2016年総評が完成しました。(2017/10/10)

2015年 総評
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このページは、2015年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
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総評案1 (機動戦士ガンダム バトルフォートレス)

  • 総評案1 ◆KARRBU6hjo
    • 初出 2016/03/13 part8 >>423
    • 最新版 2016/05/31 part9 >>129

      2014年、携帯版クソゲーオブザイヤーは
      「対戦ゲームなのに簡単な先攻必勝法が存在する」という
      狂気の課金型コイントスゲーム『インフィニタ・ストラーダ』によって、
      ゲーム性と共に自らの収益をも投げ捨てるクソゲーの新たな地平を見ることとなった。
      人類の歴史は進化の歴史であり、クソゲーもまた、日々進化しているのだ。
      果たして2015年、我々はどのようなクソゲーの革新を目にすることになるのか……。
      スレ民たちは恐怖と不安に抱かれながら新たな年を迎えた。
      想像を絶する形でその不安が的中することも知らずに……。

      まず天より落ちてきたのは3/25発売、3DS『パズルボトル』。
      3DSを逆さまにし、上にした下画面を触り、下にした上画面にタイルを落として絵を作るゲームだ。
      本体を逆にするという新しい発想に、誰もが感心するだろう。
      しかしこのゲーム、タイトルに反してパズル要素はなにもない。
      絵が横に流れていく「クラシック」と一枚絵の「スナップショット」の二つのモードがあるが、
      どちらも絵には最初から薄い色がついており、同色の濃いタイルをタッチするだけなのだ。
      絵は形も色も最初からわかっているため、完成させたところで色が濃くなるだけで驚きも喜びもない。
      そもそも完成図を見てもなんの絵だかわからないものもある。
      要するに、純然たる作業である。

      難易度が高いわけではないが
      「クラシック」では流れてくるタイルから目を離せないため、それなりに集中力が要求される。
      また「スナップショット」ではタッチするポイントが狭いので、慎重にやらねばタッチミスが多発する。
      パズルとしてもアクションとしても工夫する余地はないが、しかし集中力は要求されるのだ。
      その単調作業ぶりはライン工、いや、なにかが完成するという実感がないためそれ以下である。
      まるで穴を掘って埋めるという拷問のようなこの徒労感あふれる作業ぶりには、
      ダウンロード専売で税込み400円という低価格もなんのフォローにもなるまい。
      金を払って退屈と苦痛を買いたい人が、果たしてどれだけいるであろうか。

      「低価格だからといってすべてが許されるわけではない」
      というKOTYの基本を思い出させてくれる正統派ゲー無の出現に、
      人々は今年もひどい年になりそうだと予感した。


      予感を確信に変えたのは、夏にあらわれた難攻不落の要塞だ。
      7/16発売。PSVITA『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。
      基本プレイ無料で課金要素のあるいわゆるソーシャルゲームであり、ジャンルとしてはRTSとなる。
      様々な施設を設置して自軍の要塞を作り、
      対戦時はモビルスーツを出撃させれば自動で戦ってくれる、簡単操作のシステムが売りだ。

      このゲームの最大の特徴は「エラー」だ。
      ありとあらゆる状況で、いついかなるときでもエラーが起き、まともにプレイできないのだ。
      戦闘を開始する、スキルを発動する、カメラを動かすなど、
      ありとあらゆる行動がエラーを引き起こし、挙句は起動後に操作しないでもエラーが起きる。

      「ソシャゲなら開始時にはよくあること」「いずれアップデートでよくなるだろう」
      あまりの惨状に誰もがそう思ったし、実際、幾度もアップデートは施された。
      だがその度に毎回30分足らずで新たな不具合が発見され、そしてエラーは改善されないという究極進化を続け、
      トドメとばかりに12/28のアップデートで大幅に悪化させそのまま正月休みに入るという
      ラストシューティングまでも決めたのだ。
      つまり、サービス開始日からに2015年いっぱいまで、まともにプレイできた期間が一切存在しないのである。
      まさに「起動せんし、ガンダム」である。

      運良くたまたまプレイすることができても、
      まず待ち受けているのはタイトルから次の画面の間に入る数分もの長いロードだ。
      その後もなにかを選択するたびに数秒のロードが入り、対人戦やミッション開始前だとやはり数分にも及ぶ。
      そのまま永久ロードに入るのもままあることだ。

      運と忍耐によっていざ戦闘にたどり着いても、待っているのは最悪のゲームバランスだ。
      パーツ装備によってだいたいの攻撃は八割ほどダメージ減できるため、
      それを無効にできる一部の攻撃を備えていないユニットの運用は趣味の領域となり、
      実質的な戦力となるユニットは十種程度である。
      さらにスキルの強弱も激しいため、プレイヤーの選択肢はひどく限られてくる。
      さらにAIの頭が悪く、優先ターゲットを狙わないばかりか、
      意味もない場所をうろちょろし、しまいには出撃から数十秒も棒立ちになったりする。
      1ミッション一分前後の高速展開が売りの本作においては致命的である。

      操作性も極めて悪く、タッチの感度が悪いうえに、
      タッチ操作とボタン操作が入り混じっていてわかりづらいため、操作するだけでイライラしてしまう。
      UIも劣悪でスキル範囲がわからなかったり、ソート機能が役に立たなかったりと散々である。

      ファンアイテムとして楽しもうにも原作再現は乏しく、参戦作品はわずか8作品のみ。
      しかもSEED機体ばかりが充実しZやUCは主要機体すらそろわないなど、異様な偏りが見受けられる。

      運営姿勢にも問題があり、上述のいいかげんなアップデートのほか、
      イベント告知のされない公式コミュ。
      データベースが見難いうえに間違いだらけの公式ページ。
      果ては課金ガチャで「排出率2倍」の広告を出しながら実際は2倍になっていないなどの詐欺疑惑まで出る始末だ。

      重ねていうが、エラーが多発するため
      こんなクソゲーをプレイすることすらほとんどできないのが本作最大の問題点である。
      プレイできずにクソ、プレイしてもクソという今作は、まさにクソの要塞と言えよう。


      要塞の起こした夏の熱気にあてられたのか、変わり果てた姿で土の下より蘇るものがあった。
      7/23発売、3DS『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』。
      四半世紀の歴史を誇るシミュレーションRPGシリーズの、十数年ぶりとなる正統続編である
      (事情が複雑なので割愛するが派生作品は間にいくつか存在している)。

      まず一見して気がつくのは、目を疑うようなグラフィックだ。
      フィールドマップはとにかく見た目がチープ、かつ地形やユニットの判別が難しいため、快適さの欠片もない。
      戦闘シーンに入るとチープさはさらに向上し、
      「ビー玉」と蔑称される1.5等身のキャラクターがやる気なくぶつかり
      ずれたテンポでしょぼい爆発をする映像は、掛け値無しに歴代SRPGの最底辺である。
      ひどすぎて一見の価値があるほどだが、一度見ると笑いすらも乾き、二度と見る気がしなくなるであろう。

      しかし見た目のひどさよりも凶悪なのが崩壊したゲームバランスだ。
      調整が雑を極めるため、戦っても拮抗することがほとんどなく、無傷か一撃死かのどちらかがほとんどなのだ。
      この調整により本作の特徴である三すくみもほとんど機能しておらず、
      一度レベル差が発生したキャラが追いつくことが困難となる。
      やたらだだっ広いが考える要素はなにもない稚拙なマップも相まって
      任意のキャラ一人か二人のレベルを上げてぶん殴ればすべてが解決するようになっている。

      さらにこのゲーム、シリーズの特徴としてレベルが10に達するごとにクラスチェンジして
      ステータスが向上しレベルが1に戻るのだが、この際に取得経験値が跳ね上がる。
      おそらく高クラスは実質レベル11、21などに相当するにもかかわらず、
      表示通りのレベル1と判定して取得経験値に補正が入っているのだろう。
      この仕様により強いキャラはさらに高速でレベルが上がり、
      殴るだけの戦略性の欠片もないゲームが完成する。

      ほかにも様々に分岐するが、総じて薄味で気の抜ける雑なテキストと相まり「どうでもいい」の一言のストーリー。
      何故かほとんどが口半開きで間の抜けたキャライラスト。
      表示されるテキストと合っていないことをしゃべりまくるパートボイス。
      曲自体は良いが過去作の使い回しで、しかも場面に合っていないことが多々あるBGM。
      異様にしょぼいエフェクト。
      使いづらいUIにやたらともたつくテンポの悪さなど、細部の粗をあげればキリがなく、
      ゲームを構成するあらゆる要素がことごとく低クオリティである。
      この有様でもアップデートによってずいぶんとマシになっているというのだから驚きだ。
      とにかくSRPGというジャンルに期待するものがなにひとつ存在せず、
      このジャンルの底辺を実感するならこのゲームしかないといえる出来栄えだ。

      往年の名作の復活に、多くの古参ユーザーが期待を寄せていた。
      だがその転生は、どうやら頭に「魔界」や「穢土」のつく忌むべきものであったようだ。
      見る影もなく変わり果てたその姿は、旧作を知らぬ者から見ても涙を禁じ得ない。


      一気に薄ら寒くなった夏をさらに寒くしたのは
      8/13発売、3DS『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』だ。
      本作のジャンルは「ドレスアップ&デコレーション」。要するに人形着せ替えゲームだ。
      このゲームの特徴は、ゲームと呼んでいいのかわからない極限的な薄さだ。
      なにせ店で働いたり、経営してお金を稼いだり、貯めたお金で服やアクセサリを購入したり、といった、
      この手のファッションゲームにおける常識的な要素がなにもない。
      人形も服もアクセサリもすべてはじめから揃っていて、
      プレイヤーがやれることは、人形を着せ替えて、背景決めて、落書きをし、気に入ったら撮影して保存する。
      それだけである。

      また着せ替え要素も、髪の色が変えられない、ポーズは服に依存、
      拡大縮小が三段階のみで回転も45度ずつ。そもそも服や装飾品の数も少ない。
      着せ替え以外になにもやれることがなく、その着せ替えの自由度も低い。
      サランラップにでも挑むつもりかと言いたくなる薄さである。

