
元々KOTYの次点に選ばれるほどのゲームを移植しただけなので、結局は同じレベルのクソゲーでしかない事があっさり判明する。

本作はPC(エロゲー)、Xbox360とPSPのマルチで移植された恋愛ゲーム。
大まかな物語は、「Piaキャロット」というファミレスで一か月間働き、8人のヒロインと仲良くなるという「恋愛シュミレーション(原文ママ)」。
まず、プレイヤーの分身である主人公の性格が非常に鬱陶しく、思考パターンにも問題がある。
ストーカー行為ともとれる犯罪ギリギリのことをやらかす一方、それによってヒロインと恋仲になるというとんでもないシナリオ展開がある。
こういったとんでも展開はほとんどのルートで存在し、その原因の一つとして挙げられるのが PC版からの単純なエロ要素の削除だ。
何の埋め合わせもなくPC版から絡みシーンを削除したためか前後の脈絡がなく、 「同僚と格闘ゲームをしていたら彼女になった」
「いつのまにか従姉妹を妊娠させている」 「気付いたら実妹と肉体関係を結んでいた」などの超展開もある。

しかしこれも、単にライトユーザー向け移植による弊害だけでは片付けられない。
各シナリオも元から掘り下げが不十分であり、主人公の存在が空気化したり、 恋愛ゲームで使い古された手法を乱発する等、つまらなさに拍車をかける。
さらに何度もキャラ設定をイベント毎に更新しては無視し、一貫性のない主人公の設定もその鬱陶しさを増幅させている。
怪我で断念した陸上を再開すると宣言しながらも一向に何もしない主人公の姿勢は「走る走る詐欺」と呼ばれ、プレイヤー達のストレスを存分に加速させた。

また、システム面でもプレイヤーをたびたび苛つかせる仕様がプレイ環境を悪化させる。
入りたてのバイトがなぜかいきなり人事権を行使できるが、仕事の内容によってパラメーターが変化する育成SLGとなっている。
が、パラメーターによって途中のシナリオが変化することもなく、それが影響するのはエンディング分岐のみとなっている。
体調がゼロになるとゲームオーバーとなるが、最初に二回休んでおけばあとは何の問題もなくなるため、
足りない所を上げる仕事を適当に選ぶだけという単純作業に早変わりする。

仕事による各ヒロインの固有イベントも異様に少なく、なかには無いものさえいる。
一方で特定の日に同じ部署にいないと強制バッドエンドに突入するキャラもいるが、
こちらはノーヒントとまさかの鬼畜仕様であり、セーブ&ロードまでもが必須となってくる。
さらにちょっとでもパラメーターが足らなければヒロインと密接な仲でもゲームオーバー直行なため、
肉体関係を持った実妹相手に「この一か月間仕事以外の記憶が無い」と言い放ちながら去っていく主人公の姿も拝める。

その一方で、当作品の最後の砦とも言うべきグラフィックまでもがあっさり匙を投げる。
作画の崩壊はあちらこちらで散見し、 プレイしたものに「テキストウインドの上はなるべく見ない方がいい」と言わしめる惨状となっている。
ヒラメのように顔が変形したキャラクターのみならず背景にまで不自然さが目立ち、競技場の中から木が生えていたり、
コピペや修正跡などの手抜きが素人でもわかるレベルで残されている。

相も変わらず全方位にクソをぶちまける結果となった本作ではあるが、バグが追加さたXbox360版からの移植に伴っていくつかの改善点はある。
バックログやスキップの仕様変更やインターフェースの全体的な見直し、バグの除去といった点は素直にいい仕事をしていると言えるかもしれない。
だが、そもそも存在自体がバグではないかと思われるシナリオとキャラクターが100%そのままの時点で、結局は重度のクソゲーでしかない。
いくら綺麗に装っても中身が相変わらずならば当然需要もほとんどないに等しく、あまりにも無駄な移植だったと言わざるを得ない。
あるいは、クソゲーの頂点を目指すためだけに舞い戻ってきたのではないかとさえ思えてくる。

こうして2012年度の4強が一同に年末に出そろったわけだが、長い期間それぞれの選評がとどかなった。
なぜならば携帯ゲームにおいて2つの大事件が巻き起こってしまい、
半年以上もの間当スレッドの機能が麻痺し避難所まで設けられる事態にまで発展したからだ。

その原因の一つが、『Newラブプラス』が巻き起こしたバグ騒動。
数多くの不具合を抱えたままプレイヤー達の手に渡り、 多くのシリーズファンらを阿鼻叫喚の地獄にたたき落とした。
しかし、3DS本体がまさかのパッチ対応可能になったため事態は急変し、二回のパッチを経て致命的なバグの除去、
インターフェースの改善などの対応が取られ、騒動は概ね収拾される。

その一方で、今度はPSVitaで発売された『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』がバグ騒動を引き起こし、
上記の一件と相まって騒動を拡大する。
パッチが配布されては新たなバグが発生する事態に陥ったが、プレイ環境による発生率の差にあまりにも開きがあり、
再現性の不確定さからクソ要素としての扱いには慎重にならざるを得なくなった。
そして度重なるパッチ配布によってゲーム単体の重大なバグはそこそこ落ち着きを見せ、
後に出そろった4強と比較すると騒ぎの割にはさほどの事でもなかったと判断される。

しかし、この2作が巻き起こした騒動のおかげでほぼ一年間、大賞候補となりえる選評が到着する事はなかったのも事実である。
そしてこの大騒動を巻き起こした2タイトルを前にして、当スレッドを一瞬にして炎の海に変えてしまった『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』。
「引き立て役ごくろう」とあざ笑うかのように話題をかっさらっていったその堂々っぷりを讃え、2012年携帯版KOTY大賞の栄冠を送りたい。

『重火』を大賞に推す理由は、やはりその全方向に圧倒的な火力でクソを撃ち込む姿勢にあるだろう。
まずグラフィックにおいては、総合的な酷さでは『Pia4』も十分張り合えるのだが、
『重火』の紙芝居のクォリティは抜群に低く、こと背景においてはもはや手抜きなんてレベルをとうに超えている。
気持ち悪さでいえば『パシャット』に軍配が上がる所だが、写真機能を使えばとりあえず別のもの差し替えられるあたり、
そもそもデータ保存時以外は何の役にも立っていない『重火』の写真撮影もここぞとばかりに鈍く輝く。

BGMでは『パシャット』でさえメイン画面とゲーム画面で二種類とある以上、 『重火』の1曲収録はもはや擁護不可能なレベルである。

単純作業という点では、『重火』では敵以外は基本的に動かないため、「動いたものを撃てばいい」という『パシャット』『縁日』同様の反射運動に陥り爽快感が失われる。
しかし、所々で敵と見分けの付かない味方が出てきては誤射を誘発するあたり、余計なものを『パシャット』からぶんどってきたのではないかとさえ思えてくる。

また同じ3DS作品として比べた場合、間違った方向でとはいえジャイロ機能や写真機能を使おうとする努力が伺える『縁日』に対し、
プレイヤーに「邪魔なだけ」と言われた弾詰まりやプロフ写真ぐらいでしか本体機能を使えてない『重火』。
いったい3DSに何をしに来たのかと思わず問いたくなる。

