2012年 大賞
ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー
名称 | ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー | |
ジャンル | レールシューティング |
対応機種 | ニンテンドー3DS |
発売元 | ハムスター |
開発元 | TEYON |
発売日 | 2012年6月14日 |
価格 | 4,980円(税込) |
対象年齢 | CERO:C(15歳以上対象) |
要点
北米WiiwareDLソフトランキング1位の日本向けローカライズ作品。プレイヤーは米兵となり、様々なミッションへと挑むレールシューティング。
レールシューティングはFPSとは異なり、移動は全て自動で行われ、要所要所で画面が固定され射撃を行うゲーム。
同ジャンルでは『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』や『タイムクライシス』などの名作があるが、これらとは明らかに別次元の出来。
元々低価格で手軽に遊べるDLソフトだった物をフルプライス化した結果、ありとあらゆる点で粗が表面化しシューティングとしてのありえない仕様が露呈する。
グラフィック、演出関連
- パッケージ詐欺ともいうべき低画質
- パッケージには硬派で厳つい兵士のイラストが採用されているが、ゲーム内ではメイン画面以外では拝めない。
- ミッション開始前のストーリー解説がただの紙芝居レベル。
- しかも、使用されているイラストが中学生の落書きと思えてくるぐらいチープなもの。
- アメコミのような感じと言えば聞こえはいいものの、どちらかと言えば同人レベルで下手すればそれよりもひどいクオリティ。
- しかも、この紙芝居はやたらと長い上にスキップすることもできない。
- ミッション中の3Dグラフィックも、とても褒められたものではない。
- 初期のPSやサターンレベル。動きもかなり不自然であり、敵の中には欽ちゃん走りで画面を駆け抜けるものもいる。
- しかも、ミッション中は一切セリフはなく、ただ敵を次々に撃つだけと非常に単調。
- その他にも、さすが元は安価ゲームと言わざるを得ない、出来の悪い演出がちりばめられている。
- BGMが無い
- 正確にはヘリと戦闘するステージだけBGMが付いているが、なんとメイン画面のBGMの使い回し。
- しかも収録されているのはこの1曲のみ。エンディングまで全く同じ曲。PVにあったような音楽はない。
- 他のステージは終止音楽は無く、SEだけが鳴り響く。
- SEも手抜き
- このゲームはハンドガンやアサルトライフルなどの武器があるが、それらの銃声や連射速度などが同じものがある。
- 一応地面や水面など、撃った場所によってはSEが若干変わる。
- ストーリーの演出面にも突っ込み所がある。
- 「敵だ!」「狙撃兵だ!」というセリフを何故か笑顔で知らせている(紙芝居レベルのため表情がまともに書けていないという点もあるが)。
- そのセリフの後、次のコマであっさり敵を撃破(しかもアサルトで狙撃兵を倒している)し演出面が非常に淡泊。
- あるステージでは始まるといきなり爆発(のようなコミカルな絵)が出て、あまりにも唐突すぎて訳が分からない所も。
- 劇中のセリフの「何が起こったんだ?」はこっちのセリフだ。
- あるステージからは研究者を救出することになるが、その人物がいる研究施設(らしき宮殿)ごと爆破する。
- ちなみに研究者はEDで無事に救出されるが、脈絡がないためこちらも唐突感が否めない。
- また、核弾頭を保管している敵の武器庫も爆破している。
- そしてEDでは唐突に三カ月後となり、(プレイヤーの部隊に)敬意が表される。どうして表すだけでここまで時間がかかったのかは不明である。
- 終いには、スタッフロールは手動でページを全部めくらなければならない。
戦闘関連
- レールシューティングとしての問題が至るところにある
- 回復アイテムが無い。ついでに、チェックポイントも無い 。
- よって、用意されたライフ5つを全て失えば、ステージを最初からやり直すハメになる。
- コンティニューもなくタイトル画面に戻るため、最初から始めると長い紙芝居をまた見ることに。
- 隠れられないレールシューティングにおいては前代未聞の仕様。
あの『デスクリムゾン』でさえ、残機代わりのコンティニューや(一回限りだが)回復アイテムがあったというのに…
- 操作性に難がある。
