・あからさまな合成写真や、やたらシビアな心霊写真の塗りつぶし判定
・ノロイの家モードの死亡時の夢オチ多用
・グッドエンディングの条件が、
心霊写真1〜100枚目まで確認
↓
心霊写真モード2週目で37枚目までやる
↓
その状態でノロイの家40枚イベントまで進める
↓
見終えたら心霊写真38枚目の除霊を成功させる
↓
90枚イベントで「抱き上げる」を選ぶ
という2週前提な上1週目で間違うとやり直す方法はデータ消去のみなのにノーヒント
・倫理上の問題で公式ホームページに書かれている演出と違う物になったというお詫びがあるが、もっと他のことを謝るべきであろうとは「いってはいけない」
完全に余談ではあるが発売直後少し話題になったが、前週である7月31日のクソゲー3本によって埋もれてしまい、
最初の選評が出たのが11月20日と意外と遅かった。
八月。一本のソフトが人間の罪を裁いた。
「みてはいけない」……
心霊写真に現れた霊を塗りつぶして除霊するという、異端のゲームの登場である。
これに登場する心霊写真は実に百枚にも及ぶ。だがタイトルの意味は一枚目で理解するだろう。
「なんだこのあからさまな合成写真は……」
確かに、これは見てはいけないものだ。
恐怖に震えつつタッチペンで霊を塗りつぶすも、呪われたかのような厳しい認識がそれを妨げる。
たりない… でてる… もっと… でてる… チーン
わかりきった答えに応じられない苛立ちのまま時間切れを迎えると、無情にも失敗判定のまま次の写真へと進む。
やり直しは、できない。やり直すには二周目に行くかデータを消すしかないのだ。
心霊写真とリンクしているアドベンチャー、呪いの家モードも見逃せない。
あからさまにおかしい家の見取り図に、まずは「みてはいけなかった」と後悔し始める。
そしてやたらと豊富な、夢オチで無意味な死に方の数々に「むしろみたくない」ようになり、
なんの意味もない選択肢に「みなかったことにしたい」と思うだろう。
さらにグッドエンディングを見るにはノーヒントで異常な条件をこなさなければならないことも見逃せない。
二周前提で、一周目にとある失敗をしておくというクリア願望の裏をかいた高度なトリックが仕込まれており、
そのうえで特定の手順を踏まなけばならない。
もし途中で間違ったらデータを消す以外にやり直せないのは、まさに心霊現象さながらの理不尽さである。
そして百枚の心霊写真のうち一枚しか影響を及ぼさないことに気づくと、底知れぬ恐怖と虚脱感が襲ってくるのだ。
もちろんそれで明かされるストーリーもエンディングもどうでもいいものであり、やはり「みてはいけなかった」と思わせてくれる。
すべてが終わったとき、あなたは夏の終わりに感じるせつなさを感じていることだろう。この夏もまた、無駄に過ごしてしまった、と。
だがそれは「みてはいけない」、自らそう告げる本作を「みてしまい」「買ってしまい」「やってしまい」「あまつさえ解いてしまった」
忠告に従わぬそんな人間の罪深さに対する、相応の報いなのである。