2012年 次点
概要
名称 | タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 | |
ジャンル | アクション |
対応機種 | ニンテンドー3DS |
発売元 | UBISOFT |
開発元 | UBISOFT |
発売日 | 2012年1月12日 |
価格 | 5,040円(税込) |
対象年齢 | CERO:B(12歳以上対象) |
ベルギー発の漫画『タンタンの冒険』シリーズの1作を原作として2011年12月に上映された映画『タンタンの冒険~ユニコーン号の秘密~』をゲーム化したアクションゲーム。
ベルギーの人気コミック『タンタンの冒険』をスピルバーグ監督が映画化!
この映画を完全ゲーム化したのが本作です。
主人公のタンタンを操作して、古城や砂漠、海上など世界中を冒険し、映画と同じ物語を堪能することができます。
要点
選評
選評案その1
2011年12月。3Dアニメーション映画「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」が公開された。
そして年をまたいで2012年1月。
映画を元としたゲーム「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」が発売された。
「映画を完全ゲーム化したのが本作」と公式サイトには書かれているのだが・・・
実際に映画を見てはいないが、
予告編やネタバレ感想を見る限り、映画の流れを完全には再現していない。
感想を見るとバイクとクレーン合戦のシーンは高評価のようでよく書かれている。
このシーンは予告編を見ても出ているのだが、
クレーンのシーンなどゲームには存在しないし、バイクに乗っているシーンも存在しない。
映画を完全ゲーム化 という売り文句は非常に疑問である。
その他ゲーム中のストーリーは追うのが大変である。
なぜならば、場面がとにかくよく変わるのだ。
漫画でたとえるならば、1コマ目と2コマ目が全くつながっていない。
飛行機が砂漠に墜落したかと思えば、突然数日前の話が始まり、
船長がギャグを飛ばしたかと思えば、いきなり過去の話が始まる。
もうちょっと表現の仕方はなかったのだろうか・・・
次にゲーム内容について。
基本的にはタンタンの操作がメインで、洞窟、船、建物の中を進んでいく。
このタンタン君、マリオ並みの壁キックを軽々とおこない、
縦に細長い通路があれば、手と足で突っ張りながら上るなど超人的身体能力を持ち、
鷲くらいの大きさの鳥の足に掴まって飛んだりするが、
原作でもかなり運動神経はよいそうなので、アクション性はゲーム補正として許される範囲だろう。
だが、システム面は突っ込みどころが多い。
まずキャラクターに全く影がない。場所によっては宙に浮いているように見える。
またゲーム中リフトがよくあるのだが、リフトについている歯車は一切回らない。
また手回し式のリフトもある。こちらは流石に回るが、まわす動作と上がる動きが全くあっていない。
他にも宮建物への入り口を探しているのに、目標が「出口を探そう!」になっていたり、
宝箱を開けるのにAボタン押しっぱなしでなければ開けられない、
一部壁を突き抜けることができる、即死判定が残るバグがある、
ことあるごとにあるロードが長いなどと、ユーザーに不親切、そしてデバッグ不足な個所が目立つ。
また、過去の船長、そしてパドック船長が悪者に剣で挑むシーンがある。
この時の操作はタッチペンで行い、
タッチすることで防御、素早くスライドさせれば剣で攻撃を行う。
このシーンは映画の感想を見る限りなかなか好評のようだ。
しかしタッチペンのレスポンスが非常に悪い。
切ろうとしたら防御してしまうのはよくあることである。
さらに相手は剣だけではなく、ビンを投げて攻撃も行い、
こちらは剣を振って飛んでくるビンを破壊することしかできない(防御はできない)のだが、
こちらの剣を振る早さ以上の速さで投げつけてくることがある。当然破壊できず当たる。
ひどいときは連発してくるので、簡単に沈む。
なおこのシーン中、敵がやたらとふらふらする。
武器を構えつつステップを踏む様子を再現したいのだろうが、
酒に酔っているのかと思うくらいにふらふらしている。
上にあげたとおり、このゲームは非常に死にやすい。
その難易度のためか残機などはないので、死んでもペナルティはない。
だが死ぬたびになる鳩時計の音が非常にイライラさせる。
即死トラップも多いのでイライラ倍増である。
終始盛り上がりに欠け、やっとのことでクリアしてもただ疲労感が残るだけ。
映画で盛り上がったり好評だったというシーンはほとんどなく、
あっても操作感が最悪で、「映画を完全ゲーム化した」とはとても言えないゲームであった。