      しかもこのゲーム、元々がDSiウェアで500円で発売されていたソフト五本の詰め合わせ+αなのだが、
      定価は税別3500円である。
      一世代前のゲーム機のソフトを詰め合わせて割高にするだけでも意味がわからないうえに、
      そもそも3DSでもDSiウェアはプレイできる。
      +α要素もたいしたものではないため、わざわざ今作を買う理由を見つけるのは難しい。


      冷夏はさらに続く。
      8/27発売。PSVITA『Rear pheles -Red of Another-』。
      女性主人公になって男性キャラとの恋愛を楽しむ、いわゆる乙女ゲームからの刺客である。
      ただの紙芝居シーンなのにやたらと入る五秒ほどのロード、
      主人公のデフォルト名が「主人公」と投げやり、
      ストーリー展開にところどころ無理があるなど、細かいジャブにも事欠かないが、
      KOTYでは話題になることがほとんどない乙女ゲーがここに名を連ねたのは
      ひとえに3Dパートの存在ゆえである。

      この3Dパート、名前の通りに3Dで構築されたフィールドを、主観視点で移動するもので、
      追っ手から逃げるエスケープモードと敵を見つけるハンターモードの二種類が存在する。
      どちらにもいえることはとにかく不親切で説明不足なことだ。
      やたらとひっかかってまともに歩けない操作性に難があり、
      通常移動が遅いのにダッシュのやり方すら教えてもらえない。
      マップはやたらと広く単調で時間制限があるため悠長にマッピングもできず、
      しかもランダム生成のため覚えることもできない。
      要するに理不尽に難しいのだ。

      エスケープモードの主目的は追っ手から逃げながら脱出することだが
      ただ逃げるだけではなくアイテムの回収もしなければならない。
      だが開始時に「あなたなら必要なものが見える」というふんわりとした説明をされるだけで、
      しかもこの説明はオート文字送り&読み返し不可という鬼畜仕様。
      敵の追尾は正確であり、敵から身を隠す場所は背景と同化していてわかりにくい。
      アイテムは近くまで寄らないと見えないため回収が難しく、回収しても一覧などがないため現状がわからない。
      難易度が四段階から選べるが、あまり差はなく最低難易度のイージーでも難しい。
      こんな理不尽なモードを一週につき八回もプレイさせられることになる。

      ハンターモードでは標的を見つけることになるのだが、標的は初期位置の辺りをうろちょろするだけなので、
      広いマップをノーヒントでシラミ潰しにするだけのTHE・作業ゲーである。
      こちらの回数は二回だが苦痛には変わりない。
      そしてどちらのモードでも開始時・リトライ時には一分近い超ロードが待ち受けている。

      一般的にアクション要素に不慣れなユーザーが多いと思われるタイトルにおいて、
      この悪夢のごとき理不尽要素を入れた理由はまったく不明である。
      乙女ゲーというKOTYで話題になりにくいタイトルでありながら、
      本年度の大賞に名乗りを挙げる資格は十分にあるだろう。


      糞の連発に冷え込んだ夏が終わり、四季とともに糞は移りゆく。
      晩秋の風とともに、新時代のクソゲーは飛来した。
      11/19発売、PSVITA『エアシップ Q』。
      近年ブームを起こしているジャンル、サンドボックスからの参戦である。

      今作は横スクロール型のアクションRPGであり、
      そこに拠点となる空中戦艦をビルドするというサンドボックス要素が加わっている。
      だが、この特色であるビルド部分が問題だ。
      なにせ自キャラの真上や真下のブロックを壊したり置いたり出来ないので、思い通りの形にすることが極めて難しいのだ。
      例えば天井に空いた1マスの穴を埋めるために天井を一度剥がして大部分を作りなおしたり、
      二段下の床の穴を埋めるために大穴を掘って足場がなくならないように気をつけながら埋めなおしたりと、
      パズルゲームのような面倒で難解な作業を強いられる。

      おまけにがんばって理想通りの船を作っても、戦闘をすればボロボロと穴が空き、
      修復したければ上記のような面倒さに耐えなければならない。
      その手間をある種のリアリティということもできなくはないが、
      面倒なだけで楽しさのないリアルさを誰が求めるだろうか?

      また、このビルド部分とアクションRPG部分がまったく噛み合っていないのが、作ることの徒労感を倍増させる。
      船を強くするゲームなのに、ゲームとしての効率を求めると
      ほぼ初期状態のイカダのごとき状態で突貫するだけで十分なのだ、
      大きくなると小回りが効かなくなり、進入できる場所が減ってしまうが、
      小型にすればかなりの部分まで進入することができるためだ。
      船を大きくするメリットがほぼ存在せずデメリットばかりが目立つゲームで
      どうして好きなようにビルドする気になるだろうか?

      しかもこのゲームはデスペナルティがなく、戦ってた敵の体力もそのまま。
      そしてリスポーン地点は自分の船である。
      そのためボス戦も含めてほとんどの局面を、小型の船で可能なかぎり奥深くまで突撃し、
      あとはゾンビアタックを繰り返すだけの作業で解決できてしまう。

      逆に今作の最適解である小型で強い船を作れば
      これはこれで船の自動攻撃でほとんどの敵が勝手に死ぬので
      自分が戦う必要すらなくなる。

      どちらに転んでもアクションRPGとしての楽しみを全否定するようなシステムである。
      加えていえばストーリーも薄味で、あってもなくても良いような仕上がりとなっている。

      思い通りにビルドすることが困難で、そもそも攻略的にはビルドする必要すらない。
      砂場(サンドボックス)は砂場でも、砂で遊ぶのでなくひたすら砂を噛まされるようなゲームといえよう。


      かくして孤愁の秋は過ぎ、魔の棲む冬が訪れる。
      年末に笑いを届けてくれるアレが、今年は一足早くやって来た。
      おぞましき魔物と化して。

      12/17発売、3DS『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド』。
      人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」を題材にした、対戦逃走アクションゲームである。
      マップ内を徘徊する黒鬼から逃げながらミッションをこなしていく、要するに『逃走中』のようなゲームだ。

      静止画を見てもニ世代以上前のようなグラフィックが目を引くが、
      動かしてみると「おや、今日はそんなに寒かったかな」と不思議な気持ちになるだろう。
      だが勘違いしてはいけない。冬の寒さであなたが震えているのではなく、
      このゲームが常に極限まで処理落ちしているだけだ。
      キャラの動きはカクカク、カメラはガクガク、ただ移動しているだけで目に絶大なダメージを与えてくる。
      「黒鬼に捕まったら、キッツイお仕置きが待っとるで」とは、今作の公式PVのセリフだが、
      そんなことをされるまでもなく、このゲームをプレイすること自体が目へのキッツイお仕置きである。

      その攻撃に耐えても、あらゆる壁や障害物の判定が見た目よりもかなり大きく見えない壁となって行く手を阻み、
      さらにしょっちゅう荒ぶるカメラは視界を塞ぎ、ただ移動することに大変な困難がつきまとう。

      こうした劣悪な状況下で「宝探し」「レース」「サバイバル」という三つのミッションで一位を目指し、
      ラスボスであるガースー魔王を倒すのが今作の目的である。
      三つのミッションといっても要するにどれも基本は鬼ごっこであり、ミニゲームの域を脱していない。
      そのミニゲーム三つが5マップ分と、さらに退屈なラスボス戦がこのゲームのすべてである。
      一人用だと対戦相手がCPUとなるが、強さ設定は存在せず、そして弱い。

      プレイ中にコインを拾い集めてアバターを買うのがやりこみ要素だが、
      1プレイで拾えるコインの量がせいぜい10枚であるのにアバターは安くても50や100、
      高いのになると2000、3000とするので苦痛の一言である。
      ファンアイテムとして見てもナレーションが番組と同じ山田真一氏で
      なかなかのバリエーションを収録してあることくらいしか褒めどころがない。

      この劣悪な品質と薄いボリュームで定価は税別4800円というのだから、時代錯誤にもほどがあるだろう。
      タイトルの「絶対につかまってはいけない」から「つ」と「ま」を抜いたほうが適切ではなかろうか。


      かくしてここに七本のクソゲーが出揃った。
      「七つの大罪」「七英雄」など、とかく七に縁のあるKOTYであるが、大賞の不名誉にどす黒く輝くのは一本のみ。
      それでは携ゲ版KOTY2015の大賞を発表しよう。


      『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。


      今作が他の六本を引き離した要因は大きく分けて三つある。
      一つは「進化するクソゲー」であったという点だ。

      多少の不具合は発売後にもアップデートで直せるのがネット時代の強みである。
      今回挙がった作品たちも、アップデートにより発売当初よりは改善されたものが多い。
      『エアシップQ』は操作性やUIが良くなった。
      『ラングリッサー』はSRPG史に類を見ない劣悪なUIとAIとテンポが上向き修正された。
      『Rear pheles』は3Dパートをスキップできるようにしたことによって強引に問題点を消し去った。
      特に『ラングリッサー』はリリース時のままであったら大賞も有り得るひどさだっただけに、
      アップデートの恩恵は大きいだろう。

      しかるに『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』は、度重なるアップデートを加えながら、
      その度に新たな問題を発生させ、より強固なクソへと進化していった。名の通り、まさに要塞である。
      プレイヤーの心が鎮まることを拒むように定期的に燃料をくべていくその姿に
      思わず「♪燃えあが~れ~燃えあが~れ~燃えあが~れ~ガンダム~」と
      往年の名曲を口ずさんでしまった者も少なくないだろう。

