名称 | Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の記憶〜 | |
ジャンル | ファミレス恋活ADV+SLG | |
対応機種 | PSP | |
発売元 | PIACCI | |
開発元 | PIACCI / カクテル・ソフト | |
発売日 | 2012年10月25日 | |
価格 | 限定版:7,980円(税込8,379円) | |
通常版:5,980円(税込6,279円) | ||
対象年齢 | CERO:C(15歳以上対象) |
※シナリオ・シミュレーション・グラフィックに関しては、2011年にXbox360で発売された『Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜』と殆ど共通の為、当該ページを参照。
※必ずお読みください→
これは男性向け18禁PCゲームではない。
「CERO C」と判断された誰でもプレイ出来るゲームに関する文書である。
PC版をプレイした貴方は幸運だ。エロシーンがあるのだから。
しかしこれはCS版であり、PC版ではない。
PC版の存在を完全に忘れてから以下の文章に目を通すようにして欲しい。
ちなみにゲームの攻略や、ネタバレに関する文章を多数含んでいる。
プレイするのを楽しみにしているのなら、読まない方が賢明である。
←※必ずお読みください
タイトル 『Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の記憶〜』
機種 Play Station Portable
発売日 2012年10月25日
限定版 7,980円(税込8,379円)
通常版 5,980円(税込6,279円)
発売 PIACCI
■.1 序文
このゲームはPC版で発売され、XB360に移植され、今回再度の移植がされたゲームである。
パッケージ表にはメインヒロインと思われるキャラの全身と、他2名のバストアップが表示されている。
裏には360版と同じデザインで、
Piaキャロットで
私達と恋活(バイト)始めませんか?
ファミレス恋愛シュミレーションの最新作が
PSP(Play Station Portable)で登場!
と書かれている。ちなみにシュミレーションは誤記ではない。
尚初回限定版には、ランチョンマット・コルクコースター・フォークとスプーンの豪華セットがついてくる。
とりあえずどのようなゲームなのかを説明しよう。
Piaキャロットと言うファミレスでのバイトを舞台とし、約1月と限られた期間内で、
8人居るヒロインの内1人と仲良くなり、恋仲になるのを目的としたゲームである。
ヒロインと仲良くなるには後述するパラメータを整え、ヒロインと会話をする必要がある。
便宜上パラメータを整える部分をSLGパート。会話をする部分をADVパートと表記する
これだけ聞くと恋愛要素のあるSLGかとも思えるが、実際はそんなことはない。
実際にはSLGパートは壊滅的な出来であり、ゲームとして楽しむことは不可能である。
ADVパートで会話を楽しめばいいのではないか? 残念ながらADVパートは輪をかけて酷い。
詳しい説明に入る前に、まずはゲームの流れを説明しよう。
■.2 ゲームの流れ
このゲームではプレイヤーである主人公が、1日に最大4回行動する必要がある。
行動出来るタイミングは、仕事に行く前の朝・仕事開始前・仕事終了後の帰宅前・帰宅後の4回である。
以降順に、朝パート・仕事パート・帰宅パート・夜パートと表記する。
これらとは別に、ファミレスでのバイトを舞台としているので、
休日の申請や職場会議のために、週に1度ミーティングがある。
ミーティングでは特にパラメータの変動はなく、週に1日の休日を申請出来る。
ちなみにミーティングの日は休日であろうと強制参加である。
休日は仕事が無いので、仕事前パートと帰宅パートはない。
朝→仕事→帰宅→夜
