名称 | ダン←ダム | |
ジャンル | ダムマネジメントRPG | |
対応機種 | ニンテンドーDS | |
発売元 | 株式会社 アクワイア | |
企画・開発元 | 株式会社ライドオン・インコーポレイテッド | |
発売日 | 2009年4月29日 | |
価格 | 5,040円(税込) | |
対象年齢 | A(全年齢対象) |
・プレイヤーをイラつかせるシステム回りやゲームバランス調整。
・ハートフルに偽装したハートフルボッコストーリー。
・ダムがお飾り。タイトル詐欺。
・フリーズバグも搭載。
上半期の中途半端なクソゲー達を代表している作品が
4月29日に発売された「ダン←ダム 〜Dungeons & Dam〜」(アクワイア)だろう。
内容は昼に人員を雇用し、時には離脱した者を再び雇用し、部隊を編成、装備を整え
夜は町を守りつつ、迷路のような明るいダンジョンを探索、見えている敵拠点を潰し、登場するボスを倒して進めていく。
複雑なシステムに見えるが、意外にも夜パートがシンプルで画面を約3分間スキップ・早送りなしで眺めつつ、必要に応じて指示を出すだけだ。
ダンジョン内でプレイヤー部隊に指示できるのは、編成時に指定した目標物に進む、待機、撤退とダム使用。
防衛は編成時に指定した部隊を施設に駐留させるか自動迎撃のどちらかに置くだけとわかりやすい。
難易度もセーブポイントが強制イベント発生ポイントになっていてセーブが出来ないことが何度かあるものの、常時身構えていれば問題はないだろう。
このゲームの雇用は期間契約という設定になっている。期間がきたら「特定の仲間」以外のキャラ達はやめてしまう。
延長が利きそうなものだが設定としてキャラ達は「不満だからやめる」であるため、不可能だ。
こうなった場合、雇用施設で雇いなおす必要がある。
よってもし敵の侵攻で雇用・解雇の出来る施設が破壊されてしまうと詰みといって過言ではない。
シンプルなシステムのわりに攻略サイト必須ともいえるシナリオ進行というのも見逃せない。
序盤にしか仲間に出来ないキャラの加入条件が「特定の施設のLv」と「特定の職業のLv」と見逃しやすいのだ。
雇用で雇える職業は毎日ランダムという仕様のためそれに拍車をかけている。
さらには見逃すと一部の職が解禁されない上、マルチエンディングの一部がカットされるため、ここでリセットしたプレイヤーも多い。
RPGといえばドラゴン、この作品の壁ボスとして君臨するのが「ファフニル」である。
HPが多いが水に弱いと単体だけみればどこにでもいる普通のボスである。
しかし通常は潰したら消える敵拠点が1夜にして復活するという、ダンジョン独特の設定から難所となっている。
拠点から出てくる大量の敵によりボスまでたどり着けず、たどり着いても豊富なHPを時間内に削りきれない。
ぶっちゃけ、ラスボスより強いボスが中盤で登場してしまったのである。ストーリーとは関係なく。
このボスを打ち倒せばもう既にダンダムをマスターしたと言ってもいい。
そして全てのボスを倒した暁には全ての敵(ボス除く)が登場するクリア困難なダンジョンが出現し
プレイヤーに「目標は与えられるものではない。自分で作るものだ」と諭してくれる。諭してくれるだけで2週目への引継ぎはない。
バグについては普通にやっていれば遭遇するフリーズバグがいくつか存在するため、不具合報告の確認は必須である。
システム的な要素が多くあがってしまうが、ストーリーも理解しがたい展開だ。
ヒロインにあたる主人公の姉が中盤、町民から迫害されるストーリーで、姉と町民の和解シーンは最後までないのである。
この、町を守るために戦う設定でありながら「町を守らなくてもいいのでは?」と中盤で思わせてしまう
この点についてだけははっきりとクソゲ要素であるといわざる得ないのではないだろうか?
なおゲームの”売り”であるダムについては、夜パートで使うことは出来るが
「画面外へ敵味方を水で押し出す」という機能と「巻き込まれた味方は一定期間戻ってこない」というリアルな仕様の為
味方を誘導しずらいこの作品では放水を行う機会は少なく、影が薄い。
ストーリーでもあってもなくても進むため、薄い影をさらに薄めている。
これだけならば、2009年上半期の他の議論にあがった作品達と変わらない。
しかしこの作品が他の作品と一線を画したのは「プラス点を探すのが難しい」という点であろう。
上げろと言われて気づいたら「あれ? これ、クソゲじゃね?」とふと思ってしまう。それがダン←ダムだ。