成長要素としての武器の収拾や改造も、もっとも効率がよく安全に行う方法が「ステージ1を何度も繰り返す」という苦行そのものであり、
ゴールが見えている分『縁日』や『パシャット』よりもマシかもしれないが、 成長しきった最強武器でもクリアできないかもしれないという絶望感は異常としか言えない。
そしてクリアできたとしても、投げっ放しなEDを見せられた上にストーリーが二度と見れなくなるため、
それまでの努力が無駄になる「ゲー無」としての素質も垣間みれる。

移植作品としてみた場合、『Pia4』は治すべき所を全く治していないが、インターフェース等での改善点が見られる。
一方で『重火』は、Wiiware版からの「2P削除」「武器削除」「ゲームバランス崩壊」「操作性悪化」「グラフィックの劣化」「どうでもいいシナリオ追加」と、
移植としてやってはいけないお手本を次から次へとやらかしている。

プロモーションの仕方でも、公式HPを1Pしか用意しない手抜きはともかく、
一応はニンテンドーeshopでプレイ映像が見えるので回避する手だてがある『パシャット』に対し、
開発元まで飛ばなければPVすら見られない点も見逃せないだろう。
特に『縁日』『パシャット』『Pia4』と仕様通りの素材をCMに使っているのに対し、
「ゲーム中に存在しないBGMを使う」、「画面を小さく表示して粗を隠す」、
「映像を加速させる」などのせこい手を使っているのはさすがとしか言えない。
それに付随してローカライズによる「読みづらいフォントの日本語訳」、「10倍値上げ」とさらなる疾走も見せてくれる。

バグ以外は全てがクソという清々しいまでのその姿は、歴代の覇者達にも引けを取らない風格を存分に見せつけてくれた。
誰もが予期しなかった海外からの襲撃は、停滞する日本のゲーム業界に「これがクソゲーだ!」と思い出させに来たのだろうか。
何はともあれ、据置版同様にクソゲー界に新たな風を吹かせた当作品は、2012年最強のクソゲーの名に恥じない健闘ぶりを披露し、
洋ゲーという新たな道を我々に示してくれたのである。

本年度の携帯板におけるKOTYは混迷そのものであったと言えよう。
大物タイトルでも焦って販売すれば話題作入りするリスクを露呈する一方で、パッチ等の対応を柔軟に検証するべきとの反省を促す形となった。
しかしその裏では、注目されていた2010年度覇者『覇王鬼帝』の続編がまさかの良ゲー化という、 まさに前回の反省を活かした形でのカムバックを見せてくれた。
かと思えば、昨年の据置での扱いを全く顧みずほとんどそのままの形で携帯板に来場した『Pia4』や、
6年前とは全く違う方向で自爆する『みんなの縁日』など、反省の方向音痴を見せてしまう困ったちゃんがいたのも事実。
2012年はスレ内外ともども、「反省」とは一体なんなのかを痛いほど考えさせられる一年となった

・・・が「そんな事よりクソゲーしようぜ」と全く空気を読まずに乱入し、
瞬く間にスレを火の海へと変えてしまった『ヘビーファイア』の火力はやはり圧倒的だったと言えるだろう。
据置、携帯双方で洋ゲーという新しい旋風を巻き起きしたその実績(禍根)はあまりにも大きく、
ローカライズ作品への道を開拓したことは今後のクソゲーへの希望となるかもしれない。
少なくとも、次回作『シャッタード・スピア』が早くも悪化した姿を見せているあたり、こちらは反省する気はさらさら無いようである。

最後に、「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」のある兵士の言葉を拝借し、本年度の締めとさせて頂こう。

「このゲームの面白い場所はどこだ?」

総評案3(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

 4年に1度のオリンピック大会での人類の頂上決戦に世間が沸いた2012年。
それとは特に関係なく、日本の携帯ゲームのクソゲー頂上決戦である携帯機版クソゲーオブザイヤー(以下「KOTY」)は今年も開催された。
 まずは、ノミネート作品を選評の到着順に紹介しよう。

 1作品目は、6月14日発売の3DSソフト
「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」(以下「ヘビーファイア」)(開発:TEYON 発売:ハムスター)である。
本作はいわゆる「レールシューティング」である。
移動操作がなく、画面内に現れる敵を次々と撃っていくレールシューティングは、ビデオゲームの黎明期から存在し、
今でもゲームセンターのガンシューティングなどでおなじみのジャンルである。
しかしながら、ローカライズにより海の向こうから上陸したエリート兵(chosen few)である本作の内容は一味違った。

 まず、敵を狙い撃とうにも照準の仕様に難がありプレイヤーを苦しめる。
本作では下画面のタッチパネルのスライドで上画面の照準を動かし、LRボタンで射撃する操作になっており、次々に現れる敵を撃つには常にペンをタッチしながら照準を移動しなければならないのだ。
オートエイム(敵への照準の自動追従)などはないので、プレイヤーは遠くに小さく現れる敵を討つのに難渋し、画面四隅に現れる敵を撃つために四苦八苦することになるのである。
そして、このゲームにオプションは一切ないので、この操作方法は変えられない。
 なお本作では銃がジャミングを起こすと、画面中央に
「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と大きく表示され、3DS本体を振る操作を要求されるのだが、
そのようなギミックを入れるよりまず3DSにあった操作方法を考えてほしいものである。

 次に、シューティングゲームの肝である、敵を倒す爽快感についてはどうか。
本作のメインのゲーム画面は、前世代機と見紛うばかりのしょぼいグラフィックで構成されており、プレイヤーを落胆させる。
そして、微妙なモーションで現れた敵に対し安っぽい射撃音とともに弾を撃ち敵に当てると、大したヒットエフェクトもなく、被弾箇所などお構いなしに敵は紙のように倒れる。
これでは、全く爽快感など感じられない。

 また、敵弾から隠れることができない本作のようなレールシューティングでは、敵から攻撃される前に敵を倒すのがゲーム性上重要になる。
そして本作では、敵は頭上に「!」マークが表示されると、ダメージを与える弾を撃ってくる仕様である。
しかし、画面に現れてすぐ「!」を発生させて直ちに攻撃してくる敵もいれば、「!」が出てもなかなか攻撃してこない敵、
それどころか「!」を表示させたもののそのまま画面外に消えていき何もしない敵までおり、しまいには「!」が見切れていて攻撃タイミングが分からない敵もいる。
そして、場面によっては、多数表れた敵が同時に「!」を表示させて難易度を急上昇させてくるが、攻撃パターンを覚えて攻略しようにも、攻撃パターンがランダムの場合もあるという始末である。
このような仕様により、敵に攻撃させず敵を倒すというレールシューティングの楽しみも存在しない。

 また本作では、ステージ内に回復アイテムはなく、チェックポイントもないという、敵弾から隠れられないレールシューティングとしては異例の仕様のため、
ステージ内で開始時のライフが尽きた場合は最初からやり直しであり、箇所によっては理不尽な難易度になっている。
 さらに、プレイ内容によるステージ分岐などないのはもちろん、プレイ中に司令官からの指示が出るなどの演出もなく、
そもそも基本的にBGMもないので、しょぼいグラフィック等とあいまって、盛り上がりもなく、ひたすら作業感だけが募る。

 ゲーム本編以外に目を向けると、
ステージ前のブリーフィングでは、パッケージにある雄雄しい兵士の姿はどこへやら、非常にクオリティの低い一枚絵の紙芝居とともに、大雑把過ぎる任務内容が伝えられ、
プレイ前からプレイヤーのやる気をそぐことに成功している。
なおストーリー自体も、複数のシリーズソフトを本作1本に収録して無理やり繋げた弊害で、唐突かつ脈略がないものになっている。