基本的にはこのように四つのパートをこなし1日が終了となる。
前述したように休日には朝と夜パートのみになる。
それ以外にもなにかしらのイベントが有った場合、朝や夜パートが選択出来ない場合がある。
ついでなのでオートセーブの説明をしておく。
このゲームにはオートセーブがあり、朝パート直前と帰宅パート直前の日に2回行われる。
セーブ箇所は10箇所をローテーションで使っており、最長で5日分のデータが残る。
■.3 パラメータ説明
主人公のパラメータには、
容姿・優しさ・根性・仕事・体力・学力・不評・体調
以上八種類のパラメータがある。
・不評
不評とはこのゲームで唯一上げては行けないパラメータである。
上がる場面は会話パートでの選択肢のみである。上がってしまってもロードし直せば問題ない。
ノーセーブ縛りでもしない限りは回避が容易であり、存在価値は無い。
・体調
体調は何かしらの行動か特定の会話をすると減少し、日にちが経つと1ポイント回復する。
後述する「休養」コマンドを選べば大量に回復する。
無くなってしまうとゲームオーバーである。
最初に2回休養コマンドを選べば、後はどのルートで何をしようが無くなることはない。
これもまた存在価値は無いパラメータである。
・その他
何かしらの行動をするとどれかが上がり、何をしても下がることはない。
ゲーム内日数にかなりの余裕があるので、全てのパラメータをマックスにするのは容易である。
しかしヒロインとの会話にかまけ、パラメータ上げをサボると中々上がらない。
パラメータが上がってない場合のデメリットは、
バイト最終日までに一定のポイントに達してないとバッドエンドになる。以上。
他にパラメータが関係する場面は基本的に無い。
一応「体力」が「休養」を行った際の「体調」回復量が上がるらしい。
しかし休養の必要回数は50回以上出来る行動の内2回である。実感は出来ない。
全てのパラメータは攻略ルート分岐や、イベント発生条件にも関わらない。
どれかのパラメータを調整しないと、何かのパラメータが上がりにくい、
等と言ったゲーム性に関わる部分ですら無いに等しい。
エンディングフラグのためだけにパラメータを上げる作業はただの作業である。
しかもパラメータは、シビアに稼いでいくと終盤までにカンストするのだ。
SLGとして楽しめる部分は皆無と言っていいだろう。
■.4 各パート説明
このゲーム唯一にして最大のゲーム性がある部分。それが各パートである。
これをこなしていかなければ話は全く進まない、
それでは各パートで何が出来るかの説明をする。
朝パートと夜パートは、時間帯が違うだけで全く同じ行動が出来る。
パートが終了してしまう行動は「移動・休養・勉強・鍛錬・Go Next」の五種類である。
他に「出勤表・女の子のデータ・設定」が出来る。基本的にこの三種類は選ぶ必要はない。
・移動
文字通り移動するコマンドである。
移動を選ぶとマップが表示され、行きたい場所を選択し、移動する。
マップ上にヒロインのアイコンが表示されている場合は、その場所にヒロインが居ることを示している。
逆に言えばヒロインのアイコンが無ければ、そこには誰も居ないのである。
ちなみにヒロインは8キャラいるのだが、その内5キャラは自分の住居から移動しない。
1キャラは病院で1度だけイベントがあり、1キャラはゲーム後半で出現場所が部屋から公園へ変わる。
残り1キャラは自室とPiaキャロットを往復するだけである。
移動可能な場所は合計で19箇所あるのだが、行くべき必要がある場所は10箇所である。
およそ半分が行く必要はなく、行くメリットも全く無い。
それら必要の無い場所に行ったとしても、得られるものは場所紹介メッセージのみである。
一応2人のヒロインに関しては、移動システムを生かしていると言えなくも無い。
しかし移動を選びヒロインと会話するのだが、ヒロインの部屋に行った筈なのに公園から会話スタート等は日常茶飯事である。
移動コマンドは不要だ。複数箇所にヒロインを移動させ、プレイヤーを迷わせる必要はない。
