2012年 次点

概要

名称Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の記憶〜http://www.amazon.co.jp/dp/B005177Z3C/ [外部リンク]
ジャンルファミレス恋活ADV+SLG
対応機種PSP
発売元PIACCI
開発元PIACCI / カクテル・ソフト
発売日2012年10月25日
価格限定版:7,980円(税込8,379円)
通常版:5,980円(税込6,279円)
対象年齢CERO:C(15歳以上対象)


参考動画

要点

※シナリオ・シミュレーション・グラフィックに関しては、2011年にXbox360で発売された『Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜 [外部リンク]』と殆ど共通の為、当該ページを参照。

据え置き版からの改善点

その他

選評

選評その1

※必ずお読みください→

これは男性向け18禁PCゲームではない。
「CERO C」と判断された誰でもプレイ出来るゲームに関する文書である。
PC版をプレイした貴方は幸運だ。エロシーンがあるのだから。
しかしこれはCS版であり、PC版ではない。
PC版の存在を完全に忘れてから以下の文章に目を通すようにして欲しい。

ちなみにゲームの攻略や、ネタバレに関する文章を多数含んでいる。
プレイするのを楽しみにしているのなら、読まない方が賢明である。

←※必ずお読みください

タイトル 『Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の記憶〜』
機種 Play Station Portable
発売日 2012年10月25日
限定版 7,980円(税込8,379円)
通常版 5,980円(税込6,279円)
発売 PIACCI



■.1 序文
このゲームはPC版で発売され、XB360に移植され、今回再度の移植がされたゲームである。
パッケージ表にはメインヒロインと思われるキャラの全身と、他2名のバストアップが表示されている。
裏には360版と同じデザインで、

Piaキャロットで
私達と恋活(バイト)始めませんか?
ファミレス恋愛シュミレーションの最新作が
PSP(Play Station Portable)で登場!

と書かれている。ちなみにシュミレーションは誤記ではない。
尚初回限定版には、ランチョンマット・コルクコースター・フォークとスプーンの豪華セットがついてくる。

とりあえずどのようなゲームなのかを説明しよう。
Piaキャロットと言うファミレスでのバイトを舞台とし、約1月と限られた期間内で、
8人居るヒロインの内1人と仲良くなり、恋仲になるのを目的としたゲームである。
ヒロインと仲良くなるには後述するパラメータを整え、ヒロインと会話をする必要がある。
便宜上パラメータを整える部分をSLGパート。会話をする部分をADVパートと表記する
これだけ聞くと恋愛要素のあるSLGかとも思えるが、実際はそんなことはない。
実際にはSLGパートは壊滅的な出来であり、ゲームとして楽しむことは不可能である。
ADVパートで会話を楽しめばいいのではないか? 残念ながらADVパートは輪をかけて酷い。
詳しい説明に入る前に、まずはゲームの流れを説明しよう。



■.2 ゲームの流れ
このゲームではプレイヤーである主人公が、1日に最大4回行動する必要がある。
行動出来るタイミングは、仕事に行く前の朝・仕事開始前・仕事終了後の帰宅前・帰宅後の4回である。
以降順に、朝パート・仕事パート・帰宅パート・夜パートと表記する。
これらとは別に、ファミレスでのバイトを舞台としているので、
休日の申請や職場会議のために、週に1度ミーティングがある。
ミーティングでは特にパラメータの変動はなく、週に1日の休日を申請出来る。
ちなみにミーティングの日は休日であろうと強制参加である。
休日は仕事が無いので、仕事前パートと帰宅パートはない。

朝→仕事→帰宅→夜
基本的にはこのように四つのパートをこなし1日が終了となる。
前述したように休日には朝と夜パートのみになる。
それ以外にもなにかしらのイベントが有った場合、朝や夜パートが選択出来ない場合がある。

ついでなのでオートセーブの説明をしておく。
このゲームにはオートセーブがあり、朝パート直前と帰宅パート直前の日に2回行われる。
セーブ箇所は10箇所をローテーションで使っており、最長で5日分のデータが残る。


■.3 パラメータ説明
主人公のパラメータには、
容姿・優しさ・根性・仕事・体力・学力・不評・体調
以上八種類のパラメータがある。

・不評
不評とはこのゲームで唯一上げては行けないパラメータである。
上がる場面は会話パートでの選択肢のみである。上がってしまってもロードし直せば問題ない。
ノーセーブ縛りでもしない限りは回避が容易であり、存在価値は無い。

・体調
体調は何かしらの行動か特定の会話をすると減少し、日にちが経つと1ポイント回復する。
後述する「休養」コマンドを選べば大量に回復する。
無くなってしまうとゲームオーバーである。
最初に2回休養コマンドを選べば、後はどのルートで何をしようが無くなることはない。
これもまた存在価値は無いパラメータである。

・その他
何かしらの行動をするとどれかが上がり、何をしても下がることはない。
ゲーム内日数にかなりの余裕があるので、全てのパラメータをマックスにするのは容易である。
しかしヒロインとの会話にかまけ、パラメータ上げをサボると中々上がらない。
パラメータが上がってない場合のデメリットは、
バイト最終日までに一定のポイントに達してないとバッドエンドになる。以上。
他にパラメータが関係する場面は基本的に無い。
一応「体力」が「休養」を行った際の「体調」回復量が上がるらしい。
しかし休養の必要回数は50回以上出来る行動の内2回である。実感は出来ない。

全てのパラメータは攻略ルート分岐や、イベント発生条件にも関わらない。
どれかのパラメータを調整しないと、何かのパラメータが上がりにくい、
等と言ったゲーム性に関わる部分ですら無いに等しい。
エンディングフラグのためだけにパラメータを上げる作業はただの作業である。
しかもパラメータは、シビアに稼いでいくと終盤までにカンストするのだ。
SLGとして楽しめる部分は皆無と言っていいだろう。



■.4 各パート説明
このゲーム唯一にして最大のゲーム性がある部分。それが各パートである。
これをこなしていかなければ話は全く進まない、
それでは各パートで何が出来るかの説明をする。

朝パートと夜パートは、時間帯が違うだけで全く同じ行動が出来る。
パートが終了してしまう行動は「移動・休養・勉強・鍛錬・Go Next」の五種類である。
他に「出勤表・女の子のデータ・設定」が出来る。基本的にこの三種類は選ぶ必要はない。