 本作は元々海外のWiiWareのダウンロード専売ソフトとして低価格で発売されていたものをローカライズしたものであるが、
WiiWare版に比べ、上述の通り操作性等が悪化しストーリーもよく分からなくなった上に、なぜかフルプライス(4980円)になっていては、安価ゲーとの言い訳も通じず、
上述の内容により堂々のノミネートとなった。

 2作品目は、2月1日発売の3DS/DS向けダウンロードソフト「パシャットバシット~WhackAFriend~」(以下「パシャット」)(開発・発売:アイシーエムジャパン)である。
本作はいわゆるもぐら叩きゲームである。
もぐら叩きゲームといえば、
「多数の穴からワラワラと出現する敵をすばやく正確に叩いていく」という、単純かつ爽快なゲームを想像する人が多いだろう。
本作も、9個の穴から出現するキャラをペンタッチで叩き、「叩き逃す」か「叩き間違う」とミスになり、ミスが4回になるまでにどれだけ叩けるかというのが大まかなゲーム内容である。
これだけ読むと普通のもぐら叩きゲームであり、200円という販売価格もあいまって、本作はKOTYからは縁遠いようにも思える。
しかし、本作はもぐら叩きとしてのゲーム性が破綻していたのである。

 まず、本作ではフェイントのモーションや、叩いてはいけないキャラの出現などはない。
したがって、叩き間違うというミスはまず起こりえない。
また、一度に穴から出現するのは「1体まで」、画面に同時に存在するのは「2体まで」であり、
レベル選択などなく、ゲーム開始からかなりの間、とてもゆっくりの出現速度であることから、当初は叩き逃しようがない。
したがって、敵を次々に正確に叩くというもぐら叩きゲームの楽しみは全く存在しない。
そして、30分ほど単調な作業に耐えプレイし続けると、速度が上がりまともな出現速度になってくるが、
フェイント等もないまま、出現数も限られているため、ひたすらに出たものを反射的に叩き続ける行為を続けることになり、
最終的に速度が上がって連打するにいたるまで、単に反射的タッチを繰り返すだけの作業が続き、反射が間に合わなくなった時点でゲームオーバー(なぜか「クリア」と表示される)になる。
結局、どこまでいってももぐら叩きゲームとしての楽しさは皆無である。

 また本作では、叩く対象に「ゲーム内で撮影した写真」を使うことができる。
そして、叩けば叩くほど、上画面に表示された写真が傷だらけになっていく。
もしこれが面白ければ、友達の写真を撮影して叩いて遊ぶなど、本作が馬鹿ゲーとして評価された可能性もほんの少しはあり
本作の「Whack A Friend」(友達叩き)という副題もそういう遊びを意識したものだっただろう。
しかし、いくら叩いても、「ユニークな視覚効果」とのソフトの説明文とは裏腹に、特殊な画像エフェクト等が施されるわけではなく、
チープな絆創膏やアザ、イボ等のマークが写真の表面に多数くっつけられるだけであり、
笑えるというよりもグロテスクで、見ても全く楽しくないものであった。
なお、写真を撮り直すとハイスコアは消去され、単純作業に耐えて出した数字はなかったことになる。

 こうして本作は、200円という安価なゲームではあるがゲーム性が破綻し、馬鹿ゲーとしても面白くなく、褒める点のないゲームであることから、
KOTYへのノミネートを果たすことになった。 

 3作品目は、5月24日発売の3DSソフト「みんなの縁日」(以下「縁日」)(開発:リベル・エンタテインメント 発売:バンダイナムコゲームス)である。
本作のジャンルは「縁日ゲーム」とされており、縁日の遊びをモチーフにしたミニゲーム集という体裁になっている。
収録されている「縁日ゲーム」は「金魚すくい」「射的」「輪投げ」「ヨーヨー釣り」などで、
名前だけ聞けば、どれも縁日を思わせるものである。
しかしながら、本作のゲームは、縁日の雰囲気とは程遠い内容だった。

すなわち、実際の縁日の金魚すくいやヨーヨー釣りは「切れやすいこより」や「穴の開きやすい網」でいかに対象を取るか、という点が難しくも楽しいのだが、
本作の「ヨーヨー釣り」「金魚すくい」は、画面上の照準をあわせて3DSを振るだけでいとも簡単に対象が取れ、こよりが切れたり穴が開いたりはしない。
また「射的」は3DSの背面カメラ機能を使い、プレイヤーの周囲の空中に浮いている景品めがけ、吹き矢風にマイクに息を吹きかけることで弾を飛ばして当てるものであり、
「輪投げ」は、やはり空中に浮いている的に、3DSのジャイロ機能を使い、本体を押し出す動きをして輪を当てるものである。
そのような射的や輪投げを縁日で見かけたことがあるだろうか。
そしてこれらのゲームは、3DSの背面カメラによる取り込み映像が背景になるので、自室でプレイすれば自室が背景になり、縁日の雰囲気もなにもあったものではない。
このように、本作は縁日ということを謳いながら、縁日らしさの感じられない内容となっているのである。

 次に、本作をミニゲーム集として見るとどうだろうか。
上述したように、「ヨーヨー釣り」や「金魚すくい」は、照準に対象が入ったときに3DSを動かせば簡単にとることができ、こよりが切れたり穴が開いたりする失敗はない。
また、「射的」は的が動いているが、照準などは出ず、弾はホーミングするので狙って当てる楽しみはなく、
「輪投げ」は投げる強さの判定が「強い」と「弱い」しかなく、対象の位置も「近く」と「遠く」しかないため簡単である。
そして、どれも得点はもちろん、残弾やゲームオーバーの概念はなく、限られた回数で成功させるといったゲーム性はない。
また、「かき氷」というゲーム?に至っては、確かに縁日にはつきものかもしれないが、
3DSを回転させてかき氷を作った後、シロップを選択してかけて完成させるだけでありゲームといえる部分は皆無である。
 このように本作は、ミニゲーム集として見ても、ゲーム性がないか非常に低いものであり、遊んで楽しいものではない。

 なお、7種類しかない本作のゲームには、それぞれ多少の収集要素が存在するが、
金魚すくいではマグロやシーラカンス、長靴等が集まり、輪投げでは楽器、ヨーヨー釣りでは日本地図が集まるといったように
縁日や縁日の遊びとあまり関係ないものが多く、集める達成感も低い。
また、ゲームの中には「ミニボウリング」「スマートボール」という、縁日の遊びをそこそこ再現し、かつゲーム性もあるものも一応存在している。
また、同時収録された「おまけゲーム」の中にも、1個だけ辛うじて遊べる物が存在する。
しかし、どれも無料アプリレベルであり、お金を払ってまでやるゲームなのかといえば、断じて否である。

 縁日に関するミニゲーム集の体裁をとりながら、ゲーム性のない何かを詰め込み、縁日の雰囲気とも無縁で、
縁日らしさと言えば「物に見合わない高価格(3990円)だけ」と購入者に言わしめた本作が、
今年3作目のノミネートとなった。

 4作品目は、10月25日発売のPSP用ソフト
「Piaキャロットへようこそ!!4~夏の記憶~」(以下「pia4」)(開発:PIACCI/カクテル・ソフト 発売:PIACCI)である。
ファミレスのウェイトレス達との恋愛を描いた本作は、
2011年に発売されたXBOX360版である「~夏の恋活(バイト)~」(以下「XBOX360版」)が同年の据置機版KOTYの次点となったという、いわく付の作品であり、
2012年携帯機版でも貫禄のノミネートとなった。