      スタート地点で互角であれば、そこから退化したものと進化したもの、
      どちらが抜きん出るかはいうまでもあるまい。


      二つ目の要因は「明快さ」である。
      今回のKOTYには解釈の難しいゲームが多かった。
      ゲー無ではあるが400円かつ低年齢向けとも思われる『パズルボトル』。
      ゲームではなくツールだと思えばやることのなさは問題ない『デコラドール』。
      乙女ゲーの肝であるキャラに関しては大きな不満を聞かない『Rear pheles』。
      番組ナレーションの再現など、ファンアイテムとしては価値はあるといえなくもない『ガキの使いやあらへんで!』。
      いずれも人によって解釈のぶれ幅が大きく、全会一致でのクソとは言いづらい面があるのだ。
      対して要塞は対戦ゲームなのに対人戦もCPU戦もつまらなく、
      そしてつまらない対戦をすることすらエラーで困難、
      おまけにファンアイテムとしてもダメという、
      どの観点から見てもわかりやすいクソであり、解釈の揺れがない。

      唯一「基本無料」という料金体制において意見が分かれるが
      基本無料は同時に青天井ということでもあり、
      低価格とは違って一概に安いと判断することはできない。
      現にKOTYスレにも万単位の金額を投じているという無謀な勇者がいた。
      よって功罪相殺と見做し、この点に関しては考慮しないことにした。


      そして筆者が最大の理由として捉えている三つ目の要因。
      例年の大賞作同様、要塞が「クソゲーの新たな境地を拓いた作品」であることだ。
      昨年の『インフィニタ・ストラーダ』は研究の末コイントスゲームとなることで無価値を極めた。
      そして要塞はさらに一歩進み、ゲーム内容を研究するまでもなく
      「エラーでプレイできない」という絶対防御壁によって、すべての者に等しく無価値を届けたのだ。
      もはやそれは「プレイという因があり、評価という果がある」という因果に囚われた地平を超え
      「糞ある、故に糞あり」という唯糞論の域に達した哲学的存在といえよう。

      以上のことから、クソゲーの基本を押さえ、同時に新たな価値観をも内包する
      『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』こそ2015年の最糞と確信し、
      大賞であることをここに宣言する。



      上半期では不作を疑われながら、最終的には七作。
      今年もまた屑星のごときクソゲーたちがKOTYを彩った。
      バンナムは携帯での大賞受賞は今回が初めてであるが、
      据え置き・携帯を合わせればその活躍は目覚ましい。
      もし社長がトレーズ・クシュリナーダであり、
      これまでのKOTYでの戦果を訊ねられたのなら、こう答えるであろう。
      「聞きたいかね?今年までの時点で次点入りが18作、大賞が5作目だ」と……。

      「アソビきれない毎日を。」を新たな企業理念に掲げたこの古豪が
      アソビたくてもアソベないゲームなどもう出さないことを祈りたい。

      ガンダムにおいてニュータイプという新人類は
      宇宙という新たな舞台に適応し進化した、人類の希望の光であった。
      しかし皮肉にもその希望こそが、ときに新たな争いの火種にもなってしまう。
      パッチによるアップデートもまた、ゲームを進化させる新時代の希望の光であったはずが
      今作のような悲劇を生み出してしまった。

      だが度重なる困難にまみれた今作に、それでも人々がついていったのは
      パッチという可能性によって育まれ力を得る獣の姿を、そこにみたからだろう。
      バグもフリーズもエラーもなく、存分にこのゲームが遊べる日を夢見ていたのだ。
      みんなゲームが、ガンダムが、大好きだから。

      事実、年明けより改善の兆しは見えていた。
      しかし――無情にも2016年5月26日をもって
      『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』はサービス終了となり、帰らぬゲームとなってしまった。
      サービス開始よりわずか十ヶ月余り。
      一年戦争とも呼べぬ、はかない戦いであった。
      願いが散り、すべてが無に帰すとわかったときの人々の無念はいかなるものか……。

      胸の奥から湧き上がる彼らの、いや我々の想いを
      2015年放送の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より
      主人公である三日月・オーガスの言葉を借りてあらわし
      本年の締めくくりとしたい。


      「まっ、いいか。
       こ い つ は 死 ん で い い ク ソ だ か ら 」

総評案2 (機動戦士ガンダム バトルフォートレス)    

  • 総評案2 ◆KtW6XcghiY
    • 初出 2016/03/20 part8 >>543

      2014年、KOTY携帯スレは一つの大きなを激動迎えた。『インフィニタ・ストラーダ』…これまでKOTYと無縁とされた、基本無料タイトルが大賞を獲得したのである。この変革の叛旗を目の当たりにしたスレ住民たちは、確かに流転する世界を実感し、新たなる世界の幕開けに期待と不安を抱えながら、望む希望も燃え尽きて、濡れた頬も渇きを知らぬ、無慈悲な戦場へと向かうのであった。


      年が明けた2015年初頭、何作か名前が挙がるも選評は来ず、住民たちはつかの間の平和を満喫する。しかし2015年も四分の一を過ぎた五月の中ごろ、レイニーフロッグによる400円の3DS用DL専売ソフト『パズルボトル』(3月25日発売)の襲来によってその偽りの平和は一瞬にして崩れ去り、再びKOTYは戦火に包まれた。

      本作は3DS本体を上下逆さまに持つことでタッチ画面を擬似的に上側に持ってくるという有りそうでなかった斬新な発想がウリのパズルゲームである。
      まず基本ルールから説明すると、タッチ画面に表示されたタイルをタッチして落とす事でイラストを描くという単純明快なものである。収録された二つのモードのうち「クラシック」では、画面がスクロールしていくのだがそのせいで列を勘違いして間違った列のタイルを落とすミスが発生しやすい。もうひとつのモードは固定画面の「スナップショット」である。こちらはスクロールしないためタッチミスが起きにくい…と思いきや、クラシックに比べてタイルの幅が半分ほどしかないため、思っていたものと違うタイルを押してしまうのだ。

      そして肝心のパズル要素だが、なんと下になっている画面に既に薄い色で絵が描かれており、そこに濃い色のパネルを落とすだけのパズル要素も糞もない、完成してこんな絵だったのかという達成感もない、ゲームにする意味があるのだろうかと疑ってしまう中身のなさである。
      本作はもはや「作業」である、400円という値段を差し引いても、ただ指示通りタッチするだけのゲームを望んで買うようなモノ好きが果たしてどれほどいようか…
      仕様通りコンセプト通りであるにもかかわらず、なぜ生まれたのかわからないゲー無っぷりにしばし困惑するのであった。


      その後は単なるがっかりゲーの持ち込みや、お客様による突発スルー検定しか起きず、この空っぽ同然のボトルの処遇について悩んでいた住民達に7月末に強襲をしかけてきたのは、エクストリームより発売された『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』(7月23日発売、通称ラング)である。90年代に一世を風靡し惜しまれつつも姿を消したラングリッサーシリーズ、本シリーズの実に17年ぶりの最新作とあって大きな話題となったが、製作・開発会社はこれまでと関係のない別会社であり、ファミ通レビューの酷評など前評判は悪く、スレにもお客様襲来を警戒する雰囲気が立ち込め始めており、選評の投下も発売から一週間も経っておらず、大方また選評もどきだろうと呆れていた住民達の目に映ったのは、陰惨たる様相であった。

      まず目を引くグラフィック、マップ上のユニットアイコンは無理矢理縮小したような感じで見栄えが悪く、両軍とも色合いが近く全て左を向いているため敵味方の区別がもつきにくい、その上傭兵は両軍とも全く一緒のデザインなのでさらに分かり辛くなる。下画面にマップ全体図があるがユニットを全て赤丸アイコンで示しているだけで役に立たないというただの飾りにすぎない。
      フィールドは3Dグラなのだがただでさえ微妙なくせに、3Dなので地形には凹凸があり一目で分かり辛い。設定でグリッド線を表示することもできるが、被ったりして分かり辛くなるだけとやはりこれもただの飾りである、偉い人でも偉くない人でもこれくらい分かるであろう問題点である。
      そして戦闘アニメはというと「ビー玉」と蔑称された頭が異様にデカイ雑なデフォルメキャラがのろのろ近づき、その場で揺れたり飛び跳ねたりするやはり雑な動きで攻撃するという前時代的なクオリティ。半年以上たった本総評作成時点でも公式サイトで戦闘アニメの情報は公開されていないという事実でいろいろ察していただけると幸いである。
      そして全体的にゲーム中もカクカクしたもっさり感満載の動作をはじめイライラを募らせテンポを悪くする要素が目白押しである。

      だがそれらすら補助兵装にすぎない、本作最大の武器は崩壊したゲームバランスにある。敵AIは不利だろうと瀕死だろうと構わずこちらに突撃し、あっさり返り討ちにあったり、ひどい時には壁にはまって身動きが取れないというそれ以前の問題といった杜撰さであり、なおかつ指揮官が撃破されると配下の敵傭兵は撤退してしまうのというのにその指揮官が真っ先に突っ込んでくるので、雑魚を倒して経験値稼ぎといったことを困難にしてしまい、前線に出ているキャラばかり大きく偏って育つことになる。
      さらに本シリーズにおいて重要な要素であるユニット間の3すくみなどの相性はステータス、装備、クラスチェンジによってあっさりと覆され、不利側が無傷、有利側は一撃死といった
      ことが頻繁に起こるのだ。
      そしてクラスチェンジもレベルが10になるとその場で転職先を選らばねばならず、転職先のクラスの情報もスキルや雇用できる傭兵といった肝心の情報は表示されていないという不親切っぷり。
      そのような仕様にも拘らず途中セーブといったものが存在しないため最初からステージをやり直さねば複数の転職先の詳細を確認できないのだ。

      これらの苦痛を乗り越えて綴られていくシナリオも毒にも薬にもならない陳腐な内容ではこの怒りも収まるまい。まさしく腐臭を放つ哀れな生ける屍といった様相である。


      時をほぼ同じくして、『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』の選評も届くも、ばればれの自演や質疑応答を行わないなど、到底選評と呼べたものではなく、住民たちはお呼びじゃないと突き返す、何より基本無料ゲームは頻繁にアップデートが行われるため、すぐに改善され年末には戦う力など無いだろうと判断されたというのもあった。それ故に基本無料は本来無縁であり、タダが異常だったということを再び住民たちは噛みしめる。


