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総評    

2014年、携帯版クソゲーオブザイヤーは
「対戦ゲームなのに簡単な先攻必勝法が存在する」という
狂気の課金型コイントスゲーム『インフィニタ・ストラーダ』によって、
ゲーム性と共に自らの収益をも投げ捨てるクソゲーの新たな地平を見ることとなった。
人類の歴史は進化の歴史であり、クソゲーもまた、日々進化しているのだ。
果たして2015年、我々はどのようなクソゲーの革新を目にすることになるのか……。
スレ民たちは恐怖と不安に抱かれながら新たな年を迎えた。
想像を絶する形でその不安が的中することも知らずに……。

まず天より落ちてきたのは3/25発売、3DS『パズルボトル』。
3DSを逆さまにし、上にした下画面を触り、下にした上画面にタイルを落として絵を作るゲームだ。
本体を逆にするという新しい発想に、誰もが感心するだろう。
しかしこのゲーム、タイトルに反してパズル要素はなにもない。
絵が横に流れていく「クラシック」と一枚絵の「スナップショット」の二つのモードがあるが、
どちらも絵には最初から薄い色がついており、同色の濃いタイルをタッチするだけなのだ。
絵は形も色も最初からわかっているため、完成させたところで色が濃くなるだけで驚きも喜びもない。
そもそも完成図を見てもなんの絵だかわからないものもある。
要するに、純然たる作業である。

難易度が高いわけではないが
「クラシック」では流れてくるタイルから目を離せないため、それなりに集中力が要求される。
また「スナップショット」ではタッチするポイントが狭いので、慎重にやらねばタッチミスが多発する。
パズルとしてもアクションとしても工夫する余地はないが、しかし集中力は要求されるのだ。
その単調作業ぶりはライン工、いや、なにかが完成するという実感がないためそれ以下である。
まるで穴を掘って埋めるという拷問のようなこの徒労感あふれる作業ぶりには、
ダウンロード専売で税込み400円という低価格もなんのフォローにもなるまい。
金を払って退屈と苦痛を買いたい人が、果たしてどれだけいるであろうか。

「低価格だからといってすべてが許されるわけではない」
というKOTYの基本を思い出させてくれる正統派ゲー無の出現に、
人々は今年もひどい年になりそうだと予感した。


予感を確信に変えたのは、夏にあらわれた難攻不落の要塞だ。
7/16発売。PSVITA『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。
基本プレイ無料で課金要素のあるいわゆるソーシャルゲームであり、ジャンルとしてはRTSとなる。
様々な施設を設置して自軍の要塞を作り、
対戦時はモビルスーツを出撃させれば自動で戦ってくれる、簡単操作のシステムが売りだ。

このゲームの最大の特徴は「エラー」だ。
ありとあらゆる状況で、いついかなるときでもエラーが起き、まともにプレイできないのだ。
戦闘を開始する、スキルを発動する、カメラを動かすなど、
ありとあらゆる行動がエラーを引き起こし、挙句は起動後に操作しないでもエラーが起きる。

「ソシャゲなら開始時にはよくあること」「いずれアップデートでよくなるだろう」
あまりの惨状に誰もがそう思ったし、実際、幾度もアップデートは施された。
だがその度に毎回30分足らずで新たな不具合が発見され、そしてエラーは改善されないという究極進化を続け、
トドメとばかりに12/28のアップデートで大幅に悪化させそのまま正月休みに入るという
ラストシューティングまでも決めたのだ。
つまり、サービス開始日からに2015年いっぱいまで、まともにプレイできた期間が一切存在しないのである。
まさに「起動せんし、ガンダム」である。

運良くたまたまプレイすることができても、
まず待ち受けているのはタイトルから次の画面の間に入る数分もの長いロードだ。
その後もなにかを選択するたびに数秒のロードが入り、対人戦やミッション開始前だとやはり数分にも及ぶ。
そのまま永久ロードに入るのもままあることだ。