・移動
文字通り移動するコマンドである。
移動を選ぶとマップが表示され、行きたい場所を選択し、移動する。
マップ上にヒロインのアイコンが表示されている場合は、その場所にヒロインが居ることを示している。
逆に言えばヒロインのアイコンが無ければ、そこには誰も居ないのである。
ちなみにヒロインは8キャラいるのだが、その内5キャラは自分の住居から移動しない。
1キャラは病院で1度だけイベントがあり、1キャラはゲーム後半で出現場所が部屋から公園へ変わる。
残り1キャラは自室とPiaキャロットを往復するだけである。
移動可能な場所は合計で19箇所あるのだが、行くべき必要がある場所は10箇所である。
およそ半分が行く必要はなく、行くメリットも全く無い。
それら必要の無い場所に行ったとしても、得られるものは場所紹介メッセージのみである。
一応2人のヒロインに関しては、移動システムを生かしていると言えなくも無い。
しかし移動を選びヒロインと会話するのだが、ヒロインの部屋に行った筈なのに公園から会話スタート等は日常茶飯事である。
移動コマンドは不要だ。複数箇所にヒロインを移動させ、プレイヤーを迷わせる必要はない。
と言う事実を、製作者自らが示しているのである。
ちなみに筆者も移動は全くの不要だと感じている。

・休養
これは体調を回復させるためのコマンドである。
ゲーム開始時に何も考えず2回選べば良い。そうでなくとも体調が無くなる頃に選んでも、合計2回で済む。
体調が全く無くて詰んでしまった。と言う状況にはなったことがない。
仮にそうなったとしても、10個のオートセーブがあるので、それらのデータをロードし直し休養すればよい。
休養コマンドは重要だが、50回以上行動出来る内の、たった2回しか選択する必要はない。
体調の存在価値は無い、と言うことが改めて解るだけのコマンドである。

・勉強
学力を上げる唯一のコマンドである。学力を上げないとバッドエンド直行なので重要である。

・鍛錬
体力を上げる唯一のコマンドである。体力を上げないとバッドエンド直行なので重要である。

・Go Next
何の行動もせず、次のパートへと進む。存在価値は一切無い。


朝パートを終えると、休日以外は仕事パートへと移動する。
最初の一週間は研修という名目で行動が固定されているが、以降は好きな行動を選ぶ事が出来る。
現実世界でこう言った事はありえないが、そこはゲームなので目を瞑ろう。
このパートで選択できる行動は「フロア・厨房・倉庫整理・デリバリー・店周り」の5種類である。
「容姿・優しさ・根性・仕事」のパラメータが選択した業種によって上がる。下がりはしない。
5種類の行動の内、デリバリーのパラメータ上昇が抜きん出ている。
他の業種にパラメータ調整上での存在価値は一切無い。
しかしイベント上では他業種が必要になる。それによって発生する問題は後述する。

仕事パートを終えると帰宅パートへと移行する。
このパートはその日に出勤している誰かと帰宅前に会話するパートである。
基本的にはお目当てのヒロインと会話すれば問題ない。お目当てが居なければ適当に会話すれば次へ進む。
パラメータ変動要素は無い。



■.5 SLGパートによる弊害
このゲームはパラメータを一定以上にしないとバッドエンドに直行である。
しかしパラメータを優先するとイベントが進まない。イベントが進まないとこれまたバッドエンドである。
イベントは全てを見る必要は無く、重要と思われるイベントを見るだけで良い。
しかしどれが重要か、そもそもイベントはいつどこで発生するのか。
これらはイベントが始まるまで全く解らない。
つまり、全てのイベントをチェックしなければならないのである。
しかしイベントを見ているだけではパラメータが上がらない。
なのでイベント前にセーブし、イベントをチェックし、イベントが重要かどうかの判断をした後に、
重要イベントで無ければロードし直し、パラメータを上げる必要がある。
イベントを発生させるには幾つかの方法がある。
各パートでの会話・仕事で特定業種を選択・ヒロインと休日を合わせる・強制会話での選択肢
以上4つの組み合わせが主な発生条件である。


・各パートでの会話
朝・夜パートがこれに該当する。
イベントを発生させるためには、特定の日付の特定のパートで会話をする必要がある。
しかし、いつどのパートで発生するのかは不明なので、総当りする必要がある。
重要イベントを見逃すと、即座にバッドエンドルートへと突入するので、総当りしないと言う選択は無い。
10箇所ローテーションで行なわれているオートセーブを活用すれば容易だが、非情にめんどくさい。
めんどくさいからと言って総当りをサボると、オートセーブが全て詰みデータになる可能性すら秘めている。
存在価値のないパラメータ調整が無ければ、このような作業は一切無く済んだであろう。
その分ゲーム性は薄くなるが、元から極限まで薄いので問題は無いと思われる。

・仕事で特定業種を選択
仕事パートのみが該当する。
各ヒロインを攻略中に、仕事パートで該当ヒロインが表示されている業種を選択すると発生するイベントである。
仕事パートは25回ほどあるが、がイベント自体がプレイ中に0〜2回程度しか発生しない。
たったの2回程度だと言うのに、発生させないと即バッドエンドである。
これもまた何時発生するかはノーヒントなので、総当りが必須である。
しかも仕事前にはオートセーブが無いので、オートに頼りきっていると、朝パートからやり直しである。
毎回朝からやり直してもいいし、マニュアルでセーブしやり直してもいい。
どちらにせよ面倒なだけなのは変わりはない。
イベントが発生する場合は特定業種を選択すると、該当場所でのイベントが発生する。
例えばフロア業務を選択し、フロアでイベントが発生する。と言った具合である。
しかし同じヒロインの別イベントでは、フロアを選択してないにも関わらずフロアでイベントが発生する。
これは8人居るヒロインの内、実に7人にこういった現象が、しかもしょっちゅう発生する。
つまりこれは移動パートと同じく、無くても良いと言う製作者の答えなのではないだろうか。
ノーヒントで総当りするだけのゲーム性なら、勿論筆者も無くて良いと言う意見には賛成である。

・ヒロインと休日を合わせる
最初の一週目は曜日が固定されているが、二週目以降は好きな曜日を週に一度休みに設定できる。
お目当てのヒロインと同じ曜日に休みを設定しなければ、攻略は不可能である。
しかし主人公の休日は週に一度にも関わらず、ヒロインの休日は週に二度あるのだ。
どちらの休日に合わせればいいのかはノーヒントである。ここでもまた総当りせざるを得ない。
8人中7人は、毎週同じ曜日でしかイベントが発生しないのが救いではある。