 本作のようないわゆる「恋愛シミュレーションゲーム」は、ゲームの登場人物との擬似恋愛を楽しむものであり、選択肢を選ぶなどしてゲームを進めることで、
主人公が登場人物と親密となり最終的には恋人になる、という一連のストーリーの流れを楽しむものである。
ストーリーは大抵の場合、キャラクターごとに分かれているため、各キャラクターごとのストーリーがゲーム内容として非常に重要なものである。
しかし、据置機版KOTYの次点にまで選ばれた本作のストーリーは伊達ではかった。

 まず本作では、恋愛シミュレーションゲームの肝であるはずの各キャラクターとの恋愛を描いたストーリーの出来が非常に悪い。
 「ありきたり」とか「ご都合主義」と言われるものはまだいい方であり、多くの女の子とのストーリーでは、恋愛につきものの障害などはなく、
起伏もなく淡々と恋人になり淡々と終わるので、プレイヤーにはキャラクターに対する感情の高まりが生じない。
 また、基本的にプレイヤーの分身であるはずの主人公は、各キャラクターのストーリーで性格が一定しない上、
場合によっては度を越して気持ち悪かったり、非常識な行動をしたり、はたまた異様にネガティブだったりで、プレイヤーに不快感を与えるとともに、感情移入を阻害してくる。

 これに加え、本作の最大の問題として、ストーリーの一部が不自然に欠落している箇所が多数ある。
これは、本作は元々18禁のアダルトゲームであり、全年齢向けのゲームとして発売されるにあたり、性的なシーンはカットされたが、
カットされた部分について補完的説明が一切されなかったことから生じたものである。

 この出来の悪いストーリーと、ストーリーの一部の欠落の結果、本作の各シナリオは壊滅的な出来になっている。
具体的には、
「主人公が、作中の行動として女の子にストーカー的に付きまとっているうちに女の子と恋仲になった」
「妹と喧嘩して仲直りしたと思ったら恋人関係になっていた」
「主人公と女の子がお互い気になる関係になったが、プレイヤーには何でなのかよく分からない」
「女の子といつの間にか肉体関係を持ったようだが、いつなのかはよく分からない」
「告白シーンなどはなかったが、主人公は暗転時に女の子と恋仲になったようだ、と思ったらエンディングでは女の子が妊娠していた」
といった具合である。
もはや、恋愛を楽しむ余地などはないものと言えるだろう。

 その他、本作には育成シミュレーション的な要素もあり、ファミレスのバイトで選んだ仕事により主人公のパラメータが上下する。
しかし、体調というパラメータが0になるとゲームオーバーになる他は、特に途中のゲーム展開に影響するわけではない。
だが、最終段階でパラメータ不足の場合バッドエンドに行くことになるので、
お目当てのキャラクターとのストーリー(これもバイトの仕事の選択が絡む)を進めつつ、パラメータを調節するのが面倒になるだけの余計な要素になっている。
 また、そのバッドエンドになった場合、主人公は、誰と恋仲になっていようと、将来を誓っていようと、
共通で「この夏の記憶は特になかった」という趣旨の発言をして終わりになってしまう。
これは、恋愛シミュレーションゲームのお約束を加味してもさすがに酷いのではないか、と話題になった。

 なお、本作は、XBOX360版と比較すると、ユーザーインターフェイスの改良、バグと思しき処理落ちや誤表示の除去等、プレイ環境は大幅に改善した。
しかし、上で述べたような、最大の問題であるところのストーリー面では特に変化が見られなかった結果、
これらの改善も空しく、納得のノミネートとなったのである。

以上が2012年のノミネート作品である。
 これらの中から、栄えある2012年携帯機版KOTYに輝いたのは、
「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」である。

 本年の全くジャンルの違うノミネート4作に劣優をつけるのは困難であったが、 それでも「ヘビーファイア」が他よりもクソとされたのは、
クソゲーとしての完成度の高さにある。
他の3作のクソゲーはそれぞれ「チープで遊びどころがない安価ゲー」「縁日の雰囲気もゲーム性もない」「ストーリーがひたすらクソ」という一言で表せるクソゲーであるが、
「ヘビーファイア」は、前述したように、操作性がクソ、グラフィックもクソ、シューティングのゲーム性もクソ、
SEもクソ、音楽もクソというか基本無音、ミッション間の一枚絵の紙芝居もクソ、ストーリーももちろんクソ、とクソ要素のオンパレードである。
また、低価格ゲーだったのがローカライズによりフルプライスになったこと、一方で説明書のページ数は1ページに減少したこと、
詐欺気味のパッケージ、詐欺気味のPV、やる気のない公式サイト等、
「ヘビーファイア」は場外戦のクソ要素もしっかりと押さえていた。
これらのクソ要素が重なった結果、「ヘビーファイア」は、プレイヤーに「××はダメでも○○は良かった」などといったクソ要素からの逃げを許さず、
プレイする意味を見出しようのない1個のクソゲーとして完成するに至っている。
一点突破型のクソを低いとみるわけではないが、多くのクソ要素を合わせ、それが一つのクソゲーをなしているその完成度は、他の作品と比べ一歩ぬきんでたものであり、
これが「ヘビーファイア」の2012年携帯機版KOTY受賞の決め手となったのである。

 2012年は、ノミネートの4作の他にも、多くの選評が届き、多くの議論がなされ、
例年になく多くのスレッドが消費された年となった。
これからも、建設的かつ中立に、そして冷静にクソゲーを吟味できる場が継続することを、クソゲーファンは望むものである。

 最後に、KOTYに輝いた「ヘビーファイア」を、酷いクソゲーと分かりながら世に送り出した関係者の方々に対し、
同作品中のメッセージを借用して以下の言葉を送り、2012年携帯版KOTYの締めとしたい。

「クソゲーを解消するため本体ではなく両手を動かしてください」

総評案4(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

2012年。

昨年の王者である対戦チンチロリンの480円という値段から生まれる微妙さ、次点含めて二本という少なさに、KOTYは冬の時代を迎えると予想された。
しかし、年明けして少しした時、スレに訪れたものは木枯らしと呼べるものではなく、まさに爆弾低気圧であった。

まずスレに訪れた豪雨は、「NEWラブプラス」(略称:ラブプラス)である。
ラブプラスシリーズとは、ゲーム内の女性を彼女とした後も、二人で毎日の生活を続けていくというヒット作品である。
なぜそのような有名作品の名前が挙がるのかというと、劣化したシステムや操作性、何より圧倒的なバグのラッシュである。
明らかにおかしいスキンシップ、入手量と釣り合っていない値段のバランス、回想シーンの中身が消える、
あまりにも遅いロード時間、一日を棒に振ることになる入力も実行もできないスケジュールetc。
完全なるバグゲーとして、ラブプラスは瞬く間にスレを蹂躙することになった。
引き継ぎでしか起こらない専用のバグも多数あり、ゲーム単品の評価をするというルール上、分別困難な不具合にスレは阿鼻叫喚となった。

