2015年 次点

概要

名称Rear pheles -Red of Another-http://www.amazon.co.jp/dp/B00WZ74OVM/ [外部リンク]
ジャンル謎解き探索恋愛ADV
対応機種PSVita
発売元ワークマン
開発元
発売日2015年8月27日
価格6264円(税込)
対象年齢CERO:C(15歳以上対象)
  • 公式サイト [外部リンク]
    「何故追われるのか 何故狙われるのか」というキャッチコピーを携えて発売された女性向け謎解き恋愛アドベンチャーゲームであり、簡単にいうと乙女ゲーである。
    話の内容は、主人公を襲うオオカミから逃げるため、絵本の世界から来たという「赤ずきん」や、道中で出会う男性キャラと協力して、オオカミが自分を襲おうとする理由を探るという乙女ゲーではよくあるようなストーリーであり実際ストーリーについてはそれほど大きな不満の声も聞かれない。
    そもそも、乙女ゲーにおいては、ストーリーやシナリオが重視され、よっぽどそれらが酷くない限りはクソゲーに認定されづらいジャンルであるのだが、本当にテストプレイをしたのかと思うほど本作はゲームシステムが酷く、koty携帯版2015に名乗りをあげるにふさわしい出来栄えになってしまった。

要点

基本システム面

  • セーブデータがあってもカーソルが毎回「New Game」に合わせられており、誤って押してしまうことが多々ある。
  • opのムービー再生やデータロード暗転の際に毎回5秒ほどかかる。
  • opの曲は良いのだが、ムービーの処理落ちのせいか、非常にカクカクしている
  • ロードが頻繁にかかり、ADV部分で会話中であろうと暗転中であろうと容赦なく発生し、非常にテンポが悪い。
    • あまりにもテンポが悪いので数多くの乙女ゲーユーザーに「こんな紙芝居ゲーの一体どこにそんなロードが必要なのか」と言わしめた始末である。
  • 大抵の乙女ゲーには主人公にデフォルト名があるのが普通であるのだが、本作ではデフォルト名がそのまま「主人公」であり、適当感が漂っている。
  • 絵にについては概ね次第点であるが、塗りが微妙で、服や髪に水が飛び散ったような跡が見受けられる。
  • グラフィックの解像度が低く、PSVitaのゲームとは思えないレベルである。絵は評価できる出来なのに勿体無い。
  • 音楽については6種類という驚きの少なさであり、しかも短い。
  • テキストについても「。」だけ次のテキストにはみ出しているなど多々問題点が見受けられる。(パッチで一部修正済み)
  • また、初期の頃には
    • 乙女ゲーなら搭載していて当たり前であるクイックセーブやクイックロードの機能がない。
    • トロフィーを全部取得することが出来ない不具合がある。
    • 後述の3Dパートに出てくるオオカミの挙動がおかしい。
    • 音楽がループするとき、数秒間無音になる。
    • Chapterからゲームを進めた場合、選んだルートとは違ったエンドに進むバグがある。
      など多くの不具合があったがこれらは現在はパッチによって修復されている。