・強制会話での選択肢
会話中の選択肢によって展開が変わる場合がある。
変わると言っても、1〜3メッセージ程度の変更や、不評の上昇。後はバッドエンド分岐ぐらいしかない。
基本的に会話の内容で展開が予想出来る。失敗したと思ってもロードし直せば良い。


強制会話での選択肢以外は、ヒントもないため基本的に総当りである。
ただの総当りの作業なので面白みは全くない。不要であり、邪魔である。
パラメータ調整と言うSLGパートが無ければ、総当りをする必要は無い。
無駄な総当りが無ければ、無意味なパラメータ調整にストレスが溜まる事も無かったであろう。
SLGと言う無駄なゲーム性があるので、ADV部分が色あせてしまうのである。
重ねて言うがSLGパートは不要であり、邪魔である。



■.6 シナリオ
シナリオ内容が単純につまらない。
ヒロインの名前と共に大雑把に説明していこう。

・ゆな
主人公の幼馴染
他キャラのルートでゆなルートの存在を完全否定されるメインヒロイン

・朱美
主人公の従姉で店長
私は頼りない店長と言うしつこい主張

・蒼空
別店舗からのヘルプで来ているアルバイト
度を超えてキモい主人公

・さゆり
男嫌いのマネージャー
酷いご都合主義的展開

・ミサ
主人公の妹……らしい
超展開

・彩花
ミサの同級生で主人公とも顔見知り
極端な描写不足

・よしみ
ボーイッシュなアルバイト
何も起こらない日常

・はるな
隠しキャラのテンプレ的な病人
手垢にまみれた展開

詳しくは別ファイルに記す。



■.7 グラフィック
基本的な人物の作画にこれといった所はない
しかし手首が折れ曲がっているとしか見えないものや、。明らかに違うキャラになっているCG。
同じ場面の筈なのに髪の毛が伸びているとしか思えないものまである。
よしみと言うキャラは特に酷く、通常の立ちCGの時点でヒラメ顔である。
よしみを作画したのはゲストなのだが、ゲストが作画したキャラはよしみ以外も軒並みヒラメである。
所謂ギャルゲーだと言うのに、キャラが可愛くないのは非情に残念である。
未確認情報で申し訳ないが、線画はヒラメ顔ではないらしい。是非とも見てみたくある。

各キャラのCG枚数は10〜16なのだが、表パッケージにも書かれている朱美のCGが最少の10枚である。
同じくパッケージに書かれているゆなは最多の16枚で、蒼空は次点の15枚である。
しかも10枚中2枚は追加CGと推測される。
その追加CGであろう2枚の内1枚は、全体の60%が背景である。
もう1枚はどうでもいい男キャラと並んで立ってるだけであり、男の方がでかい始末である。
並んで立っているだけならば、通常画面で十分であろう。
他にCGが少ないキャラでもよしみの12枚。次いではるなの13枚である。
PC版で一番不人気だったよしみ以下である。クソではないが非情に残念だと感じた。

ここまではキャラクターについて言及したが、もっとも酷いのは背景である。
プロローグで主人公はPiaキャロットの寮へ入るのだが、入った当初は荷物が無く部屋は殺風景である。
しかし何もない筈の空間に、謎の陰や何かが引っかかったようなカーテンの撓みがあるのだ。
後々荷物を部屋に運び込んだら、謎の陰やカーテンの撓みが荷物の配置と一致するのだ。
違和感はこれでは終わらない。
序盤に見る陸上トラックの夢では、トラックだと言うのに木々が見える地平線の果てにビルが見えるのだ。
一つ気になるともう止まらない。
カップルで一杯だ、出店で溢れてる。凄い人ごみだ。文章でこのように表記されていてもモブは一切居ない。
毎日見る自室は月を跨いでも捲られない月捲りカレンダーに気づき、自室の形はパースが狂っている。
そこまで来れば自室の椅子の足の長さがおかしいことにも気づくだろう。
おかしいのは自室だけだろうか? 否、ありとあらゆる背景が狂っている。
ロッカーに取っ手はなく、スプーンを巨大化させたようなおたま。
映り込まないはずの位置にあるはずのガラスの映り込み。鏡だって勿論そうだ。
お昼にサンドイッチを取り出し手に持っているのに、ランチパックにはサンドイッチの入る余地がない。
影の伸び方がどう見てもバラバラで、寮の廊下は移動マップと一致しない。
屋上の手すりは傾いていて、ああ、ボート屋がある筈の公園は寮の屋上のアップじゃないか!
間違い探しをしているようで楽しくもあるが、このような背景で良しとしたのが間違いであろう。



■.8 サウンド
まずは一番注目されるであろうボイス。
ボイスは軒並み高クオリティであり、非情に素晴らしい。
ゆなは若干声に癖があり好みの問題は出るが、演技としては文句のつけようがない。筆者お気に入りである。
朱美はこれまた筆者お気に入りの草柳順子女史である。一流女性声優と比べても遜色ない。
ボイスに関しては及第点どころか素晴らしいと言っても過言では無い。

残るサウンドはBGMとSEであるが、SEは特筆すべき点はない。
BGMも特に良いものや悪いものは無いが、一曲だけ非情に気になる曲がある。
さゆりのテーマ曲で「夢を追いかけて」と言う曲がある。
これのイントロがスピッツの「涙がキラリ☆」のサビに酷似しているのだ。
筆者に絶対音感が無いので音階は記せないが、気になったなら是非とも購入して聞いていただきたい。



■.9 システム
このゲームのコンフィグは、テキストを読むゲームとしては非情に優れている。
オートセーブやクイックセーブ。オートプレイにオートプレイ中テキストスキップ有無。
既読スキップはもちろん、既読スキップ終了時のアラームの有無まで設定できる。
文字が読みやすくなるようにテキスト表示速度、句読点ウェイト有無。文字シャドウの有無まである。
サウンドボリュームも細かく設定でき、各キャラ毎のボイスまで調整出来る。
惜しむらくはオートセーブのタイミングで、もっと細かくセーブしてくれれば楽になっただろう。

UIも素晴らしく、Lボタン+特定ボタンで色々と操作が出来る。
主に使うであろうオートモードや既読スキップ、クイックセーブにクイックロードが設定されている。
通常文字送りも左手右手どちらでもでき、利き手がどちらでも片手プレイが容易なのも素晴らしい。



