[[2010年 総評]]
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*2010年総評案1(ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!) [#r2a80839]
総評1のひと  ◆7AXXJBnGYg
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昨年は今年の据え置き機クソゲートレンドを先取りしたかのごとく薄いゲームが乱立する中、
PCゲーム界からのバグだらけ凶悪作品、「戦極姫」が据え置き携帯ともに大賞に輝いた。
今年はいったい、どんなジャンルのクソゲーが出てくるのだろうか・・・。
そんな期待混じりの不安は、3月の初めあたりから不安が現実となっていく。


3月11日、1本目は思わぬところからやってきた。
DS「RPGツクールDS」である。
このゲームは誰でも手軽に自分オリジナルのRPGを作れる、というのが人気のシリーズである。
実にコンシューマー機では6年ぶりの登場となった。
しかしその6年の間、何があったのだろうか、帰ってきたツクールは散々な出来となっていた。

まず仕様。
魔法に属性という概念が存在しなかったり、敵に状態異常に対しての耐性を作れなかったり、
更には魔法攻撃力、防御力すらない。効く、効かないも当然使えない。
ステータスが上下するイベント、アイテムも作れない。
この段階でRPGの基礎中の基礎が失われているような気もするが、問題は容量にもある。
FULL版ですら6年前に発売されたGBA版の実質半分の容量しか使えない。
ダウンロードプレイ用のRPGを作るなら、町1個、ダンジョン1個で容量は枯渇する。
こんな時代にスーファミレベルにも満たない容量のゲームを作らされるハメとなる。
素材のクオリティは非常に高いのだが、全く生かせない容量では、それも意味を成さない。

バグも多い。
とにかく数あり、説明しづらいものもあるので詳しくは割愛するが、中には再現性100%のフリーズや危険なものまである。

これでは思い通りのRPGが作れない、期待はずれかつタイトルに反するゲームであった。

そこから3ヶ月後の6月24日、昨年の覇者、システムソフト・アルファーがまたしてもクソゲーを放り込んでくる。
PSP「大戦略PERFECT〜戦場の覇者〜」である。
このゲーム、キーレスポンスが悪い、敵の思考が長い、グラフィックが重い、システムが全体的に不親切など、
この段階でパーフェクトにクソな要素しか存在していないわけだが、バグの多さもパーフェクトであった。

マイ部隊というオリジナル部隊を編成して使用できるのだが、敵として出てきたり、ほぼ使えない状態となっている。
また、あらゆるタイミングでフリーズするため、キャンペーンはほぼクリア不可能となってしまっている。
極めつけは、謎の名無し部隊が出現し、それを調べるとPSP自体の電源が落ちてしまう、恐怖のバグ。
まさにパーフェクトなバグの山と言ってもいいだろう。

このゲームを機に、もうひとつの大戦略が日の目を浴びる。
2月25日発売のDS「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜」である。
発売当初も話題となっていたが、7月以降になりもう一度話題となった。
こちらも名のとおり一触即発・ゲームバランス崩壊のバグだらけで、相変わらず操作性やシステムも最悪である。
当然のごとく相手の思考時間はPSP以上である。

フリーズやバグも当然のように完備しており、ストレスしかたまらないゲーム仕様だ。

更に、ルート分岐判定が分岐後にもう一度行われるため、無限ループに突入してしまい、クリアできなくなってしまう。
このエンドレスエイト状態を抜け出すには、降伏(通称土下座外交)を行い友好度を調節することが事実上必要不可欠なものになってしまっている。
そこまで現代を再現する必要があったのだろうか。

この2本は、システムソフトアルファーが何ら改善されてないことを知らしめる2本であった。
なお、昨年KOTY大賞戦極姫の続編戦極姫2PSP版は、バグが殆ど治っており、SSαが足掛け3年でようやく遊べる普通のゲームにしたことを追記しておく。


このあたりで選評が届き、注目を浴びたのがもう一つの2月25日発売DS「ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period」。
こちらはトレーディングカードが元になっており、これがゲーム化されたものだ。
もともとゲームブック自体前2作が非常に不評だったのだが、3作目となる今作はそれ以上に酷い出来となっていた。

そもそもこのゲーム、もはやゲームブックではない。文章を読み進めていく、ノベルゲーのようなものだ。
しかもそのノベルゲー部分のシステムですら10年前のレベルと評される始末。
バグも酷く、いないはずのキャラの立ち絵が表示されたり、立ち絵同士干渉して表示がおかしくなったりする。
ヒロイン6人中3人には、声と文章の同期が取れていない、いわゆる音ズレが発生する。
しかも最後まで直らない。

最終的にプロモーションカードのオマケ扱いされる始末だったが、そのカードも一般販売されることになり、
完全におまけですら無くなってしまった作品であった。


7月15日。
携帯機KOTYは夏にもクソゲーの登場が多いが、今年はとてつもないものがやってくることとなる。
PSP「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!!」である。
いわゆるブロック崩しでバグもなく、ロードも速くシステム面は完ぺきだ。
ただこのゲームのクソな点、それは「理不尽さ」に凝縮されていた。

まずブロック崩しとしての挙動がおかしい。
パドルの端に当たると下に跳ね返っていくボール、ブロックに斜めにぶつかると真下に下りてくるボール。
またパドル移動によるボールの方向調整は困難を極める。
これらの点は絶妙なパドルの遅さと慣性に相まって、非道なまでに理不尽さを醸し出している。

