現在、総評案の審議中。総評案をここに投下してください。
ゲーム市場の主流が据置機から携帯機へ移行し、かつてない盛り上がりを見せた2008年携帯機市場。
しかし、市場の発展には光と陰がある。
光が強かった分、その陰も大きかった。
初手を勤めた携帯機クソゲーは『梅沢由香里のやさしい囲碁』。
だが、このゲームやさしさなど全くない。
CPU戦をしようにも99:59秒(カウンターストップ)以上の長考をされ、
対人戦をしようとすれば1つの本体を交互に使って対戦するしかなく、
問題集を解こうとすれば開発者への指示と思われる文章が出てフリーズする。
唯一の救いは梅沢先生が色っぽい声をあげてくれることだけだろうか。
多くのプレイヤーは囲碁をすること自体が手詰まりとなり、ゲームごと投了した。
2008年一発目にして後出し補正が強いKOTYにおいて最後まで大賞候補に残る凄まじいバグゲーであった。
むしろ未完成品と言った方が正しいだろうか。
携帯機に大物メーカーが参入した
2007年据え置きKTOYでクソゲーマイスターの称号を授かったドリフこと、ドリームファクトリーである。
彼らの携帯ゲーム機デビュー作SIMPLE DS『THEゾンビクライシス』は、
「貧弱なエフェクト」「シビアすぎる当たり判定」「無駄に長く単調なステージ」等とプレイ意欲を削ぎ落とすというクソゲーの基本をしっかり抑えていた。
更に選択ルートを間違えると無限ループに陥る等というバグも完備。
ついでにだがゾンビの動きが少なく同種のゾンビが出ると「死霊の盆踊り」としか言いようがないシンクロ率100%のダンスを披露するネタ要素まである。
SIMPLEシリーズのハンデを軽々乗り越える出来であり、SIMPLEシリーズ愛好家のユーザーには「ドリフは太陽系から出て行け!」と言われ、
ドリームファクトリーの力を携帯機でも存分に証明できただろう。
次に続くのはある大物メーカーが移植を担当した『海腹川背Portable』。
本作は発売前から不安要素満載でスクリーンショットの出来の悪さ、公式サイトの「海原川背」というタイトルの間違い、過去の作品に関わっていた開発者の不参加。
そして極めつけは『カルドセプトサーガ』でお馴染み開発会社「ロケットスタジオ」である。
発売延期を繰り返した物の決算前の3月27日に決まり、3月14日に体験版が配信された。
その体験版の内容は壁を貫通したりべったりはりついたりするロープ、ぶら下がっているだけなのに突如謎の振動を始めるキャラ等など、
旧作ではあり得なかった謎の挙動が続出し、不買運動や発売日までの修正要望提出を行ったものの、彼らの努力は虚しく「なんとかportable」として発売されてしまった。
その後も発売元であるマーベラスエンターテイメントの「不具合はPSPの仕様」や 「バグは敵キャラの魚が歩いていたりする様にゲームの世界観」 など、クソサポートを見せつけた。PS3の情報配信番組にて「愛のないリメイク」とネタにされてしまう始末である。
では、本作の評価はというと元々のシリーズをやりこんでいるものにはにはその挙動のおかしさに絶望し、新規に始めた者にはプレイできないほどの糞ではないという評価。
移植としては完全に駄目であり、クソゲーとしては中途半端と救われない出来となっている。
さらにゲーム業界上半期の最後には序盤からの鉄板クソゲーメーカー大攻勢に続くように、
家庭用ゲーム市場でまさに絢爛舞踏の如く旧作ファンを撃滅せしめた芝村裕吏氏も携帯機市場に参戦した。
同氏はすでに自身の旧作ファンを殲滅させきったのか、今回は「エヴァ」と「ガンダム」という
ファン・信者の数が非常に多い作品を題材にしたゲームを武器に戦場へと舞い降りた。
初弾の「ぷちえう゛ぁ」はそこらのwebに転がってそうなflashゲーの詰め合わせ的内容。
あまりにも貧相なゲーム内容は、よく訓練された信者にさえ
「4500円のカレンダーを買ったらDSのソフトがついてきてラッキーだった」とまで言われる出来であり、
発売から2週間足らずで特典付き新品がワゴンに並ぶという前代未聞の戦歴を残した。
続けて撃ちだされた「エンブレムオブガンダム」も、
やればやるほど作業感が増す作りになっているSLGパートだけならいざ知らず、