■.10 まとめ
素晴らしいUIやシステムで、邪魔なだけのSLGであり、苦痛なだけのADVを楽しめるゲームである。
最早楽しい部分は背景の間違い探しぐらいであろう。ボイスも非情に素晴らしいので癒しを求めるのもいい。
なんとなくのプレイならば気付かない、気にしないプレイヤーも居るだろう。
しかし気がついてしまい、気になってしまい、考え込んでしまうと一巻の終わりである。
文章一文一文が気になり、背景で間違い探しをし、BGMは涙がキラリ☆にしか聞こえなくなる。
主人公の語尾につく汗マークに苛つき、♪に目尻がピクピク動き、ハートマークで暗黒に染まっていく。
このゲームにトロフィーは無い。実績も無い。プレイ後に残るのは自己満足のみだ。
自己満足を求めるならば、このゲームは選ばないほうが賢明である。

選評その1(朱美ルート編)

■.朱美
主人公のお姉さん的存在の従姉。パッケージ表に居るヒロイン2番手。
舞台となるPiaキャロット7号店では店長をしている。
主人公のことは「たいちゃん」と呼ぶ。
主人公と二人きりの時は自分のことを「お姉さん」と呼び、姉弟アピールをしてくる。
他ルートでは下世話なネタや、男女間の関係についても妙に鋭い。
しかし朱美ルートではやたら鈍いのも特徴である。

物覚えがいい、それなりの偏差値の短大出身だ。
このようなアピールをしてくる。しかし8/4にはPCの電源の入れ方すら解らずあたふたする。
ちなみにキーボードを「O」「N」とタイプして電源を入れようとしていた。
普段使っている職場のPCの電源は、いつもさゆりが入れてるらしいので、百歩譲ってこれは良しとしよう。
しかし普段からPCを使っていると言うのに「ほうこくしょ」とタイプし、Enterキーを押して漢字にならないと喚く。
朱美の物覚えが良いアピールは、ただのフリだったのだろうか。

朱美は店長だと言うのに、実務のかなりの部分をさゆりに頼りきっている。
PC操作等の電子モノにはじまり、在庫の注文、挨拶の言葉、目玉となるフェアの企画等様々である。
トップの仕事は決断するものだと言う論もあるので、業務内容については目を瞑ろう。
仕事内容をさゆりに頼りきっている自覚があるのであろう。
朱美ルートでは二言目に「頼りない店長だと思ってるんでしょう」と言ってくる。
何度も何度も言ってくるので非常にうざったい。
それこそ日常会話やちょっと主人公が考え込んだ時、果てはいい雰囲気のシーンまで四六時中アピールしてくるのだ。

8/6
8/15から始まるフェアの案をまだ決めていなかった。
そのような発言をした直後に、暗くなるまで主人公とプールで遊んでいた。
時間が無いのに遊びに行くと言う展開自体はクソではない。
しかしこのような展開なので、フェアの準備は当然間に合わない。
それをさも深刻そうに語るのだが、遊んでいると言う事実があるので全く深刻に感じられないのはクソである。
ちなみにフェアで出す料理は8/6の夜に没になったようだ。
材料費の確認を怠ったと突然さゆりがすまなさそうに伝えてきたのだ。
ちなみにフェアの料理の材料費で高かったのは牛肉である。
花火に合わせたフェアで牛肉料理がメイン。
花火と牛肉が筆者にはどうも繋がらないが、あっと驚く料理だったのであろう。
これを主人公はたまたま聞いてしまった。
8/7
主人公の足に激痛が走る。普段は正常だが時折痛みが走るとは主人公の弁。
他ルートではそんなことは一切無く、このルートでも医者からは完治していると告げられている。
ルートによって主人公の元設定がコロコロ変わるのはクソではないだろうか。
変わるゲームもあるだろうが、このゲームはその様な世界観ではない。
8/9
週に一度のミーティングで、フェアの準備が間に合わなかったと朱美が発表。
この店は旅行客がメインの客だと言った口で、8月一杯有効の割引券を配ると言う案を出した。
それに対し主人公は悪くないとのたまう。
一見でしかなかろう旅行客に、リピート前提の割引券の配布は効果が薄いと言うのは筆者でも考えつく。
意味の解らないフェアにプレイヤーは頭を悩ませる事だろう。
朱美は材料費の事は隠し、味に満足が行かなかった。だからフェアは変わったとみんなに伝える。
そこで主人公が口に出さずこう思うのだ。

 問題は、お客さんのことを考えたコストのことだったんでしょう??
 少しくらい高くても、美味しければお客さんは喜んでくれると思う。
 それに、ここは観光地だ……
 旅行気分で多少財布のヒモがゆるむわけだし、目を潰れることだったんじゃないかな……

この文章に関してはクソではない。
しかし「もっと早く言えよ」と筆者が憎々しく突っ込んでしまったのには目を瞑っていただきたい。
8/11
朱美の部屋を訪ね、落ち込んでた朱美と会話し、飲んでた朱美が酔いを醒ましたいとシャワーを浴び、シャワー後に主人公と朱美の顔が近づいて謎の暗転。
暗転前に雰囲気自体は男女のものになるが、キスシーンやお互いに好きだ、愛してる等と伝える場面はない。
暗転後同じベッドで寝たことが翌日に察せられ、完全に恋人の会話になっていた。
プレイヤーは完全に置いてけぼりである。
8/14
朝に朱美と主人公が一緒に仕事に行こうと会話をする。
そこで初となる見所の無いキスシーン。CGは目を瞑ってるだけで、キスしてるシーンには見えない。
しかしその後主人公は一人で職場へ行ったようだ。朱美も店で時間通りねと出迎えてくれた。
8/7に主人公が足を痛めた際に、朱美は主人公に無理をさせないと発言をしていた。
しかし8/15の特別な忙しいシフトをお願いと朱美が伝えてくる。
他のメンバーは通常に近いシフトなのに、無理をさせたくない主人公には忙しいシフトを組んできたのだ。


8/15
フェア開始。
朱美の身の上話を聞かされる。
特に面白くは無いので割愛する。
8/16
フェア初日は過去最高の売上だとはしゃぐ朱美。
8/17
客の数は同じぐらいだが、売上が落ちてきたと朱美。
フェアは月末までなので17日間ある。
17日もあるというのに、フェア初日の売上を維持するのは不可能であろう。
8/18
朱美は売上減少を気にしている。
8/21
売上を気にしているフェアの最中だと言うのに、研修という名目の慰安旅行へ出発する。
夏を舞台としているのに海へ行かないのは、ギャルゲーとして寂しいので目を瞑ろう。
朱美はオーナーにフェアも好調だし、これからも店をよろしくと言われたようだ。
だと言うのにちゃんとやれてるかな等と主人公に問い詰めてくる。