運と忍耐によっていざ戦闘にたどり着いても、待っているのは最悪のゲームバランスだ。
パーツ装備によってだいたいの攻撃は八割ほどダメージ減できるため、
それを無効にできる一部の攻撃を備えていないユニットの運用は趣味の領域となり、
実質的な戦力となるユニットは十種程度である。
さらにスキルの強弱も激しいため、プレイヤーの選択肢はひどく限られてくる。
さらにAIの頭が悪く、優先ターゲットを狙わないばかりか、
意味もない場所をうろちょろし、しまいには出撃から数十秒も棒立ちになったりする。
1ミッション一分前後の高速展開が売りの本作においては致命的である。

操作性も極めて悪く、タッチの感度が悪いうえに、
タッチ操作とボタン操作が入り混じっていてわかりづらいため、操作するだけでイライラしてしまう。
UIも劣悪でスキル範囲がわからなかったり、ソート機能が役に立たなかったりと散々である。

ファンアイテムとして楽しもうにも原作再現は乏しく、参戦作品はわずか8作品のみ。
しかもSEED機体ばかりが充実しZやUCは主要機体すらそろわないなど、異様な偏りが見受けられる。

運営姿勢にも問題があり、上述のいいかげんなアップデートのほか、
イベント告知のされない公式コミュ。
データベースが見難いうえに間違いだらけの公式ページ。
果ては課金ガチャで「排出率2倍」の広告を出しながら実際は2倍になっていないなどの詐欺疑惑まで出る始末だ。

重ねていうが、エラーが多発するため
こんなクソゲーをプレイすることすらほとんどできないのが本作最大の問題点である。
プレイできずにクソ、プレイしてもクソという今作は、まさにクソの要塞と言えよう。


要塞の起こした夏の熱気にあてられたのか、変わり果てた姿で土の下より蘇るものがあった。
7/23発売、3DS『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』。
四半世紀の歴史を誇るシミュレーションRPGシリーズの、十数年ぶりとなる正統続編である
(事情が複雑なので割愛するが派生作品は間にいくつか存在している)。

まず一見して気がつくのは、目を疑うようなグラフィックだ。
フィールドマップはとにかく見た目がチープ、かつ地形やユニットの判別が難しいため、快適さの欠片もない。
戦闘シーンに入るとチープさはさらに向上し、
「ビー玉」と蔑称される1.5等身のキャラクターがやる気なくぶつかり
ずれたテンポでしょぼい爆発をする映像は、掛け値無しに歴代SRPGの最底辺である。
ひどすぎて一見の価値があるほどだが、一度見ると笑いすらも乾き、二度と見る気がしなくなるであろう。

しかし見た目のひどさよりも凶悪なのが崩壊したゲームバランスだ。
調整が雑を極めるため、戦っても拮抗することがほとんどなく、無傷か一撃死かのどちらかがほとんどなのだ。
この調整により本作の特徴である三すくみもほとんど機能しておらず
一度レベル差が発生したキャラが追いつくことが困難となる。
やたらだだっ広いが考える要素はなにもない稚拙なマップも相まって
任意のキャラ一人か二人のレベルを上げてぶん殴ればすべてが解決するようになっている。

さらにこのゲーム、シリーズの特徴としてレベルが10に達するごとにクラスチェンジして
ステータスが向上しレベルが1に戻るのだが、この際に取得経験値が跳ね上がる。
おそらく高クラスは実質レベル11、21などに相当するにもかかわらず、
表示通りのレベル1と判定して取得経験値に補正が入っているのだろう。
この仕様により強いキャラはさらに高速でレベルが上がり、
殴るだけの戦略性の欠片もないゲームが完成する。

