概要    

名称夢想灯籠http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001GS8O5I[外部リンク]
ジャンル伝奇アドベンチャー
対応機種プレイステーション・ポータブル
発売・企画元日本一ソフトウェア
開発元フォグ
セブンギア
発売日2009年3月19日
価格5040円(税込)
対象年齢CERO:C(15才以上対象)

動画・画像    

要点    

  • 薄い、軽い、寒いの三拍子。ガッカリゲーとしての要素も強い。
  • 中学生が寝る前に妄想するようなストーリー。
    • キャラ設定がスタッフの中で自己完結してしまっているのか、セリフにしても大まかなエピソードにしても説明不足。感情移入以前に移入すべき感情が見つからない始末。
  • キャラの立ち絵一切無しと言う仕様は、サウンドノベル黎明期を髣髴とさせる。それだけならまだしも、文章構成の稚拙さゆえ今その場に誰がいて、誰がしゃべっているのかも解らなくなる。
  • 開発会社社長の「製作者は新人なので温かい目で見てやってください」なる言い訳も話題になったが、実際に新人スタッフが担当したとされるグラフィックと音楽はそんなに問題は無い。
    と言うか、まず購入者に対して「温かい目で」などと言う商売があって良いのだろうか。
  • システムは妙に快適。売りとされているカードゲームですら飛ばせる

決定稿    

  • 薄い。以上。

選評案    

選評案その1    

夢想灯籠。日本一ソフトウェアからPSPで発売された伝奇アドベンチャーである。
  
製作会社フォグの人気作に雰囲気を似せて同社のファン層を狙ったが、本編に関連性は一切なく、
新人スタッフを中心に製作がされたのだが、そのために、
シナリオの出来が中学生が妄想した自由帳の走り書きレベルとなっている。
以下、その具体的な例をあげていくと、ろくな日常描写すらなく物語はいきなり展開されていく、
人物像や物語を構成していくためのエピソードもないどころか、ろくな台詞すら用意されていない。
アドベンチャーゲームの肝である分岐も選択することの意味がないものがほとんどで、
展開の変化を想像して悩むようなこともない。
ギャルゲーとしても体を成しておらず、いつか発展するだろうと期待した恋愛も、
どうなったのかの説明がなく淡白なエンディングを迎えるといった具合だ。
カードバトルの出来は悪いがカットすることが可能だ。しかし、物語のつまらなさから、
物語のスキップとバトルの省略を行うといったプレイスタイルが確立されるのだが、
もはやその行為自体が本作に楽しめるものが皆無であることを示している。

スーパーファミコン時代のノベルゲームを彷彿とさせる画面もクソゲーに一役買っている。
キャラクターの立ち絵をすべて排除し、一枚の絵と文字が表示されるのだが、
文章の稚拙さも手伝って、誰が喋っている台詞かわからなくなる。
プレイヤーは、なんだか良くわからない文章の羅列を眺めている状態にしばし陥ることだろう。

「製作者は新人なので温かい目で見てやってください」とは、製作会社の社長の弁だ。
購入者は、価格:5,040円(税込)、限定版7,140円(税込) という金額を支払い、
社員研修に付き合わされたということだろう。

久々の笑えないクソゲーの登場は、あるいは先行きの見えない不景気が導いた結果かもしれない。
不景気の波はクソゲー界にも暗い影を落としているのだ。景気回復を願わずにはいられない。

選評案その2    

夢想灯籠。日本一、フォグ、ブロッコリーの三社協業によりPSPで発売された伝奇アドベンチャーだ。
製作会社フォグの人気作「久遠の絆」での感動を期待し購入した者もいたが、
彼らが手にしたのは、まさに極薄シナリオアドベンチャーというべき代物であった。

物語は、ろくな日常描写すらなくいきなり展開されていく、
人物像や物語を構成していくためのエピソードも台詞もろくに用意されていないため、
プレイヤーは感情移入することも許されずただ置いてきぼりを食らう。
終盤まで2~3回程度しか会わない主要人物もいる。
ヒロインとは、いったいどこで恋愛に発展するのだろうか?
それともこのヒロインらしき人物はただの脇役なのだろうか?
このような疑問を抱きながら、全体的に薄味な物語りは進んでいくのだが、
6章を越えてから、物語りは火星の大気並みに薄まっていく。
動機が全く示されず、理解できないキャラの行動、ほとんど無いに等しい恋愛的要素などなど、
痒い所に手が届かないシナリオが、ナレーションを書き起こしたような文章で
ただただ展開されていく様を想像してほしい。