- 基本的にはL・Rで射撃、Bボタン・下スクリーンのリロードボタンへのタッチ・3Dアナログスティックでリロードを行う。
- 照準は下スクリーンをスライドする事で合わせる。
- ただし『パルテナの鏡』のように多少は敵にオートエイムをすることはなく、かなり合わせづらい。
- かなり遠方にいる敵もおり、照準を合わせるのが困難。
- この操作は一切変更する事が出来ない。
- 被弾の仕様に色々と問題がある
- 現れてくる敵の頭上に「!」マークが表示されれば、直後にこちらがダメージを受けライフが一つ減る(ライフ5つでゲームオーバー)。
- ただし、「!」表示から着弾までにばらつきがあり、中には撃たずに画面外へと消えてしまう敵もいる。
- かと思えば、画面に出た瞬間にダメージを与えてくる敵もいる。「!」マークが上画面で見切れて見えない敵までいる。
- 周回ごとにもばらつきがあるらしく、同じ敵でもダメージを与えてくる場面とそうでないパターンがあるとのこと。
- 被弾時のエフェクトが中々消えず、倒した敵と同じ位置に次の敵が現れ被弾エフェクトで隠れて見えないことも。
- 敵のラッシュでの物量攻撃が異常
- 常に1対多数の状況下で戦っているにも関わらず、画面上に10人近い敵が同時に現れる場面もある。
- しかも「!」マークを四方から表示させ、上記の被弾までのばらつきと相まって攻略が恐ろしく難しくなる。
- ステージの長さがバラバラであり、早ければ3分、長ければ8分ぐらいで終わる
- 回復&チェックポイントがないため、ステージが長ければ長いほど難易度が跳ね上がる。
- ただし、なぜかゲーム後半に短いステージがいくつかあり、無限武器まで用意させているため急激に難易度が下がる。
- 武器に関する問題点もある
- プロローグを終われば新たな武器を購入できるが、持ち歩けるのは1丁のみ。
- しかも購入できるのは、ハンドガン系2つと連射系武器10と、実質2種類の系統のみ。
- 一応ステージによってはスナイパーライフルや銃座を使用する場面があるが、限定的で任意には切り替えられない。
- 同じ武器を使い続けると耐久ゲージが減り、弾詰まりを起こしやすくなる。
- 弾詰まりを起こすと画面に「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と出る。とてもシュール。
- 耐久ゲージを回復すれば回避できるが、コストがかかるため新しい武器に変更した方が早いとの事。
- 選評者曰く:「ただの面倒くさいリロード」
- プロローグでの兵士のタイプ選択に意味がない
- 3タイプの兵士(標準、連射性+弾数優遇/弾詰まりリスクハイ、連射性+弾数不遇/弾詰まりノーリスク)から選ぶ事になるが、具体的に何が違うの詳細な説明がない
- 実際にプレイを開始するまで弾数の違いがわからず、連射力の違いも初見ではほとんど見分けがつかない
- 弾詰まり自体やや運任せな部分もあるため、明確な違いが体感的にはわかりづらい
- タイプの違いと言いつつ、結局は使える武器と故障具合が違うだけ、プロローグ終了後の武器購入で差が完全になくなる
- 移動シーケンス中に完全に敵を無視してもそのまま素通りできてしまう場面が多々ある
- 全く射撃せずに敵陣を中央突破しても被弾せず振り返ると敵がいなくなるなど、明らかに不自然な消え方をする。
- 序盤から終盤まであらゆるステージでその現象が確認でき、敵配置の手抜き具体が如実に感じ取れる。
システム関連
- 必要ないメニューがある
- メイン画面からは、ストーリーを追っていく「キャンペーン」、一度クリアしたステージをもう一度遊ぶ「ミッション」、
セーブデータを管理する「プロフィール」、得点を確認する「スコア」がある。
- キャンペーンは一度クリアすると二度と選べなくなる。ミッションでは紙芝居はカットさせるので、もう一度見るためにはデータをリセットしなければいけない。
- プロフィールでは3つのセーブデータが作れるが、毎回自分の顔写真を登録する必要がある。
- そしてスコアでは、上記のセーブデータのうち一番高い総合得点だけが表示される。
- そもそも総合得点自体、常に画面に表示されている。ステージ別に得点が表示される事は無い。
- 通信機能が全くないので、わざわざ得点をたった3人で比較する意味はどこにあるのか。
その他
- ファミ通クロスレビューも「5/5/5/6」の21点となんとも微妙な評価。
- 低得点ほど信頼できると言われるだけにある意味納得ではあるが・・・。
- 説明書が1枚だけ
- カートリッジに内蔵されたものがあるが、警告文と会社紹介を除けばたったの5ページ。