ガンダムに対する知識が足りないにも関わらずストーリーや設定を独自解釈し、
内容的にも日本語的にも高周波の電波を発生させ、多くのガンダムファンを失笑させた。
芝村氏的には「いちいち全部ガンダムの正史をなぞっていては反吐が出て仕方ありません」 という気持ちで自分なりの世界を構成したのだろうが、
プレイヤーからしてみればサイド6でテム・レイから役に立たない回路を受け取ったアムロのような心境である。
両作品とも、「原作ファンしかわからないネタだらけ」なのに「原作ファンからは失笑を買う」という
どの層を狙ったのかがサッパリわからない内容であった。
上半期だけでこの内容である。
だが息切れを起こさずまだ続く。
夏の風に乗ってやってきた対戦格闘ゲーム『ウィンディ×ウィンダム』は、
「動かすとカクカクになるグラフィック」「妙にゆっくりとした動き」なんて些細なこと、
売りである空中戦を全く仕掛けてこない上、最高難易度にしても意味もなく挑発を仕掛けコンボを自ら切るCPU、
格闘ゲームであってはならない無限ループコンボが「打ち上げて追い打ちをかける」だけで成立する。
コンボ判定もいい加減で99Hitも楽勝である。ある意味コンボゲーと言えるかもしれない。
打ち上げなくとも強攻撃連打で繋がることもあり世紀末ゲーどころの騒ぎではない。
葬式状態の本スレにニンジャスタジオの内情暴露という燃料まで投下してくれた。
そして剛速球のクソをWiiに投げつけたタカラトミーのメジャーも携帯機に中継ぎとして登板。
『メジャーDS ドリームベースボール』である。
アニメのストーリーをなぞって野球やミニゲームをクリアしていくという内容だが、
「スチールできない」「内野ゴロが存在しない」「打球はフィールド内に飛んだら100%グラブに触れる」という謎仕様。
1アウト3塁で外野フライでも盗塁しないCPU。
「ポーズ不可能」「キャラゲーなのにキャラ判別不可能」とファミコン時代を感じさせる。
更にミニゲームでは走って一輪車で土を運ぶとミートが上がり、バッティング演習ではカーブが取得できる。
一体どんな練習をしたのだろうか?
こんな内容だがクリアに1時間半もかからないためWiiの『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』の長さにイライラした人には安心の設計である。
その他の候補作は、
アクションゲームとしては非常に単調で、キャラゲーとしてはファンであるほど不快になるタカラトミーの『ヤッターマンDS ビックリドッキリ大作戦だコロン』
あまりにも不親切すぎるパッケージ詐欺の『ダンジョン オブ ウインダリア』
タイトルで警告してくれ、心霊写真の塗りつぶし判定がシビアで失敗しやすい割りにやり直しは出来ず、
グッドエンディングへの手順を間違えるとやり直す方法はデータ初期化しかない『みてはいけない』
ギャンブル漫画原作にしてギャンブル要素皆無のミニゲーム集『逆境無頼カイジ Death or Survival』
フルプライスで発売し、SIMPLE DSの『THE 歩兵』に全ての面に劣る、プレイヤーが咆哮した『UNKNOWN SOLDIER 〜木馬の咆哮〜』
などがあったが量産されるゲームの中、「ゲームとして破綻してから出直して来い」という名言まで生まれた今年において一時期は話題になるものの、いまいち目立ちきれなかった。
この量産されるクソゲー達、タカラトミー、ドリームファクトリー、ロケットスタジオ等の数々の強豪を抑え、
この混沌の2008年のクソゲーオブザイヤーを受賞したのは伝説の名プレイヤー『めざせ!甲子園』である。
3年前全く同じタイトルのゲームがGBAで発売された。プレーヤーはキャプテンとなりチームを甲子園優勝へ導くという内容である。
「恐ろしく稚拙なグラフィック」「単調で場面が変わるたびに途切れ、最初から再生されるBGM」「背景と同化してしまう忍者のような選手達がいる」などのシステム面。
二年生がいるのに一年生が何故かキャプテンに指名される無理があるストーリー。
「一定確立でバットを振ってくるためボール球を投げていれば勝ててしまうCPU」「スライディング中は塁に触れていてもアウト」「デッドボールがない」「フライをキャッチしてもフェアになることがある」等もはや野球として破綻している。