そして物語はあっさりとクライマックスへと向かう。 実はこのゲーム、
8章にある一つの選択肢の決定のみ(※)が、プレイヤーが物語の流れを変えられる唯一許された行為なのだ。
つまり、この8章の選択肢までの行動は全てにおいて意味がない。
どんな行動を選択しても文章がほんの少し変わるだけで全体の流れは一直線。何のフラグも立たない。
そう、夢想灯籠は、この8章の選択肢のためだけにゲームという形をとっているのだ。
そして、その先には最終章である9章があるのだが、どのエンディングを選んでも、
使い回しのコピペグラフィックが表示され、同じような物語が語られる。
そして、最後までヒロインとの恋愛がどうなったのかは、やはり分らぬままなのだ。
しかし、夢想灯籠はギャルゲーではない。
本作は硬派なバトル少女物であることから、恋愛よりもカードバトルでの戦闘に期待をすべきであろう。
しかし、このカードバトルは便利なON/OFF機能により、全てカットすることが可能で、あっても無くても良いという作り。
ついでにシナリオもスキップによって、全てを読み飛ばすことが可能。
本来は親切なこれらのシステムは重宝するのだが、あまりに内容が薄く盛り上がるシーンも無いので、
油断するとエンディングまで何もしないという事態になるだろう。
いっそのこと本作を購入してから中古屋に売るまでをスキップした方がマシかもしれない。

美味しそうな匂い漂う本作であったが、
クソ不味いシナリオという実と、あっても無くてもよいバトルという皮を捨てたら、その匂いしか残らなかった。
不味い実を食べてもその量の少なさに決して空腹が満たされることはないだろう。
数奇なる伝奇の世界に旅立つのは見送るのが賢明だ。

※事実誤認あり

選評案その3    

夢想灯籠。日本一、フォグ、ブロッコリーの三社協業によりPSPで発売された伝奇アドベンチャー。

伝奇アドベンチャーで輪廻転生を取り扱うと聞いて、製作会社フォグの過去の人気作「久遠の絆」を
彷彿させたこともありいくらかの期待はされていた作品。
イベントCGの多さやストーリーの良質さ、途中の戦闘シーンに挿入されるカードゲーム
などが売りとされ、
ネット上でそこそこ宣伝され有名ニュースサイト(かーずSP)にも取り上げられたが、
同時に日本一とFOG(そしてブロッコリー)の合作と聞いて
「奈落の城 一柳和、2度目の受難」を連想する者もおり期待と不安の入り混じった発売前であった。

 そしてそれらは発売後、なんとも中途半端な結果をスレ住人に突きつける事となったのである。

イベントCGやBGM、システム周りに関してはそこそこ手堅い作りであったものの
カードゲームは特にシナリオの内容に変化をもたらす訳でもなくあくまでもミニゲーム的な内容であり、
最初からスキップできる設定も用意されいまいち存在意義が薄れてしまっていた。

ただそれらもヒロインが4人で複数EDがあり、全9章からなるストーリーにも関わらず
その大半が同じ展開だった事に比べればマシだったことに気づく。
序盤~中盤にかけての選択肢は話の流れにはほぼ関係無く、
また心理描写が少ないためキャラの行動の動機を理解しにくい。
終盤に差し掛かる頃になるとストーリーは一気に駆け足気味になり、
恋愛要素も前世からの繋がりの一点突破に近いような話の積み重ねの無さから感情移入もし辛い。
第8章の選択肢で物語の流れがほぼ決まるようなのだが、その展開も全体的にほぼ同じような物で、
どのエンディングでも似たような結末を迎える。
夢想灯籠スレでも「話が薄い」「中途半端過ぎる」「なんという凡ゲー」との評価が大半を占め、
荒らしが横行し、内容について語ることもほとんどされていない・・・

発売直前、フォグの社長のブログにてキャラデザとサウンドの担当が新人であることに触れた点などから、
新人が作ったから大目に見ろというのか?といった反発も見られたが、結果としてストーリーの悪い点のみが話題に上り、
新人が担当したというキャラデザやサウンドに関しては特に話題にならなかったことは皮肉といわざるをえない。

ある程度話題になったからこそノミネート候補に上がったものの、クソゲーと言うよりガッカリゲーと言っても良く、
短編アドベンチャーとして考えるなら凡ゲーの評価になるかも知れないなんとも言えない中途半端な評価で語られ、
候補に上げる事自体をどうするかで揉めるというなんともスッキリしないオチまでついた作品である。

最後に本スレの住人の一言「何にしても、すべてが残念な作りだぜ・・・ 」

選評案その4    

株式会社FOG……
FOGとはFull on Games の略、すなわち
「ゲームに熱中する、ゲームに対して一生懸命である」という意味だ。
FOGはADVという限られたジャンルではあるが、その名の通り、常に全力のゲームをつくり続けてきた。

千年にわたる因縁の恋を日本神話・日本史になぞらえて描いた『久遠の絆』
北海道の自然と旅の素晴らしさを実写で的確に伝えた『風雨来記』
分割商法でありながらそれを感じさせない一本一本のボリュームと
分割ならではの伏線を見事に消化した『ミッシングパーツ』

いずれもが満足のいくボリュームと、高いストーリー性とともに、
複雑な絡み合った分岐、ミニゲームなどで、プレイヤーが物語に介在する余地を残した
まさにADVならではの楽しみを提供してくれていた。
さらには明らかにヤッている文章描写と、どう見ても事後のグラフィックなどで
コンシューマーの規制の限界にも常に全力で立ち向かっていた