ほかにも様々に分岐するが、総じて薄味で気の抜ける雑なテキストと相まり「どうでもいい」の一言のストーリー。
何故かほとんどが口半開きで間の抜けたキャライラスト。
表示されるテキストと合っていないことをしゃべりまくるパートボイス。
曲自体は良いが過去作の使い回しで、しかも場面に合っていないことが多々あるBGM。
異様にしょぼいエフェクト。
使いづらいUIにやたらともたつくテンポの悪さなど、細部の粗をあげればキリがなく、
ゲームを構成するあらゆる要素がことごとく低クオリティである。
この有様でもアップデートによってずいぶんとマシになっているというのだから驚きだ。
とにかくSRPGというジャンルに期待するものがなにひとつ存在せず、
このジャンルの底辺を実感するならこのゲームしかないといえる出来栄えだ。

往年の名作の復活に、多くの古参ユーザーが期待を寄せていた。
だがその転生は、どうやら頭に「魔界」や「穢土」のつく忌むべきものであったようだ。
見る影もなく変わり果てたその姿は、旧作を知らぬ者から見ても涙を禁じ得ない。


一気に薄ら寒くなった夏をさらに寒くしたのは
8/13発売、3DS『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』だ。
本作のジャンルは「ドレスアップ&デコレーション」。要するに人形着せ替えゲームだ。
このゲームの特徴は、ゲームと呼んでいいのかわからない極限的な薄さだ。
なにせ店で働いたり、経営してお金を稼いだり、貯めたお金で服やアクセサリを購入したり、といった、
この手のファッションゲームにおける常識的な要素がなにもない。
人形も服もアクセサリもすべてはじめから揃っていて、
プレイヤーがやれることは、人形を着せ替えて、背景決めて、落書きをし、気に入ったら撮影して保存する。
それだけである。

また着せ替え要素も、髪の色が変えられない、ポーズは服に依存、
拡大縮小が三段階のみで回転も45度ずつ。そもそも服や装飾品の数も少ない。
着せ替え以外になにもやれることがなく、その着せ替えの自由度も低い。
サランラップにでも挑むつもりかと言いたくなる薄さである。

しかもこのゲーム、元々がDSiウェアで500円で発売されていたソフト五本の詰め合わせ+αなのだが、
定価は税別3500円である。
一世代前のゲーム機のソフトを詰め合わせて割高にするだけでも意味がわからないうえに、
そもそも3DSでもDSiウェアはプレイできる。
+α要素もたいしたものではないため、わざわざ今作を買う理由を見つけるのは難しい。


冷夏はさらに続く。
8/27発売。PSVITA『Rear pheles -Red of Another-』。
女性主人公になって男性キャラとの恋愛を楽しむ、いわゆる乙女ゲームからの刺客である。
ただの紙芝居シーンなのにやたらと入る五秒ほどのロード、
主人公のデフォルト名が「主人公」と投げやり、
ストーリー展開にところどころ無理があるなど、細かいジャブにも事欠かないが、
KOTYでは話題になることがほとんどない乙女ゲーがここに名を連ねたのは
ひとえに3Dパートの存在ゆえである。

この3Dパート、名前の通りに3Dで構築されたフィールドを、主観視点で移動するもので、
追っ手から逃げるエスケープモードと敵を見つけるハンターモードの二種類が存在する。
どちらにもいえることはとにかく不親切で説明不足なことだ。
やたらとひっかかってまともに歩けない操作性に難があり、
通常移動が遅いのにダッシュのやり方すら教えてもらえない。
マップはやたらと広く単調で時間制限があるため悠長にマッピングもできず、
しかもランダム生成のため覚えることもできない。
要するに理不尽に難しいのだ。

