2012年 次点

概要

名称シェルノサージュhttp://www.amazon.co.jp/gp/product/B00740Q8U0 [外部リンク]
ジャンルETC
対応機種PSVita
発売元ガスト(コーエー・テクモゲームス)
開発元ガスト
発売日2012年4月26日
価格通常版 5,040 円(DL版4200円)
限定版7,140円
限定版特典ジェノミライ最重要機密書類一式
イオンの音声記録ディスク
次元転換シール(PlayStationVitaに貼ることもできるデコレーションシール)
対象年齢CERO:C(15才以上対象)

要点

選評

選評案その2(第二話・1.06対応バージョン)

本作はアトリエを手がけるガストが送るリアルタイム・ライフ・シュミレーション。
SCEが大々的に宣伝をし、ガストの親会社となったコーエーもシブサワコウを呼ぶなど広告展開にも本気を思わせる期待の大作
それが「シェルノサージュ〜失われた星へ捧ぐ詩〜」。
ハードの普及台数やジャンル的には売れにくいオンラインゲームとしては初動3万本売るなど好調な出だしとなった。

だが、このゲームおかしいところがいくつかある。
ゲーム内のカレンダーには「21日」が無かったり、デフォルトのイオンの生活リズムが変だったり、
パケ裏の説明にリアルタイム・ライフ・「シュミ」レーション、SFを「サイエンス・フィジカル」と言ったり、
ヒマワリやチューリップなどが明らかリに別の花(しかもグラフィックは名前が違うだけの色違いだけという)だったり、
バーコードの仕様も理解していないなど開発者の無知ぶりを見受けられる。
さらに、定期的にデートスポットや新会話モーション追加のTALKパックが無料で配信されるということなのだが、
なぜか新モーションはお手洗い(入浴の使いまわし)が追加され、御手洗い中にトントンすると一緒に入る?という台詞が用意されているという開発者の基地外じみた迷走っぷりも感じられる。
また、二章以降(正確には三章以降)は有料DLCとはパッケージのどこにも書かれていない。
なんら情報を仕入れることなく店頭で一目ぼれ買いなどしてしまった折にはストーリー完結までDLC購入が必須という仕様に驚かされることだろう。

本作は天文の皇女イオンとのコミュニケーションを通し、また、シャールという妖精を用いて記憶の修復を行い
彼女の失われた記憶を取り戻していくというのがメイン内容となっている。
配信のメインシナリオは基本的に有料DLCとして順次公開されていく。
本作のパッケージだけでは一般的なゲームでいわゆる序章と呼ばれる類の長さで、クリアすること自体は早くて1〜2日で終わってしまう。
その内訳も大半は修復を支持して放置する待ち時間、テキスト部分は音声を全て聞いても2時間程度で言い換えればスマフォアプリレベルと思われる。
その一章だけのボリュームでありながら、フルプライス価格という鬼畜っぷりなのである。
さらにそれに輪をかけたようにコミュニケーション本編の部分でも残念な仕様が多く見受けられている。
基本、画面をトントンしたりお願い事をしながらイオンとの交流を深めていくというシステム。
しかしイオンにおさわり出来るが、身体各部位に反応が数個あるだけで即飽きるうえ、実は全くやらなくてデートやイベントは問題なく起きる。
通常会話にも言える事だがゲーム的な意味はほとんど無い。シャール育成にのみ関係する。
またおさわり出来るのは、ダブルタップし続けて会話ネタが切れた状態。
デートに至っては事前に予約するか、思い出アイテムを使用していくのだが、もったいぶっている割にはデート自体はゆっくりやっても2、3分で終わり、
さらにこれからイベントか!?と思ったところで終わるというぶつ切り感が糞さをかもし出している。
イオン「これから○○しよう」→次の瞬間部屋に戻っており、イオン「楽しかったね」というイオンちゃん自己完結の展開が多々、目に付く。
グラフィック部分でも荒く、髪や服が椅子や机を余裕で貫通したりしているところが目に付く。
イオンというキャラクターがメインのはずなのにキャラモデルは一昔のポリレベル。
背景は光源処理もされていないためイオン自身やその周りに行動によって光が差すことも影が落ちることも無い。
その上、背景が絵であることもありイオンと背景の明るさが違いアンバランスな空間をかもしだしてしまっている。
イオンのモーションも色々と酷い。