      圧倒的な力を見せつけるラングに住民が恐れおののいていた8月末、そのラングを穿つ強力な一撃をスレ住民は察知した、更新データ(Ver. 1.1)の配信である。その一撃を受けてなおラングは未だ健在であったが、ユニットの所属ごとの色分け、AIの改善、ゲームの動作やテンポの改善、クラスチェンジの改善、その他大小様々な不具合が修正され大きくその力を削がれてしまった。ラングの弱体もさることながらUIにまで干渉するアップデートパッチの登場とその威力にスレ住人は恐怖することになる。


      一方、恐怖に打ち震える住民たちをあざ笑うかのように混乱に乗じて乙女ゲーから侵攻してくる影があった。ワークマンの『Rear pheles -Red of Another-』(8月27日発売)である。
      本作は感情移入しにくい主人公など色々と荒のあるシナリオが目に付くが、それらはKOTY的には概ねドラ程度のクソ度である。ではなぜここに侵攻してきたのか?それは劣悪極まりないアクションパートにあった。

      物語の要所要所で謎のオオカミから3Dマップ内を逃げつつ脱出アイテムや謎解きアイテムを探し出し迷宮から脱出するアクションパートであるが、このパートを始める時やリトライする時に、ロードが1分近くかかる激重ロードを備えている。また乙女ゲーマーに馴染みの薄い主にFPSやTPSに用いられる、いわゆるラジコン操作を要求され、それなのに3Dが雑で壁に引っ掛かりやすいというストレス要素、なおかつマップは森と廃校の2種類しかないコピペマップの手抜きのくせに3Dダンジョンは毎回ランダム構成されるといありがた迷惑な仕様により、道やアイテムの場所を覚えて再挑戦することができず、おまけにアイテム欄といったものも存在しないので、主人公が何を持っているのかすらわからない。
      追い打ちをかけるように「オオカミが近づくとラップ音がする」と説明されているが実際には、主人公の心音が激しくなる+画面に血飛沫が飛んで画面が見辛くなるだけであり、しかも範囲も狭く発動したと思ったら目の前なんてことも起こりうるのだ。
      敵のオオカミも見えないところから自分の位置を完全に把握して追ってくる。こちらはダッシュを駆使せねば確実に追いつかれる速度差であるにも限らすダッシュのやり方も説明されない。にも拘わらず後ろにいたはずのオオカミが突然、ワープでもしたのか前から現れることがある。インチキ動作も大概にしろよと言わざるを得ない。

      また本作では逆にオオカミを追い詰めるハンターモードという3Dパートも存在するのだがオオカミの場所のヒントがなく、オオカミもランダムな場所を左右にうろうろ移動するだけなので、マップをしらみ潰しに探す必要があり、場所によっては一度オオカミを捕まえたのにもう一度同じことをやらされる場合もあり、苦痛が一段と増す。

      そして、そうまでして集めた謎解きアイテムに関する説明も物語上での役割もない、なんとも情け容赦のない追撃である。


      波状攻撃に見舞われた住人たちは息も絶え絶えに次なる攻撃に身を備えた……が既知の参戦者を含め追撃が来ないのである。いわば膠着状態に陥ったKOTYであったがこれ幸いにとラングの処理に追われながらも、暫しその羽を休めるのであった。


      スレに表面上の平穏が訪れたまま5ヶ月が経過しようとしていた12月末、年末商戦が引き起こすお客様と魔物の襲来に備えていた住民たちの前に激動の8月から刻を超えて姿を現したゲームがいた、それがスターフィッシュが送り出す『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』(8月13日発売)であった。

      元はDSiウェアにて5種類のテーマに分けて各500円で販売されていた女の子のための人形の着せ替えデコレーションゲームを一つにまとめたものである。
      子供向けゆえの親切な操作性とメニューが分かりやすい点は評価できるがその中身は着せ替えしかなく、多くのファッションゲームにあるお店経営やアイテムの購入などといったゲーム性のある要素は一切存在せず着せ替えしかできないツール同然の中身。

      ではその着せ替えはというと自由度の低さが目に余る、というのも髪の色は変えれずポーズは服によって固定され拡大縮小も3段階、回転も45度ずつしか出来ない。その上、この5種類のテーマを混ぜて着せる事もできないのだ。

      そしてお値段はというと3780円とDSiウェア時の合計2500円より明らかに割高となっており、追加要素も前述の拡大、縮小や回転、さらに移動することも出来るようになりましたというむしろDSi時代には出来なかったのかと驚くような、あって当たり前の要素である。3DSでもDSiウェアは買えるのでそっちを買ったほうがマシである。さらに言うと年を越した2016年2月に864円で本作と同じ内容のDL専売ゲームが出ているので今ならそっちのほうが格段にいい。

      静寂を切り裂いて現れた新たな参戦者の後押しを受けたかのように、この戦いに果敢にも身を投じる一つの船影があった。国産初のサンドボックスゲームを謳うCygamesの『エアシップQ』(11月19日発売)である。正確には発売当初から度々話題は上がったものの、どれも選評もどきや質疑応答を行わぬ不誠実なものであり所詮、KOTY周囲をうろつく鬱陶しい不審船程度にしか思われておらず、真っ当な選評が届いたのは約1ヶ月後、修正パッチが配信された後であった。

      要点から言うと『マインクラフト』、『テラリア』といったサンドボックスブームに乗じ、自分だけの飛行船を作り攻略する要素を主軸に、ARPG要素を追加して販売されたのが本作であり、動画実況者を起用しコロコロで特集を組んでもらうなど大々的に宣伝していた事も印象深いゲームである。

      ではまずアクションRPGとして見た場合の本作はというと、なんと死亡時のリスポーン地点が前述の自作の船なので、小さい船で島の内部に突入して探索するのが一番楽な方法である。というより、船に乗っていても空中を飛ぶ敵が周りに出現して、地面に居ても周りに敵が現れるくせに、敵を湧かなくする湧き潰しは不可能で、安全地帯を作るのが非常に困難という嫌がらせか何かを疑いたくなる仕様であるためそうせざるを得ないのだ。

      さらにボス戦は大抵魔女戦を除いて全て屋外の為、自分で戦わなくても船に武装させて攻撃させてれば簡単にクリアしてしまう。では屋内で戦う魔女はと言うと船を小さくすればそのエリアに侵入可能であり、結局船任せにすればクリア出来てしまう。
      船を使わなかった場合でも回復アイテムを持って弓矢を射って剣を振り回していれば勝てる程度のぬるい難易度であり、回復アイテムや素材も前述の様に敵が大量に湧く上にアイテムドロップ率は100%の為、直ぐに所持限界まで貯まるという遣り甲斐のない仕様がプレイヤーのやる気を削いでゆく。

      ウリであるサンドボックスゲームとしてはどうなのかというと、あろうことかキャラクターの真上と真下にあるブロックを壊せない上に置くことも出来ないので、自由な物作りが出来ない仕様になっており、真上にブロックを置くためには三列を掘り進めるといった、非常に面倒な手順を踏まねばならないのだ。
      そして本作の独自要素船を作るという部分に関しても、船板や船飾り、帆といったモノは炎や溶岩に触れると燃えてしまう性質が付与されており辛い上に、敵の船からの攻撃で物理的にも壊されるので、燃えず砲弾でも壊れないブロックで船を囲まなければならないという、自分だけの船とは一体なんだったのか……と言った具合の自由度の低さである。

      また破損などでブロックが落ちてきて下に再配置された場合、そのブロックに引っ掛かり船が一切動かなくなるという面倒な仕様であるほか、流水に船が突っ込んだ時も水に船が引っ掛かるので、前述の突入のしやすさや攻撃を受けやすいというデメリットの多さ、そして防御力の上昇といった恩恵は無い等のメリットの少なさ故に大きい船はそれだけ不利である。

      当たり前のように成り行きで世界を救いました、な薄味のシナリオもしっかり完備しており、本作はクソ要素を搭載した恐るべき戦力をもった艦船であることを誇示するには十分であった。


      やや遅れるようにして、その時は来たとばかりに、かつて退けられ潜伏していた勢力が再び混迷するKOTYへと帰還を成し遂げた。そう夏の一大決戦の際に年末に出直してこいとあしらわれた『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』(7月16日サービス開始、通称要塞)である。
      長い月日をかけ電子レンジに入れられたダイナマイトの如く危険な物体と化した本作は、ただのありがちな駄ブラウザゲームだと高を括っていたスレ民達を戦慄させるには十分であった。

      本作は、自分だけの要塞を作り上げ、また他人の要塞に攻め込み、戦利品を獲るオーソドックスなRTSに、ガチャなどの従量課金を採用した基本無料ゲームである。
      いくら前例があると言えど先の通り無縁な基本無料ゲームがなぜKOTYに再び進軍してきたのか?それはひとえに不具合の多さにあった。度重なるアップデートが行われ12月28日時点でVer2.02となっているが全バージョンにおいてまともにプレイできた期間は皆無であり、むしろKOTYにおいて審議対象となったVer2.02はVITA本体によるソフトウェアの強制終了、俗にC2エラーと呼ばれるものが多発し、最悪のバージョンと言っても過言ではない状態である。

      C2エラーは本作で最も多発する不具合であり、何かを選択する、ミッションや対人戦を行う、スキルを発動する、カメラを動かす、などあらゆる操作がエラーを引き起こし、酷いときには、起動後に操作せずとも勝手にエラーが起きるという、プレイ中に何を行ってもエラーが発生する危険性を孕んだ地雷原と化している。
      にも関わらずエラーが発生した場合、強制敗北といった扱いを受け、いわゆるスタミナはもちろん消費されたままであり、対人戦であった場合は階級ポイント(レート)が大きく減少する。
      ゲーム起動の時点でロードに分単位の時間を待たされてなお、操作できるようになってから5分プレイできれば運がよいと言ってよく、10分も連続プレイできれば奇跡といっても過言ではないだろう。