「セカンドが一二塁間ではなく二塁上にいる」「打率表示が例えば五割なら「.050」と表示されたり」「ランナーがいる時ゴロを打ち、ランナーがアウトになっても打った本人が塁にいれば打率が上がる」「アウトカウント関係なく一番進んでるランナーを刺そうとするCPU」等は制作者が野球を知っているか疑わしい所である。
まさに多方面での大物っぷりを発揮しており、甲子園から連想される「逸材」「怪物」「魔物が棲んでる」などの単語にふさわしい出来を見せつけてくれた。
まさかと思った方もいるだろうが、全くこのままの内容でDSに移植されたのである。タイトルまで「DS」や「2」をつけずに。
完全移植な訳はないだろうと思うだろうが、変わったのはイベント時のキャラデザ、音楽の質の向上、2画面・タッチパネルに対応、といった些細なところで上記の問題点は完全に放置されている。野球として破綻しているのにかかわらずだ。
ちなみに前作の選手パスワードもそのまま使える。
いや、全く何も手を加えずに移植したのはこれは野球ゲームではなくGBAの時点で「めざせ!甲子園」というスポーツのゲームだったという可能性もある。
これなら上記の野球ではあり得ないことも納得できる。
本来移植というはインパクトが弱くなるものである。
だがこのゲーム元が元なので移植というのを武器にしてしまってる。
『海腹川背Portable』での「移植」、『メジャーDS ドリームベースボール』の「野球」、『梅沢由香里のやさしい囲碁』の「クソゲーに成り得ないジャンルのクソゲー化」という要素を取り入れた今年の携帯機クソゲーの象徴とも言うべきゲームでもあろう。
海腹川背は(ちゃんと移植されていれば)望まれた移植であったが、このゲームは全くそれがないのである。
製作会社であるタスケは何故移植したのだろうかは謎である。
発売日に公式サイトがなかったので売る気があるかも謎であったが。
今年を振り返ると次点候補以外にもネームバリューを使った売り逃げ上等なソフトが多く見られていた。
DSに特にその傾向が強く見られた。
主流になるとメーカーが集まりやすい分、数が増え、クソゲーも増えるという宿命だろうか。
それ以上の物としてゲームとして破綻している商品未満の出来の物まであった有様だ。
主流になっている限り続くであろう状況と来年に向けて言葉を贈り締めくくりたいと思う。
ク ソ ゲ ー の 熱 い 物 語 が 今 始 ま る
ゲーム市場の主流が据置機から携帯機へ移行し、かつてない盛り上がりを見せた2008年携帯機市場。
しかし、市場の発展には光と陰がある。
光が強かった分、その陰も大きかった。
初手を勤めた携帯機クソゲーはニンテンドーDS「梅沢由香里のやさしい囲碁」。
だが、このゲームにやさしさなど全くない。
CPU戦をしようにも99:59秒(カウンターストップ)以上の長考をされ、
対人戦をしようとすれば1つの本体を交互に使って対戦するしかなく、
問題集を解こうとすれば開発者への指示と思われる文章が出てフリーズする。
多くのプレイヤーは囲碁をすること自体が手詰まりとなり、ゲームごと投了した。
この作品は後出し補正が強いKOTYにおいて、1月発売であるにも関わらず最後まで大賞候補に残る、珍しい例となった。
同じ日に発売されたSIMPLE DS「THEゾンビクライシス」は、
「貧弱なエフェクト」「シビアすぎる当たり判定」「無駄に長く単調なステージ」等とプレイ意欲を削ぎ落とすというクソゲーの基本をしっかり抑えていた。
更に選択ルートを間違えると無限ループに陥る等というバグも完備。
ゾンビの動きが少なく、同種のゾンビが出ると「死霊の盆踊り」としか言いようがないシンクロ率100%のダンスを披露するネタ要素まである。
SIMPLEシリーズのハンデを軽々乗り越える出来であり、SIMPLEシリーズ愛好家のユーザーには「ドリフは太陽系から出て行け!」と言われていた。
「クソゲーマイスター」ドリームファクトリーの力を携帯機でも存分に証明できただろう。
次に続くのはPSの名作の移植作、「海腹川背Portable」。
本作は発売前から「発売延期を繰り返す」「スクリーンショットの出来の悪さ」「公式サイトの「海原川背」というタイトルの間違い」