3Dパート面

  • 本作では3Dパートがあり、オオカミから逃げるエスケープモードとオオカミを追いかけるハンターモードがあるのだが、この3Dパートこそが一番の問題点であった。
  • エスケープモードとハンターモード共通の問題点
    • 操作性が異常に悪く、koty乙女ゲー版曰く、「初代バイオハザードと初代クロックタワーを足して2で割ったような出来である。」
    • 3Dが雑で壁に引っ掛かりやすい
    • 状況説明がちょっと早めのオート文字送りで履歴が一切残らない鬼畜仕様
    • 3Dパートを始める時や、リトライする時に、ロードが1分近くかかる
    • まれにアプリケーションエラーが発生する
    • マップは森と廃校の2種類しかないコピペマップで手抜き感が満載である
    • アイテム欄といったものは存在しないので、主人公が何を持っているのかすらわからない
    • 鬼畜難易度にも関わらず、3Dダンジョンは毎回新しく再構成されるという無駄に凝った仕様であり、道やアイテムの場所を覚えることができず、何回やり直してもFPSゲームが苦手な人はとことん出来ない。
  • エスケープモードのみの問題点
    • エスケープモード初回時には操作説明が行われるのだが、その内容は、
      【???「まず「移動」はスティックでできる」
      ???「彼に気配を気づかれるとラップ音がでるの」
      ???「彼があなたに近づくとラップ音が大きくなる」
      ???「音をよく聞いて。ほら、彼が来てるわ」】といったような非常にお粗末なものである。
    • 「オオカミが近づくとラップ音がする」と説明されているが実際には、主人公の心音が激しくなる+画面に血飛沫が飛んで画面が見辛くなるだけであり、しかも、オオカミのかなり近くにまで寄らないと、わからないので、「角を曲がったら、突然の死」といった場面に出会うことも決して少なくない。
    • さらに、「移動のためにスティックを使う」とかかれているが実は移動に使えるのは左スティックだけで右スティックは視点変換用である、という大事な説明が抜けている
    • その他にも、Rボタンでダッシュ出来る、オオカミとであっても、オオカミに直接触れなければ問題はない、オオカミを引き付けて教室の中に閉じ込めることができる、などといった重要な項目も省かれており、わざわざ手間をかけて操作方法を調べなければならない
      • しかも、通常の移動は異常なほど遅く、ダッシュですら、小走りほどの速さなので、通常の移動だけでは、マップを隅々まで調べるどころか、オオカミから逃げることすら出来ない。
    • オオカミの性能が異常に高く、
      • オオカミが見えないところから自分の位置を完全に把握して追ってくる
      • ワープ能力を持っているのか、後ろにいたはずのオオカミが突然、前から現れることがある
    • オオカミに捕まってゲームオーバーになったときに流れるSEが無駄にホラー
    • 難易度はイージー、ノーマル、ハード、プロフェッショナルと無駄に4種類もあるが、実際には難易度によって変わるのは、マップの広さだけであり、いずれにしても凶悪な難易度である
    • 廃校パートにおいて、カギが必要になる場面があるのだが、教室用のカギと脱出用のカギの二種類があるということが説明されておらず、初見では、まず戸惑うこと間違いない。
    • オオカミは基本的に主人公に対して、マップの反対側にいるので、一度撒かなければ、そちらの探索が出来ない。
    • 場所によっては、オオカミを撒けるようなスペースがないのにオオカミが前から迫ってくることがある。
    • 目的が逃げることなら制限時間である10分間隠れていればよいのではないか、という甘い考えは通用せず、時間切れになると強制的にゲームオーバーになる。ここで散った乙女ゲーユーザーも多いのでは無かろうか。
    • また、救済措置として隠れる場所が存在しているのだが
      • 背景と同化しており、近くまで行かないと、隠れ場所があることすら気づきにくい。
      • 少なくとも30秒以上隠れていないと、近くに来ているオオカミに捕まってしまう。
      • 焦ってボタンを押すとすぐに飛び出してしまう。
        などといった、謎仕様によって、とても救済措置としての役割を果たしているとは言えない状態であり、隠れ場所に頼らずにオオカミの横をすり抜けた方が圧倒的に楽で、しかも、安全である。
  • ハンターモードのみの問題点
    • オオカミの場所についてはヒントがなく、ランダムな場所を左右にうろうろ移動するだけなので、マップをしらみ潰しに探す必要があり、作業感が強い
    • 場所によっては一度オオカミを捕まえたのにもう一度同じことをやらされる場所があり、作業感が一段と増す。
  • 3Dパートについてはこのような、単なるミニゲームであるだろうと舐めてかかった乙女ゲーユーザーの心をへし折る心折設計である。
    • あまりにも不評であったのであろうか、アップデートによって、3Dパートをまるごと飛ばせるようにするという斜め上の対応がとられた。
      • 因みに3Dダンジョンの中に謎解きアイテムとおぼしきアイテムが置かれているのだが、取得後一切それについて語られることはないので問題はない。
      • また、トロフィーの取得には3Dダンジョンのクリアが必要なので、コンプリートするためには、以上のような理不尽な仕様に耐え、鬼畜難易度を乗り切る必要がある。しかもトロフィーは難易度別である。