処理不能の状態でスレが大量消費される中、もう一つ「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」(略称:シェルノ)という暴風が吹き荒れた。
年、月単位をかけてヒロインとの交流をする環境ゲームソフトであり、ストーリーの続きが有料DLCと特殊であった上、
フリーズの連続、頻繁に発生するC2エラー、ヒロインのグラフィックの奇形化やめり込み、
大半が無意味なアイテム、放置が基本の環境ソフトにもかかわらず起きる放置時の強制スリープモードetc。
またしてもバグゲーが登場し、すでにラブプラスで飽和状態だったスレは大混乱に陥った。
セーブデータの破損が原因のバグは個人差が多く、C2エラーは特に差が激しいため検証は無理ゲー化。
ラブプラスとシェルノ、表面上は似ているが全く違うゲーム同士の比較により、スレはいろいろな意味での「嵐」に一年中巻き込まれることになった。
年末になり、このまま今年は終わりか、と多くのスレ住民は思っていた。

その時、奇跡は起こった。
クソゲーハンターの努力が目を結び、眠っていた過去のクソゲーが一斉に芽吹きだしたのだ。
それも、不安定なバグに頼らない地面に根を張ったクソゲーが、四本もである。

最初は「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」(略称:重火)。
北米WiiwareDLソフトランキング1位のレールシューティング二本。つまり低価格DLゲーム×2。本作はそのフルプライス版劣化移植である。
セーブ用に顔写真を撮らされた後にメニューを見ると、まずオプションが存在しないことに気付く。操作性も確認できず、充実したサウンド設定もない。
仕方がないためキャンペーンを始めたプレイヤーが最初に目にするもの、それはアメコミを馬鹿にしたような紙芝居である。
これは二本の場所が違うゲームを無理矢理一本にしたために、プレイヤーの混乱を配慮してわざわざスキップ不可でストーリーを説明してくれる。
中身は無茶苦茶で、兵士が狙撃兵を笑顔で知らせ、救出する人物が居る宮殿を平気で爆破するといったように、無い方がマシの代物。
武器選択も区分はハンドガンと連射武器の二種類であり、なおかつ戦闘中は交換できないので意義が余りにも薄い。
ならばステージはというと、基本的にステージ中にBGMが無い。これは本作にBGM自体が一種類しかないため仕方がないとも言える。
PS1やサターン並のローポリゴンの中、不自然な動きの敵兵士は頭上に「!」マークが表示された後に攻撃という動作を行う。
回復アイテムもチェックポイントも存在せず、ライフが尽きたら紙芝居からというのは、本作なりに戦場の厳しさを再現した結果だろうか。
なら先に撃てばいいと思うだろうが、「!」マークを上画面で隠したり、出現と同時に攻撃するといった奇襲攻撃、攻撃せずに画面外への敵前逃亡、
十人近く現れて「!」マークを同時に出すこともある物量作戦、オートエイムが無いため小さすぎて当てづらい狙撃といった頭脳プレイで襲いかかる。
武器が弾詰まりを起こすと「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と画面に表示され、プレイヤーのやる気をへし折る。
エンディングのBGMも勿論使い回しだ。キャンペーンは一度クリアしたら二度と選べない仕様など、もはや気にも留めないだろう。
圧倒的なクソの重火力に撃ち尽くされたプレイヤーの心には、ただ虚しさだけが残っていた。

二本目は「パシャットバシット~Whack A Friend~」(略称:パシャット)。
ニンテンドーDSiウェア専用ソフトである本作は、200ポイント(1ポイント=1円)という低価格ながらも、怒りを抱く内容であった。
本作は好きな顔写真を撮って、それを的にもぐら叩きをするゲームである。英語部分を訳すと「友達叩き」になる。
もぐら叩き部分は、3×3の穴から現れる的を叩く、と普通のものであるが、一回につき一体しか現れず、最大でも同時に二体しか存在しない。
引っ掛けも無く、レベル選択も存在しないため、亀並の速度の的をひたすら叩かなければ遊べるラインまで到達しない。
かといってレベルが高くなってもシステムは変わらないので、ただただ出たら叩くの繰り返しで、精神的シャトルランとも言われている。
見逃しや穴を叩くミスを四回(説明書には三回と誤記)というゲームオーバーになりづらさも拍車をかけている。
ならば写真はというと、このゲームを起動してから顔写真を撮る必要があり、嫌いな人相手に使えるものではない。
点数によって顔にエフェクトが追加されるが、イボや絆創膏、青あざ、イモリなどであり、軽いグロ画像状態になる。
さらに写真は一枚しか保存できず、新しい写真に変えるとスコアまで一緒に消えてしまう始末。
苦行の結果を虚無に送る、「ゲー無」を継ぐものとしての名乗りを挙げた。

 三本目は「みんなの縁日」(略称:縁日)。
内容はメインのミニゲームである縁日ゲーム7種類+おまけのゲーム7種類である。
本作の特徴として、3DSのジャイロ機能をフル活用し、直感的な動作で操作してもらおうとの試みがある。
しかし、メインの縁日ゲームの中でまともに楽しめるミニゲームはミニボウリングとスマートボールの2つだけ。
残り5つは、狙いを定めて3DS本体を持ち上げるだけのヨーヨー釣り、ヨーヨー釣りと操作を使い回す金魚すくい、
息を吹きかけてレーザーやミサイルで的を狙う射的、息が本体揺らしに変わっただけの輪投げ、
そして本体をぐるぐると回した後にシロップをかけるだけという、もはやゲームなのか疑問なかき氷である。
ちなみに縁日ゲームの半分以上にゲームオーバーやクリアが無く、自分でボタンを押して終了させる必要があることも付け加えよう。
おまけゲームも、コインとアイテムの交換やおみくじという名の前世占いなど、ゲーム以外のもので水増しするという手抜き。
(クソも含み)ゲームと呼べるものが14種類中最高でも7種類しか無いにもかかわらず、3,990円という値段は本物の縁日のボッタクリの再現なのか。
パシャットとはまた違った形の「ゲー無」が誕生することとなった。

最後は「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(略称:Pia4)。
元々は18禁ゲームであった作品を、全年齢向けにした自己育成型SLGである。
ヒラメのようなのっぺり顔やサバンナと見間違えそうな陸上競技場など、「絵が下手」だけならいざ知らず、
シナリオが完全に崩壊しており、「大半のキャラにある使い捨ての大食い設定」、「ストーカーしたら惚れられた」など枚挙に暇が無い。
更に、「エロゲー」から「エロ」の部分を強引に取り除いた弊害として、その部分の過程が吹き飛ばされており、
「気付いたら従姉を妊娠させていた」、「いつのまにか実妹と肉体関係にある」など何が起こったのかわからない状態に。
育成部分の能力値はエンディング判定のみに使用されており、数値が満たないとノーヒントにも関わらず共通バッドエンド直行であり、
主人公と実妹が「この一ヶ月バイトだけだった」(意訳)を二人が肉体関係にある時でさえ吐き捨てる様には、開いた口が塞がらない。
……とここまで書いたのだが、この内容にデジャヴを憶える人ももしかしたらいるだろう。
それもそのはず、KOTY2011据え置き版において、激戦を演じた同名タイトルの携帯機移植版だからである。
システムの改善やバグの削除、見切れ状態にある画像の修正など、後発作品としてやるべきことはやっているのだが、
元が酷すぎたために、スレでは「クソをどう料理してもクソはクソ」の認識で一致した。

以上六本のゲームを紹介してきた。しかし、今回は六本全てがノミネートするのではなく、その一部から次点以上を選ぶことになるのをお詫びしたい。

  それでは発表しよう。2012年携帯版KOTY大賞は「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」
  次点は「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」の計二本である。

