2009年 次点

概要

名称超名作推理アドベンチャーDS レイモンド・チャンドラー原作 さらば愛しき女よhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001PR14KW/silverscythe-22/ [外部リンク]
ジャンル超推理アドベンチャー
対応機種ニンテンドーDS
メーカーフリュー
発売日2009年5月28日
価格5,040円(税込)
対象年齢CERO:B

要点

選評

選評案1

辞書によれば、すぐれた作品、有名な製作物に「名作」の称号は与えられる。
自身の原作に「名作」を超えた「超名作」と銘打たれ、かのレイモンド・チャンドラーも天国でさぞかし困惑してるであろう。
5月の終わりにフリューから発売された自称「超名作推理アドベンチャーDS レイモンド・チャンドラー原作 さらば愛しき女よ」。
これ原作を知っているかどうかはさほど重要なことじゃないよ…本当に酷いからね。

イベント絵は、例えれば中学生がお絵かき掲示板で遊んだレベル。
単なる下手な絵のゲームならまだマシだった。
下手に加えて、アジアンテイストなタッチで描かれたキャラが、次のシーンでは何の脈絡もなく萌えキャラ風に描かれているといった自由っぷりが酷い。

自由といえば、ゲームで語られる物語りは、本来登場しなくてはならない重要人物が出てこないという原作改編っぷりで、
つじつまを合わせる気もなし。メッセージスキップ機能、バックログ機能とかもちろんなしのオールナッシング!!
なぜか超名作な原作を書き直しちまったシナリオは、原作とは程遠い面白さゼロの素人の作文でゲームクリアまで1時間。
1時間だよ。原作の小説を読むより遥かに早く終わる…って、どうこれ?なかなか凄いでしょ?


あと、よくわからないけど、たぶん話題作ろうとしたんだろうね。
このゲーム、お笑い物まね芸人『山本高広』を主人公の声優に起用してんのよ。キターーーー!!って言う人。
でもキターーーー!!を言わないので誰だか全くわからず、主人公の語りは素人の棒読みになってる。

そうそう。ジャケットには善良な消費者を騙すためなのか、こんな怪しい文言が…

 あなたは本当の名作を知っていますか?
 あなたは世界で一番有名な探偵を知っていますか?
 あなたは本当のハードボイルドを知っていますか?
 あなたは…知っていますか?…知っていますか?…知っていますか?

って知らんわ!!だいたい一番有名な探偵はシャーロックホームズとかじゃないんか!
…まあ、こんな昭和時代にありがちなインチキ商売に引っ掛かる人も少ないわけで。
クソを語る者も少なく、そのクソさを確かめる人もいない…しかし真のクソゲーとはこういうものかもしれない。
そう、まるで日陰の石の裏側に蠢く気持ち悪い虫のように息を潜めてる。

クソゲー不況というけれど、いまだ発掘されていないクソゲーが存在することを学んだよ。
いや、石の裏側は見ても不快になるだけで、人生にとって何のプラスもないんだけどね。

選評案2

あなたは知っていますか?幻のクソゲーの存在を…
あなたは知っていますか?「超名作推理アドベンチャーDS レイモンド・チャンドラー原作 さらば愛しき女よ」というクソゲーを…

世界経済の混迷続く5月にそいつはやってきた。
しかし、猛毒を持つ生き物の警戒色のごとく、フリューが放つその危険な雰囲気が人々を躊躇させたのであろう、
「こ い つ は 危 険 だ !!」
本作は販売本数が計測不可能(ゼロに限りなく近い)という事態を招き、詳細不明の状況が続いたのである。

あなたは知っていますか?
そんな状況を打破すべく、とあるクソゲーハンターが戦いを挑んだことを…
彼が突撃した先に待ち受けるのは、まさに一撃必殺の猛毒であった!

このゲームを人に伝えるなら、まず携帯電話の小説を想像してほしいと例えるだろう。
たまに出る3択はどれを選んでもストーリーの分岐などはなく全く同じ展開になるのだが、
これが唯一のゲーム要素というのだから閉口する。
あとは原作とは程遠いと思われる(自分は原作読んでません)低レベルな文章を読まされるだけで、
ミニゲームも無ければ、2週目以降に何かが追加されることもない。
1回最後まで読んだら終わり。
わずか1〜2時間で、価値にして5040円ぶんの全てをこの自称ゲームは出し切るのだ。
そこには一切の妥協はなく、ただ無情に、冷静に、クソゲーハンターなどと調子にのった愚か者に、
5040円という代償を背負わせるのみである。

過去数々のクソゲーがその華やかなクソで、多くの者に笑いをもたらしたが、
そんなクソゲーも人に笑いを与えるだけ存在する価値はあるのかもしれない。
しかし、本作品には見て笑える要素はない。
遊んでいる時間は、ただ無人の荒野のごとく「つまらない」という感情のみがプレイヤーを支配するだけだ。
今後こんなクソゲーが増えてきたら、笑いすら生まれない暗いクソゲー界になってしまうだろう。

リンク

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