恋愛ゲーム面

  • 恋愛ゲームとしてみた場合の評価としては、「全体のストーリーとしてみた場合、シナリオは評価に値するが、細かい部分の粗は目立つ」といったできである。
    ・特筆すべき点としては、
  • 主人公のキャラ設定が無茶苦茶で
    • たった今殺されかけたというのに「彼がそんなことするはずない」と言い「命が狙われるより会えない方が嫌」と言って、のこのこ会いに行ったり「命と補修どっちが大事なの!?」と訊かれ「選べないよ」と答えたりと、奇妙な言動が目立つ。
    • 「お家」「お部屋」「お料理」などといった幼稚な言葉や、「〇〇だよねぇ」や「〇〇だけどなぁ」といったような間延びした言葉を放ち、オオカミに命を狙われているという自覚は一切感じられない。
    • オオカミに狙われているという危機的な状況なのに、「お花がきれい」と呟くように常にお花畑思考であり、緊張感溢れる本作の雰囲気とは明らかにミスマッチ
    • モノローグで「失敗したかも」と思っているのに味見もせず、そのまま料理を提供する
      などといったようなお花畑思考であり、主人公に感情移入することが出来ない
  • 「ご飯を食べに行こう」といい、イベントが始まったと思ったら1クリック後には「あー、おいしかった。」とイベントの内容がまるごと飛ばされたり、前置きもなくいきなり体育祭やハロウィンの季節になっていたりと、イベントの結び方が雑きわまりない
  • シナリオの大半が日常パートで構成されているあるので、話のテンポが悪く、ボタンの反応が遅いことも相まってか、3Dパートも含めると1人のキャラクターを攻略するのに約10時間ほどかかる。
    • しかも、日常パートを引き延ばしている割には、肝心のところで説明がない。
  • 男性キャラの多くは幼馴染みか同級生で元から主人公に好意を寄せているものもいるので「男性キャラを攻略した」という実感がいまいち湧かない。
  • 主人公のサポートをする「赤ずきん」は主人公以外の人には見えないという設定であるのに、しれっと主人公以外の人ともしゃべる場面がある
  • オオカミは「人を喰べない」と言っているのに、オオカミに捕まると喰べられゲームオーバー
    などといったような粗はたくさんあるが、それらも最悪で不親切きわまりないゲームシステムの前では微々たるものであろう。

その他

本作発売の4カ月前には、先行プロモーションCDである「Rear pheles~Rost Memory~」がVol.1からVol.4まで発売されており、こちらはゲームとは違い、ファンの間では概ね高評価を得た。肝心の本作の出来がこれでは仕方ないが。


選評

選評案その1

「何故追われるのか 何故狙われるのか」
そんなキャッチコピーを携えて8月26日に発売されたRear pheles‐Red of Anotheer-
元はシチュエーションドラマCDという根っからの女性向け乙女ゲームで、メーカーは「謎解き探索恋愛ADV」と銘打っているが
実際には、学園生活で繰り広げられる恋愛や攻略対象と過ごすイベントの区切りに唐突に挟まれる3Dモードにて
主人公を殺そうとする「オオカミ」に追いかけられながらコピペランダムマップを徘徊する、恋愛+コピペ迷路脱出ゲームだった

セーブデータがあろうともタイトル画面で常にカーソルが「New Game」であるのはもはやお約束
opムービー再生、データロード暗転に5秒かかり、ADVパートで会話中だろうが暗転中だろうが容赦なく右上に結構な頻度で出現する「ロード中…」の文字
このテンポの悪さは乙女ゲーユーザーにすら「このゲームのどこにそんなロードが必要なんだ」と言われるほどだ
乙女ゲーギャルゲーには大抵主人公にデフォルト名があるが、このゲームでは「主人公」がそのままデフォルト名であるなど
デフォルト名にすればボイス付きで名前を呼ばれるのが当然という乙女ゲーの状況で、ここまで潔く適当さを見せるメーカーは珍しい

恐らくスタッフが目玉として入れたのだろう3Dモード(エスケープ、ハンターの2種類)のロード、リトライロードは共に約1分と長い
・移動はLスティック(鈍足)、視点操作はRスティック(スロー再生状態)、Rボタンでダッシュ(説明なし)
・状況説明(3Dモード初回はチュートリアル)はオート文字送り(少し早め)履歴なし、
・「あなたなら必要なものが見える」というふんわりとした脱出口&必要アイテム回収の説明
・「オオカミが近づいたらラップ音が聞こえる」という説明がされるが、実際には主人公の心音が激しくなる+画面に血飛沫がついて画面が見づらくなる
・実際には数歩先まで近寄らないとどこで光っているのすら分からない
・教室のドアを開くのには鍵が必要だが、脱出ドアにはまた別の鍵が必要(説明なし)
・主人公の位置を完全把握して追いかけてくるオオカミ(一応広い場所なら大抵端の方を歩いて近寄ってくれるが、細い道ではフェイントを仕掛けてくる)
・いわゆるFPSなので、主人公とマップの当たり判定がこういった系統に不慣れな乙女ゲプレイヤーにはわかりづらく、3Dが雑なのでひっかかる
といった操作性の悪さと不親切さが一般にゲーム下手と認識されている乙女ゲープレイヤーの心をへし折りに来る
難易度はイージー、ノーマル、ハード、プロフェッショナルと無駄に4種類あるが
難易度を上げてもマップが広くなり入れない場所が増えるくらいの差しかない
背景は鬱蒼とした森or廃校の2種類で4パターンくらいの道差分、そのステージで手に入るアイテムをランダム配置してマップが作られる
森は道が狭く、オオカミに追いかけられて行き止まり迷い込んだら死亡が確定する
廃校は2キャラ分の広さ+オオカミを一定時間閉じ込められる教室があるのでマシかと思いきや
行き止まりや進入不可の教室も多数存在するので救いにもなりにくい