先に、何故六本のゲーム中二本しか選ばれなかったかを説明しよう。
まず、ラブプラスとシェルノの二本には、バグの発生条件とパッチという理由がある。
ラブプラスは引き継ぎの有無、シェルノは本体依存の可能性など、条件によってバグの種類や頻度も異なるため判断が難しい。
何よりもパッチにより、致命的なバグは改善された。元々のポテンシャルがある以上、ももはやKOTYからに立つ資格は無くなったのだ。

そしてパシャットと縁日の二本については、地力の差がある。
パシャットは200円でも高い内容だが、ルール的にも破綻は無く、スピードが上がると音楽のテンポを速くなると少しだが工夫がある。
縁日は2つのゲームは飽きやすいといえども楽しく、おまけにも無料アプリレベルとはいえ面白いものがある。
「ゲー無」はプラスもマイナスも少ない以上、余程の破綻や空虚でなければ選考されるには弱いのだ。

Pia4と重火の二本は、それぞれの中心部分である、「絵とシナリオ」「シューティング」がまごうことなきクソであることに代わりはない。
ならばこの二本の命運を分けたものはなにか、それは「濃度」である。
Pia4は絵もシナリオもゲーム性もダメだが、BGMやユーザーインターフェースの面には問題がない。
一方重火は、シューティング部分もさることながら、シナリオやBGM、グラフィックやシステムにもスキが無い。
回復や残機、オプションが無いなど、一部においては同ジャンルの伝説のクソゲー「デスクリムゾン」にも劣る部分さえある。
起動時の謎のセーブ用写真撮影から始まり、BGM使い回しのエンディングまで、クソでない部分がないのだ。
その前には海外版からの武器数減少や二人プレイの削除、5ドル×2から4,980円への値上げも些細な問題の様である。
クソを一応料理した形跡のあるPia4と、クソをクソで固めた金太郎飴状態の重火の差はここに出た。
重火のクソは逃げ場が無い一斉射撃と呼ぶのもおこがましい、切れ目すらない絨毯爆撃であったのだ。

今年のKOTYは常に波乱であった。
ラブプラスとシェルノのバグで情報が遅れ、遅れた四本は対抗するかのように四天王と呼ばれた。
ノミネート数こそ同じ二本であれ、そんな混迷の中にきちんと選考した濃密なクソゲーである。
もしかすると重火は、きちんと内容の酷さを伝える選評の重要さを、改めてスレ住民に教えてくれたのかもしれない。
また、海外作品初の大賞として「黒船」の役割でもって、ローカライズ作品にもクソがあることも示してくれた。
今後のKOTYが海外移植のクソを見つけた際に、前例としての役割をこなしてくれるだろう。

最後に、「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」のある兵士の言葉を拝借し、本年度の締めとさせて頂こう。

「このゲームの面白い場所はどこだ?」

総評案4.1(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

2012年。

昨年の王者である対戦チンチロリンの480円という値段から生まれる微妙さ、次点含めて二本という少なさに、KOTYは冬の時代を迎えると予想された。
しかし、年明けしてからスレに訪れたものは木枯らしと呼べるものではなく、まさに爆弾低気圧であった。
スレに訪れた暴風雨とは、「NEWラブプラス」と「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」である。

ラブプラスは、彼女と一緒に毎日生活する有名作であるが、劣化したシステムや操作性、何より圧倒的なバグのラッシュがあった。
明らかにおかしいスキンシップ、入手量と釣り合っていない値段のバランス、回想シーンの中身が消える、
あまりにも遅いロード時間、一日を棒に振ることになる入力も実行もできないスケジュールなど様々。

シェルノサージュは長期間ヒロインと交流する環境ゲームソフトであり、ストーリーの続きが有料DLCと特殊であった上、
フリーズの連続、頻繁に発生するC2エラー、ヒロインのグラフィックの奇形化やめり込み、
大半が無意味なアイテム、放置が基本の環境ソフトにもかかわらず起きる放置時の強制スリープモードなどとこちらも豊富なバグ。
ラブプラスとシェルノと、表面上は似ているが全く違うゲームにより、スレは複雑な意味での「嵐」に巻き込まれることになった。

しかし、この二本はセーブデータの状態など、条件によってバグの種類や頻度も異なるため判断が難しい。
更にパッチにより、致命的なバグやシステムは改善されたため、KOTYに立つ資格は無くなった。

しかしパッチ後もその話題は止まず、スレの機能は低下したまま。
選評が無いこともあり住民は議論もまともにできないまま、ただ月日が過ぎて行った。

年末になり、この状態のまま今年は終わりか、と多くのスレ住民は思っていた。

その時、奇跡は起こった。
クソゲーハンターの努力が目を結び、眠っていた過去のクソゲーが一斉に芽吹きだしたのだ。
それも、不安定なバグに頼らない地面に根を張ったクソゲーである。

最初は「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」(略称:重火)が先陣を切る。
北米WiiwareDLソフトランキング1位のレールシューティング二本。つまり低価格DLゲーム×2。本作はそのフルプライス版劣化移植である。
セーブ用に顔写真を撮らされた後にメニューを見ると、まずオプションが存在しないことに気付く。操作性も確認できず、充実したサウンド設定もない。
仕方がないためキャンペーンを始めたプレイヤーが最初に目にするもの、それはアメコミを馬鹿にしたような紙芝居である。
これは二本の場所が違うゲームを無理矢理一本にしたために、プレイヤーに配慮してわざわざスキップ不可でストーリーを説明してくれるもの。
中身は無茶苦茶で、兵士が狙撃兵を笑顔で知らせ、救出する人物が居る宮殿を平気で爆破するといったように、無い方がマシの代物。
武器選択も区分はハンドガンと連射武器の二種類であり、なおかつ戦闘中は交換できないので意義が余りにも薄い。
そのため、最初の三種類の選択も弾数以外に実感できず、その弾数もプレイ開始までどれが何発かわからない。
ならばステージはというと、基本的にステージ中にBGMが無い。これは本作にBGM自体が一種類しかないため仕方がないとも言える。
PS1やサターン並のローポリゴンの中、不自然な動きの敵兵士は頭上に「!」マークが表示された後に攻撃という動作を行う。
回復アイテムもチェックポイントも存在せず、ライフが尽きたら紙芝居からというのは、本作なりに戦場の厳しさを再現した結果だろうか。
にもかかわらず、急激に短いステージや弾を無限に使えるステージが後半に存在するため、バランスが悪いだけである。
敵より先に撃てばいいとは思うだろうが、「!」マークを上画面で隠したり、出現と同時に攻撃するといった奇襲攻撃、攻撃せずに画面外への敵前逃亡、
十人近く現れて「!」マークを同時に出すこともある物量作戦、オートエイムが無いため小さすぎて当てづらい狙撃兵といった頭脳プレイで襲いかかる。

武器が弾詰まりを起こすと「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と画面に表示され、プレイヤーのやる気をへし折る。
エンディングのBGMも使い回しでスタッフロールは手動だ。キャンペーンはクリアしたら二度と選べないなど、クリア後までクソたっぷり。
圧倒的なクソの重火力に撃ち尽くされたプレイヤーの心には、ただ虚しさだけが残っていた。

さらに、「パシャットバシット~Whack A Friend~」と「みんなの縁日」の二つのゲー無が登場した。

パシャットは200円という低価格ながらも、的が一回につき一体しか現れず、最大でも同時に二体しか存在せず、
引っ掛けも無く、レベル選択も存在しないため、亀並の速度の的をひたすら叩かなければ遊べるラインまで到達しない。
写真を的にする最大の特徴も、貼られるエフェクトで軽いグロ画像となり、写真を変えるとスコアまで一緒に消えてしまう。

