概要

名称戦極姫~戦乱に舞う乙女達~http://www.amazon.co.jp/dp/B002FB7LDQ/ [外部リンク]
ジャンル本格戦国シミュレーション恋愛アドベンチャー
対応機種プレイステーション・ポータブル
発売・開発元システムソフト・アルファー
発売日2009年11月12日
価格通常版:6,090円、限定版8,190円(ともに税込)
対象年齢CERO:C(15才以上対象)

要点

PSP版シナリオを除き内容が共通なので、詳細は据置機を参照。
なお、追加シナリオはPSP版とPS2版では異なるのだが、出来の差が激しく、PSP版のほうが遥かにましとのこと。
据置版KOTYでも一足早く大賞となっており、両方で大賞受賞を成し遂げた。
なお、年内で据置と携帯あわせて約3万本を売り上げており馬鹿に出来ない犠牲を生んでいる。

決定稿(総評より抜粋)

では、2009年クソゲーオブザイヤーの大賞を紹介しよう。システムソフト・アルファーの「戦極姫~戦乱に舞う乙女達~」である。
このゲームは発売前から、スレでは見え見えの地雷として期待されていた。理由は二つある。
一つ目はシステムソフト・アルファーが初春に発売した「戦国天下統一」が据え置き板携帯板の双方で話題になる出来だったからである。残念ながら携帯ゲー板では有力な選評が届かなかった為に・・・否、きちんと最後までプレイできた人間が現れなかった為に詳しくは紹介できないが、住人達のボルテージを上げるには充分過ぎる程であった。
二つ目は「戦極姫」そのものが元々アダルトPCゲームで、そして2008年エロゲー板クソゲーオブザイヤーにノミネートされた問題作であるという事であった。コンシュマー移植にあたり18禁版で不評だった要素は修正するとの事だが、どうせ蛙の子は蛙であろうとの予想が主流だった。
この二つの事からいやが上にもスレ住民の期待は膨らんでいった。そしてその移植の結果は、我々の予想の遥か斜め上へ突き抜けてくれた。

このゲームはダメダメなシナリオなど多くの難を抱えていたが、バグの酷さが特に際立つ。まさかコンシュマー移植でエロゲーの時以上のバグが発生するとは誰が予想できただろうか。
突然軍資金が大量に増えたり、少数の徴兵をしただけなのに住民感情が激減するなんて事はまだ序の口。
曰く、滅ぼしたはずの大名が突然出現し、自勢力城を乗っ取り操作不能になる。
曰く、死んだ仲間武将が突然敵武将として出現、その配下だった自軍武将が途端に操作不能になる。
曰く、何処の街道も敵地へ繋がってない後方の城に次元の彼方から独立勢力が攻めてきて、勝手に全滅した。
リアル戦国時代の奇襲戦の代表格である桶狭間、厳島、河越ですら裸足で逃げ出すようなトンデモバグが盛り沢山である。
ついでにSLGパートだけでなくADVパートのバグも一部お披露目しよう。
曰く、台詞がページをまたがる場合、2ページ目以降が表示されない。
曰く、イベントが発生しない女性キャラが存在。
曰く、SLGパートで切腹したヒロインがなぜかADVパートで登場する。
ここまで来ると、姫武将の代わりに制作陣が自刃して果てて欲しいものである。

このようなバグが日に日に発見され、ある者はクリア不能になり、またある者は心を折られて諦めていった。だがしかし、鍛えられた一部のプレイヤー達は黙々とプレイしていたのである。そう、その日が訪れるまでは。
発売から2週間後、このコンシュマー版の要素を全部含んだ続編PC版「戦極姫2」が発表されたのである。
「有償デバックだな」と自嘲的に嘆いていた購入者達もこれにはさすがに激怒した。なにせ本当にコンシュマー版は有料α版と変わらないと判明してしまったからだ。
ゲームデータを解析してみると、決して通常手段では聞くことの出来ないギシギシアンアンな音声データや、PC版戦極姫2で初めて実装されるはずであろう文字列が発見され、なるほど確かに未完成品のα版を売りつけられていたという疑念が生まれても仕方がない。
ひょっとしたらエロゲー界では常套手段だったのかもしれない。しかしここはコンシュマーの世界である。もし本当に未完成品を故意に販売していたとするなら、あまりにも常軌を逸した行為ではないだろうか。

振り返ってみれば、「手抜きを極めた薄さ」という最低の行為ではあるが一応コンシューマの常識内で争っていた本年のKOTYであったが、そこにエロゲー出身でエロゲーのノリをそのまま持ち込むという規格外のモンスターが出現し、やりたい放題をやり尽くして今年のクソゲー業界は幕を閉じた。フリュー三銃士の一人「ふしぎ発見」も最後まで健闘をしたが、惜しくも「戦極姫」の放つα波の前に敗れ去った。
「バグはあくまでもドラに過ぎない」とスレではよく語られていたが、「ドラも集めまくれば役満」と言う事実を住民に突きつけたという意味では大きな役割を果たしたとも言えなくもない。
なお、姉妹スレである家庭用ゲーム板クソゲーオブザイヤーでもPS2版「戦極姫」が大賞に選ばれ、栄えあるダブル受賞を見事に達成した事を付記しておく。この偉業に最大限の賛辞と侮蔑をシステムソフト・アルファーに送りたい。