8/23
今日も売上が落ちていると朱美が気にしている。
売上の管理もしているさゆりが誤差の範囲内だと言うが、不安がる朱美。
8/15には過去最高の売上を記録したとはしゃいでいたのに、フェアは失敗だと言う朱美。
夜に事務所を尋ねると店を潰してしまうと泣きだしてしまった。
主人公は仕事中にめまいを起こす。
しかし週一のミーティング中に、そろそろバイトも終わりだから休み無しでいいと言い出した。

8/24
この日の主人公はソファに座ってるだけでめまいを起こし、体調不良だと言う自覚も持っていた。
しかし主人公は、朱美の為にとさゆりに早出と残業を進言した。さゆりは渋々了承する。

8/25
主人公の早出開始。もちろん目眩を起こし、ついに主人公は倒れてしまう。
目覚めるとオーナーが看病してくれていた。
オーナーは売上の責任を感じた朱美から辞表を受け取ったらしい。
オーナー曰く、売上は店長交代するほど落ちてはいないらしい。

8/26
朱美が店長職に重圧を感じ辞めたいと言う。
将来経済学を勉強してサポートすると主人公が答える。
主人公に元気づけられ、将来設計まで示され号泣する朱美。
その後にオーナーが朱美の辞令を明日発表すると主人公に伝えに来る。

8/27
店を辞めたくないと心変わりした朱美。
オーナーは朱美を店長代理に任命し、店長はオーナーが兼任し経営面でサポートする事になった。

8/28
主人公が家に帰る日である。
朱美にプロポーズして終了。

後日談
店の近くの大学に合格し、朱美の元に戻ると何故か朱美が妊娠していた

選評その1(よしみルート編)

■.よしみ
Piaキャロットでバイトしてるボーイッシュなヒロイン。
アリスと言う母親と一緒にバイトしており、かなりの部分でアリスがシナリオに関わっている。
よしみとアリスはヒラメ顔であり、PC版の公式投票でも最下位とブービーである。
格闘ゲームを趣味としており、腕前はかなりのもので地元では負け無しのレベル。
主人公はプロローグ中に立ち寄ったゲーセンで、よしみと格闘ゲームでいい勝負をした。
余談だが主人公はコマンド制度が高く画面をきっちり見ている。よしみは確反や小足確認をきっちりするレベル。
それをきっかけに主人公と友達のような関係になり、お互いの家でゲームをするような関係になった。
アリスは未亡人なのだが、主人公を初めて見た際に旦那に似ていると一目惚れした。
主人公をダーリンと呼び抱きつく、色仕掛けを行う等と主人公に好意を寄せてくる。
アリスはオーナーも旦那と似ているといい、オーナーにもメロメロのようだ。
主人公にベタベタするアリスに、よしみは恥ずかしいからやめろと止めるのがいつものパターン。



8/4
この日は休日である。
主人公が部屋に居たらアリスが訪ねてきた。水着で誘われるが良い所でよしみに止められる。
よしみに外に連れだされ一日遊ぶ。
帰り際にデートみたいだと主人公が言うのだが、よしみは大うけで冗談はやめろと発言。
男女の仲は感じられない。

8/5
朝に何故かトゥモローランドでよしみが大食い大会に参加していた。
60分で大盛りラーメン38杯を食してよしみが優勝した。
大盛りラーメンは400gと仮定した場合、400*38=15200となり15kg相当となる。
フードファイターならなんとかなるレベルなのかも知れないが、フィクションなのでここはスルー。
優勝賞金でお酒の美味しい焼肉屋で今からパーティーをしましょう。
よしみと一緒に居たアリスが主人公にそう提案をする。
見ているだけで満足した主人公は、もう食べ物を見たくないと辞退した。
じゃあまた一緒に食事をしましょうと去っていくよしみとアリス。
それをみながら主人公がポツリと一言。

 ……あっ、そういや俺、まだ飯食ってないな。
 帰りにパンでも買って帰ろ。

何故主人公は食べ物を見たくないと言った直後に、食事の事を考えたのだろうか。
頭を悩ませるプレイヤーがメッセージを送ったら、何事も無く仕事が始まる。
朝(?)の大食い大会で優勝し、焼肉屋に行ったはずの二人も何事も無く仕事をしていた。
夜にはよしみと主人公は楽しそうにゲームしていた。特に大食いの話は無い。

8/8
朝に休みのよしみが発売されたゲームを買ったその足で、主人公の部屋に対戦をしに来た。
主人公は俺も休みならそうしたかったと出迎え、一時間程対戦する。
つまり休みなら発売されたゲームを買ってよしみの家に対戦しに行こうと思ったのだろうか。
十分出来ると思うのだが、主人公は一体何を言っているのだろうか。不明である。
主人公がトイレで離席してる際に、よしみが主人公秘蔵の水着アイドル画像を見ていた。
これをきっかけに主人公は、よしみに対しての女性を意識するようになったようだ。

8/9
帰宅パートでアリスを選択する。
店の前でアリスと帰宅しましょうと会話し、商店街でまたねと別れ、イベントが終わると店内に戻っていた。

8/10
アリスがよしみの部屋を覗いたと主人公に報告。主人公の名前を言っていたようだ。
それもこれも主人公のお陰だとアリスが言って会話が終了。
要約すると、
部屋を覗いたらよしみが主人公の名前を言っていた。それは主人公のお陰だ。
全く意味がわからない会話だった。

8/11
休日である。
主人公はよしみの家に遊びに行き、よしみはゲーセン以外に行こうと提案。
どうやらお互いに男女を意識しているようだ。
遊園地に行き、プールに行き、最後に食事して終了。

8/13
よしみと帰宅し、よしみとゲーセンへ行き、自宅に戻り、よしみからメールが来て、公園へ呼び出される。
主人公は告白かと期待するが、よしみはアリスの事をどう思ってるのか聞いてきただけだった。
自分では釣り合わないと主人公が否定した。

8/15
主人公・よしみ・アリスで夜に花火を寮の屋上で見る。
花火が終わり、主人公の部屋に行くからアリスは先に帰れとよしみ。
主人公の部屋でそれなりにしっとりした会話をした後に、キスシーンがあり押し倒そうとする主人公。
デートぐらいしてからがいいとよしみがいうので、8/18にデートの約束をしてよしみを家に送っていった。

8/18
デート。とりあえずで行ったボート屋は屋上の背景の使い回しである。
色々行って最後に主人公の部屋へ。
18禁的な展開を期待させつつ、二人はゲームしてよしみは家に帰ったようだ。