と言う事実を、製作者自らが示しているのである。
ちなみに筆者も移動は全くの不要だと感じている。
・休養
これは体調を回復させるためのコマンドである。
ゲーム開始時に何も考えず2回選べば良い。そうでなくとも体調が無くなる頃に選んでも、合計2回で済む。
体調が全く無くて詰んでしまった。と言う状況にはなったことがない。
仮にそうなったとしても、10個のオートセーブがあるので、それらのデータをロードし直し休養すればよい。
休養コマンドは重要だが、50回以上行動出来る内の、たった2回しか選択する必要はない。
体調の存在価値は無い、と言うことが改めて解るだけのコマンドである。
・勉強
学力を上げる唯一のコマンドである。学力を上げないとバッドエンド直行なので重要である。
・鍛錬
体力を上げる唯一のコマンドである。体力を上げないとバッドエンド直行なので重要である。
・Go Next
何の行動もせず、次のパートへと進む。存在価値は一切無い。
朝パートを終えると、休日以外は仕事パートへと移動する。
最初の一週間は研修という名目で行動が固定されているが、以降は好きな行動を選ぶ事が出来る。
現実世界でこう言った事はありえないが、そこはゲームなので目を瞑ろう。
このパートで選択できる行動は「フロア・厨房・倉庫整理・デリバリー・店周り」の5種類である。
「容姿・優しさ・根性・仕事」のパラメータが選択した業種によって上がる。下がりはしない。
5種類の行動の内、デリバリーのパラメータ上昇が抜きん出ている。
他の業種にパラメータ調整上での存在価値は一切無い。
しかしイベント上では他業種が必要になる。それによって発生する問題は後述する。
仕事パートを終えると帰宅パートへと移行する。
このパートはその日に出勤している誰かと帰宅前に会話するパートである。
基本的にはお目当てのヒロインと会話すれば問題ない。お目当てが居なければ適当に会話すれば次へ進む。
パラメータ変動要素は無い。
■.5 SLGパートによる弊害
このゲームはパラメータを一定以上にしないとバッドエンドに直行である。
しかしパラメータを優先するとイベントが進まない。イベントが進まないとこれまたバッドエンドである。
イベントは全てを見る必要は無く、重要と思われるイベントを見るだけで良い。
しかしどれが重要か、そもそもイベントはいつどこで発生するのか。
これらはイベントが始まるまで全く解らない。
つまり、全てのイベントをチェックしなければならないのである。
しかしイベントを見ているだけではパラメータが上がらない。
なのでイベント前にセーブし、イベントをチェックし、イベントが重要かどうかの判断をした後に、
重要イベントで無ければロードし直し、パラメータを上げる必要がある。
イベントを発生させるには幾つかの方法がある。
各パートでの会話・仕事で特定業種を選択・ヒロインと休日を合わせる・強制会話での選択肢
以上4つの組み合わせが主な発生条件である。
・各パートでの会話
朝・夜パートがこれに該当する。
イベントを発生させるためには、特定の日付の特定のパートで会話をする必要がある。
しかし、いつどのパートで発生するのかは不明なので、総当りする必要がある。
重要イベントを見逃すと、即座にバッドエンドルートへと突入するので、総当りしないと言う選択は無い。
10箇所ローテーションで行なわれているオートセーブを活用すれば容易だが、非情にめんどくさい。
めんどくさいからと言って総当りをサボると、オートセーブが全て詰みデータになる可能性すら秘めている。
存在価値のないパラメータ調整が無ければ、このような作業は一切無く済んだであろう。
その分ゲーム性は薄くなるが、元から極限まで薄いので問題は無いと思われる。
・仕事で特定業種を選択
仕事パートのみが該当する。
各ヒロインを攻略中に、仕事パートで該当ヒロインが表示されている業種を選択すると発生するイベントである。