エスケープモードの主目的は追っ手から逃げながら脱出することだが
ただ逃げるだけではなくアイテムの回収もしなければならない。
だが開始時に「あなたなら必要なものが見える」というふんわりとした説明をされるだけで、
しかもこの説明はオート文字送り&読み返し不可という鬼畜仕様。
敵の追尾は正確であり、敵から身を隠す場所は背景と同化していてわかりにくい。
アイテムは近くまで寄らないと見えないため回収が難しく、回収しても一覧などがないため現状がわからない。
難易度が四段階から選べるが、あまり差はなく最低難易度のイージーでも難しい。
こんな理不尽なモードを一週につき八回もプレイさせられることになる。

ハンターモードでは標的を見つけることになるのだが、標的は初期位置の辺りをうろちょろするだけなので、
広いマップをノーヒントでシラミ潰しにするだけのTHE・作業ゲーである。
こちらの回数は二回だが苦痛には変わりない。
そしてどちらのモードでも開始時・リトライ時には一分近い超ロードが待ち受けている。

一般的にアクション要素に不慣れなユーザーが多いと思われるタイトルにおいて、
この悪夢のごとき理不尽要素を入れた理由はまったく不明である。
乙女ゲーというKOTYで話題になりにくいタイトルでありながら、
本年度の大賞に名乗りを挙げる資格は十分にあるだろう。


糞の連発に冷え込んだ夏が終わり、四季とともに糞は移りゆく。
晩秋の風とともに、新時代のクソゲーは飛来した。
11/19発売、PSVITA『エアシップ Q』。
近年ブームを起こしているジャンル、サンドボックスからの参戦である。

今作は横スクロール型のアクションRPGであり、
そこに拠点となる空中戦艦をビルドするというサンドボックス要素が加わっている。
だが、この特色であるビルド部分が問題だ。
なにせ自キャラの真上や真下のブロックを壊したり置いたり出来ないので、思い通りの形にすることが極めて難しいのだ。
例えば天井に空いた1マスの穴を埋めるために天井を一度剥がして大部分を作りなおしたり、
二段下の床の穴を埋めるために大穴を掘って足場がなくならないように気をつけながら埋めなおしたりと、
パズルゲームのような面倒で難解な作業を強いられる。

おまけにがんばって理想通りの船を作っても、戦闘をすればボロボロと穴が空き、
修復したければ上記のような面倒さに耐えなければならない。
その手間をある種のリアリティということもできなくはないが、
面倒なだけで楽しさのないリアルさを誰が求めるだろうか?

また、このビルド部分とアクションRPG部分がまったく噛み合っていないのが、作ることの徒労感を倍増させる。
船を強くするゲームなのに、ゲームとしての効率を求めると
ほぼ初期状態のイカダのごとき状態で突貫するだけで十分なのだ、
大きくなると小回りが効かなくなり、進入できる場所が減ってしまうが、
小型にすればかなりの部分まで進入することができるためだ。
船を大きくするメリットがほぼ存在せずデメリットばかりが目立つゲームで
どうして好きなようにビルドする気になるだろうか?

しかもこのゲームはデスペナルティがなく、戦ってた敵の体力もそのまま。
そしてリスポーン地点は自分の船である。
そのためボス戦も含めてほとんどの局面を、小型の船で可能なかぎり奥深くまで突撃し、
あとはゾンビアタックを繰り返すだけの作業で解決できてしまう。

逆に今作の最適解である小型で強い船を作れば
これはこれで船の自動攻撃でほとんどの敵が勝手に死ぬので
自分が戦う必要すらなくなる。

どちらに転んでもアクションRPGとしての楽しみを全否定するようなシステムである。
加えていえばストーリーも薄味で、あってもなくても良いような仕上がりとなっている。

思い通りにビルドすることが困難で、そもそも攻略的にはビルドする必要すらない。
砂場(サンドボックス)は砂場でも、砂で遊ぶのでなくひたすら砂を噛まされるようなゲームといえよう。


かくして孤愁の秋は過ぎ、魔の棲む冬が訪れる。
年末に笑いを届けてくれるアレが、今年は一足早くやって来た。
おぞましき魔物と化して。

12/17発売、3DS『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド』。
人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」を題材にした、対戦逃走アクションゲームである。
マップ内を徘徊する黒鬼から逃げながらミッションをこなしていく、要するに『逃走中』のようなゲームだ。