8/19
主人公の上半身裸の姿をみて昨日のことを思い出したとよしみ。
上半身裸を連想させるイベントはない。

8/21
旅行夜に主人公とよしみとアリスが部屋で語らう。
アリスは部屋を出て失恋したと涙する。
そこで暗転して朝に。二人きりになってからの会話は一切無い。

8/23
よしみのもうエッチもしちゃったと言う発言がある。いつしたのかは不明。
帰宅時にミサと彩花に二人の仲を問い詰められる。店外に逃げる二人。
それから店に戻ってミーティングをする。

8/25
朝に喧嘩してアリスが仲裁して、何故か主人公とよしみが一緒にお風呂に入って仲直りしたようだ。
風呂の中の描写はない。
夜によしみの部屋でゲームをしていたら、アリスが二人で風呂に入れと提案。
馬鹿なことを言うなとよしみが怒った。朝に入った事実はどこに言ったのだろうか。

8/27
翌日には主人公が居なくなる日だ。
仕事中によしみがまた連絡してねと言うような会話がある。
夜の会話は無し。

8/28
駅のホームで見送るよしみとアリス。大学はこっちにするから下宿させてくれと主人公の提案。
アリスは快諾した。

後日談。
ここでのよしみの髪型は全く安定しない。
主人公は大学に合格し現在一年目である。よしみとアリスと一緒に暮らしているようだ。
アリス曰く毎晩励んでいるらしい。
リビングで三人で会話中に、よしみが子供が出来たかも知れないと発言する。
その一報を聞き、主人公は「やったぁあああっ!!」
よしみとアリスもうれしそうな雰囲気で終了。

選評その1(さゆりルート編)

■.さゆり
Piaキャロットのアルバイトであり、マネージャーである。
通常業務に加え、事務、経理、鍵の管理、店の日報、人事権、およそ店長の権力と思われるものを全て持っている。
物品の受注や発注は全て賄っているらしい。
仕事に関しても完璧で、ミスらしいミスどころからかなりのやり手である。
このルートでさゆりは男嫌いだと明かされる。しかし他ルートでは男嫌いの要素は微塵も見えない。
演劇が好きで何度もオーディションを受けているようだ。
何故かコスプレもこなしていて、コスプレクイーンの異名も持つ。
文句をつける気は無いが、声はどう聞いても優しいお姉さんである。
テーマ曲のイントロがスピッツの涙がキラリ☆に酷似している。


7/28
主人公がさゆりの部屋の前をふらふらしていた。
それを見たさゆりは夜も遅いから帰れ、明日からよろしくと言い残し部屋に帰る。
それを受けた主人公はお局様と言い出した。

7/29
朝には主人公がさゆりの部屋の前へ。
それを見たさゆりは、寮は女性が多いから必要以上にウロウロするなと釘を刺す。
さゆりが去り際に声をかける主人公。用事はあるのかとさゆり。
特に用はないと主人公が言うと、用がないなら付き合っているヒマは無いとさゆりが答える。
それを受けた主人公は妙にツンケンしていたと評価した。
仕事中に朱美が軽く失敗するが、さゆりが見事にフォローする。
謝る朱美に、怪我はないかと問いつつ優しく注意するさゆり。
朱美曰く、さゆりは他スタッフにお姉さんと慕われているようだ。
極々一部の会話で、よしみがさゆり姉さんと呼んでる所を数回見たが、それぐらいである。
特に意地悪することは無いが、男の人と接するのが苦手だ。
しかし偏見だけで人に当たる子じゃないから安心してねと朱美が主人公に伝える。
それを聞いた主人公は、

 男嫌いのさゆりさん……か。

このように感じたようだ。朱美の話をどのように解釈したのか不明である。
帰宅時に主人公がさゆりを誘う。断るさゆり。
えげつない壁を感じると主人公。

7/30
主人公が、さゆりは男の人と話したがらないと評しながらもさゆりの部屋へ行く。
さゆりがどこかへ行くと言うと、どこへ行くのかと主人公が聞く。
あなたには関係無いとさゆりが言うと、取り付く島もないと主人公。
帰宅時に主人公がさゆりに帰ろうと誘おうとしたが、また明日ねと遮られる。
空気的な扱いだとたじろぐ主人公。
夜にはもちろんさゆりの部屋へ行き、さゆりに主人公は何をしてるのかと問われる。
主人公は誤魔化して逆にどこへ行くのかと聞き返すが、用事があるからとさゆりは去っていく。

7/31
朝にはさゆりの部屋を訪ね、仕事の質問だと主人公が発言。なんだろうと本気で心配するさゆり。
すいません聞くことはないですと謝る主人公。呆れるさゆり。
さゆりと話がしたかったんだと主人公が言う。
それに対し、さゆりは男はいつもそうだ。残念だが仕事以外で親しくする気は無いとさゆりが去る。
分厚い壁を感じる。そこまで男が嫌いかと主人公。
夜にも勿論部屋を尋ねる。
主 男嫌いと聞いた。
さ だったらどうだ。
主 理由はなんだ。
さ 関係ない。
主 折角同じ職場なんだから、仲良く仕事できたほうが、楽しいと思いますよ。
さ 心配してくれなくても楽しく仕事が出来ている。
主 不満でも持ってるのか。
さ 男の人は粗野でデリカシーがないのよね。
これに対しうぐっ(汗)あぅ…(涙)となる主人公。

この後も毎朝毎晩の様に主人公は攻勢をかけるが、ある程度は割愛する。

8/3
さゆりの部屋のチャイムをならしてもさゆりが出てこないので扉を開ける主人公。さゆりは着替え中だった。
謝る主人公に、偶然なら仕方ないとと許すさゆり。
主人公は取り繕うために仕事の話を聞く。懇切丁寧に説明してくれるさゆり。
着替えを思い出して話を聞いてない主人公。上の空だとさゆりに言われ、着替えを思い出してしまったと主人公。
もう水に流していると言い、またもや懇切丁寧に説明してくれるさゆり。
話を聞いた後に主人公が、

 そうだな、朝飯もまだだし、お誘いして親睦を深めるのもいいかも♪

食事に誘い断られ部屋から出る主人公。やはり男嫌いは筋金入りかと評し朝のイベントは終わり。

8/4
仕事前に陸上部が走っていたので、それを見ていた主人公。偶然さゆりが現れる。
アキレス腱の事は知っている。気持ちは分かるが無理はするなと言ってくれるさゆり。
陸上のことは聞かれたくないのかスルーする主人公。