      さて、ここで参戦作品の話をすると、本作のリリース時点でガンダムシリーズは映像作品だけでも20作近く存在するのだが、なんと本作には8作しか登場しないのである。その上、作品ごとの機体数の格差もやられ役まで充実した作品もあればラスボスすら収録されていない作品もある偏り具合である。

      それらC2エラーと参戦作品の少なさという要塞の絶対防壁を苦心の末越えた先にあるのは、戦略性の無い、コロニー落着地点のごとく崩壊したバランスである。
      本作には、決まった属性の被ダメージを最大80%減らすことができるパーツが用意されており、軽減されない特殊という属性以外の攻撃は大した役には立たなくなっている。
      このため特殊以外の属性でかつ強力なスキルも持たない機体は需要がなく、実質的に10機程度しか使う意味のある機体は存在せず、残りは全て趣味の範囲といった状況はキャラゲーとしてもいささか眉をひそめたくなるのも仕方ないだろう。
      そしてこの特殊を持った機体、まったく課金しなくても普通に手にはいるため、所謂ガチャをしなくても揃えられる、というか使う価値の薄い特殊以外がいっぱい入っているガチャをする意味が大してないという、プレイヤーにとってはありがたいが企業としてはどうなのか気になる状態である。

      またこのパーツ、本来はパーツに設定されたコストの合計が10までしか装備できないのだが、何故かイージスガンダムという機体のみ20までつけることができる。最大装備数は他機体と同じ6のままといえ、強力なパーツを多くつけられるため非常に強い。スキルも使いやすく、機体自体が実弾属性50%減も持つため強力すぎるとんだバランスブレイカーっぷりである。

      任意発動のスキルの格差も大きく、近接スキルは狭い範囲に高ダメージを与えるという触れ込みであるが、射撃スキルにはその倍近い範囲に近接スキルの8~9割近いダメージを与えるものが存在するなど、近接スキルの不遇っぷりが際立つ。
      戦闘中、スキルを使える機体は自軍4機+援軍1機と少ないため、射撃スキル、100%カット、攻撃力上昇のみを入れるプレイヤーがほとんどと組合せの多様性をなど無いに等しい。
      そして戦闘面ではどうかというと、既存のSTR同様、AI操作のユニットを出撃させていくわけだがこのAIが馬鹿なのだ。指定された優先ターゲットを狙わない、出撃後に数十秒棒立ちを行う、発動中の罠に自分から突っ込む、施設の周囲を走り出す、施設に近づいては離れてを繰り返すなど、逃げないで戦ってください、と言いたくなるような、無駄な行動ばかりをするため非常にストレスが溜まる。
      仮に戦ったとしても破壊した施設に対して攻撃を続けるなど意味不明な行動も行う、といったオチもきっちり付ける姿はいっそ清々しい。

      その他にも誰の良心も痛めることはない良い作戦と言わんばかりの大小様々なバグも投入されている。

      公式の対応も杜撰で、7/27から0件のまま放置されている公式コミュニティのお知らせコーナー、機能している他のお知らせコーナーですらイベント等が始まった後に通知することもある投げやりっぷりである。
      また公式サイトには、機体データをまとめた公式データベーズが用意されているが、レイアウトが見辛く、データのミスももちろん完備。それ以前に存在しない機体が乗っていたり、逆に存在する機体が乗っていなかったりと、プレイヤーを補助する気があるのかと疑いたくなる役立たなさは、脱帽の域に達している。

      上記のような有様なので、即刻辞めるプレイヤーや、トロフィーを集めて引退するプレイヤーが続出、と因果応報といえる状況になる。運営側はそれを受けてか、トロフィーを追加するという延命を行ったが、その条件も、期間延長と称して同じ景品を引っ張ったり、復刻と称して昔の景品をもう一回使うなど、運営側からやる気の無いオーラが漂ってくるウィークリーのランキング戦に規定回数参加せよ、というモチベーションの上がらない内容でトロコン勢は辟易するのであった。


      突如、年末に混迷の大地と化したKOTYに最後に現れた挑戦者、それがアルケミストの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド』(12月17日発売)である。本作はいまや紅白に迫らんとしている、人気の年越し特番、絶対に笑ってはいけないシリーズの中盤に行われる絶対に捕まってはいけないというコーナーを題材にしたゲームであるが、その中身は絶対に笑えないものであった。

      プレイを始めてすぐに分かるのが、2世代ほど前かと思うほど低品質のグラフィックである。そしてそれほどのクオリティであるにも関わらず処理落ちが極めて酷い。それも「常に」処理落ちしている、というのがことの大きさを物語っている。
      低クオリティで作られたマップも劣悪だ。壁や設置されたオブジェクトに対して、当たり判定が妙に大きく、まるで見えない壁のようになっており、キャラクターがとにかく引っ掛かる様は、さながらバラエティのお約束、やらせを再現しましたと思いたくなるほどである。
      また見えない壁はカメラにも猛威をふるう。そうカメラもそれらに引っ掛かり、あらぬ方向に動いてばかりで、こちらも中々にストレス要因である。

      そして肝心のゲーム内容はと言うと、これまたストレスフルである。
      まずマップに点在する玉を固定の台座まで運ぶ宝探しモード。その玉なのだが拾う際の判定が妙に小さく、動きながら拾う事は困難であり連打でもしていないと満足に持ち上げることができない。
      また 、運送中の他メンバーを持ち上げて玉を奪う事も可能だが、やはり掴み判定が小さく、連打しながら接近せざるを得ない。

      続いてチェックポイントを指定された順にめぐり、ゴールを目指すレースモード。
      こちらもチェックポイントの判定が(比較的)派手なグラフィックに対しやはり小さいため、しっかりと踏むことを意識する必要がある。
      さらに後述する更衣室の多くがルートから外れた位置にあるため、当然黒鬼に捕まるとかなりのロスになり、諦めた方がある意味早いといった事態が多発する。

      そして最後に黒鬼に捕まるとその場で失格になるサバイバルモードだ。
      こちらは前述の通り、移動に関して多くの問題を抱えているため、下手に動き回るよりも広域マップを注視しながらその場で待機して、CPUがやられるのを待つのが賢明という、この手のゲームなら突き詰めればそうなるとは言えど、あんまりな推奨攻略法である。

      それらとは別にラスボスであるガースー魔王との戦いが用意されているが、大王は一応攻撃してくるものの、隅に逃げれば回避でき、仮に被弾してもしばらく怯む程度で基本ペナルティは無く、黒鬼も相変わらず徘徊するものの、すぐ消えてくれるため割と邪魔にはならない。
      等、こちらはうって変わって比較的、ストレスを感じさせずラスボスが癒しといった感じすら漂ってくる。

      そして先ほどからちょくちょく出てきた黒鬼について今更ながら説明しよう、もとの番組を視聴した方ならご存じであろう、顔まで含めて全身真黒なお邪魔キャラである。
      彼らはマップ内を徒歩で徘徊しつつ、時折キョロキョロと付近を見渡すモーションを取るのだが、このモーションを広域マップに表示される距離でとっていたなら最後、黒鬼の向きに関わらずほぼ確実に補足され、即追い掛け回される事態になる。
      黒鬼の速度こそ通常時のプレイヤーと同じほどであるが、こちらは見えない壁に苦しめられながら逃げるのに対して一部のマップを除いて常に最適なルート選びをしてくるためかなり辛い。
      当然ながら捕まると数秒間拘束される罰ゲームに移行し、解放後もしばらく移動速度低下等の後遺症を患い、更に着ているアバターを剥がされ点在する更衣室で着替えなおすまで妨害や黒尾に撃退等の効果を持ったアイテムが使えなくなるペナルティまで圧し掛かるなど踏んだり蹴ったりである。
      特に「タイキック」をしてくる固有グラフィックを持つ黒鬼は異様に長い拘束時間に加え、勢いよく蹴り上げられた拍子にマップのどこかへランダムで移動させらるという凶悪性能でプレイヤーを苦しめる。
      その上、アバターを脱がされ下着状態で追い掛け回されている途中、更衣室に逃げ込めば黒鬼が諦めて他のメンバーを探し始めることもある……が大抵は更衣室前で出待ちされる等、大いにやる気を削いでくる。
      そのアバターも、ゲーム中に拾ったコインで購入していくやりこみ要素なのだが、黒鬼に捕まったら集めたコインを失ってしまう仕様なため非常に回収率が悪いというのに、値段は安いものは50や100と良心的ではあるものの、後半になるにつれて2000枚3000枚と鬼畜な価格になっていく。
      また、ショップやキャラメイク画面でパーツを選択するたびに2,3秒の読み込みが発生する点も見逃せない。

      その他、オフラインモードの対戦相手になるCPUの挙動なのだが、強さ設定といったモノは一切なく、何かある度にいちいち完全停止して、頭上に感情アイコンを表示するようになっているため、無駄に何もしていない時間が非常に長く、慣れてきた頃には物足りない存在になってくる。
      さらには元ネタの番組と同じく山田真一氏が担当している、という点はキャラゲーとして高く評価できるが、しっかり番組内と同じ常に煽ってくるかのようなローテンションな関西弁で話しかけてくるという、実際自分に向けられると不快でしかない分かりやすい例な事も見逃せない。また、BGMや効果音に対しナレーションのボイスが若干小さめでボソボソとしか聞えないので余計イライラしてくるのだ。

      この酷さはガキに遊べるもんじゃあらへんでと言いたくなるレベルである。


      ****


      今年のKOTYはひとえにアップデートパッチの存在を大きく痛感する年であった…安価DLゲームを除く作品がみなアップデートパッチを受けており、特にラングは大きく評価の変わる大型パッチを受けている等、アップデートパッチはクソ要素の修正によって真っ当なゲームに近づける希望の星。一方で要塞のような先に進むごとにより酷くなっていく悪夢の具現化。まさしく諸刃の剣というべき存在はKOTY…否、家庭用ゲーム業界において今後、どういった影響を及ぼすのか……期待と不安が募る。