冷蔵庫から飲み物を出して飲むときは何も持ってない、不機嫌になるとスーッとゾンビ歩き、
料理の種類はそこそこあるのに食事のモデルは数種類しかない為食っている物が実際と全く異なる。
添い寝で枕を貫通する腕、デフォルトで実質2着の衣装のうち1着はいまだにスカートから足が突き出っ放し
パッチ配信で改善された後の状態でこれであって、
1.00〜1.02では空中浮遊、工作が終わっても机から道具が消えない、空中にありえないものが登場する、髪の毛が固まって刺さっている、
ベッドや机に張り付くイオン、冷蔵庫で眠るイオン、永遠に冷蔵庫開け閉めする、壁に話しかけるなどが「常態として」存在、プレイ不能のトリガーだった。
1.03〜1.04で頻度は大きく減りプレイ不能ではなく一過性の物に落ち着いたものの、
1.05〜1.06では壁埋まりの報告が多く初期程では無いがぶり返した。追記者も姿が見えない訪問者に遭遇している。

※1.03では安定性の為か食事や本等のオブジェが中空から現れ消える様になった。
トントンするといちいちオブジェクトが消えてからイオンの台詞が始まる。
1.04でも安定の為か、昼寝→読書→ぼーっ等の机作業移行時、いちいち座っていた椅子から立ちあがり座り直す様に不自然化。

今度は仕様についてであるが、このゲームはイオンとのコミュニケーション以外はオンラインに繋いで情報を送受信することが頻繁にある。
設定を変えるのにも、シャールウイッシュ(妖精からの指令)を確認するのにもオンラインへと接続される。
シャールウィッシュを達成しても接続をすぐに任意で行わないと無かった事になり易い。
無駄に頻繁にオンライン接続を要求される仕様のためテンポを著しく崩している。

オンライン要素でプレイヤーはシャールを雇い修復作業を行ってくことになる。
簡単に言えばソーシャルゲームになっているのだが、これが迷走を繰り返していた。
オンライン要素でプレイヤーはシャールを雇い修復作業を行ってくことになるが
シャールはバーコードから読み取りポイントを消費して召喚し契約をするという手順となっている。
シャールを生成するバーコードは上5桁の数字から割り当てられ容姿・属性・名前などが決定されていくのだが
いかせん、国内に流通しているバーコードは上2桁が国、その次3〜7桁がメーカーなのである。
おかげで、生成されるシャールの水属性が多く、シャールも似通ったものが出来上がる。
コレだけでは糞要素にはまずはならないのだが、さらにゲームの仕様でシャールはそのシャール所持ユーザー全員と共有されるため
ユーザー数が増えれば増えるほど経験値が増えるので契約ポイントはうなぎ登りに上がっていくのである。
上記のバーコードの仕様も合わせて、最初に一体(成長なし)はもらえるものの新規はなかなか契約できず敷居がどんどん上がっていってしまう。
救済としてシャールを3体まで無料で雇える&初期ポイントを1000にする感謝キャンペーンが行われたが、
当然ながらそのようなバラマキを行えばバランスもクソも無くなるに決まっている。
ポイントの使い道は無くなり、シャールウィッシュを達成する意味も薄れた。オンラインならばある筈の競争もやりようが無くなった。
感謝キャンペーンも誰に対しての感謝なのかもすでに分からない状態。
ちなみに他ユーザーたちの育てたレイバーシャールを利用すると成長の楽しみも無くなり速攻でシナリオがあっけなく終わってしまう。
結果、狙って成長させる必要も無いのでシャールはただの鑑賞道具と化してしまう。
シナリオクリア後は次の章が配信されるまでやることが無くなりイオンとのコミュニケーションくらいしかなくなってしまうのは残念。
そのコミュニケーションも、一か月放置でも毎日接しても大きな差は無くトントン無反応バグで出来なくなるという糞っぷり・・・。

他にオンラインではユーザー参加型のコンテンツとしてクェーサーという物がある。
所持してるシャールに、星にエネルギーを送らせて再生させるという趣旨のシステム。
各ユーザーがエネルギー送信して、その合計値が一定になると特典でアクセサリが増えたりシステムがアンロックされますよという物。
だが、その合計値というのがその場その場のガスト側の都合で決まる上に、特典を用意できないらしく
エネルギーがゲージを振り切ってるにもかかわらず放置されるという事がよく起きている。
ハイペースでエネルギー送信されれば高値を設定されてハードル上がるだけだし、
ローペースなら低値を設定されてノルマ達成までの期間は結局変わらない。ユーザー参加というコンセプトは破綻してしまっている。