静止画を見てもニ世代以上前のようなグラフィックが目を引くが、
動かしてみると「おや、今日はそんなに寒かったかな」と不思議な気持ちになるだろう。
だが勘違いしてはいけない。冬の寒さであなたが震えているのではなく、
このゲームが常に極限まで処理落ちしているだけだ。
キャラの動きはカクカク、カメラはガクガク、ただ移動しているだけで目に絶大なダメージを与えてくる。
「黒鬼に捕まったら、キッツイお仕置きが待っとるで」とは、今作の公式PVのセリフだが、
そんなことをされるまでもなく、このゲームをプレイすること自体が目へのキッツイお仕置きである。

その攻撃に耐えても、あらゆる壁や障害物の判定が見た目よりもかなり大きく見えない壁となって行く手を阻み、
さらにしょっちゅう荒ぶるカメラは視界を塞ぎ、ただ移動することに大変な困難がつきまとう。

こうした劣悪な状況下で「宝探し」「レース」「サバイバル」という三つのミッションで一位を目指し、
ラスボスであるガースー魔王を倒すのが今作の目的である。
三つのミッションといっても要するにどれも基本は鬼ごっこであり、ミニゲームの域を脱していない。
そのミニゲーム三つが5マップ分と、さらに退屈なラスボス戦がこのゲームのすべてである。
一人用だと対戦相手がCPUとなるが、強さ設定は存在せず、そして弱い。

プレイ中にコインを拾い集めてアバターを買うのがやりこみ要素だが、
1プレイで拾えるコインの量がせいぜい10枚であるのにアバターは安くても50や100、
高いのになると2000、3000とするので苦痛の一言である。
ファンアイテムとして見てもナレーションが番組と同じ山田真一氏で
なかなかのバリエーションを収録してあることくらいしか褒めどころがない。

この劣悪な品質と薄いボリュームで定価は税別4800円というのだから、時代錯誤にもほどがあるだろう。
タイトルの「絶対につかまってはいけない」から「つ」と「ま」を抜いたほうが適切ではなかろうか。


かくしてここに七本のクソゲーが出揃った。
「七つの大罪」「七英雄」など、とかく七に縁のあるKOTYであるが、大賞の不名誉にどす黒く輝くのは一本のみ。
それでは携ゲ版KOTY2015の大賞を発表しよう。


『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。


今作が他の六本を引き離した要因は大きく分けて三つある。
一つは「進化するクソゲー」であったという点だ。

多少の不具合は発売後にもアップデートで直せるのがネット時代の強みである。
今回挙がった作品たちも、アップデートにより発売当初よりは改善されたものが多い。
『エアシップQ』は操作性やUIが良くなった。
『ラングリッサー』はSRPG史に類を見ない劣悪なUIとAIとテンポが上向き修正された。
『Rear pheles』は3Dパートをスキップできるようにしたことによって強引に問題点を消し去った。
特に『ラングリッサー』はリリース時のままであったら大賞も有り得るひどさだっただけに、
アップデートの恩恵は大きいだろう。

しかるに『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』は、度重なるアップデートを加えながら、
その度に新たな問題を発生させ、より強固なクソへと進化していった。名の通り、まさに要塞である。
プレイヤーの心が鎮まることを拒むように定期的に燃料をくべていくその姿に
思わず「♪燃えあが~れ~燃えあが~れ~燃えあが~れ~ガンダム~」と
往年の名曲を口ずさんでしまった者も少なくないだろう。

