名称 | ヴァルハラナイツ3 | |
ジャンル | ファンタジー・アクションRPG | |
対応機種 | PSVita | |
発売元 | マーベラスAQL | |
開発元 | マーベラスAQL | |
発売日 | 2013年05月23日 | |
価格 | 5980円 | |
対象年齢 | CERO:D(対象年齢:17歳以上) |
ヴァルハラナイツ3(以下VK3)は1・2・エルダールサーガ・3と作りが荒く売り上げや知名度自体は地味ながら、ハクスラ的要素や独特の世界観、システムなどが一部のファンに受け、続いているアクションRPGである。
私もナイツと呼ばれたファンの一人であった。
■クソ要素■
・ロードが非常に長い&多い
このゲームは拠点である監獄(いわゆる町)がひとつだけあり、監獄内で買い物などの準備を行いフィールドに出て目的を達成する。
監獄内とフィールド、そしてフィールドとつながるダンジョンを往復するわけだが、マップを切り替える度に十数秒のロードが入る。
特にひどいのが監獄内で、フィールドから最下層と呼ばれるエリアで買い物をする場合は外門で十数秒、内門で十数秒、階段で十数秒、ドアを開けて十数秒というように短い間隔でロードが入る。
さらに外に出る場合も同様にロード地獄の洗礼が待っている。これで投げてしまったプレイヤーもいるのではないだろうか・・・。
(一応、後々のパッチで救済策としてショートカットできるワープゾーンが追加された。ロード自体は改善されていない)
・フィールド移動のテンポが悪い
VK3はTPS視点(モンハンのようなカメラアングル)での移動であるが、狭い世界を広く見せるためか移動速度が遅い。ダッシュも一応あるが、よくあるような○ボタンを押している間速度アップではなく
ボタンを押すと一定距離(ゲーム内距離で3メートルくらいか)ダッシュを行うが、ダッシュ終了直後数秒間息切れモーションを起こすので、移動手段として使い物にならない。
しかし、ダッシュ後、タイミングよくボタンを押すことでシャキーン!という音とともにダッシュ攻撃を行う。このダッシュ攻撃を行うと息切れモーションに突入せずダッシュを行えるのだ。
ただ、タイミングがシビアで失敗すると息切れモーションに突入する。なぜ、フィールド移動でリズムゲーをしなくてはならないのか・・・。
しかも、一部ダンジョン内は処理落ちを起こすためタイミングが取りづらく実質このダッシュ攻撃移動は行うことが難しい。ちなみにこのダッシュ攻撃は本来の攻撃手段としては全く使い物にならない・・・。何のために入れた。
・ダンジョンが無意味に広く敵がまばら
上述の移動のテンポとも繋がるが、広いダンジョン内の敵がまばらに配置されており、さらに何もない行き止まりが多く無意味に歩かされる時間が非常に長い。しかも、処理落ちでスローモーションになるダンジョンすらある始末。
・戦闘バランスが著しく悪い。
もともと戦闘アクションには重きを置いていないシリーズではあるが、過去に受賞した某RPGが『レベルを上げて物理で殴れ』だとするとこのゲームは『レベルを上げて全体魔法を撃て』である。
具体的には攻撃魔法が単体か全体(範囲ではない)しかなく、威力、付加効果も強力なものがあり、魔術師系の敵に使われると物理的に回避不可能。
では、絶対回避不可能の全体魔法にはどう対処したらよいのか。簡単である。こちらも開幕全体魔法をひたすらに連射するだけである。とにかく連打・・・一心不乱に連打・・・
すると、数十秒後には敵かこちら側どちらかが全滅している。わけもわからないうちに・・・。
一応このゲームにはパリィやガード、必殺技、ダッシュ攻撃など近接職でとることのできる手段はいくつかあるが、前述の全体魔法のせいで無意味なものとなっている。
このゲームにおける強い敵とは全体魔法を使う敵である。そこにプレイヤーの技量の介在する余地はない。
ちなみに、近接武器の必殺技は全体魔法が無かったとしてもほぼ使いものにならない。多段ヒットという概念が無いのか、どんなながーいモーションの乱舞でもショボイダメージが一回発生のみ。隙だらけで通常攻撃のほうがマシである。
・課金武器が最強、ハクスラ要素の否定
このゲームは敵を倒してレアな高性能な装備を手に入れるいわゆるハクスラ的な部分が楽しみでもある。ファンの中にはヴァルハラナイツのそういった部分が好きなプレイヤーも多いのではないだろうか。
しかし、VK3では序盤からリアルマネーで課金装備が購入できる。いわゆるガチャ方式で何が出るかはわからないが、いずれも強力でHP300台の序盤でもHP+2000等の強力な効果の付与された装備を手に入れることができる。
初心者救済の為の序盤限定の性能かと思いきや、最後まで進めてもHP+2000などという装備は課金以外では出てこず、終盤でも最強クラスである。
・古臭く荒いグラフィック
グラフィック面に関してはスクリーンショットや動画などを見て頂きたいが、見た人は『へぇ、PSPとしては綺麗なグラだな・・・全然良いじゃん』と思うだろう。いや、VK3はVITAだから・・・。
前時代的なグラフィックとレトロなPS時代のゲームを髣髴とさせる不自然なキャラクターのモーション。センスの無いキャラデザイン。
本作は声優が起用されているが、フルボイスではなく、イベント時に数パターンの一言ボイスが不自然に挟まれるだけである。『スゲェ!!』『マジカヨ!!』等。これなら無くても良かったのではないだろうか。
全体的に古臭い(悪い意味で)ゲームなのである。
・後半の破綻したストーリー
国を滅ぼされた主人公が、無法者の町監獄に送られ皇帝に死の呪いをかけられ、帝国の犬となりレジスタンスなどを始末していく(お前は皇帝の犬で良いのか!国を滅ぼされて悔しくないのか!と訴える者も無表情で殺していく)
途中ある者の手によって、死の呪いを克服することに成功し、ファイミリーのボス達と皇帝に戦いを挑むことになり、無事勝利する。
だが、それらは全て皇帝の手のひらで踊らされていただけであり、共同戦線を張っていたファミリーのボスたちの裏切りにあい殺され皇帝に体をのっとられる。動機は『俺たちより強いやつがいると困るんでな』
仲間に裏切られる伏線はいっさい無し(むしろ信頼を築くような描写もあった)プレイヤーはまさにポカーン・・・である。
魂だけとなって置き去りにされた主人公が町の仲間にサルベージされ人工的に作られたホムンクルスの体に魂を移すことで復活する。そして、裏切り者たちへの復讐が始まるのだ・・・。
余談であるが、元々クソゲー耐性の強いシリーズのファンを絶望に陥れた本作だが、ここに来て衝撃的な発表がなされた。完全版VK3ゴールドが出るというのだ。
発売されて半年もたたずに、開発状況70パーセントの完全版を発表(しかも、フルプライス)にはファンも怒りを通り越して呆れたのではないだろうか・・・