イオンとのコミュニケーションでも工作、採取、睡眠、風呂などリアルタイムで時間が掛かる。
時間が掛かるだけなら問題ないのだが、ゲーム内の時間がおかしい。
ご飯食べて片付けて→ご飯食べるなど奇怪なライフスタイルをたまにとることもある。(ご飯が睡眠・風呂に変わることもある)
生活リズムが違うため自分がお相手できるときでもイオンは睡眠中・食事・風呂ということもある。
これらは行動が終わるまで何もさせてもらえず(睡眠は夢の世界には行けるものの)、終わるまで数十分以上おとなしく待ってるしかない。
たまにイオンが私を見ててねというがほとんどが椅子に座っていたり、調理中などはあまりリアクションや台詞のレパートリーも少なく飽きてしまう。
作業中にこちらに呼びかけお願いごとをすると、立ち上がってこちらに来て、一度椅子に戻って、再び立ち上がってこっちへ来るという謎の行動も見られる。
一応、こちらから時間指定するコマンドはあるのだが、実際には時間は決まっており
2時間程度の範囲内でずらすようにお願いするコマンドでしか無い。
さらに、時間を指定してもその通りに動いてくれず2時間以上遅れて行動するのはよくある話。
さらに1.06でのパッチでは本編である二章をDLしないとC2エラーが頻繁に起こりまともにプレイできず、
その二章で新たにアイテム消失バグ(レシピ・アイテム共に消滅しているはずのアイテムをなぜかイオンは装備してる状態になる場合も)、壁にヒビが入る、
シャールに特定アイテムを装備させると永遠に読み込めなくなる、イオンが突如トントンに反応しない話しかけてくれないという無反応のバグが登場した。
原因は現在不明で、特に後者はトントンに反応してくれないため
シャールウイッシュの「呼んで」系のお願いの達成やイオンちゃんと会話やおさわりできなくなるという致命的な不具合となってしまっている。

本作はたまにフリーズと勘違いしてしまいそうなラグ・静止が多い。
画面切り替えや、コマンド選ぶ際、ねりこが来日したときなど、風呂に入っているときに出来ないコマンドを選ぶなど10秒ぐらい反応しなくなるときが多々見受けられる。
本作はただでさえバグが多く、この手のものはユーザーをヒヤッとさせてしまう。
バグとしてシャールの巣で発生するC2エラーバグなど再現性の高いものや
初期はガストID登録する桁が足りなかったり、
まれに発生するC1、C0、本体データ破壊するなど致命的なバグも動画・画像つきで報告されている。
細かいバグも多く、発売当時はゲーム内のチャットでも不具合報告は珍しくは無かった。
未だに改善されていない不具合報告コメント欄が250文字制限のはずが実際は86文字制限であったりする。
そのどれもが、ちょっとテストプレイすれば分かるものばかりという・・・その状態で発売されてしまったのである。

公式の対応としてはパッチは早期配信されたものの致命的なバグは完治しておらず「セーブデータバックアップ各自でしてください」という投げやりな対応っぷり。
度重なるパッチ配信されているものの、寝起き棒立ちや眼鏡バグなどの一部のバグは改善されているが
未だに肝心なC1、C2エラーは改善されておらず、パッチの配信に伴い新たにEエラーのものも出現が確認されたという。
7/13に公式のニコ生放送で公式の謝罪会見に等しい驚くばかりの大量のバグと謝罪を放送し、不具合を認め、シェルノユーザーに対してデバッグを呼びかけるなどの姿が見られた。
挙句の果てにWI-FIユーザーはもとより発売日に購入した3G版ユーザーが初期契約切れて既に再契約したであろう後に契約限定コンテンツ配信発表とか既存ユーザーを切り捨てる始末。
既に3G再契約しているユーザーやシェルノと共に契約したユーザー、さらには他タイトルで別プランの契約したユーザーに新たに2100円で契約しなおせ、
配信デートスポットやコスチュームが欲しければWI-FI版ユーザーに至っては新しく30000円近くかけてVita3G版本体購入しろ、ということなのである。
特典内容は衣装だけならまだしもデートスポット配信という、RPGで言えばダンジョンを1個分に相当するものであるから多くのシェルノユーザーにとっては辛いものとなったであろう。
課金コンテンツや本編シナリオの度重なる延期の中で、シェルノサージュのこれからのDLC配信展開についてはバグ騒ぎで中止にならないよう祈るばかりである。