      ではここで大賞を発表しよう、今年もっともKOTYにふさわしいと言える作品、それは『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。
      今年もまた群雄割拠、大いに荒れた年であった。どれもみな捨てがたい素質を持つ作品達ばかり。だが要塞はひと味違ったのだ、それは単純明快さ、そしてそれら全てにおいて当てはまる存在意義の否定である。
      まずゲームとして見てみてもSTRの醍醐味である要塞の作成、攻防の楽しみと緊張感をことごとく属性無効で台無しにし、
      キャラゲーとしての楽しみも無効を回避できる特殊属性のみに価値がある状況にし、好きな部隊を組むという楽しみを奪い、
      ここでアイテム課金の是非を問うのは不毛なので行わないが、運営側は課金させることで収入を得るという収益モデルを採用していたにも拘らず前述の理由で課金という必要性まで失った。
      ゲームとしての存在意義、キャラクターグッズとしての存在意義、収益モデルとしての存在意義。これらが明確に崩壊しているからこそ、非常に分かりやすいクソ要素だったと私は考える。そしてそれらことごとく度重なるアップデートによって悪化させていく様は、ガンダムSEEDの登場人物、クルーゼの言う、自らの育てた闇に喰われて滅ぶということの体現であると言えよう。

      余談だが、選評締め切りの1月末に唐突に真っ当な修正を行ったアップデートを配信したり総評の話が出たころにタイミングよく2016年5月26日の終了を発表するその姿は敗者になるのを望んでいたかのような一種のエレガンスさすら感じられる。

      最後に大賞をとったガンダムシリーズにちなんで逆襲のシャアのアムロ・レイとシャア・アズナブルのやりとりを改変させてもらい今年の象徴として締めくくりたい。

      「そうか…!しかしこの暖かさをもったパッチがゲームさえ破壊するんだ!それを分かるんだよアムロッ!」
      「分かってるよ! だから、メーカーにプレイヤーの心の光を見みせなけりゃならないんだろ!」

総評案3 (ラングリッサー リインカーネーション-転生-)    

  • 総評案3 ◆KARRBU6hjo
    • 初出 2016/03/23 part8 >>585
    • 最新版 2016/03/31 part8 >>627
      ※大賞発表部分より前は総評案1と共通(製作者も共通)

      2014年、携帯版クソゲーオブザイヤーは
      「対戦ゲームなのに簡単な先攻必勝法が存在する」という
      狂気の課金型コイントスゲーム『インフィニタ・ストラーダ』によって、
      ゲーム性と共に自らの収益をも投げ捨てるクソゲーの新たな地平を見ることとなった。
      人類の歴史は進化の歴史であり、クソゲーもまた、日々進化しているのだ。
      果たして2015年、我々はどのようなクソゲーの革新を目にすることになるのか……。
      スレ民たちは恐怖と不安に抱かれながら新たな年を迎えた。
      想像を絶する形でその不安が的中することも知らずに……。

      まず天より落ちてきたのは3/25発売、3DS『パズルボトル』。
      3DSを逆さまにし、上にした下画面を触り、下にした上画面にタイルを落として絵を作るゲームだ。
      本体を逆にするという新しい発想に、誰もが感心するだろう。
      しかしこのゲーム、タイトルに反してパズル要素はなにもない。
      絵が横に流れていく「クラシック」と一枚絵の「スナップショット」の二つのモードがあるが、
      どちらも絵には最初から薄い色がついており、同色の濃いタイルをタッチするだけなのだ。
      絵は形も色も最初からわかっているため、完成させたところで色が濃くなるだけで驚きも喜びもない。
      そもそも完成図を見てもなんの絵だかわからないものもある。
      要するに、純然たる作業である。

      難易度が高いわけではないが
      「クラシック」では流れてくるタイルから目を離せないため、それなりに集中力が要求される。
      また「スナップショット」ではタッチするポイントが狭いので、慎重にやらねばタッチミスが多発する。
      パズルとしてもアクションとしても工夫する余地はないが、しかし集中力は要求されるのだ。
      その単調作業ぶりはライン工、いや、なにかが完成するという実感がないためそれ以下である。
      まるで穴を掘って埋めるという拷問のようなこの徒労感あふれる作業ぶりには、
      ダウンロード専売で税込み400円という低価格もなんのフォローにもなるまい。
      金を払って退屈と苦痛を買いたい人が、果たしてどれだけいるであろうか。

      「低価格だからといってすべてが許されるわけではない」
      というKOTYの基本を思い出させてくれる正統派ゲー無の出現に、
      人々は今年もひどい年になりそうだと予感した。


      予感を確信に変えたのは、夏にあらわれた難攻不落の要塞だ。
      7/16発売。PSVITA『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』である。
      基本プレイ無料で課金要素のあるいわゆるソーシャルゲームであり、ジャンルとしてはRTSとなる。
      様々な施設を設置して自軍の要塞を作り、
      対戦時はモビルスーツを出撃させれば自動で戦ってくれる、簡単操作のシステムが売りだ。

      このゲームの最大の特徴は「エラー」だ。
      ありとあらゆる状況で、いついかなるときでもエラーが起き、まともにプレイできないのだ。
      戦闘を開始する、スキルを発動する、カメラを動かすなど、
      ありとあらゆる行動がエラーを引き起こし、挙句は起動後に操作しないでもエラーが起きる。

      「ソシャゲなら開始時にはよくあること」「いずれアップデートでよくなるだろう」
      あまりの惨状に誰もがそう思ったし、実際、幾度もアップデートは施された。
      だがその度に毎回30分足らずで新たな不具合が発見され、そしてエラーは改善されないという究極進化を続け、
      トドメとばかりに12/28のアップデートで大幅に悪化させそのまま正月休みに入るという
      ラストシューティングまでも決めたのだ。
      つまり、サービス開始日からに2015年いっぱいまで、まともにプレイできた期間が一切存在しないのである。
      まさに「起動せんし、ガンダム」である。

      運良くたまたまプレイすることができても、
      まず待ち受けているのはタイトルから次の画面の間に入る数分もの長いロードだ。
      その後もなにかを選択するたびに数秒のロードが入り、対人戦やミッション開始前だとやはり数分にも及ぶ。
      そのまま永久ロードに入るのもままあることだ。

      運と忍耐によっていざ戦闘にたどり着いても、待っているのは最悪のゲームバランスだ。
      パーツ装備によって一部の攻撃以外は八割ほどダメージ減できるため、
      それらの攻撃を備えていないユニットの運用は趣味の領域となり、実質的な戦力となるユニットは十種程度である。
      スキルの強弱も激しいため、多数のMSが用意されているのにプレイヤーの使うユニットはひどく限られてくる。
      さらにAIの頭が悪く、優先ターゲットを狙わないばかりか、
      意味もない場所をうろちょろし、しまいには出撃から数十秒も棒立ちになったりする。
      1ミッション一分前後の高速展開が売りの本作においては致命的である。

      操作性も極めて悪く、タッチの感度が悪いうえに、
      タッチ操作とボタン捜査が入り混じっていてわかりづらいため、操作するだけでイライラすしてしまう。
      UIも劣悪でスキル範囲がわからなかったり、ソート機能が役に立たなかったりと散々である。

      ファンアイテムとして楽しもうにも原作再現は乏しく、参戦作品はわずか8作品のみ。
      しかもSEED機体ばかりが充実しZやUCは主要機体すらそろわないなど、異様な偏りが見受けられる。

      運営姿勢にも問題があり、上述のいいかげんなアップデートのほか、
      イベント告知のされない公式コミュ。。
      データベースが見難いうえに間違いだらけの公式ペーシ。
      果ては課金ガチャで「排出率2倍」の広告を出しながら実際は2倍になっていないなどの詐欺疑惑まで出る始末だ。

      重ねていうが、エラーが多発するため
      こんなクソゲーをプレイすることすらほとんどできないのが本作最大の問題点である。
      プレイできずにクソ、プレイしてもクソという今作は、まさにクソの要塞と言えよう。


      要塞の起こした夏の熱気にあてられたのか、変わり果てた姿で土の下より蘇るものがあった。
      7/23発売、3DS『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』。
      四半世紀の歴史を誇るシミュレーションRPGシリーズの、十数年ぶりとなる正統続編である
      (事情が複雑なので割愛するが派生作品は間にいくつか存在している)。

      まず一見して気がつくのは、目を疑うようなグラフィックだ。
      フィールドマップはとにかく見た目がチープ、かつ地形やユニットの判別が難しいため、快適さの欠片もない。
      戦闘シーンに入るとチープさはさらに向上し、
      「ビー玉」と蔑称される1.5等身のキャラクターがやる気なくぶつかり
      ずれたテンポでしょぼい爆発をする映像は、掛け値無しに歴代SRPGの最底辺である。
      ひどすぎて一見の価値があるほどだが、一度見ると笑いすらも乾き、二度と見る気がしなくなるであろう。

      しかし見た目のひどさよりも凶悪なのが崩壊したゲームバランスだ。
      調整が雑を極めるため、戦っても拮抗することがほとんどなく、無傷か一撃死かのどちらかがほとんどなのだ。
      この調整により本作の特徴である三すくみもほとんど機能しておらず、
      一度レベル差が発生したキャラが追いつくことが困難となる。
      やたらだだっ広いが考える要素はなにもない稚拙なマップも相まって
      任意のキャラ一人か二人のレベルを上げてぶん殴ればすべてが解決するようになっている。

      さらにこのゲーム、シリーズの特徴としてレベルが10に達するごとにクラスチェンジして
      ステータスが向上しレベルが1に戻るのだが、この際に取得経験値が跳ね上がる。
      おそらく高クラスは実質レベル11、21などに相当するにもかかわらず、
      表示通りのレベル1と判定して取得経験値に補正が入っているのだろう。
      この仕様により強いキャラはさらに高速でレベルが上がり、
      殴るだけの戦略性の欠片もないゲームが完成する。