8/6
さゆりが演劇をしていることが判明する。
帰宅時にさゆりに倉庫整理を頼まれる。今からかと嫌そうな主人公。
ちなみに今までの帰宅パートでは、何度も何度も帰宅時にさゆりの仕事を手伝いたいと願い出ていた。

8/9
帰宅時に急いでるからと言ってさゆりが帰る。その後にミーティングが始まった。

8/10
遊園地でさゆりのコスプレイベントというかヒーローショーを偶然見かけた。春雅も居た。
言い訳じみた理由をつけて、折角の遊園地だから見回ろうと主人公。渋々さゆりが承諾。
見回りながら演劇を始めた理由を話すさゆり。主人公の陸上の事を聞くがスルーする主人公。

8/12
朝に業者に頼んでいた皿が寮に来て困ってるさゆり。じゃあ手伝いますと店に皿を持っていく主人公。
10箱のダンボールがある。結構大変そうだと二人。
店の倉庫に場面が切り替わり、無事運び終わったが、汗をかいて気持ち悪いと二人。
主人公「お? ちょうど水道あるし、水浴びでもしていこうかな♪」
さゆりがえ? と言う間もなく
主人公「ぶわっ、冷てぇ〜〜! でも、気持ちいい〜〜♪」
呆けてるさゆり。
主人公「さゆりさんもどうです? 冷たくて気持ちいいですよ♪」
遠慮するさゆり。
主人公「大丈夫ですよ。今日は暑いし、すぐ乾きますから♪」
寮に戻ってシャワーを浴びるとさゆり。
主人公「そ、そうですか(汗)」

仕事中に荷物が事務所の棚に積み重なってるのを発見した主人公。
そこで彩花の叫び声が聞こえた。どうやら外の湖で子供が溺れているらしい。それをさゆりが見ているようだ。
主人公は外に出て、真っ白な画面の中で女の子はどこだと外のさゆりに聞いた。
あそこに居るとさゆりが指さした先を見るが、ここからじゃよく分からないと主人公が発言する。
しかし今見てるのはどうみても5,6歳の女の子だとも断言する主人公。
主人公が必死で泳いで助けに行くが、凄く遠いようだ。
ようやく近づき助けてと言う悲鳴がはっきり聞こえてきた。頑張れと主人公も声をかける。
結構余裕がありそうな雰囲気の中なんとか助かる女の子。
湖から上がり、夏といっても湖は冷たかった。悪寒を感じると主人公。
水が冷たかったから寒くてしょうがないよとも発言する。
それをみてさゆりはこれが男の人と呆けるが、着替えてこいと取り繕うさゆり。
主人公は事務所に戻ったが、酷い言い様をしてしまったとさゆりが後悔した。
その後さゆりが事務所にタオルを持っていくのだが、主人公は着替え中で素っ裸だ。
いやっとさゆりが飛び退いたが、そこには積み重なった荷物があった。
主人公がかばい、頭や背中から血を流しながらも平気だと強がる。
それをみてさゆりはぼーっとした感じになる。
手当をして貰い主人公は体の状態をチェックする。

 包帯を巻かれた腕をグルグル回してみるが、多少ズキリとするだけで、大した痛みもない。

ここからさゆりが主人公に惚れた感じになる。

8/14
夜に何故かさゆりが主人公の部屋を訪ねてくる。台本の読み合わせをしてほしいようだ。
さゆりの去り際に主人公が花火大会に誘い、読み合わせのお礼に付き合うとさゆりが承諾した。
仕事が終わったら呼びに来てくれとさゆり。

8/15
朝にさゆりと花火大会の話。
主人公は仕事が終わってから待ち合わせはどうかと提案する。
帰宅時に花火大会の話。
仕事が終わったら呼びに来てねとさゆり。
仕事が終わった後に玄関ホールで待っている主人公。
少し遅れた。部屋で待っていてくれてよかったとさゆり。
出店も花火会場もものすごく混んでいるようだ。CGに出店やモブは居ない。
混んでいるからと穴場のスポットに行く二人。穴場には誰も居なかった。
花火が始まり舞台の話をするさゆり。好きなんですねと主人公。
主人公も陸上があるだろうとさゆりが言う。陸上はやめたと主人公。
好きなら結果は関係ない。どうしたいかの気持ちが大切だと諭すさゆり。
お互いが自分の気持ちを信じて頑張ろうとさゆりが言いながら、二人で指切りをする。
主人公も夢に向かって頑張ろうと返す。

8/16
さゆりがミサに抱きついていた事実が判明する。主人公は知っていたようだ。
さゆりが皿を割る珍しい失敗をした。朱美がさゆりを連れて行って話をした。
帰宅時や夜にも朱美にさゆりは絡まれていた。

8/17
何故か朱美に休みを取らされプールのチケットを渡されさゆりも休みだと言われた主人公。
さゆりと二人でプールに行く。一部ルートと違いやたら主人公は積極的だ。
昼飯もあーんとかして二人はやたらいい雰囲気だ。
夕暮れ時の公園へ移動し、男は嫌いだったが、主人公は好きだとさゆりが告白。

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問題はこの後のシーンである。
以下さゆりが告白した直後の主人公のセリフである。
一文字下がっているのは地の文であり、他部分は主人公が声に出している。
9のみさゆりのセリフである。
わかりやすいように文章の頭に数字を打つことにする。

1 ずっと、気になっていたんです……
2 でも、その気持ちは憧れて、決して交わるものじゃないって……そう、決めつけてたんです。
3 さゆりさんは何だってできるし、目標だってしっかりしてるし……
4 俺ができることなんて、さゆりさんには必要のないことですから……
5 ……だから、この気持ちは憧れなんだって、そう決めつけてました。
6 けど、さゆりさんと話して……さゆりさんの近くにいて、俺、やっと気づくことができました。
7 さゆりさんはすごいから、何でもできるんだ……
8 そんな憧れっていう気持ちで誤魔化して、本当は俺自身が逃げていただけなんだってことに。
9 さゆり「陸上の……こと?」
10 ええ。けど、それだけじゃありません。
11 さゆりさんが何でもできるのは、さゆりさんが努力してきたからです。
12 けど、俺はそんなところを見ようともしなった。
13 そんな俺に、さゆりさんの隣に並ぶ資格なんてありません。
14 でも、さゆりさんに教えられて、俺、はっきり思いました。
15 俺も、さゆりさんと並んで歩けるようになりたいって。
16 今の俺じゃ、まだまださゆりさんの隣を歩く資格はありません……
17 ……けど、今だけ言わせてください。

