2008年 次点
名称 | みてはいけない | |
ジャンル | ホラー |
対応機種 | ニンテンドーDS |
発売元 | ディンプル |
開発元 | ディンプル、スタジオトリコ |
発売日 | 2008年8月7日 |
価格 | 4,200円(税込) |
対象年齢 | CERO:B(12歳以上) |
要点
・あからさまな合成写真や、やたらシビアな心霊写真の塗りつぶし判定
・ノロイの家モードの死亡時の夢オチ多用
・グッドエンディングの条件が、
心霊写真1~100枚目まで確認
↓
心霊写真モード2周目で37枚目までやる
↓
その状態でノロイの家40枚イベントまで進める
↓
見終えたら心霊写真38枚目の除霊を成功させる
↓
90枚イベントで「抱き上げる」を選ぶ
と2周前提である上、1周目で間違うとやり直す方法はデータ消去のみ。
・ミスった瞬間電源をオフにしてもセーブされてしまう素敵仕様。条件もこんな鬼畜仕様なのにノーヒント。
・問い合わせた結果、倫理上の問題で公式ホームページに書かれている演出と違う物になったというお詫びされた。もっと他のことを謝るべきであろうとは「いってはいけない」
・サイトでお詫びのある要素もよく想像すると、「風呂の蛇口から髪の毛が出てくる」から「風呂に髪の毛が浮いている」など、倫理上の問題と言うよりは楽な演出になるように調整したとも感じられる。
完全に余談ではあるが発売直後少し話題になったが、前週である7月31日のクソゲー3本によって埋もれてしまい、
最初の選評が出たのは11月20日と遅かった。
決定稿(総評より抜粋)
8/7発売の『みてはいけない』(ディンプル)は、
心霊写真に現れた霊を塗りつぶして除霊するという、異端のゲーム。
しかし、その内容は「かってはいけない」ものであった。
1問目ですぐに「あからさまな合成写真」であると分かる。
おまけにタッチパネルの認識が非常に厳しく、わかっているのに答えられず次の写真へと移ってしまい
時間切れになるとやり直すことができず、二周目に行くかデータを消すしかないのだ。
さらにグッドエンディングを見るにはノーヒントで異常な条件をこなさなければならないこともポイントである。
二周前提で、一周目にとある失敗をしておくというクリア願望の裏をかいた高度なトリックが仕込まれており、
そのうえで特定の手順を踏まなけばならない。
このような理不尽な内容であるにも関わらず、途中で間違ったらやはりデータを消す以外にやり直せないのは、
まさに心霊現象さながらの理不尽さである。
選評
八月。一本のソフトが人間の罪を裁いた。
「みてはいけない」……
心霊写真に現れた霊を塗りつぶして除霊するという、異端のゲームの登場である。
これに登場する心霊写真は実に百枚にも及ぶ。だがタイトルの意味は一枚目で理解するだろう。
「なんだこのあからさまな合成写真は……」
確かに、これは見てはいけないものだ。
恐怖に震えつつタッチペンで霊を塗りつぶすも、呪われたかのような厳しい認識がそれを妨げる。
たりない… でてる… もっと… でてる… チーン
わかりきった答えに応じられない苛立ちのまま時間切れを迎えると、無情にも失敗判定のまま次の写真へと進む。
やり直しは、できない。やり直すには二周目に行くかデータを消すしかないのだ。
心霊写真とリンクしているアドベンチャー、呪いの家モードも見逃せない。
あからさまにおかしい家の見取り図に、まずは「みてはいけなかった」と後悔し始める。
そしてやたらと豊富な、夢オチで無意味な死に方の数々に「むしろみたくない」ようになり、
なんの意味もない選択肢に「みなかったことにしたい」と思うだろう。
さらにグッドエンディングを見るにはノーヒントで異常な条件をこなさなければならないことも見逃せない。
二周前提で、一周目にとある失敗をしておくというクリア願望の裏をかいた高度なトリックが仕込まれており、
そのうえで特定の手順を踏まなけばならない。
もし途中で間違ったらデータを消す以外にやり直せないのは、まさに心霊現象さながらの理不尽さである。
そして百枚の心霊写真のうち一枚しか影響を及ぼさないことに気づくと、底知れぬ恐怖と虚脱感が襲ってくるのだ。
もちろんそれで明かされるストーリーもエンディングもどうでもいいものであり、やはり「みてはいけなかった」と思わせてくれる。
すべてが終わったとき、あなたは夏の終わりに感じるせつなさを感じていることだろう。この夏もまた、無駄に過ごしてしまった、と。
だがそれは「みてはいけない」、自らそう告げる本作を「みてしまい」「買ってしまい」「やってしまい」「あまつさえ解いてしまった」
忠告に従わぬそんな人間の罪深さに対する、相応の報いなのである。
リンク
公式サイト~※発売元倒産によりサイト消滅