仕事パートは25回ほどあるが、がイベント自体がプレイ中に0〜2回程度しか発生しない。
たったの2回程度だと言うのに、発生させないと即バッドエンドである。
これもまた何時発生するかはノーヒントなので、総当りが必須である。
しかも仕事前にはオートセーブが無いので、オートに頼りきっていると、朝パートからやり直しである。
毎回朝からやり直してもいいし、マニュアルでセーブしやり直してもいい。
どちらにせよ面倒なだけなのは変わりはない。
イベントが発生する場合は特定業種を選択すると、該当場所でのイベントが発生する。
例えばフロア業務を選択し、フロアでイベントが発生する。と言った具合である。
しかし同じヒロインの別イベントでは、フロアを選択してないにも関わらずフロアでイベントが発生する。
これは8人居るヒロインの内、実に7人にこういった現象が、しかもしょっちゅう発生する。
つまりこれは移動パートと同じく、無くても良いと言う製作者の答えなのではないだろうか。
ノーヒントで総当りするだけのゲーム性なら、勿論筆者も無くて良いと言う意見には賛成である。
・ヒロインと休日を合わせる
最初の一週目は曜日が固定されているが、二週目以降は好きな曜日を週に一度休みに設定できる。
お目当てのヒロインと同じ曜日に休みを設定しなければ、攻略は不可能である。
しかし主人公の休日は週に一度にも関わらず、ヒロインの休日は週に二度あるのだ。
どちらの休日に合わせればいいのかはノーヒントである。ここでもまた総当りせざるを得ない。
8人中7人は、毎週同じ曜日でしかイベントが発生しないのが救いではある。
・強制会話での選択肢
会話中の選択肢によって展開が変わる場合がある。
変わると言っても、1〜3メッセージ程度の変更や、不評の上昇。後はバッドエンド分岐ぐらいしかない。
基本的に会話の内容で展開が予想出来る。失敗したと思ってもロードし直せば良い。
強制会話での選択肢以外は、ヒントもないため基本的に総当りである。
ただの総当りの作業なので面白みは全くない。不要であり、邪魔である。
パラメータ調整と言うSLGパートが無ければ、総当りをする必要は無い。
無駄な総当りが無ければ、無意味なパラメータ調整にストレスが溜まる事も無かったであろう。
SLGと言う無駄なゲーム性があるので、ADV部分が色あせてしまうのである。
重ねて言うがSLGパートは不要であり、邪魔である。
■.6 シナリオ
シナリオ内容が単純につまらない。
ヒロインの名前と共に大雑把に説明していこう。
・ゆな
主人公の幼馴染
他キャラのルートでゆなルートの存在を完全否定されるメインヒロイン
・朱美
主人公の従姉で店長
私は頼りない店長と言うしつこい主張
・蒼空
別店舗からのヘルプで来ているアルバイト
度を超えてキモい主人公
・さゆり
男嫌いのマネージャー
酷いご都合主義的展開
・ミサ
主人公の妹……らしい
超展開
・彩花
ミサの同級生で主人公とも顔見知り
極端な描写不足
・よしみ
ボーイッシュなアルバイト
何も起こらない日常
・はるな
隠しキャラのテンプレ的な病人
手垢にまみれた展開
詳しくは別ファイルに記す。
■.7 グラフィック
基本的な人物の作画にこれといった所はない
しかし手首が折れ曲がっているとしか見えないものや、。明らかに違うキャラになっているCG。
同じ場面の筈なのに髪の毛が伸びているとしか思えないものまである。
よしみと言うキャラは特に酷く、通常の立ちCGの時点でヒラメ顔である。
よしみを作画したのはゲストなのだが、ゲストが作画したキャラはよしみ以外も軒並みヒラメである。
所謂ギャルゲーだと言うのに、キャラが可愛くないのは非情に残念である。
未確認情報で申し訳ないが、線画はヒラメ顔ではないらしい。是非とも見てみたくある。
各キャラのCG枚数は10〜16なのだが、表パッケージにも書かれている朱美のCGが最少の10枚である。
同じくパッケージに書かれているゆなは最多の16枚で、蒼空は次点の15枚である。
しかも10枚中2枚は追加CGと推測される。