- 分相応といえばそうではあるが、ボーナスポイントの基準が不明のままである。
- 公式HPがたったの1ページ
- しかも掲載されてるのはスクリーンショットだけであり、詳しいゲーム内容がまったく書かれていない。
- 開発元のTEYONのホームページ(タイトルが微妙に違うので注意)には、公式PV(英語版)があるが、選評者曰く「早回ししている」とのこと。
- 余談ではあるが、PS3版ヘビーファイアアフガニスタンでもHPが1ページしか無く、PV詐欺も同様に行っている。
- なお、続編のシャッタードスピアのHPも同じ状態である。
- 価格が跳ね上がっている
- 元がDL専用ソフトであったとはいえ、5ドルから5,000円近くまでの値上げはすさまじい。
- 収録されているのはWiiware版の二本(各5ドル)だが、その後3DSDL専用として一本化され5ドルで販売
- 余談ではあるが、PS3版『ヘビーファイア アフガニスタン』も同様の値上げをしている。
- 北米Wii版からの移植による劣化
- 元々は『HEAVY FIRE Special Operations』と『HEAVY FIRE Black Arms』という2タイトルの北米Wiiware専用ソフト(各500ポイント)を
3DSのDL専用ソフトに同時収録したもの。
- この二作を無理矢理繋げるために、薄っぺらい紙芝居を追加した模様。
- 移植に際し一部の武器や2人プレイモードが削られているため、むしろダウングレード版である。
- それにも関わらず一部のゲーム紹介サイトでは「マルチプレイモードも搭載」と書かれているが、そんなモードはなく一人専用である。
- なぜだか『Special Operations』に収録されている武器が削られ、連射性の低い『Black Arms』のもののみになっている。
- 初代HEAVY FIREであるSpecial Operationsを3DS版の後半に持って来たためか、Wii版よりもさらに敵の配置が厳しくなっている。
- 弾数、連射力の低い武器を残し、敵の出現率と命中能力を向上させた上に2Pを廃止した事が、
3DS版の後半ステージの異様な難易度の原因と考えられている。
- 救済措置としてライフを3つから5つに増やしているようだが、所詮は焼け石に水。
- ボーナスポイントを得た場合、Wii版ではその内容がわかる多彩な表示があったが、3DS版ではすべて「ボーナス」で統一され、一部ボーナスまで削除された。
- 説明書の件もあって結局ボーナスが入る基準が不透明になり、さらにポイントを得る機会が減ったため武器の購入や修理に影響を及ぼす結果に。
- 余談ではあるが、翌年に据え置きでアフガンの続編となる『ヘビーファイア・シャッタードスピア』がPS3・360のマルチで発売された。
- 住人の予想をも超え前作とはまた別次元の酷さを見せつけており、早くも2013年据え置き版の門番にあっさり就任した。
- 晴れて『メジャー』『戦極姫』『人生ゲーム』に次ぐ、シリーズでの3連発クソゲーの偉業達成を果たしたことになる。
選評
選評案その1
6月14日。それは突然、海の向こうからやって来た。
「HEAVY FIRE The Chosen Few」(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー) 3DS 開発:TEYON 販売:ハムスター
北米WiiwareDL数No1という、KOTYにとってはフラグでしかない功績を誇る「ヘビーファイア」シリーズをニンテンドー3DSに移植した当作品は、
日本という新たな戦場でその勢力を広めようとしていた。
だが、あろうことか殴り込んだその地は、ほかならぬクソゲーのナンバーワンを決める戦場であった。
その戦地へと赴く姿は、まさにクソゲーの申し子と呼ぶにふさわしいものであった。
まず最初にセッティングがある。
このゲームにはセーブスロットが3つあり、それぞれに自分の顔写真を意味もなく登録できるのである(しかも強制)。
その際、プレイヤーは3人の兵士からプロローグでプレイするキャラを選ぶのだが、この選択自体に意味がほとんどない。
3人の違いは弾薬の数、リロードの速さと武器が故障する確率なのだが、プロローグ終了後から武器の購入が可能となり、
これらの差が実質全くなくなるため、何のために最初に選択させるのかはなはだ疑問である。
また、最初のステージとあってそれほど難易度も高いわけではなく、3人の差もほとんど感じられないため、