「過去の作品に関わっていた開発者の不参加」「バグゲー『カルドセプトサーガ』でお馴染み・ロケットスタジオが開発担当」
など不安要素が満載だったが、体験版の配信でファンの危惧は現実のものとなった。
壁を貫通したりべったりはりついたりするロープ、ぶら下がっているだけなのに突如謎の振動を始めるキャラ等など、旧作ではあり得なかった謎の挙動が続出。
その後もファンは不買運動や発売日までの修正要望提出を行ったものの、彼らの努力は虚しく、3/27に発売されてしまった。
さらに発売元であるマーベラスエンターテイメントは、「不具合はPSPの仕様」や 「バグは敵キャラの魚が歩いていたりする様にゲームの世界観」 など、この上ないクソサポートを重ねた。
PS3の情報配信番組にて「愛のないリメイク」とネタにされてしまう始末である。
しかし、シリーズをやり込んでいる者は挙動のおかしさに絶望するデキであるにも関わらず
新規のプレイヤーにとっては「プレイできないほどの糞ではない」という評価。
元作品を知らない人間にとっては、こういうものだと思ってしまうものなのだろうか、
移植としては完全に駄目であり、クソゲーとしては中途半端と救われない出来となっている。
3/31発売のジョルダン「THE営業道」は、監修者「市村洋文」が自ら登場し
「伝説の営業マン」として自分マンセーをこれでもかというほど行った作品である。
主人公を始めとして、ゲーム内ですべての登場人物にとことん尊敬させる市村氏の
営業力はある意味すごいと言えるだろう。
第2話では主人公は不法侵入という犯罪行為を行っており、
おまけにそれは監修者の過去の実話を元にしていると、本人がブログで告白していた。
キャラゲーにも、クソゲーは次々と襲い掛かった。
原作に熱狂的信者の多い「ぷちえう゛ぁ」と「エンブレムオブガンダム」である。
「ぷちえう゛ぁ」はそこらのwebに転がってそうなflashゲーの詰め合わせ的内容。あまりにも貧相なゲーム内容は、よく訓練された信者にさえ「4500円のカレンダーを買ったらDSのソフトがついてきてラッキーだった」とまで言われる出来であり、発売から2週間足らずで特典付き新品がワゴンに並ぶという前代未聞の戦歴を残した。
続けて撃ちだされた「エンブレムオブガンダム」も、やればやるほど作業感が増す作りになっているSLGパートだけならいざ知らず、ガンダムに対する知識が足りないにも関わらずストーリーや設定を独自解釈し、内容的にも日本語的にも高周波の電波を発生させ、多くのガンダムファンを失笑させた。作者・芝村裕吏氏的には「いちいち全部ガンダムの正史をなぞっていては反吐が出て仕方ありません」 という気持ちで自分なりの世界を構成したのだろうが、プレイヤーからしてみればサイド6でテム・レイから役に立たない回路を受け取ったアムロのような心境である。
両作品とも、「原作ファンしかわからないネタだらけ」なのに「原作ファンからは失笑を買う」というどの層を狙ったのかがサッパリわからない内容であった。
4月発売の横スクロールアクション「ヤッターマンDS ビックリドッキリ大作戦だコロン」も、
キャラゲーだからといって許せるレベルではないクソゲーであった。
ザコは3〜4種類しかない、背景も1枚絵で1ステージに1枚のみという手抜き具合。
中ボス戦はいつも同じで、なんと全七面中、トンズラー氏やボヤッキー氏とは五回も戦うはめになる。
攻略方法も毎回ほぼ同じである。
さらに面のトリであるボス戦はなんとジャンケン方式。しかもご丁寧にプレイヤー有利に判定してくれているため負けること自体が難しい。
では簡単なのかというと、たしかに簡単なのだが、決して親切ではないのがポイントである。
ジャンプした先に床がなくて転落死。画面外から敵に襲われて転落死。
フックに捕まって揺れていたらなぜか画面外に吹き飛んで転落死など、いたるところに理不尽な転落死が待っている。
わかっていればまず死なないが、わかってないと確実に死ねるといういやがらせ仕様には製作者の正気を疑わざるを得ない。
しかし心配御無用。むやみやたらと1UPを出すことによって「べつに死んでもいいや」と思わせてくれるので、
いやな気持ちになることは少ない。ただあきれるばかりである。
キャラゲーとして見ても、シナリオ再現が不完全どころか、