その追加CGであろう2枚の内1枚は、全体の60%が背景である。
もう1枚はどうでもいい男キャラと並んで立ってるだけであり、男の方がでかい始末である。
並んで立っているだけならば、通常画面で十分であろう。
他にCGが少ないキャラでもよしみの12枚。次いではるなの13枚である。
PC版で一番不人気だったよしみ以下である。クソではないが非情に残念だと感じた。
ここまではキャラクターについて言及したが、もっとも酷いのは背景である。
プロローグで主人公はPiaキャロットの寮へ入るのだが、入った当初は荷物が無く部屋は殺風景である。
しかし何もない筈の空間に、謎の陰や何かが引っかかったようなカーテンの撓みがあるのだ。
後々荷物を部屋に運び込んだら、謎の陰やカーテンの撓みが荷物の配置と一致するのだ。
違和感はこれでは終わらない。
序盤に見る陸上トラックの夢では、トラックだと言うのに木々が見える地平線の果てにビルが見えるのだ。
一つ気になるともう止まらない。
カップルで一杯だ、出店で溢れてる。凄い人ごみだ。文章でこのように表記されていてもモブは一切居ない。
毎日見る自室は月を跨いでも捲られない月捲りカレンダーに気づき、自室の形はパースが狂っている。
そこまで来れば自室の椅子の足の長さがおかしいことにも気づくだろう。
おかしいのは自室だけだろうか? 否、ありとあらゆる背景が狂っている。
ロッカーに取っ手はなく、スプーンを巨大化させたようなおたま。
映り込まないはずの位置にあるはずのガラスの映り込み。鏡だって勿論そうだ。
お昼にサンドイッチを取り出し手に持っているのに、ランチパックにはサンドイッチの入る余地がない。
影の伸び方がどう見てもバラバラで、寮の廊下は移動マップと一致しない。
屋上の手すりは傾いていて、ああ、ボート屋がある筈の公園は寮の屋上のアップじゃないか!
間違い探しをしているようで楽しくもあるが、このような背景で良しとしたのが間違いであろう。
■.8 サウンド
まずは一番注目されるであろうボイス。
ボイスは軒並み高クオリティであり、非情に素晴らしい。
ゆなは若干声に癖があり好みの問題は出るが、演技としては文句のつけようがない。筆者お気に入りである。
朱美はこれまた筆者お気に入りの草柳順子女史である。一流女性声優と比べても遜色ない。
ボイスに関しては及第点どころか素晴らしいと言っても過言では無い。
残るサウンドはBGMとSEであるが、SEは特筆すべき点はない。
BGMも特に良いものや悪いものは無いが、一曲だけ非情に気になる曲がある。
さゆりのテーマ曲で「夢を追いかけて」と言う曲がある。
これのイントロがスピッツの「涙がキラリ☆」のサビに酷似しているのだ。
筆者に絶対音感が無いので音階は記せないが、気になったなら是非とも購入して聞いていただきたい。
■.9 システム
このゲームのコンフィグは、テキストを読むゲームとしては非情に優れている。
オートセーブやクイックセーブ。オートプレイにオートプレイ中テキストスキップ有無。
既読スキップはもちろん、既読スキップ終了時のアラームの有無まで設定できる。
文字が読みやすくなるようにテキスト表示速度、句読点ウェイト有無。文字シャドウの有無まである。
サウンドボリュームも細かく設定でき、各キャラ毎のボイスまで調整出来る。
惜しむらくはオートセーブのタイミングで、もっと細かくセーブしてくれれば楽になっただろう。
UIも素晴らしく、Lボタン+特定ボタンで色々と操作が出来る。
主に使うであろうオートモードや既読スキップ、クイックセーブにクイックロードが設定されている。
通常文字送りも左手右手どちらでもでき、利き手がどちらでも片手プレイが容易なのも素晴らしい。
■.10 まとめ
素晴らしいUIやシステムで、邪魔なだけのSLGであり、苦痛なだけのADVを楽しめるゲームである。
最早楽しい部分は背景の間違い探しぐらいであろう。ボイスも非情に素晴らしいので癒しを求めるのもいい。