この選択肢の存在意義がセーブスロットを全て使わさせる事以外に何もないのではないかと勘ぐってしまう。
だがそのような事も、グラフィックを語ればあっさり忘れてしまうだろう。
公式HPやパッケージ、ゲームトップ画面に描かれる雄々しき兵士の姿が印象的なイラストは、シューティングという人気のジャンルと相まってプレイヤーを鼓舞させるのに十分なクォリティーである。
気持ちが高ぶる中さっそく任務を開始すると、一気にプレイヤーの気持ちを萎えさせる紙芝居が始まる。
美しいイラストはどこへやら、まるで中学生が描いたようならくがきが表示される。
低クォリティーな一枚絵とともに、フォントが細すぎて読みにくい文章で大まかなストーリーが説明されるも、毎回任務の内容が大雑把すぎるので早々にやる気が低下する。
なお、この紙芝居は一切飛ばせず、一回見た場合は画面下の「次へ」ボタンを連打する事になる(ムービーの方はスキップ不可)
そしてローディング後には、初代バーチャファイターもびっくりなぐらいのローポリな世界が待ち受けているのである。
加えて敵のモーションもお世辞にもいいとは言えず、初代バーチャコップもびっくりなくらいにもっさりとした不自然な動きをする。
あさっての方向に銃を乱射しては、いかれたマリオネットのような動きで移動し、あげくに欽ちゃん走りで登場するものまで出てくる始末。
しかも、相当遠方に登場するものもおり、照準が合わせづらい場面にも多々遭遇する事になる。
頭を撃ったのに腹を抱えてダウン、室外のドラム缶を爆発させて室内の敵が吹っ飛ぶ等、演出へのつっこみも枚挙にいとまがない。
あまりもの低質なグラフィックのせいで敵と味方の見分けがつかず、フレンドリーファイアを誘発してしまう事もままある。
レールシューティングというジャンルの性質上、ゲーム進行は移動シーケンスと射撃、移動射撃の3パターンに分かれることになる。
移動は全て自動であり、プレイヤーは射撃を行う事に集中する事になる。
移動中のカメラワークはなかなかのものだが、射撃場面になると急にぴたっと止まるため、臨場感が一気に消え失せる。
そしてカメラワーク自体もステージによっては息切れでもしたのかと思うぐらいに、急に手抜きになることもある。
加えてゲームを盛り上げるはずの演出もことごとくチープである。たとえばヘリの爆撃によって木が倒れてくるシーンがあるが、
そもそもヘリがどこにいるかわからず爆風自体も起きていないため、勝手に木が次々と倒れてくるというシュールな光景が広がる。
ここまででも十分プレイヤーの気力を削るだけの要素が満載ではあるが、このゲームの恐ろしい所はそのシューティングとしての劣悪さにある。
まず操作性がひどい。射撃はLRのどちらかで行う点はシューティングらしいが、
リロードがBボタンもしくはスティックあるいは特定箇所へのペンタッチ、照準がタッチ画面という仕様である。
照準の移動が全てタッチペンでのスライドのみで行われるため、絶えず画面にペンを押し付けていなければならない。
画面両端から敵が出てくる場面も決して少なくはないため、何度もペンを画面にこすりつける結果となり、クリア後の摩耗がやや気になることに。
照準移動ぐらいスティックで出来そうなものだが、そもそも操作設定をするための「オプション画面」すら存在しないのである。
選択できるのはストーリーを進める「キャンペーン」、一度やったステージをもう一度プレイする「ミッション」、
セーブデータを管理する「プロフィール」と得点を確認する「スコア」のみである。そして「キャンペーン」は、一度クリアすると二度とプレイする事が出来ないのである。
セーブは完全にオートで行われるので、ストーリーをもう一度見るためには一度データをリセットしてまた一から再スタートする必要がある。
わざわざ「キャンペーン」と「ミッション」を分ける必要は一体どこにあったのだろうか。
つぎに被弾時についてである。敵は常時乱射しまくっている状態だが、
時折頭上に「!マーク」が表示され、直後にライフを減らす致命弾を撃ってくる(ライフは5つなくなるとゲームオーバー)。
ただし、表示後とヒットまでの時間にばらつきがあり、出た瞬間にヒットさせるものもいれば、「!」を出したままどこかへと走り去るものまでいる。
中には画面上部で頭が見切れ、肝心の「!マーク」が表示されないにもかかわらず致命傷を負わせてくる猛者もいる。
しかもヒットしたときに現れる弾痕が中々消えず、同じ位置に出現した別の敵を隠して見えなくするという有様である。
ひどい場合は、画面の右、真ん中、左にそれぞれ「!」マークを表示する敵が同時出現する場面さえあり、