キャラの性格や口調からして違うなど、ファンであればあるほど不愉快という基本もしっかり抑えていた。
5月発売の「ダンジョンオブウィンダリア」では、不思議のダンジョン系のゲームをとことん糞にするという、コンパイルハートの意地を見ることができた。
シナリオは糞すぎてワケが分からないままダンジョンに放り込まれる。
画面的にはStrやレベルが常に表示されていないだけでなく、
マップの背景が水色、アイテムのドットも水色、マップ画面背景も水色、
タイトル画面の謎の世界樹絵はなんとセーブデリートアイコンなど、ワケがわからない。
システム的にも「まったく意味のない”においをかぐ”コマンド」「満腹度表記は100%が最大なのに内部ではもっと上の値がある」など、これまたワケがわからない。
パッケージがいのまたむつみで原作のアニメキャラもいのまたむつみなのに、ゲーム中では全然違う絵師がキャラ絵を描いているなど、販売側の姿勢も疑われる作品であった。
7/31発売の対戦格闘ゲーム「ウィンディ×ウィンダム」は、
すべてのキャラが無限コンボを標準装備という爽快感溢れたゲームである。
一度打ち上げたらボタン連打からさらに打ち上げるだけで無限に繋がる。
さらにはガード時のノックバックがないため、当たっているのか当たっていないのかさえ分からない。
CPU戦を行えば敵は難易度が最高でも挑発ばかり~してくる上に、
エンディングまで行ってもCGの1枚もなく、顔絵にテキストが表示されるだけ。
バトル中も「動くとカクカクになる」「超必殺技は1枚絵」「カットインは四角く切れてセルがバレバレ」なんて些細なこと、
背景に某有名格闘ゲームからのトレース疑惑まで出るなど、ネタ要素にもこと欠かなかった。
そして剛速球のクソをWiiに投げつけたタカラトミーのメジャーも携帯機に中継ぎとして登板した。
「メジャーDS ドリームベースボール」である。
アニメのストーリーをなぞって野球やミニゲームをクリアしていくという内容だが、「スチールできない」「内野ゴロが存在しない」「打球はフィールド内に飛んだら100%グラブに触れる」という謎仕様。
1アウト3塁で外野フライでも盗塁しないCPU。
「ポーズ不可能」「キャラゲーなのにキャラ判別不可能」とファミコン時代を感じさせる。
更にミニゲームでは走って一輪車で土を運ぶとミートが上がり、バッティング演習ではカーブが取得できる。
一体どんな練習をしたのだろうか?
こんな内容だがクリアに1時間半もかからないためWiiの『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』の長さにイライラした人には安心の設計である。
8月発売の「みてはいけない」は、心霊写真に現れた霊を塗りつぶして除霊するという、異端のゲーム。
しかし、その内容は「かってはいけない」ものであった。
1問目ですぐに「あからさまな合成写真」であると分かる。
おまけに認識が非常に厳しく、わかっているのに答えられず次の写真へと移ってしまい
時間切れになるとやり直すことができず、二周目に行くかデータを消すしかないのだ。
さらにグッドエンディングを見るにはノーヒントで異常な条件をこなさなければならないこともポイントである。
二周前提で、一周目にとある失敗をしておくというクリア願望の裏をかいた高度なトリックが仕込まれており、そのうえで特定の手順を踏まなけばならない。
このような理不尽な内容であるにも関わらず、途中で間違ったらやはりデータを消す以外にやり直せないのは、まさに心霊現象さながらの理不尽さである。
9月発売の「逆境無頼カイジ Death or Survival」は、
ギャンブル漫画原作にしてギャンブル要素皆無のミニゲーム集であった。
シナリオでは辛うじて原作をなぞっているものの、原作にあった熱い駆け引きは皆無。
当たりが見えているクジ、時間を測るだけの焼き土下座、
タッチペンでなぞるだけの鉄骨渡りなど、ストーリーが原作と同じでさえあればいいという
IFやコンパイルハートのいい加減さが見えた作品であった。
SIMPLEシリーズで有名なディースリーがフルプライスで発売した「UNKNOWN SOLDIER 〜木馬の咆哮〜」はも忘れてはいけない。