      ほかにも様々に分岐するが、総じて薄味で気の抜ける雑なテキストと相まり「どうでもいい」の一言のストーリー。
      何故かほとんどが口半開きで間の抜けたキャライラスト。
      表示されるテキストと合っていないことをしゃべりまくるパートボイス。
      曲自体は良いが過去作の使い回しで、しかも場面に合っていないことが多々あるBGM。
      異様にしょぼいエフェクト。
      使いづらいUIにやたらともたつくテンポの悪さなど、細部の粗をあげればキリがなく、
      ゲームを構成するあらゆる要素がことごとく低クオリティである。
      この有様でもアップデートによってずいぶんとマシになっているというのだから驚きだ。
      とにかくSRPGというジャンルに期待するものがなにひとつ存在せず、
      このジャンルの底辺を実感するならこのゲームしかないといえる出来栄えだ。

      往年の名作の復活に、多くの古参ユーザーが期待を寄せていた。
      だがその転生は、どうやら頭に「魔界」や「穢土」のつく忌むべきものであったようだ。
      見る影もなく変わり果てたその姿は、旧作を知らぬ者から見ても涙を禁じ得ない。


      一気に薄ら寒くなった夏をさらに寒くしたのは
      8/13発売、3DS『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』だ。
      本作のジャンルは「ドレスアップ&デコレーション」。要するに人形着せ替えゲームだ。
      このゲームの特徴は、ゲームと呼んでいいのかわからない極限的な薄さだ。
      なにせ店で働いたり、経営してお金を稼いだり、貯めたお金で服やアクセサリを購入したり、といった、
      この手のファッションゲームにおける常識的な要素がなにもない。
      人形も服もアクセサリーもすべてはじめから揃っていて、
      プレイヤーがやれることは、人形を着せ替えて、背景決めて、落書きをし、気に入ったら撮影して保存する。
      それだけである。

      また着せ替え要素も、髪の色が変えられない、ポーズは服に依存、
      拡大縮小が三段階のみで回転も45度ずつ。そもそも服や装飾品の数も少ない。
      着せ替え以外になにもやれることがなく、その着せ替えの自由度も低い。
      サランラップにでも挑むつもりかと言いたくなる薄さである。

      しかもこのゲーム、元々がDSiウェアで500円で発売されていたソフト五本の詰め合わせ+αなのだが、
      定価は税別3500円である。
      一世代前のゲーム機のソフトを詰め合わせて割高にするだけでも意味がわからないうえに、
      そもそも3DSでもDSiウェアはプレイできる。
      +α要素もたいしたものではないため、わざわざ今作を買う理由を見つけるのは難しい。


      冷夏はさらに続く。
      8/27発売。PSVITA『Rear pheles -Red of Another-』。
      女性主人公になって男性キャラとの恋愛を楽しむ、いわゆる乙女ゲームからの刺客である。
      ただの紙芝居シーンなのにやたと入る五秒ほどのロード、
      主人公のデフォルト名が「主人公」と投げやり、
      ストーリー展開にところどころ無理があるなど、細かいジャブにも事欠かないが、
      KOTYでは話題になることがほとんどない乙女ゲーがここに名を連ねたのは
      ひとえに3Dパートの存在ゆえである。

      この3Dパート、名前の通りに3Dで構築されたフィールドを、主観視点で移動するもので、
      追っ手から逃げるエスケープモードと敵を見つけるハンターモードの二種類が存在する。
      どちらにもいえることはとにかく不親切で説明不足なことだ。
      やたらとひっかかってまともに歩けない操作性に難があり、
      通常移動が遅いのにダッシュのやり方すら教えてもらえない。
      マップはやたらと広く単調で時間制限があるため悠長にマッピングもできず、
      しかもランダム生成のため覚えることもできない。
      要するに理不尽に難しいのだ。

      エスケープモードの主目的は追っ手から逃げながら脱出することだが
      ただ逃げるだけではなくアイテムの回収もしなければならない。
      だが開始時に「あなたなら必要なものが見える」というふんわりとした説明をされるだけで、
      しかもこの説明はオート文字送り&読み返し不可という鬼畜仕様。
      敵の追尾は正確であり、敵から身を隠す場所は背景と同化していてわかりにくい。
      アイテムは近くまで寄らないと見えないため回収が難しく、回収しても一覧などがないため現状がわからない。
      難易度が四段階から選べるが、あまり差はなく最低難易度のイージーでも難しい。
      こんな理不尽なモードを一週につき八回もプレイさせられることになる。

      ハンターモードでは標的を見つけることになるのだが、標的は初期位置の辺りをうろちょろするだけなので、
      広いマップをノーヒントでシラミ潰しにするだけのTHE・作業ゲーである。
      こちらの回数は二回だが苦痛には変わりない。
      そしてどちらのモードでも開始時・リトライ時には一分近い超ロードが待ち受けている。

      一般的にアクション要素に不慣れなユーザーが多いと思われるタイトルにおいて、
      この悪夢のごとき理不尽要素を入れた理由はまったく不明である。
      乙女ゲーというKOTYで話題になりにくいタイトルでありながら、
      本年度の大賞に名乗りを挙げる資格十分にあるだろう。


      糞の連発に冷え込んだ夏が終わり、四季とともに糞は移りゆく。
      晩秋の風とともに、新時代のクソゲーは飛来した。
      11/19発売、PSVITA『エアシップQ』。
      近年ブームを起こしているジャンル、サンドボックスからの参戦である。

      今作は横スクロール型のアクションRPGであり、
      そこに拠点となる空中戦艦をビルドするというサンドボックス要素が加わっている。
      だが、この特色であるビルド部分が問題だ。
      なにせ自キャラの真上や真下のブロックを壊したり置いたり出来ないので、思い通りの形にすることが極めて難しいのだ。
      例えば天井に空いた1マスの穴を埋めるために天井を一度剥がして大部分を作りなおしたり、
      二段下の床の穴を埋めるために大穴を掘って足場がなくならないように気をつけながら埋めなおしたりと、
      パズルゲームのような面倒で難解な作業を強いられる。

      おまけにがんばって理想通りの船を作っても、戦闘をすればボロボロと穴が空き、
      修復したければ上記のような面倒さに耐えなければならない。
      その手間をある種のリアリティということもできなくはないが、
      面倒なだけで楽しさのないリアルさを誰が求めるだろうか?

      また、このビルド部分とアクションRPG部分がまったく噛み合っていないのが、作ることの徒労感を倍増させる。
      船を強くするゲームなのに、ゲームとしての効率を求めると
      ほぼ初期状態のイカダのごとき状態で突貫するだけで十分なのだ、
      大きくなると小回りが効かなくなり、進入できる場所が減ってしまうが、
      小型にすればかなりの部分まで進入することができるためだ。
      船を大きくするメリットがほぼ存在せずデメリットばかりが目立つゲームで
      どうして好きなようにビルドする気になるだろうか?

      しかもこのゲームはデスペナルティがなく、戦ってた敵の体力もそのまま。
      そしてリスポーン地点は自分の船である。
      そのためボス戦も含めてほとんどの局面を、小型の船で可能なかぎり奥深くまで突撃し、
      あとはゾンビアタックを繰り返すだけの作業で解決できてしまう。

      逆に今作の最適解である小型で強い船を作れば
      これはこれで船の自動攻撃でほとんどの敵が勝手に死ぬので
      自分が戦う必要すらなくなる。

      どちらに転んでもアクションRPGとしての楽しみを全否定するようなシステムである。
      加えていえばストーリーも薄味で、あってもなくても良いような仕上がりとなっている。

      思い通りにビルドすることが困難で、そもそも攻略的にはビルドする必要すらない。
      砂場(サンドボックス)は砂場でも、砂で遊ぶのでなくひたすら砂を噛まされるようなゲームといえよう。


      かくして孤愁の秋は過ぎ、魔の棲む冬が訪れる。
      年末に笑いを届けてくれるアレが、今年は一足早くやって来た。
      おぞましき魔物と化して。

      12/17発売、3DS『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド』。
      人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」を題材にした、対戦逃走アクションゲームである。
      マップ内を徘徊する黒鬼から逃げながらミッションをこなしていく、要するに『逃走中』のようなゲームだ。

      静止画を見てもニ世代以上前のようなグラフィックが目を引くが、
      動かしてみると「おや、今日はそんなに寒かったかな」と不思議な気持ちになるだろう。
      だが勘違いしてはいけない。冬の寒さであなたが震えているのではなく、
      このゲームが常に極限まで処理落ちしているだけだ。
      キャラの動きはカクカク、カメラはガクガク、ただ移動しているだけで目に絶大なダメージを与えてくる。
      「黒鬼に捕まったら、キッツイお仕置きが待っとるで」とは、今作の公式PVのセリフだが、
      そんなことをされるまでもなく、このゲームをプレイすること自体が目へのキッツイお仕置きである。

      その攻撃に耐えても、あらゆる壁や障害物の判定が見た目よりもかなり大きく見えない壁となって行く手を阻み、
      さらにしょっちゅう荒ぶるカメラは視界を塞ぎ、ただ移動することに大変な困難がつきまとう。

      こうした劣悪な状況下で「宝探し」「レース」「サバイバル」という三つのミッションで一位を目指し、
      ラスボスであるガースー魔王を倒すのが今作の目的である。
      三つのミッションといっても要するにどれも基本は鬼ごっこであり、ミニゲームの域を脱していない。
      そのミニゲーム三つが5マップ分と、さらに退屈なラスボス戦がこのゲームのすべてである。
      一人用だと対戦相手がCPUとなるが、強さ設定は存在せず、そして弱い。

      プレイ中にコインを拾い集めてアバターを買うのがやりこみ要素だが、
      1プレイで拾えるコインの量がせいぜい10枚であるのにアバターは安くても50や100、
      高いのになると2000、3000とするので苦痛の一言である。
      ファンアイテムとして見てもナレーションが番組と同じ山田真一氏で
      なかなかのバリエーションを収録してあることくらいしか褒めどころがない。