スタート地点で互角であれば、そこから退化したものと進化したもの、
どちらが抜きん出るかはいうまでもあるまい。


二つ目の要因は「明快さ」である。
今回のKOTYには解釈の難しいゲームが多かった。
ゲー無ではあるが400円かつ低年齢向けとも思われる『パズルボトル』。
ゲームではなくツールだと思えばやることのなさは問題ない『デコラドール』。
乙女ゲーの肝であるキャラに関しては大きな不満を聞かない『Rear pheles』。
番組ナレーションの再現など、ファンアイテムとしては価値はあるといえなくもない『ガキの使いやあらへんで!』。
いずれも人によって解釈のぶれ幅が大きく、全会一致でのクソとは言いづらい面があるのだ。
対して要塞は対戦ゲームなのに対人戦もCPU戦もつまらなく、
そしてつまらない対戦をすることすらエラーで困難、
おまけにファンアイテムとしてもダメという、
どの観点から見てもわかりやすいクソであり、解釈の揺れがない。

唯一「基本無料」という料金体制において意見が分かれるが
基本無料は同時に青天井ということでもあり、
低価格とは違って一概に安いと判断することはできない。
現にKOTYスレにも万単位の金額を投じているという無謀な勇者がいた。
よって功罪相殺と見做し、この点に関しては考慮しないことにした。


そして筆者が最大の理由として捉えている三つ目の要因。
例年の大賞作同様、要塞が「クソゲーの新たな境地を拓いた作品」であることだ。
昨年の『インフィニタ・ストラーダ』は研究の末コイントスゲームとなることで無価値を極めた。
そして要塞はさらに一歩進み、ゲーム内容を研究するまでもなく
「エラーでプレイできない」という絶対防御壁によって、すべての者に等しく無価値を届けたのだ。
もはやそれは「プレイという因があり、評価という果がある」という因果に囚われた地平を超え
「糞ある、故に糞あり」という唯糞論の域に達した哲学的存在といえよう。

以上のことから、クソゲーの基本を押さえ、同時に新たな価値観をも内包する
『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』こそ2015年の最糞と確信し、
大賞であることをここに宣言する。


上半期では不作を疑われながら、最終的には七作。
今年もまた屑星のごときクソゲーたちがKOTYを彩った。
バンナムは携帯での大賞受賞は今回が初めてであるが、
据え置き・携帯を合わせればその活躍は目覚ましい。
もし社長がトレーズ・クシュリナーダであり、
これまでのKOTYでの戦果を訊ねられたのなら、こう答えるであろう。
「聞きたいかね?今年までの時点で次点入りが18作、大賞が5作目だ」と……。

「アソビきれない毎日を。」を新たな企業理念に掲げたこの古豪が
アソビたくてもアソベないゲームなどもう出さないことを祈りたい。

ガンダムにおいてニュータイプという新人類は
宇宙という新たな舞台に適応し進化した、人類の希望の光であった。
しかし皮肉にもその希望こそが、ときに新たな争いの火種にもなってしまう。
パッチによるアップデートもまた、ゲームを進化させる新時代の希望の光であったはずが
今作のような悲劇を生み出してしまった。

だが度重なる困難にまみれた今作に、それでも人々がついていったのは
パッチという可能性によって育まれ力を得る獣の姿を、そこにみたからだろう。
バグもフリーズもエラーもなく、存分にこのゲームが遊べる日を夢見ていたのだ。
みんなゲームが、ガンダムが、大好きだから。

事実、年明けより改善の兆しは見えていた。
しかし――無情にも2016年5月26日をもって
『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』はサービス終了となり、帰らぬゲームとなってしまった。
サービス開始よりわずか十ヶ月余り。
一年戦争とも呼べぬ、はかない戦いであった。
願いが散り、すべてが無に帰すとわかったときの人々の無念はいかなるものか……。

胸の奥から湧き上がる彼らの、いや我々の想いを
2015年放送の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より
主人公である三日月・オーガスの言葉を借りてあらわし
本年の締めくくりとしたい。


「まっ、いいか。
 こ い つ は 死 ん で い い ク ソ だ か ら 」