照準調整がしにくいなんて些細なこと、レーダーが無く敵と地形がわからない、
全12ミッションなのにステージは3つしかない、
武器はたくさんあるのに使える武器が限られている。
極めつけは突然ワープしたかのように現れるサイキック兵士。
これがチェックポイントでおこるためそこで死んでしまう。
チェックポイントで死んだためそこから始まるのだが、復活直後蜂の巣にされてしまう。
気を抜いたら死ぬという戦場の厳しさを身をもって教わることになる。
その代わり無限に復活できる親切設計のため何回かやってればそのうちクリアできるが。
それ以外にも弾を喰らってない時じっとしているとすごい早さで体力回復するため、
強引に突っ込めばクリアすることもできる親切設計まである。
この通り同社発売の好評だった「THE 歩兵」に比べ勝る点が値段の高さしかないため、
木馬ではなく購入者が咆哮することとなった。
この量産されるクソゲー達、タカラトミー、ドリームファクトリー、ロケットスタジオ等の数々の強豪を抑え、
この混沌の2008年のクソゲーオブザイヤーを受賞したのは伝説の名プレイヤー『めざせ!甲子園』である。
3年前全く同じタイトルのゲームがGBAで発売された。プレーヤーはキャプテンとなりチームを甲子園優勝へ導くという内容である。
「恐ろしく稚拙なグラフィック」「単調で場面が変わるたびに途切れ、最初から再生されるBGM」「背景と同化してしまう忍者のような選手達がいる」などのシステム面。
二年生がいるのに一年生が何故かキャプテンに指名される無理があるストーリー。
「一定確率でバットを振ってくるためボール球を投げていれば勝ててしまうCPU」「スライディング中は塁に触れていてもアウト」「デッドボールがない」「フライをキャッチしてもフェアになることがある」等もはや野球として破綻している。
「セカンドが一二塁間ではなく二塁上にいる」「打率表示が例えば五割なら「.050」と表示されたり」「ランナーがいる時ゴロを打ち、ランナーがアウトになっても打った本人が塁にいれば打率が上がる」「アウトカウント関係なく一番進んでるランナーを刺そうとするCPU」等は制作者が野球を知っているか疑わしい所である。
まさに多方面での大物っぷりを発揮しており、甲子園から連想される「逸材」「怪物」「魔物が棲んでる」などの単語にふさわしい出来を見せつけてくれた。
まさかと思った方もいるだろうが、全くこのままの内容でDSに移植されたのである。タイトルまで「DS」や「2」をつけずに。
完全移植な訳はないだろうと思うだろうが、変わったのはイベント時のキャラデザ、音楽の質の向上、2画面・タッチパネルに対応、といった些細なところで上記の問題点は完全に放置されている。野球として破綻しているのにかかわらずだ。
ちなみに前作の選手パスワードもそのまま使える。
いや、全く何も手を加えずに移植したのはこれは野球ゲームではなくGBAの時点で「めざせ!甲子園」というスポーツのゲームだったという可能性もある。
これなら上記の野球ではあり得ないことも納得できる。
本来移植というはインパクトが弱くなるものである。
だがこのゲーム元が元なので移植というのを武器にしてしまっている。
『海腹川背Portable』での「移植」、『メジャーDS ドリームベースボール』の「野球」、『梅沢由香里のやさしい囲碁』の「クソゲーに成り得ないジャンルのクソゲー化」という要素を取り入れた2008年の携帯機クソゲーの象徴とも言うべきゲームでもあろう。
海腹川背は(ちゃんと移植されていれば)望まれた移植であったが、このゲームは全くそれがないのである。
製作会社であるタスケは何故移植したのだろうかは謎である。
発売日に公式サイトがなかったので売る気があるかも謎であったが。
2008年を振り返ると次点候補以外にもネームバリューを使った売り逃げ上等なソフトが多く見られていた。
DSに特にその傾向が強く見られた。
主流になるとメーカーが集まりやすい分、数が増え、クソゲーも増えるという宿命だろうか。
それ以上の物としてゲームとして破綻している商品未満の出来の物まであった有様だ。
主流になっている限り続くであろう状況と来年に向けて言葉を贈り締めくくりたいと思う。
ク ソ ゲ ー の 熱 い 物 語 が 今 始 ま る