名称 | 魔法少女まどか☆マギカ・ポータブル | |
ジャンル | AVG+3DダンジョンRPG | |
対応機種 | PSP | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | バンダイナムコゲームス | |
発売日 | 2012年3月15日 | |
価格 | 通常版6,480円 | |
限定版11,990円(特典ブルーレイ、figma、ハンカチ、ポーチ同梱) | ||
対象年齢 | CERO:B(12歳以上対象) |
★PSP版魔法少女まどか☆マギカ・ポータブル(バンダイナムコゲームス)選評その1
魔法少女まどか☆マギカ。
2011年1月から4月まで放送され、全国的に社会現象まで引き起こした程の絶大な人気を誇るアニメ作品であり、劇場版の公開も決定している。
キャラクターの可愛らしさとは裏腹にシナリオは非常にダークそのもので、これまでの魔法少女作品の概念を覆す内容に極端な賛否両論が巻き起り、あまりの残虐な内容にBPOへの抗議活動まで行われた程だったのだが、それでも興行としては大成功を収めたと言ってもいいだろう。
絶大な人気を誇りながらも、これまで1年間全くゲーム化されなかったのだが、この度バンダイナムコゲームスによってPSP版のソフトとして再び日の目を見る事となった。
バンダイナムコゲームスと言えば我々クソゲーハンターにとって、「ドラゴンボールZ・アルティメットブラスト」や「カルドセプト・サーガ」、「縁日の達人」といったクソゲーを生み出したメーカーとして記憶に新しいだろう。
またゲーム自体は一定の評価をされながらも、あの因縁深い「9・18事件」を引き起こした「アイドルマスター2」において、署名活動や不買運動まで起こされた程のメーカーとしてもあまりに高名である。その他にも「ソウルキャリバー3」のメモリーカード破壊事件、「完全版商法」「DLC商法」など、このメーカーに対するゲーマーたちの不評は皆さんも周知の通りだと思う。
その悪名高いバンダイナムコゲームスが、あの「まどか」をゲーム化する・・・各ゲーム雑誌において大々的に特集が組まれ、ゲーマーのみならず全国の「まどか」ファンたちの期待と不安を一身に受け、発売延期をする事無く当初の予定通り、2012年3月15日に無事に発売された。
ゲームのジャンルはメインパートがオーソドックスなAVGで、魔女や使い魔たちとの戦いを「ローグ」タイプのターン制3DダンジョンRPGによって再現するという、一風変わった内容のゲームに仕上がった。
しかしこのゲーム、発売日から一斉に全国のクソゲーハンターたちから、「クソゲー」との烙印を押される事になるのである。
まさか、幾ら何でもAVGでクソゲーなんて出来うるはずがない(この際、バンプレストの「四八(仮)」については突っ込まないで頂きたい)、テキストを読み進めるだけのゲームで一体どうやったらクソゲーなんかに出来るんだ、そもそもゲーム雑誌でも徹底的に一押しされていたじゃないか・・・皆がそう思うのも無理も無い事だろう。
しかし現実にバンダイナムコゲームスは、このゲームを「クソゲー」へと作り上げてしまったのである。
1.恐怖のフリーズバグ・・・通称「凍結の魔女」
とにかくこのゲームはフリーズバグがあまりにも酷すぎる。これが本作を「クソ」たらしめている最大の要因であると言えよう。
主に3Dダンジョンパートで発生する事が多いのだが、AVGパートでも発生したという報告も上げられている。あまりの事態に攻略wikiにおいてフリーズバグ専用ページまで製作され、「凍結の魔女」などという皮肉まで付けられてしまった始末である。
例を挙げると
★ほむらで時間停止を発動してワルプルギスの夜を殴るとフリーズ
★さやかが魔女化するとフリーズ
★杏子で敵のアイテムを盗むとフリーズ
★ショップで大量にアイテムを購入するとフリーズ
★3Dダンジョンパートを長時間プレイし続けるとフリーズ
★使い魔を倒すとフリーズ
★キュゥべぇの介入システムを発動するとフリーズ
・・・など、他にも数多くのフリーズの報告がなされている。
必ず発生する訳ではないのだが、それでも多数の報告が寄せられており、後述のセーブシステムの不親切さや3Dダンジョンパートの高難度と合わさって、多くのユーザーたちが泣かされる事になってしまった。