最後に戦国武将豊臣秀吉の辞世の句を借りて、戦極姫に特攻して玉砕していった英霊達に哀悼の意を表するとともにこの総評を締め括ろう。
銭払い デバック頑張る 我が身かな
クリアのことは 夢のまた夢

選評

選評案1

年末には魔物が潜む――
11月を迎え、街もクリスマスや年末を意識した商品が増えてきている。
ゲームにしてもまた同じであり調整不足の手抜き、バグゲーが対年末商戦という
企業人の悲しい性から乱発される季節である。

そして、その魔の季節に先駆け、据置、携帯のKOTY統一を目指し二度の延期を
行って現れたのがシステムソフトアルファーの移植作
「戦極姫~戦乱に舞う乙女達~」である。
近年の戦国ブームというべき流れの中製作されたこのゲーム。
一言で言うなら戦国武将を名乗る女子といちゃいちゃしながら天下統一を
目指すという軟派なものである。ゲームとしてはSLG+ADVという
ギャルゲとして既に確立されたスタイルを取っている。
それはつまりこのゲームが凡百の中の一つでしかない事を示している。

だが、何故そんな作品がとっってもユニークなゲームばかりのKOTYに
ノミネートされるような事態にあるのか。それはただひとつ、バグの多さである。

内政においては徴兵を行うと住民の感情が突如悪化。一揆が乱発される。
また軍資金は突如大量に減ったり増えたりし、時に施設維持費も給料も
禄に支払えないというバブル崩壊後の零細企業のような事態となる。

合戦では更に深刻な事態に見舞われる。
ありのまま起こる事を書けば、
『敵をフルボッコにして叩き出したと思ったら
一兵も失っていないばかりか背後の城に攻め込んできた。』
意味が解らないかもしれないが、それが正常な反応であろう。
これは催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなものではないのだ。

そしてそれを乗り越えたとしても安心は出来ない。
倒したはずの勢力の血縁者が不意に城に現れその城にいる自軍部隊ごと
操作不能にしてしまう自爆テロのような攻撃が存在するのだ。

また、時折戦場が全く確認できないというおちゃめなバグによって
プレイヤーに油断大敵という言葉をしっかり叩き込んでくれる。

そして更にこの戦極姫では以上のバグだけでなく古臭いUI、もっさりな動作とも
戦わなければならない。巧妙に絡みあい、やる気を削ぐバグと仕様。
それが天下統一を目指すプレイヤーの前に立ちはだかり大いに阻む。
だがそこから生み出されたいやらしい難易度に嬉々と挑戦し続ける人々もいる。
それもまた人の性なのか。

そんな戦極姫であるが新キャラがフラグミスによって登場不可なのでは、という
ギャルゲにあるまじき疑惑が立ち上がってきている。戦極姫、まだまだ動向が注目される。

選評案2

2009年11月
年末の魔物に備え英気を養う住人達に一本のソフトが真冬の吹雪のごとく襲いかかった
システムソフトアルファより生み出された『戦極姫』である
戦国武将達を女体化した歴史SLG+恋愛ADVという画期的なPCゲームからの移植作で
そのPC版にはバグが多々あったが度重なるパッチ修正によりそれなりに遊べるゲームになり
また移植にあたりキャラグラフィックを大幅に変更、さらに新規シナリオ追加と
おおいに購入意欲をそそる作品であった

しかし発売後、次々と発覚するバグの嵐に住人達は自分は有償デバッガーだったのだと思い知らされる
「ただ城に入っただけなのにキャラデータが異次元に迷いこみ永遠に抜け出せない」
という主要キャラならゲーム進行不能に陥るバグを筆頭に
「敵を半壊し撤退させたと思ったら敵が全快して自軍後方の城を落とされた」
「資金がマイナスになったと思ったらいきなり資金が最大まで増えた」
「数人徴兵しただけで住民感情が最低まで下がる」
「滅んだはずの大名一族がいきなり復活」
「ADVパートのイベント中に突然キャラグラフィックが全然関係ないキャラになる」
「イベントCGが記録されない(後で閲覧できなくなる)」と多種多様なバグの数々
もう書くのめんどくせえから後は自分で調べろといいたくなるほどである
このバグの多さはもはや「バグのデパート」「バグの見本市」程度では生温く
「東京ドームでオリンピック開催して全種目全選手を集め同時に競技開始」くらいのインパクトを住民に与えた

古来より「糞ゲーとはシナリオ・システムで『役』が決まりバグは『ドラ』みたいなもの」と言われていたが
戦極姫は「ドラを集めていたら国士無双になった」「明カンしたら四暗刻になった」
「タンヤオをしたら大三元になった」と住民に言わせるほどバグだけで住民の思考を破壊した

それでも戦極姫本スレ住民は武将への愛だけでこのバグの数々と戦っていたのだが
来年PC版で戦極姫2が発売と聞きついに激怒する
実は戦極姫のデータ内にHシーンのボイス、未使用のCG等があり
これらは戦極姫2のためのデータであったのだ
自分達が冗談抜きで有償デバッガーだったと知り一人、また一人と勇者達は力尽きていった

我々はこの恐るべき魔物に立ち向かった勇者達の悲劇を忘れてはならない