縁日はミニゲーム集でありながら、まともに楽しめるミニゲームは14種類中に2種類しか存在せず、
残りは、狙いを定めて本体を持ち上げる、息を吹きかける、本体を揺らすと手抜きばかりで、
ゲームコインとアイテムの交換や前世占い、更には本体を回すだけというゲームなのか疑問に思えるものもある。

しかしこの二本は、パシャットはルールの破綻は無く、スピードと共に音楽のテンポが速くなると少しだが工夫があり、
縁日は2つのゲームは飽きやすいといえども楽しく、おまけにも無料アプリレベルとはいえ面白いものがある。
大きな破綻や無価値がないため、「劣化ゲー無」状態となり、クソ要素の地力の無さから脱落していった。

そして殿は「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(略称:Pia4)。
元々は18禁ゲームであった作品を、全年齢向けにした自己育成SLGである。
ヒラメのようなのっぺり顔やサバンナと見間違えそうな陸上競技場など、「絵が下手」だけならいざ知らず、
シナリオが完全に崩壊しており、「大半のキャラにある使い捨ての大食い設定」、「格闘ゲームしてたら惚れられた」など枚挙に暇が無い。
キャラクターも、主人公がヒロインをひたすらストーカーしたり、オセロで自分の石を減らせない天才などもはや異常。
更に、「エロゲー」から「エロ」の部分を強引に取り除いた弊害として、その部分の過程が吹き飛ばされており、
「気付いたら従姉を妊娠させていた」、「いつのまにか実妹と肉体関係にある」など何が起こったのかわからない状態に。
育成部分の能力値はエンディング判定のみに使用されており、数値が満たないとノーヒントにも関わらず共通バッドエンド直行であり、
主人公と実妹が「この一ヶ月バイトだけだった」(意訳)を二人が肉体関係にある時でさえ吐き捨てる様には、開いた口が塞がらない。
……とここまで書いたのだが、この内容にデジャヴを憶える人がもしかしたら居るかもしれない。
それもそのはず、KOTY2011据え置き版において、激戦を演じた同名タイトルの携帯機移植版だからである。
そもそもPC版からエロ以外に評価する場所が無く、「クソエロゲー」から「エロ」を取り除くと「クソゲー」になるのは必然。
システムの改善やバグの削除、見切れ状態にある画像の修正など、後発作品としてやるべきことはやっているのだが、
元が酷すぎたために、スレでは「クソをどう料理してもクソはクソ」の認識で一致した。

「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」、「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」
以上、この二本が今年のKOTYにノミネートされた作品である。

それでは大賞を発表しよう。2012年携帯版KOTY大賞は「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」である。

Pia4と重火の二本は、それぞれのゲームの根幹をなしている部分がまごうことなきクソであることに代わりはない。
重火が敵からの対処不能の同時攻撃を出せば、Pia4が主人公のふざけた態度で応戦し、一歩も譲らない。
ならばこの二本の命運を分けたものはなにか、それはクソゲーとしての「濃度」である。
Pia4は絵もシナリオもゲーム性もダメだが、BGMやユーザーインターフェースの面には問題がない。
一方重火は、シューティング部分もさることながら、シナリオやBGM、グラフィックやシステムにもスキが無い。
回復や残機、オプションが無いなど、一部においては同ジャンルの伝説のクソゲー「デスクリムゾン」にも劣る部分さえある。
起動時の謎のセーブ用写真撮影から始まり、BGM使い回しのエンディングまで、クソでない部分がないのだ。
その前には海外版からの武器数減少や二人プレイの削除、5ドル×2から4,980円への値上げも些細な問題の様である。
クソを一応料理した形跡のあるPia4と、クソをクソで固めた金太郎飴状態の重火の差はここに出た。
重火はシステム、シナリオ、難易度、操作性、BGM、SE、グラフィックとぱっと思いつく要素の全てがクソ。
それは逃げ場が無い一斉射撃と呼ぶのもおこがましい、一筋の切れ目すらない絨毯爆撃であったのだ。

今年のKOTYは常に波乱であった。
ラブプラスとシェルノのバグで情報が遅れ、遅れた四本は一旦は同格とまとめられ、個々の検証が進まなかった。
そんな混迷の中、検証を重ねた末の判断でノミネートした二本は、昨年より更に濃密なクソゲーである。
もしかすると重火は、選評で内容の酷さを正確に伝えることの重要さを、改めてスレ住民に教えてくれたのかもしれない。
また、海外作品初の大賞として「黒船」の役割でもって、ローカライズ作品にもクソがあることも示してくれた。
今後のKOTYが海外移植のクソを見つけた際に、前例としての役割をこなしてくれるだろう。

最後に、「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」のある兵士の言葉を拝借し、本年度の締めとさせて頂こう。

「このゲームの面白い場所はどこだ?」

総評案4.2(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー)    

2012年。

昨年の王者である対戦チンチロリンの480円という値段から生まれる微妙さ、次点含めて二本という少なさに、KOTYは冬の時代を迎えると予想された。
しかし、年明け早々スレに訪れたものは木枯らしと呼べるものではなく、まさに爆弾低気圧であった。

スレに訪れた暴風雨とは、「NEWラブプラス」と「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」である。
共通して言えるのはリーズ等の圧倒的な量のバグが存在し、さらにバランスやシステム回りの問題が多く、スレ内で大きな話題となったが、
両作品とも条件によってバグの種類や頻度が異なる上、年内のパッチで不満点はある程度改善された結果、KOTYに立つ資格は無くなった。

しかし、パッチ後もインパクト故かスレの混乱は止まず、他の選評もないため議論さえまともにできず、ただ月日が過ぎて行った。
そして時を経て年末となり、今年はこんな荒れ果てた不毛の地で終わるのか、そう多くのスレ住民は思っていた。

その時、奇跡は起こった。
クソゲーハンターの努力が目を結び、眠っていた過去のクソゲーが選評として一斉に芽吹きだしたのだ。

まず「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」(略称:重火)が先陣を切る。
北米WiiwareDLソフトランキング1位のレールシューティング二本。つまり低価格DLゲーム×2。本作はそのフルプライス移植である。
セーブ用に顔写真を撮らされた後にメニューを見ると、まずオプションが存在しないことに気付く。操作性も確認できず、充実したサウンド設定もない。
仕方がないためキャンペーンを始めたプレイヤーが最初に目にするもの、それはアメコミを馬鹿にしたような紙芝居である。
これは二本の場所が違うゲームを無理矢理一本にしたために、プレイヤーに配慮してわざわざスキップ不可でストーリーを説明してくれるもの。
中身は無茶苦茶で、兵士が狙撃兵を笑顔で知らせ、救出する人物が居る宮殿を平気で爆破するといったように、無い方がマシの代物。
武器選択も区分はハンドガンと連射武器の二種類であり、なおかつ戦闘中は交換できないので意義が余りにも薄い。
そのため、最初の三種類の選択も弾数以外に実感できず、その弾数もプレイ開始までどれが何発かわからない。
ならばステージはというと、基本的にステージ中にBGMが無い。これは本作にBGM自体が一種類しかないため仕方がないとも言える。
PS1やサターン並のローポリゴンの中、不自然な動きの敵兵士は頭上に「!」マークが表示された後に攻撃という動作を行う。
回復アイテムもチェックポイントも存在せず、ライフが尽きたら紙芝居からというのは、本作なりに戦場の厳しさを再現した結果だろうか。
にもかかわらず、急激に短いステージや弾を無限に使えるステージが後半に存在するため、バランスが悪いだけである。
敵より先に撃てばいいとは思うだろうが、「!」マークを上画面で隠したり、出現と同時に攻撃するといった奇襲攻撃、攻撃せずに画面外への敵前逃亡、
十人近く現れて「!」マークを同時に出すこともある物量作戦、オートエイムが無いため小さすぎて当てづらい狙撃兵といった頭脳プレイで襲いかかる。
さらに、武器が弾詰まりを起こすと「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と画面に表示され、プレイヤーのやる気をへし折る。
エンディングのBGMも使い回しでスタッフロールは手動だ。キャンペーンはクリアしたら二度と選べないなど、最後までクソたっぷりである。
圧倒的なクソの重火力に撃ち尽くされたプレイヤーの心には、ただ虚しさだけが残っていた。