なんとなくのプレイならば気付かない、気にしないプレイヤーも居るだろう。
しかし気がついてしまい、気になってしまい、考え込んでしまうと一巻の終わりである。
文章一文一文が気になり、背景で間違い探しをし、BGMは涙がキラリ☆にしか聞こえなくなる。
主人公の語尾につく汗マークに苛つき、♪に目尻がピクピク動き、ハートマークで暗黒に染まっていく。
このゲームにトロフィーは無い。実績も無い。プレイ後に残るのは自己満足のみだ。
自己満足を求めるならば、このゲームは選ばないほうが賢明である。
■.朱美
主人公のお姉さん的存在の従姉。パッケージ表に居るヒロイン2番手。
舞台となるPiaキャロット7号店では店長をしている。
主人公のことは「たいちゃん」と呼ぶ。
主人公と二人きりの時は自分のことを「お姉さん」と呼び、姉弟アピールをしてくる。
他ルートでは下世話なネタや、男女間の関係についても妙に鋭い。
しかし朱美ルートではやたら鈍いのも特徴である。
物覚えがいい、それなりの偏差値の短大出身だ。
このようなアピールをしてくる。しかし8/4にはPCの電源の入れ方すら解らずあたふたする。
ちなみにキーボードを「O」「N」とタイプして電源を入れようとしていた。
普段使っている職場のPCの電源は、いつもさゆりが入れてるらしいので、百歩譲ってこれは良しとしよう。
しかし普段からPCを使っていると言うのに「ほうこくしょ」とタイプし、Enterキーを押して漢字にならないと喚く。
朱美の物覚えが良いアピールは、ただのフリだったのだろうか。
朱美は店長だと言うのに、実務のかなりの部分をさゆりに頼りきっている。
PC操作等の電子モノにはじまり、在庫の注文、挨拶の言葉、目玉となるフェアの企画等様々である。
トップの仕事は決断するものだと言う論もあるので、業務内容については目を瞑ろう。
仕事内容をさゆりに頼りきっている自覚があるのであろう。
朱美ルートでは二言目に「頼りない店長だと思ってるんでしょう」と言ってくる。
何度も何度も言ってくるので非常にうざったい。
それこそ日常会話やちょっと主人公が考え込んだ時、果てはいい雰囲気のシーンまで四六時中アピールしてくるのだ。
8/6
8/15から始まるフェアの案をまだ決めていなかった。
そのような発言をした直後に、暗くなるまで主人公とプールで遊んでいた。
時間が無いのに遊びに行くと言う展開自体はクソではない。
しかしこのような展開なので、フェアの準備は当然間に合わない。
それをさも深刻そうに語るのだが、遊んでいると言う事実があるので全く深刻に感じられないのはクソである。
ちなみにフェアで出す料理は8/6の夜に没になったようだ。
材料費の確認を怠ったと突然さゆりがすまなさそうに伝えてきたのだ。
ちなみにフェアの料理の材料費で高かったのは牛肉である。
花火に合わせたフェアで牛肉料理がメイン。
花火と牛肉が筆者にはどうも繋がらないが、あっと驚く料理だったのであろう。
これを主人公はたまたま聞いてしまった。
8/7
主人公の足に激痛が走る。普段は正常だが時折痛みが走るとは主人公の弁。
他ルートではそんなことは一切無く、このルートでも医者からは完治していると告げられている。
ルートによって主人公の元設定がコロコロ変わるのはクソではないだろうか。
変わるゲームもあるだろうが、このゲームはその様な世界観ではない。
8/9
週に一度のミーティングで、フェアの準備が間に合わなかったと朱美が発表。
この店は旅行客がメインの客だと言った口で、8月一杯有効の割引券を配ると言う案を出した。
それに対し主人公は悪くないとのたまう。
一見でしかなかろう旅行客に、リピート前提の割引券の配布は効果が薄いと言うのは筆者でも考えつく。
意味の解らないフェアにプレイヤーは頭を悩ませる事だろう。
朱美は材料費の事は隠し、味に満足が行かなかった。だからフェアは変わったとみんなに伝える。
そこで主人公が口に出さずこう思うのだ。
問題は、お客さんのことを考えたコストのことだったんでしょう??