これではゲームバランスも糞も無い。まともにゲームを進める事自体が困難なのである。明らかに調整不足のまま商品として出したという典型例だと言えよう。これをクソゲーと言わずして何と言えばいいのだろうか。
さらに恐ろしい事に、この選評を書いている現時点において、バンダイナムコゲームスはフリーズの事実を公式には一切認めていない。このまま黙殺する気マンマンのようである。
2.AVGなのに自由にセーブが出来ない、一度クリアしないとスキップが出来ない
普通、AVGというのはどこでも自由に任意の場所でセーブやスキップが出来て当たり前である。ところがこのゲームではAVGであるにも関わらず、
「特定の場所でしかセーブが出来ない」
「一度クリアしないと既読文章さえもスキップが出来ない」
という前代未聞の不手際をやらかしてしまっているでのある。
この余計な仕様のせいで、お気に入りのシーンをいつでも見られるように保存しておくといった、他社のAVGで出来て当たり前の事が出来ないのである。何故こんな意味不明な仕様にしたのだろうか。
それに加えて一度クリアしないと既読文章さえもスキップが出来ないので、3Dダンジョンパートで死んでしまったら、スキップ出来ない長ったらしい既読文章をまた読み直さないといけないのである。この余計な仕様のせいでゲームのテンポが非常に悪く、非常にストレスが溜まる仕様になってしまっている。
また、折角苦労してエンディングを見てスキップ機能を使えるようになったとしても、実はこのスキップ機能にも致命的な問題があったりする。
このゲームには「キュゥべぇによる魔法少女たちへの介入システム」という物が実装されており、特定のタイミングでキュゥべぇに介入させる事でシナリオを変化させる事が出来るのだが、何とあろう事かその介入ポイントさえも情け容赦なくスキップしてしまうのである。
これではスキップをしたくても迂闊にスキップする事が出来ない。結局手動でボタンを押してシナリオを読み進める事を強いられてしまうのである。一体何の為のスキップ機能だというのか。
3.3Dダンジョンパートの高難度
本作の最大の目玉とも言える3Dダンジョンだが、とにかく恐ろしいほど難易度が高く、キャラゲーだと舐めてかかると痛い目を見る。人によっては理不尽に感じて途中で投げ出してしまうだろう。
初見殺しの敵があまりにも多く、しかも死んでしまうとリトライが一切出来ない(中断セーブは出来るが)。死んでしまったらまたセーブした場所からなり直さなければならず、前述でも書いたがゲームのテンポを悪くしてしまっているのである。せめてリトライ位は出来るようにしておけば良かったものを・・・。
一応このゲームには救済措置として「因果値システム」という物があり、AVGパートで貯めた各魔法少女たちの「因果値」を引き継がせる事で、各魔法少女たちの初期MPやソウルジェム総量を上昇させた状態でやり直す事が出来るのだが、はっきり言ってそれが前提になっているとしか言いようが無いゲームバランスになっている。
せめて「オブリビオン」や「スカイリム」、「ティルズ」シリーズのように、難易度の調整が自由に出来るようにしてくれても良かったのではないか。特定のハードゲーマーしか楽しめないのでは商品として意味が無いのだ。
4.まとめ
こんなクソまみれのゲームではあるが、唯一シナリオだけは非常に高評価を受けており、「余計な3Dダンジョンパートを削除して純粋なAVGにしていれば、間違いなく名作になっていた」という意見まである程である。
だが肝心のゲーム自体がこれでは、シナリオを楽しむどころではない。
以上の事から、本作品がいかにクソゲーであるかという事が、お分かり頂けたのではないかと思う。
我々クソゲーハンターにとって「キャラゲーに良作無し」ということわざがあるのだが、またしてもそれが現実になってしまった残念な例だと言えよう。
最後に、本作品の登場人物(?)であるキュゥべぇの言葉を借りて、この選評を締めくくらせて頂きたいと思う。
「僕(バンダイナムコゲームス)と(ライセンスの)契約をしてゲームを作らせてよ。そうすればどんな名作もクソゲーにしてあげるよ。」}}