更に「パシャットバシット~Whack A Friend~」(略称:パシャット)が続く。
DL専用ソフトで本体のカメラ機能を利用し、写真撮影した対象をターゲットにすることができるもぐら叩きである。
まずもぐら叩き部分は、最初から暫くはターゲットの出るスピードがかたつむり並に遅く、まずミスなどしようもない。
それに加えて同時出現もせず、最大二個しかターゲットが画面内に存在しないため、叩いた回数による速度レベルの上昇さえ遅い。
レベル選択も存在せず、ゲームがまともなスピードに達するまでに約25分も必要とし、プレイヤーは徒労を強いられる。
かといってそこまで辿り着いても同時出現やフェイントが解禁されることもなく、高速化したターゲットを順番に叩くだけのお仕事に変わりはない。
説明書では三回と書かれているが実際は四回ミスすると「クリア」となり、作業で凝り固まった体を脱力させる。
ならば写真部分はどうかというと、デフォルトの画像は画面を殴りたくなるくらいに腹立たしいのですぐに変更したくなること請け合い。
本体から写真を取り込めずゲームを起動してから撮影する必要があり、下手をすると人間関係に亀裂が走る可能性も。
そうして撮影したターゲットを叩いていると、上画面の写真に痣や絆創膏といった、気持ち悪いエフェクトが貼られていく。
作業に疲れてふと上を見るとグロ画像が目に入る様には、ストレスではなくSAN値を減らそうとしているのではないかと邪推してしまう。
さて、もぐら叩きと写真の二つのクソ要素を説明したが、本作にはこの二つが複合したクソ要素がある。
それは、写真を変更する度にスコアが初期化されるというものである。もちろん撮影時に警告など存在しない。
写真を変えるとスコアが無と消え、スコアを残すと写真変更が無意味になると、お互いの長所を無かったことにしている。
低価格でもこの「ゲー無」はとても我慢出来るものではなく、可能ならば開発者の写真を撮りたいものであった。

そして殿は「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の記憶~」(略称:Pia4)。
元々は18禁ゲームであった作品を、全年齢向けに移植した自己育成SLGである。
ヒラメのようなのっぺり顔やサバンナと見間違えそうな陸上競技場など、「絵が下手」だけならいざ知らず、
シナリオが完全に崩壊しており、「大半のキャラにある使い捨ての大食い設定」、「格闘ゲームしてたら惚れられた」など枚挙に暇が無い。
キャラクターも、主人公がヒロインをひたすらストーカーしたり、オセロで自分の石を減らせない天才などもはや異常。
更に、「エロゲー」から「エロ」の部分を強引に取り除いた弊害として、その部分の過程が吹き飛ばされており、
「気付いたら従姉を妊娠させていた」、「いつのまにか実妹と肉体関係にある」など何が起こったのかわからない状態に。
育成部分の能力値はエンディング判定のみに使用されており、数値が満たないとノーヒントにも関わらず共通バッドエンド直行であり、
主人公と実妹が「この一ヶ月バイトだけだった」(意訳)を二人が肉体関係にある時でさえ吐き捨てる様には、開いた口が塞がらない。
……とここまで書いたのだが、この内容にデジャヴを憶える人がもしかしたら居るかもしれない。
それもそのはず、KOTY2011据え置き版において、激戦を演じた同名タイトルの携帯機移植版だからである。
そもそもPC版からエロ以外に評価する場所が無く、「クソエロゲー」から「エロ」を取り除くと「クソゲー」になるのは必然。
システムの改善やバグの削除、見切れ状態にある画像の修正など、後発作品としてやるべきことはやっているのだが、
元が酷すぎたために、スレでは「クソをどう料理してもクソはクソ」の認識で一致した。

これらと同時期に現れた「みんなの縁日」はミニゲーム集でありながら、画面に息を吹きかける、本体を揺らしたり回すと手抜きばかりで、
ゲームコインとアイテムの交換や前世占い、更には本体を回すだけというゲームなのか疑問に思えるものも中にはあったが、
一部のゲームは飽きやすいといえども楽めるものがあり、凄まじい破綻や絶望がない「劣化ゲー無」状態となり、地力が弱く選外となった。

それでは今年度の大賞を発表しよう。2012年携帯版KOTY大賞は「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」である。

パシャットとPia4、そして重火の三本は、それぞれのゲームの根幹をなしている部分がまごうことなきクソであることに代わりはない。
ならばこの三本の命運を分けたものはなにか、それはクソゲーとしての「濃度」である。
パシャットならばBGMのテンポアップといった僅かな工夫があり、反応や操作性には問題は無い。
Pia4は絵もシナリオもゲーム性も悲惨だが、BGMやユーザーインターフェースの面は普通だ。
一方重火は、シューティング部分もさることながら、シナリオやBGM、グラフィックやシステムにもスキが無い。
回復や残機、オプションが無いなど、一部においては同ジャンルの伝説のクソゲー「デスクリムゾン」にも劣る部分さえある。
起動時の謎のセーブ用写真撮影から始まり、無駄な紙芝居、BGM使い回しのエンディングまで、クソでない部分がないのだ。
海外版からの武器数減少や二人プレイの削除といった劣化移植の上、5ドル×2から4,980円への値上げといったものも些細な問題の様である。
単純なクソ「ゲー無」のパシャットやクソを一応料理したPia4と、クソをクソで塗り固めた金太郎飴状態の重火の差はここに出た。
重火はシステム、シナリオ、難易度、操作性、BGM、SE、グラフィックとぱっと思いつく要素の全てがクソ。
それは逃げ場が無い一斉射撃と呼ぶのもおこがましい、一筋の切れ目すらない絨毯爆撃であったのだ。

今年のKOTYは常に波乱であった。情報が遅れ、後発で選評が届いた作品に関しても中々個々の検証が進まなかった。
そんな混迷の中、検証を重ねた末の判断でノミネートした三本は、非常に濃密なクソゲーであると言えよう。
もしかすると重火は、選評で内容の酷さを正確に伝えることの重要さを、改めてスレ住民に教えてくれたのかもしれない。
また、海外作品初の大賞として「黒船」の役割でもって、ローカライズ作品にもクソがあることも示してくれた。
今後のKOTYが海外移植のクソを見つけた際に、前例としての役割をこなしてくれるだろう。

最後に、「ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー」のある兵士の言葉を拝借し、本年度の締めとさせて頂こう。

「このゲームの面白い場所はどこだ?」