少しくらい高くても、美味しければお客さんは喜んでくれると思う。
それに、ここは観光地だ……
旅行気分で多少財布のヒモがゆるむわけだし、目を潰れることだったんじゃないかな……
この文章に関してはクソではない。
しかし「もっと早く言えよ」と筆者が憎々しく突っ込んでしまったのには目を瞑っていただきたい。
8/11
朱美の部屋を訪ね、落ち込んでた朱美と会話し、飲んでた朱美が酔いを醒ましたいとシャワーを浴び、シャワー後に主人公と朱美の顔が近づいて謎の暗転。
暗転前に雰囲気自体は男女のものになるが、キスシーンやお互いに好きだ、愛してる等と伝える場面はない。
暗転後同じベッドで寝たことが翌日に察せられ、完全に恋人の会話になっていた。
プレイヤーは完全に置いてけぼりである。
8/14
朝に朱美と主人公が一緒に仕事に行こうと会話をする。
そこで初となる見所の無いキスシーン。CGは目を瞑ってるだけで、キスしてるシーンには見えない。
しかしその後主人公は一人で職場へ行ったようだ。朱美も店で時間通りねと出迎えてくれた。
8/7に主人公が足を痛めた際に、朱美は主人公に無理をさせないと発言をしていた。
しかし8/15の特別な忙しいシフトをお願いと朱美が伝えてくる。
他のメンバーは通常に近いシフトなのに、無理をさせたくない主人公には忙しいシフトを組んできたのだ。
8/15
フェア開始。
朱美の身の上話を聞かされる。
特に面白くは無いので割愛する。
8/16
フェア初日は過去最高の売上だとはしゃぐ朱美。
8/17
客の数は同じぐらいだが、売上が落ちてきたと朱美。
フェアは月末までなので17日間ある。
17日もあるというのに、フェア初日の売上を維持するのは不可能であろう。
8/18
朱美は売上減少を気にしている。
8/21
売上を気にしているフェアの最中だと言うのに、研修という名目の慰安旅行へ出発する。
夏を舞台としているのに海へ行かないのは、ギャルゲーとして寂しいので目を瞑ろう。
朱美はオーナーにフェアも好調だし、これからも店をよろしくと言われたようだ。
だと言うのにちゃんとやれてるかな等と主人公に問い詰めてくる。
8/23
今日も売上が落ちていると朱美が気にしている。
売上の管理もしているさゆりが誤差の範囲内だと言うが、不安がる朱美。
8/15には過去最高の売上を記録したとはしゃいでいたのに、フェアは失敗だと言う朱美。
夜に事務所を尋ねると店を潰してしまうと泣きだしてしまった。
主人公は仕事中にめまいを起こす。
しかし週一のミーティング中に、そろそろバイトも終わりだから休み無しでいいと言い出した。
8/24
この日の主人公はソファに座ってるだけでめまいを起こし、体調不良だと言う自覚も持っていた。
しかし主人公は、朱美の為にとさゆりに早出と残業を進言した。さゆりは渋々了承する。
8/25
主人公の早出開始。もちろん目眩を起こし、ついに主人公は倒れてしまう。
目覚めるとオーナーが看病してくれていた。
オーナーは売上の責任を感じた朱美から辞表を受け取ったらしい。
オーナー曰く、売上は店長交代するほど落ちてはいないらしい。
8/26
朱美が店長職に重圧を感じ辞めたいと言う。
将来経済学を勉強してサポートすると主人公が答える。
主人公に元気づけられ、将来設計まで示され号泣する朱美。
その後にオーナーが朱美の辞令を明日発表すると主人公に伝えに来る。
8/27
店を辞めたくないと心変わりした朱美。
オーナーは朱美を店長代理に任命し、店長はオーナーが兼任し経営面でサポートする事になった。
8/28
主人公が家に帰る日である。
朱美にプロポーズして終了。
後日談
店の近くの大学に合格し、朱美の元に戻ると何故か朱美が妊娠していた