そんなFOGが満を持して放つ『久遠の絆』以来の伝奇ADV
それが『夢想灯籠』だ
1200年に渡る輪廻転生という、まさに『久遠の絆』を思わせるような設定に
十年来のFOGファンは期待せざるを得なかった。
PSPという新たな媒体で、FOGはどんな全力を見せてくれるのか?
普通の意味でもエロイ意味でも、まさにプレイヤーの夢想は尽きなかった。

だが蓋を開けてみればそこにあるのは描写不足の淡々とした展開と
あってないかの如き恋愛描写、気がついたら佳境を迎えたことになっているストーリーに
せっかくの温泉イベントでちっともエロくないエロエロ詐欺。
初回からスキップ可能という存在意義を問われるつまらないカードバトル。
ストーリー分岐が第八章のみでしか行われないというやっつけ仕様。
さらには分岐したところでグラフィックもストーリーもほとんど同じという手抜きっぷり。
いったいどこがゲームに対して一生懸命なのか、まるでわからない仕上がりだった。

「グラフィックと音楽は新人なので長い目で見てやって欲しい」とFOG社長はHPで語るが
問題なのはグラフィックや音楽ではなくそれ以外の部分だし
欠けていたのは能力よりも純粋にやる気であった。

社名とうらはらなやっつけ感に満ちた本作は
『奈落の城』にも耐えた、石灯篭のごとく堅牢なFOG信者の希望の灯火までも粉砕した。
我々はもっと早く気づくべきであったのだ。
FOGが一生懸命に取り組んでいるゲームとは『夢想灯籠』というADVではなく会社経営というSLGだということに……

スレに出たレビュー    

日本一、フォグ、ブロッコリーの三社協業プロジェクト。開発がフォグと、久遠の絆の再来を予感させる布陣だった。

しかしADVゲームとして根幹を成す、一番重要なシナリオが誰がどう見ても薄くて軽く、
テスト版を間違えて入れたのかと勘ぐるほどである。
まず全体で9章構成。序盤でモブの生首が出てくるが、これは久遠へのオマージュだとディレクターの弁。
ただし表現が稚拙なので久遠へのオマージュどころかライターの適当加減がちらほら見受けられてしまう。
全体を通して場面表現や人物の心理などもあまり掘り下げる文章がなく、
ノベルというよりは「ナレーションを文字に書き起こしたもの」を読んでいる印象。
それでも細かいところを突かずに言えば、5章までは比較的平凡で一般的なADVの域を出ない出来である。
だが6章以降、急に息切れでもしたのか、描写がまるで火星の大気のような薄さになり、
なぜ人物がその行動をしたのかなど動機も全く判らず、感情移入どころかキャラクターの行動自体が理解できない。
選択肢もほぼ意味がなく、その後の文章が少し変わるだけで全体の流れは一直線。特にフラグもなく、8章の行動選択で全てが決まる。
何のための選択肢なのかと小一時間問い詰めたい。
終盤の各ルートへの分岐後もほぼコピペで、各所々々に少々の違いが見られる程度。
つまり、使用される絵もほとんど同じ。
これはADVとしては致命的で、やり込み要素以前に普通にプレイするだけとしても
何ら魅力を発揮しないし、つまらない。
また終盤にかけての盛り上がりに欠け、平坦な道を歩いていたら
いきなりラスボスと遭遇しました、的な何の起伏もない構成に唖然とした。

設定資料集を見るとキャラクターの設定は、作中に出てこない部分まで細かく書かれており、
全体設定も少なからずいい素材が転がっている。
ただのやられ役に過ぎない鬼の設定が非常に細かく書かれていたり、
舞台となる村の略図も異常に書き込まれているなど、世界観の構築の余念のなさには驚かされた。
すなわち、5章までの段階が、序盤の世界観を固める役目を果たし、
そのままのベクトルで充分に肉付けを行なった上で(全体のボリュームとして)
15章ほどまで行っていれば間違いなく良作になれるものだったのに、と感じた。

絵に関しては、特に破綻した作画の絵はなく、
せいぜい塗りが粗雑(影の処理など)なものがちらほらと見受けられる程度で全体的にはほぼ問題ない。
ただ、紙芝居的手法で表現するという挑戦のために
シナリオのボリュームが少なくなったのでは、とうがった見方もできる。
とはいえ、絵自体のクォリティは問題ないレベルである。
音楽に関しても問題ない。問題ないどころか、むしろ絵と文章を補佐するものとして、
いいバランスで作られているのが好感触。
社長の弁を拝借すると、この絵と音の二人が新人なのであるなら充分に奮闘したと言える。
それだけに(新人ではないはずの)シナリオの雑さが非常に残念でならない。

システムは快適そのもの。むしろこの夢想灯籠の中で一番完成されているのはシステム面ではないかとすら思える。
そのシステムや絵、音のいい面を全てぶち壊して台無しにしたシナリオは第一級の戦犯であると言えよう。