      この劣悪な品質と薄いボリュームで定価は税別4800円というのだから、時代錯誤にもほどがあるだろう。
      タイトルの「絶対につかまってはいけない」から「つ」と「ま」を抜いたほうが適切ではなかろうか。


      かくしてここに七本のクソゲーが出揃った。
      「七つの大罪」「七英雄」など、とかく七に縁のあるKOTYであるが、大賞の不名誉にどす黒く輝くのは一本のみ。
      それでは携ゲ版KOTY2015の大賞を発表しよう。


      『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』である。


      KOTYスレを追っていた者は、あるいはこの決定を奇異に思うかもしれない。
      なぜなら年末よりずっとスレの話題を独占していたのは
      『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』だからだ。
      常に届く劣化アップデートの詳細、エラーの報告は歴戦のスレ民をして戦慄させるほど、かの要塞の攻撃は苛烈であった。

      だがここで、いま一度KOTYの理念を思い返していただきたい。
      世にクソゲーと呼ばれる理由は無数にある。
      期待との落差。被害者の数。バグの多さ。ボリュームの少なさ。価格の不当さ。その他諸々……。
      プレイヤーの数だけ、その人なりのクソゲーの形は存在する。
      だが、2007年、据え置き機において「四八ショック」が起きて以降、
      KOTYは期待度や多数決などによる評価を極力排し、客観的な事実をもってその年の一番のクソゲーを決めるという、
      言わば「クソゲー純度の高さ」を求める賞となった。

      たしかにバトルフォートレスの話題はKOTYスレを席巻した。
      だがそれはクソゲー純度の高さを意味しているわけではない。
      基本無料であるがゆえに本体をもっていればプレイできるという検証の手軽さ、
      度重なるアップデートのたびに新たなネタを提供するという話題作りの上手さ。
      査定対象外の年明けでのサービス終了決定までも含め
      「本気でKOTYを狙っているとしか思えない」とまで言われた
      「ネタ度の高さ」ゆえである。

      なるほど、話題に事欠かないゲームは大賞に相応しく思えよう。
      だが待って欲しい。スレでの盛り上がりをもって判断するのは
      KOTYが忌避する「被害者の多さ」や「ガッカリ度の高さ」による決定と同じ愚ではあるまいか?
      いま一度、KOTYの理念に立ち返ってフラットな視線でクソゲー達を見てみるべきであろう。

      ゲームとは楽しさを得るものであり、楽しさの前には多少の不都合は許される。
      名作と呼ばれる数多のゲームにも多少の瑕疵は存在したが、それを大きく上回る楽しさによって些末事となっているのだ。
      今回の七作はすべて多少では許されない不都合ゆえにKOTYに名乗りを挙げた。
      だがそれでも、すべてに楽しみを見出だせないわけではない。

      『パズルボトル』は限りなくゲー無に近い。
      だが本体を逆さまにするというワンアイデアには400円という低価格の価値は見出だせる。

      『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』はプレイする内容がないし謎の価格ではある。。
      だがドールはそれなりに可愛く、着せ替えツールと割り切るなら一概に否定しきれない。

      『Rear pheles -Red of Another-』の3Dパートは酷い。
      だがコツを掴めばクリアは容易であり 、恐怖と焦燥を煽る演出自体は悪くない。
      なにより乙女ゲーの最大のポイントであるキャラは相応に魅力的である。

      『エアシップQ』はサンドボックスゲームとして未熟に過ぎる。
      だがグラフィック・キャラデザイン・音楽に優れ個性的で魅力ある世界を提供している。

      『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド』は
      低クオリティ低ボリュームである。
      だがナレーションの低テンションや黒鬼の理不尽さは元番組に忠実であり
      ファン同士で盛り上がるパーティーツールとしての役目は果たしていよう。

      『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』は
      ロードが長く、バランスもひどく、なによりエラーでまともにプレイできない。
      だがお馴染みのMSが大量にわらわらと動き、
      1ミッション一分前後でスピーディーに展開するゲーム内容自体には面白みがある。

      対して『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』にはなにがあるというのか?

      「水没しつつある世界」という世界観すらゲーム中でまともに説明せず、
      終始絶妙にむず痒く説明不足な雑テキストでうすく進行し、
      EDナレーションで唐突に水没の危機から脱している限りなく無内容に近いストーリーは、
      物語としての楽しみを完全に放棄。

      完膚なきまでに崩壊したバランスは育成の楽しみを奪いRPGとして底辺。、
      無駄にだだっ広いマップに適当に配置された敵を
      もっさりと移動しながら潰していくマップ攻略は、SLGとしても最底辺。

      グラフィックは純粋な見た目の酷さと見難さを兼ね備えた攻防一体の仕様。
      特に戦闘シーンは発売前日に放送されたニコ生特番において、
      はじめて見た声優たちがしばし絶句した後に「カワイイ!」を連呼し、
      数分で戦闘演出をOFFにするという放送事故ギリギリの光景までをも作り出した。
      ちなみにこのニコ生特番が公式の手により今作の戦闘シーンが公開された唯一の機会であることも付記したい。

      唯一、評価できるかもしれない点はほぼ全キャラが恋愛対象であり、
      攻略時には事後を思わせる一枚絵が挿入されることだが、
      しかしユーザーにもっとも声高く非難されたのは癖の強いキャラデザインだという事実がある、
      これをもって長所とすることも難しいだろう。

      つまるところ今作のウリは「ラングリッサー」という名、つまりファンアイテムとしての価値しかないが
      このような低クオリティの上に、前作までとストーリーもつながらずキャラデザまでも変わった作品が
      ファンにどのような態度で迎えられたか、説明するまでもないだろう。

      また今作はアップデートによりリリース時よりUIやテンポが向上したことにより、「大賞クラスではなくなった」と思われがちだ。
      アップデートごとに悪評を振りまいたかの要塞と好対照である。
      だが待って欲しい。これはいわゆる「不良がたまにいいことをするとやたら褒められる現象」である。
      冷静に考えれば不良が捨て犬に優しくしようが罪は消えないし、下痢便が一本糞になっても糞は糞なのだ。
      アップデートパッチをあてても本質的なゲームのつまらなさはなにも解決していない。

      クソゲーにはバグがつきものであるがゆえに、
      KOTYはときに「バグゲー・オブ・ザ・イヤー」と揶揄される。
      しかしラングリッサーはそのような、顧客のクレームにつながりかねない要素に頼らない。
      グラフィックに手を抜き、シナリオに手を抜き、マップ作りに手を抜き、バランス調整に手を抜き、
      あらゆる面で手を抜いた上でなお、デバッグだけはちゃんとしたかのように圧倒的低品質状態で完成している。
      そしてわずかなバグや単純な仕様の不具合すらも甘えであるというように
      アップデートで修正することによってより純粋なクソゲーとして屹立している。

      バグもない。ロード時間が長くもない。システムが破綻しているわけでもない。なにか新しさがあるわけでもない。
      ただ、ただ純粋に、ひたすらに、愚直なまでに、つまらない。

      あらゆる世評に揺らされず、
      純粋なクソゲーを選ぶことがKOTYの理念である以上、
      大賞の栄冠はかのゲームに輝くのが自然であろう。

      もっとも、判断の難しい選択であったことは確かだ。
      「バグはドラ」とよく言われるが『機動戦士ガンダム バトルフォートレス』の仕掛けた
      「エラーによりまともにプレイできない」というドラ爆弾はあまりにも強烈であった。
      さらには基本無料とアップデートを武器に
      スレ内に絶えず爆撃を繰り返す姿は新時代のクソゲーを感じさせた。
      最小限の手でドラを駆使し最大の役をなす、立直ドラ12の立派な役満である。
      だが筆者は小細工に頼らず正々堂々と極限の低品質を繰り出すラングリッサーに
      究極の役満と呼ばれる九蓮宝燈の姿を見た。

      「話題のしやすさに惑わされずに純粋なクソゲーを求めよ」と
      我らを試し襟を正させるような究極のクソゲー、
      『ラングリッサー リインカーネーション-転生-』こそが
      2015携帯ゲーム版KOTY大賞であることを、ここに宣言する。

      時代は変わる。世界は変わる。ゲームも変わる。
      だが不変なるものはある。
      クソゲーを掴んでしまった人々の怒り――悲しみ――行き場のない感情の数々――
      ラングリッサーの販売・開発元であるエクストリームに対するユーザーの気持ちを
      奇しくも似た名を持つ新帝国内国安全保障局局長に代弁していただき本年の締めくくりとしたい。

      ではハイドリッヒ・ラング氏、お願い致します。



            _,,:-ー''" ̄ ̄ ̄ `ヽ、
          ,r'"   ノ(       `ヽ. ビキ
        :r'7" ::.   ⌒     ノ(   ヽ_  ビキ
       ゙l  |  ::;         ⌒ ,   ゙) 7
        | ヽ`l ,/\,,_       _,,/ヽ, /ノ )
       .| ヾミ,l _;;   "''=) i (=''"    ` .ヒ-彡|
        〉"l,_l "-ー:ェェヮ;::)~~f';;_-ェェ-ニ,, ゙レr-{   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        | ヽ"::::''_;:'" ̄´.::;i,  i `'' ̄`:;_  r';' }   | 久々にキレタ
       . ゙N l ::.  ....:;イ;:'  l i、     ,l,フ ノ   |  こういうクソゲーを沢山出した
       . |_i"ヽ;:...::::::/ ゙'''=-='''´`ヽ.  /i l"  < のがクロスノーツなんだよな今の新参はエクストリームが
         .| ::゙l  :::i   ,==' '==、 i  ,il" .|'".   | 実質クロスノーツだと知らないから困る
          .{  ::| 、 :: /┼┼┼ヽ  , il   |     \______________
         /ト、 :|. ゙l;: `======'" ,i' ,l' ノト、
       / .| \ゝ、゙l;:   ⌒  ,,/;;,ノ;r'" :| \
      '"   |   `''-、`'ー--─'";;-'''"   ,|