名称 | ホームタウンストーリー | |
ジャンル | ハートフルアドベンチャー | |
対応機種 | ニンテンドー3DS | |
発売元 | トイボックス | |
開発元 | スパイク・チュンソフト | |
発売日 | 2013年12月12日 | |
価格 | 4800円 | |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
PV
「牧場物語」シリーズの生みの親である和田康弘氏が手がけた、幼い頃を過ごした村にあるお店を継いだ所から始まるハートフルアドベンチャー。
お店の経営を行いつつ村の住人達と交流する事が目的だが、操作性の悪さやイベントの薄っぺらさに加え、ゲームの進行要素のほとんどがランダム依存という運ゲー仕様でプレイヤーの気力を削っていく事から「HeartfulというよりHurtful」などと言われてしまった。
ホームタウンストーリー』というゲームをクソゲーに推薦したい。
かの有名な牧場物語の生みの親である和田康弘氏が手がけた作品である。
そのせいか、牧場物語の派生作品だと勘違いして購入したプレイヤーも少なくないようだ。
…かくいう私もその一人だったりする。
【クソ要素その1:移動面】
上画面は3Dマップ、下画面は上空視点の簡易マップとなっている。無駄に広いため、移動するだけでかなりの時間を費やす。
これについてはワープアイテムを入手する事によって解消されるので、まあ特に問題はないだろう。
まずは上画面のみを見て移動しようとすると。
主人公の背後を付いてきてるかと思ったら、森の中腹辺りで突然主人公の前方に切り替わったり、建物の近くによると突然カメラが別方向からのズームになったり。
切り替わった時にスティックをそのままにしていると変な方向に移動してしまい、その移動した先でもまたカメラが切り替わって…(ry
容易く移動できない上に、しょっちゅうカメラが切り替わるため、移動しづらい上に3D酔いもする。
だったら下画面だけを見て移動しようとするも、簡易マップでは何もない広場なのに3Dマップには建物があり、例に倣ってカメラが切り替わり
いつの間にか何処かの建物の隙間にはまり込んでなかなか抜け出せない…ということが多々。
上画面と下画面を交互に見なければ、移動する事もままならない。
下画面で住民の動きや場所が確認出来るのはいいが、住民達は老若男女人外竹馬問わず足腰が鍛え抜かれており、歩きなのに走っている主人公と同等の速さで移動している。
そのため、話しかけるには上記の移動法をマスターしてショートカットを駆使して追いつくか、相手の目的地を判断して回り込む必要がある。
【クソ要素その2:お店経営】
購入当初はお店経営がメインかと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
今作のメインは「ハートフルなストーリー」であり、お店経営は豊富なイベントの「きっかけ」に過ぎないようだ。
いなくなった祖母のお店を、前も後ろもわからない状態で経営する事となった主人公。
そんな主人公に様々な助言をしてくれるのがポチカルの役割なのだ……と思ったがそんなことはなかった。
ポチカルが主人公にレクチャーした事と言えば「棚置くゾナ」「商品置くゾナ」「開店するゾナ」「売るゾナ」くらいである。
それ以降ポチカルが主人公に何かをレクチャーしてくれる事はなくなり、ただ主人公の後ろを付いて回ってゾナゾナ言うだけ存在になる。。
営業時間は? 開店後お店を離れても大丈夫? 店番とかどうすんの? これらは自分でなんとかしろや、ということらしい。
(ちなみに営業時間は存在せず、店番なんていないし、開店後お店を離れても何の問題もない。)
また、この世界には「補充」という言葉が無く、商品が売れたらまた新たに商品を設置し値段設定をして…の繰り返しである。まとめておく事は出来ない。
この作業感溢れる仕様のせいで、お店で物を売る楽しさというものがあまり感じられなかった。
これだけでもなかなかに気力をそがれるのに、なけなしの気力を更に削り取っていくバグも存在する。私がプレイした限りで起きたのは
・コンボ(会計客を待たせて行列を作り、連続で商品売る事でボーナスがもらえる要素)中にフリーズし、電源を切る羽目になる。
・住民から貰ったり買ったりしたキーアイテムが次の日の朝にはなくなっている。
の2つ。上に関しては電源を切る以外に方法がない。下は未解決のままで実態がどうなのか不明。
セーブをすると問答無用で就寝となるので、電源を切ってまた朝から開店準備…というのはかなりやる気をそがれた。
【クソ要素その3:9割のイベントがランダム】
9割のイベントがキーアイテムという特定のアイテムを所持している事で発生する。
まず、それらを手に入れるためには
①特定の時間に店にやってくる行商人から購入
※ただし、品揃えはランダムなため、目的のアイテムが売り出されるまで根気良く待つ必要がある。
②村の中で拾う
※ただし、落ちているかどうかは天候などの要素で変わる上、条件を満たしているからといって必ず拾えるわけではない。
③住民から貰う
※ただし、仕様用途について住民の口から説明される事はなく、何の前触れもなく突然くれたりするし、くれなかったりもする。
の3つしか方法がない。すこぶる面倒くさい。
依頼者は主人公に「どこにあるか」「誰が持っているのか」「いつごろ売り出されるのか」等のヒントを全く与えてはくれないどころか、
依頼した後は「何が欲しいか」すらも教えてくれなくなる。ポチカルも然りである。
「依頼リスト」や「ヘルプ」といったものも用意されていない。詰んだ時(モブがキーアイテムを買っていった等)の救済策も用意されていない。
つまり、プレイヤーの記憶力が試されるわけだ。村社会、おそろしや。
キーアイテムの中にはメイン住民の登場や自己紹介に関わるアイテムも多い。
そのため下手をすれば1ヶ月を過ぎても既存住民の名前が???のままだったり、初登場後2ヶ月間現れなかったキャラも出てくる。
イベントを起こすには①お店に並べる。 ②キーアイテムを持って依頼者に話しかける。 の2通りがある。
ここにもランダム要素が適用されており、①では並べた瞬間に起きるものもあれば、並べたとしても特定キャラが店に来るまでは起きないものもある。
②についてはキーアイテムを揃えていたとしても話しかける場所が違えば起きず、条件を満たしていても起きない場合もある。
根気良くキーアイテムを集めてイベントを起こしたとしても、濃密なストーリーが展開されるわけでもなく、
オッサン同士が幼稚な争いをしたり、頑固なじいさんに怒鳴られて終わったり、淡白な恋愛模様を見せつけられたり。とにかく「あっさり」としている。
中には突然住民が死亡する衝撃のイベントが起きたりもするが、それ以降は死亡したキャラを悼む様子もなく、住民達はいつもの生活を営むのみ。
今作は、相当心に余裕のある人でないと楽しめないとすら思う。少なくとも、お店経営のグダグダやバグでイライラさせられる人には向かない。
このランダムランダムアンドランダムなイベントの仕様については和田氏曰く「古き良きゲームの手探り感を表現した。」とのこと。
手ぶらで真っ暗闇の洞窟に放り出されるかのような手探り感は、今作のコンセプトである“ハートフル”に必要だったのだろうか?
手探り感を出すにしても、せめて住民から多少のヒントが与えられるくらいはあってもよかったのではないだろうか?
そもそも、氏の思う「古き良きゲームの手探り感」とは一体どういうものなのだろうか?
以上、気力をじわじわと削られる不親切さとバグもあり、独断と偏見でクソゲーに推薦したが、
このホームタウンストーリーが真にクソゲーなのか、それともただのガッカリゲーに留まるのかは有志の皆様の判断にお任せする。