エスケープモードは8回。制限時間は全難易度共通10分
救済措置として隠れられる場所が設定されているのだが
・背景と完全に同化しており接触しないとそうと気づけない
・少なくとも30秒以上隠れていないと近くに来ているオオカミに捕まるorもう一度隠れなければならない
・焦ってボタンを押すと即座に飛び出てしまう
という謎仕様のため隠れるよりかダッシュでオオカミの横をすり抜ける方がよほど安全である
脱出に必要なアイテム+謎解きに関係するアイテム回収要素も、
・オオカミは大抵主人公の初期位置の反対側から進行を塞ぐように現れるので、一旦まかなければそちらの探索ができない
・オオカミを避けつつマップを全て見回るとノーマルですら5分くらいかかる
・代わり映えのしないコピペマップ(全てランダム配置)
・アイテムを回収しても所持アイテム一覧表なんてものはないので、主人公が何を持っているかも分からない
以上の点があるので、手動マッピングをする暇すら与えられず方向音痴なプレイヤーは制限時間に焦りつつ走り回るはめになる
目的が「逃げる」なら時間切れもありだろう?と思ってひたすら時間切れまで隠れたプレイヤーも、容赦なしにリトライロードの罠へと落とされる
また、ランダム生成のため再現が非常に難しいが希にアプリケーションエラーが発生して強制終了させられることもあり
リトライがあるから…と油断していたプレイヤーの心にもダメージを与えてくる

ハンターモード(こちらが鬼役になる)は2回。制限時間は全難易度共通7分30秒
3Dモードの仕様に加えオオカミの初期配置場所が遠いことが多く、主人公を追尾せずに同じ場所で左右にウロウロしているだけなので見つけにくい
広いマップをしらみつぶしに捜索していく作業ゲーとなっている
オオカミを時間内に捕まえたにも関わらず、強制的にもう一度やらされる箇所もあるので作業感はさらに増す

乙女ゲーのメインである恋愛パートは一年かけて攻略対象と恋愛を育んでいく…のだが
元々全員が仲の良い友人同士であり、主人公に好意を抱くキャラもちらほらいるために「攻略した」感が薄いのに加えて
暗転が開けたら特に前置きもなくいつの間にか体育祭が始まる季節になっていたり、ハロウィン、クリスマス期間になっていたり
主人公が攻略対象の悩みなり秘密なりを知り癒していく、所詮カウンセリング恋愛なので好みが分かれる

一方の「謎解き」なのだが、手がかりとなるアイテムが3Dパートでランダム配置されている上に
オオカミから主人公を守るために現れた「謎の少女赤ずきん」(と主人公は思い込む)と
命を狙われるという危機的状況にも関わらず、こちらも一年もかけてゆったりと恋愛を楽しみながらオオカミに命を狙われる理由を探っていく
乙女ゲーにおいての宿命か、恋愛イベントが優先されるのでオオカミに襲われた直前直後くらいにしかまともに話し合わない、
主人公が読書好きで特に赤ずきんの童話に思い入れがあるため、正体不明の「赤ずきん」を(他の人間には見えないからという理由はあるが)親に内緒で自分の部屋に住まわせるなど粗は目立つ
キャラ別ルートに入ればようやくオオカミの正体を突き止めようとし始めるのだが
3Dパートで拾える謎解きヒントかと思われるアイテムは、拾っていても存在に触れられないまま話が進む
謎解きとは一体なんだったのだろうか

なお、女性向けゲームの宿命であるのか、発売直後ということもあってか今現在公式Twitterは人気投票のアナウンスしかしておらず
難易度を下げて欲しいと願う乙女ゲーユーザーの声が届くのかも不明である