18  騙していた気持ち……
19  気がついた気持ち……
20  まるで、そんなシナリオが用意されていたかのように、言葉が口をつく。
21  まっすぐにさゆりさんの目を見つめると、ゆっくりと想いを吐き出した。

22 さゆりさんが、好きです。
23 今はまだまだですけど、いつかさゆりさんに見合うようになった時は、隣を歩かせてください。

ここまでが該当するシーンである。
ちなみに12の部分は原文ママである。
この文章は正直に言うが意味が解らない。しかし解らないと描写しただけでは何が解らないのか不明なので解説をしよう。

23なのだが、さゆりの隣を歩いていない理由として夢への姿勢みたいなものがあるんだろう。
完璧なさゆりだが、最初から完璧なわけではなく11の努力をすると言う姿勢。
夢以外の部分で努力をしているシーンは見当たらない。

2-5で主人公がこの気持ちは憧れとごまかしたと言った。
しかし憧れてると名言するシーンなんてあったか? 記憶にない。
7のように凄い、完璧だ、なんでも出来るみたいな事は何度も何度も言っている。
何故今更憧れと言う言葉を持ってきたのか。取ってつけたようにしか見えない。

8で俺は逃げていたと主人公。ただし逃げていたのは9-10にあるように陸上も含まれるがそれだけじゃない。
11でさゆりの努力をみようともしなかったからだと言うが、どこだろうか。普段の仕事の話なのか?
仕事から主人公は逃げていない。そんな素振りもない。だから陸上の事じゃないのか?
陸上の事は逃げてはいるが、話の比重としては本当に少ない。
普段の会話ではまず出ない。イベントですらちょろっと出てくるだけだ。
なのでこれもとってつけた感がこれまた酷い。

12ではどこを見ようともしなかったんだろうか? 演劇に関しては練習にも付き合ってるし見てないわけないだろう。
見るんじゃなく視るんだとはジョジョ4章であったが、外面だけ見てたということだろうか。
台本の読み合わせをして、恋愛シーンがうまくいかない事を相談され、それに対して真剣に考えて回答もしている。
それだけのシーンだが、考えてないと言うのか? 言わないだろう。
16でいつか見合うようになったら隣を歩きたいと言うが、見合うとは何がだろうか。
仕事か? 夢か? 見た目か?
そして23のセリフに繋がるのだが、要点を纏めよう。

・さゆりが努力している所を見なかった。
・だから隣に並ぶ資格はない。
・しかし並んで歩けるようになりたい。
・今はまだその資格が無い。
・見合うようになったら隣を歩く。

つまり、
努力している所を見なかったから、今はさゆりに見合わない。
ということになる。
取ってつけたような理由に、取ってつけたような言葉ではないだろうか。
雰囲気だけはしっとりしているが、全くの意味不明なクソ告白シーンである。

この解釈はおかしいかも知れない。
意味不明な物を無理やり解釈しているので了承していただきたい。

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手を繋いで寮に帰った。
夜は色々有り会話が出来ないまま翌日へ。

8/20
付き合っていることが店員にバレ、付随する会話で近々さゆりの受けるオーディションがあることが判明する。
別のシーンでは主人公が朱美とさゆりの会話を盗み聞きする。
オーディションに合格したらさゆりは仕事をやめる。そのような内容だ。
ここからさゆりは常に悲しそうな感じになり、やめてしまう雰囲気になる。
夜にさゆりの部屋で台本の読み合わせをする。
合格したら会える時間が無くなると涙を浮かべるさゆり。
夢に向かって頑張ってるさゆりが凄い。だから俺も走ろうと思った。夢を支えたいと主人公が説得する。
説得されて立ち直るさゆり。そして稽古の続きと称したキスシーンになる。
初のキスシーンで何度もついばむ感じのキスをする。
このシーンはもっとお互いを求め合ってるんじゃないかなと主人公。

さゆり「んんっ……ふっ……む……んん……ふぅ……」
さゆり「ふんん……む……んむぅ……ちゅ………」
さゆり「はむぅ……ん……ちゅっ……ふむぅ……ちゅぷ……」
さゆり「ちゅっ……んふぅ……んんん……ちゅ……ん、ん………」

トサリと言う擬音の後に、謎の暗転を挟んで朝になってピロートークをして翌日へ。

8/21
ピロートークをして即研修旅行である。
寮ではやはりオーディションを合格する前提で会話している。
オーディションが始まる。それは店との別れを意味している等と主人公が言う始末である。
さゆりがやめたら代わりに働くと主人公が決意をする。

 今、俺たちには、大きな目標があり、夢がある。
 その夢に向かって頑張ろうって、お互いに約束したんだ。
 でもその夢に辿り着けたなら……
 今度は、そんな夢を叶えたい。
 さゆりさんと一緒に。

この部分もよくよく考えると「そんな夢」の意味が解らない。
特に将来の約束や、夢を叶えた後の話はしていないのでなおさらである。

8/23
仕事中に倉庫で手伝って欲しいと主人公がさゆりに伝え倉庫に向かう。
倉庫を一瞥し綺麗じゃないかとさゆりが疑問に思う。主人公は昨日必死で片付けたらしい。
前日の8/22は旅行終了後で店は休みである。休みなので鍵を持ってない主人公は出入り不可であるが目を瞑ろう。
倉庫に何故か朱美が迎えに来て、ホールへ行くとクラッカーの音がなる。
口々に「おめでとう」「それは違う」「ちょちょいで合格」「プレッシャーをかけるな」等と言う。
明日にオーディションがあるので応援会らしい。休みのゆなも参加していた。
寄せ書き的なものをさゆりに渡すと、さゆりは頑張ると感激する。
そして応援会が始まりお祝いが始まったらしい。
その直後にミーティング開始。
夜に眠れない主人公が屋上へ行くとさゆりが居た。
これで練習も最後かと合格前提の会話である。
キスのCGが挿入され少し会話をする。
主人公はまた走り出せる確信があると夢に向かって前向きな発言をする。走るシーンはない。
その後にお互いを唇を重ねるが、既にキスシーンだった。

8/24
オーディションが終わったらしいさゆりから店に電話が来る。明るい声だった。合格かどうかは不明である。
夜に会話無し。

8/27
バイト最終日だが特にここまで長文会話イベントも無く終了。

8/28
他ルートでは該当ヒロイン+αと行った感じなのだが、このルートだと全員が見送りに来る。
会話中に主人公がさゆりに合格おめでとうと伝える。合格していたと言う事実はここで初めて判明した。
綺麗に締めてEDテーマが流れだす。後日談は無いが問題ないだろう。

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