夏の暑さが本格的になり、甲子園のシーズンになると思い出すゲームがある。
2005年に発売された「高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園」である。
GBAで発売されたこのゲームは、「恐ろしく稚拙なグラフィック」「単調で場面が変わるたびに途切れるBGM」
「審判のボイスがアウトとセーフしかない」「背景と同化してしまうNINJAのような選手達がいる」などのシステム面。
「スライディング中は塁に触れていてもアウト」「打率の表示が一桁違う(打率5割なら.500ではなく.050と表示される)」
「外野でバウンドしたボールがファールゾーンへ行くとファールになる」などの斬新なルール解釈。
更には「セカンドが一、二塁間ではなく二塁上にいるために一、二塁間への当たりはヒットになる」「捕球した内野手は動けなくなる」
「アウトカウント関係なく一番進んでるランナーを刺そうとするCPU」など、
甲子園を目指すどころかリトルリーグからやり直した方が良さそうである。
多方面での大物っぷりを発揮しており、甲子園から連想される「逸材」「怪物」「魔物が棲んでる」などの単語にふさわしい出来を見せつけてくれた。
さて、2008年のクソゲーオブザイヤーにおいて、なぜ、2005年のゲームの話をしてるのであろうか。
それは、GBAから「高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園」がほぼそのままの姿でDSに帰ってきたからだ。
見た目はもとより、中身も旧作のパスワードが使えてしまうほどの完璧な移植だ。
変更点は、イベント時のキャラデザ、音楽の質の向上、2画面・タッチパネルに対応、といった些細なところで、
前作でのバグ・問題点は全くそのままなので、前作のファンは安心して購入出来る。
タイトルにすら「DS」「2」などを付けずに、GBA版と同じ「高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園」のままであるのは、
開発者による移植度への絶対の自信の現れと言えよう。
DSのGBAスロットにも「高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園」を差して、
昔から変わらない甲子園を実感してみるのも良いだろう。
また、発売日になっても、公式サイトが開設されていないが、これはいわゆる「タイトル買い」をするファンに的を絞った省力化だと思われる。
当時の高校球児たちは、野球ファンに、プロ、大学、社会人といった新たなフィールドでの活躍を見せてくれているだろう。
タスケもDSにフィールドを変えて、我々クソゲーオブザイヤーに、変わらぬ活躍を見せてくれている。
これが、夏の風物詩にならないことを祈らずにはいられない。