さっそく対処のしようがなくなる(グレネードなんて便利なものがあるはずもなく)。
加えて敵がいっきに10体同時に出てくる事さえある(稀ではあるが)。最終ステージでならある程度のラッシュは覚悟できるものの、
突如として敵の命中率が向上したり配置が一気に厳しくなったりと、難易度のバランス調整に疑問を感じざるを得ない。
少なくとも、「隠れることができない」シューティングにおいて、この配置はあまりにも厳しすぎるのではないだろうか。
ステージの長さのばらつきにも問題がある。プロローグもそこそこ長いステージとなっているが、
それよりも遥かに短いステージが後半に登場したり、無限弾が使える場面が異様に長かったりと急に難易度が下がるのである。
そもそもこれはある程度仕方ないと思われるかもしれないが、ある要素と組合わさる事によって事情ががらっと変わる。
それは、「回復アイテムが全くない」ことと、「チェックポイントがない」こと。
つまりどんなに長いステージでも、最後の最後でライフが0になれば最初からやり直しという鬼畜仕様なのである。
そしてステージが長くなれば長くなるほどに、難易度が跳ね上がるのである。
上記のタッチ操作での照準、敵の見えにくさ、ラッシュと隠れる事が出来ない事により、終盤は異様な難易度となっている。
これだけプレイヤーの心をへし折る数々の要素がある中、なぜだか気力を維持するために必要なBGMはプレイ中に一切流れない。(1ステージのみ、メイン画面の使い回しありとのこと)
一方でイヤホンからは常時、不快なノイズが流れてくる。
一応銃撃のSEだけはPS3版のヘビーファイアよりもややがんばってはいるものの、
BGM無しのローポリなビジュアルの中ではむなしく響くだけである。
よもや、これが本格的な戦場の演出とでも言うのであろうか?
その他にも細かい不満点にも事欠かさない:
・3DS専用で出しておきながら、3D表示の意味が余りない(個人差があるため、断言はできないが)
・武器が故障した時の演出が酷い:ある程度武器を使い続けると、ジャム(弾詰まり)を起こすので、
3DSを左右に振って解除する必要がある。その際画面に大文字で「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」と指示がでかでかと出る。
そもそも照準をタッチ操作でするため、敵に撃たれるかもしれない状況下でわざわざ3DSを持ち替えて振らなければならない。
ジャムを起こさないためには修理をしなければいけないが、毎回コストがかかる。
・武器の切り替えがなく、毎ステージ持てるのは1つだけ。
例外的に銃座やスナイパーライフルも登場するが、あくまでも限定的で任意に使えるわけではない
・時折入るボーナスポイントの基準が不明:ドラム缶や車の破壊はわかりやすいが、敵兵撃破時のボーナスが不明瞭。
遠距離で撃破時にボーナスが入るが、なぜかさらに後ろにいる敵を倒してもノーボーナスのパターンも。
他にも条件不明のもの多数。説明書には「特定のアクションを起こす事で獲得」としか書かれていない
・そもそも説明書が紙一枚+カートリッジ内説明書7Pのみ(うち1枚が断りと警告文章、1枚が企業案内)
・公式HPのやる気の無さ:たった1ページ。しかも比較的出来のいいスクリーンショットのみ掲載。
PS3版のも同じく1ページだけだが、動画へのリンクはある。
・ストーリーがあってないようなもの:とってつけたような薄っぺらい内容。
プロローグはあるテロリストを確保するという内容。
その後、何かの理由で編成されたエリートチーム「The Chosen Few」が南米のゲリラから核弾頭を確保する、
アフリカから化学兵器の研究者を救出するというだけ。しかもプロロいれて、たったの13ステージで終了。
紙芝居も相まって、とてつもなくチープな茶番を見せられている感じがする。
突っ込みどころも満載で、核兵器があるかもしれないポイントに爆弾仕掛けて爆破、謎の宮殿に謎の研究施設(しかも内部に入る事はない)などなど
数々の不満、数々の理不尽さをそろえ、それらを緩慢強く耐え忍んだとしても、全く達成感を抱かせない陳腐なストーリー。
何とか一周クリアしたとしても、残された武器をコンプし更なるスコアアップを目指す戦士は、果たしているだろうか。
それほどまでにこのゲームは、戦争のむなしさをマジマジと体験させてくれるのである。
そんな理不尽さに満ちあふれたゲームを、わざわざ10倍の価格で販売したハムスターに最後に一言送りたい:
「ふぅあー!がないじゃないかー!!」
※結論のみの引用や、改変抜粋を伴う転載はご遠慮ください。