そしてこのゲーム、ステージがとにかく理不尽なのだ。
前半はまだ普通のブロック崩し。後半は気が狂ったブロック崩し(なのかどうかも甚だ疑問だが)になっている。
ブロック崩しなのに砲台(破壊不能なブロックに守られてる)から大量の弾が降ってきたり、動きまわるターゲット(球を撃つ)に50発ボールを当てたり、
暗闇の中砲台(破壊不能なブロックに守られてる)から弾が降ってきたり。
極めつけは当たると方向が変わる矢印ブロック6つをすべて一定の方向に揃える、というもの。
先述の破壊不能砲台も完備されており、挙動と相まって理不尽さは極限値に。
「完全に運ゲー」と言われることもあるが、運だけではない。
最高のテクニックと完璧なまでの運、これが揃わないとクリア出来ないのだ。
果てには有用アイテムが出るまでリセットというブロック崩しに似つかわしくない乱数調整まがいのことをさせられることも。
なお、当然アイテムにはマイナスアイテムも含まれており、取ってしまうとほぼ1ミス確定である。
ちなみに先述の矢印ブロックを揃えるステージではアイテムは一切出現しない。

この地獄を抜けたものに対するご褒美、すなわちスタッフロールなど存在しない。
イラストも全部発表済みのものであるので、楽しみもない。キャラゲーとしての価値は殆ど無いと言ってもいい。

ここに来て、まさかの「超難易度理不尽ゲー」が名乗りをあげた今年のKOTY。
ここからスレは一時的に休戦状態にはいる。

3ヶ月たち10月になり、にわかに話題となったのは10月7日発売、DS「天下一★戦国LOVERS DS」である。
こちらは携帯ゲームからの移植であるが、なんとこのソフトは5040円のフルプライスでありながら携帯版の体験版とも言える内容であったのだ。

話がラストまで収録されているのは9人中2人のみ。他は携帯で一から課金しなければならない。
恋愛ADVなのに、ロードという概念が存在しない、スキップが遅い、オートセーブというADVのシステムを覆しかねないシステム。
シナリオも微妙であり、いつ主人公を好きになったかが殆ど語られなかったり、寝取られたり、ボイスが少なかったり。

まさに続きはWebでならぬ続きは携帯版で、であり、それなのに5040円というフルプライス価格はもはや薄いを通り越し悪質であった。

12月。
今年は据え置き機に年末の魔物は襲来しなかった。
しかし、携帯機には年末の魔物がさも当然のごとく今年も襲来してきたのである。

12月16日に2本のゲームが発売された。
まずはDS「どんだけスポーツ101」である。
これはDSで101種類のスポーツが楽しめるという、なんだかテーマだけでにわかに地雷臭を漂わせる作品であった。
ファミ通レビューも18点、しかもレビュアーの一人が3点をつけた。

まず101種類のスポーツだが、どマイナーな種目も多数ある。そりゃあ101種目もあるのだから当然といえば当然だが。
しかしそのマイナースポーツの数々に説明が殆ど無い。説明になっていない説明もある。
操作方法も被りが多数生じており、やりごたえもない。
ルールや物理法則無視まである始末だ。そもそもの競技内容が違うものまである。

101個ものスポーツ、全てがつまらないゲームであり、0を101個合わせても所詮は0であることを証明してくれた。

もうひとつはDS「プーペガールDS2」である。
こちらは昨年1作目が発売されたが、こちらはただの作業ゲーであった。
しかし今作は作業にバグを引っさげて登場してきたのである。
なお、こちらは2種類のバージョン違いがあり、入手アイテムに違いがあるのだが、両方買っても入手できるのはどちらか一方なのであしからず。

まず地味にロードが長く、画像も頻繁に乱れる。地味に操作性も悪い。
きせかえ画面で顔が潰れてホラーゲームもびっくりのグロ画像になることも。

このゲームはお金=リボンを集めて、服を買ってコーディネートするゲームなのだが、
リボンがもらえるはずのファッションショーに出てもリボンがもらえない。その後は開催すらされない。
このせいで後半は上昇し続ける物価に対して収入が見合わず、ひもじい生活を強いられることになる。


極めつけはプレイ22時間後に起こる。
ある日突然、リボンが減っているのだ。減るリボン数は15536リボン。
マイナスになるとゲームが進行不可能になってしまう。
発動率100%、まさに恐怖のバグである。
解決策として公式からリボンがもらえるコードが配布されているが、使えないという報告もある。


このゲームは発売時期と相まって、何も悪くないお子様や女の子を巻き込んだ。


今年はノミネート8作品という、昨年よりも多い大波乱となった携帯機KOTY。
しかも「バグ」「仕様」「理不尽」「薄い」といった、様々なジャンルのクソゲーが登場する、荒れたものとなった。

それでは今年の大賞を発表しよう。
大賞は、「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!!」である。
受賞理由としては、高難易度かつ理不尽という、悪意しか感じない構成の1点に凝縮される。
尋常ならざるテクニックと運が合わさらないとクリア出来ない、それほどまでに。
他高難易度ゲームと違い、難易度のバランスがなっておらず、理不尽さによる高難易度であることも大きい。
バグだらけや不親切システムといったような他作品と違い、このゲームはシステムもバグの無さも非常に良好である。
しかしその点がこの「理不尽的高難易度」を更に際立たせ、リトライの容易さから中毒になってしまう者までいるほどである。
そしてこの「理不尽さ」は、今年の他のゲームにはない、圧倒的な強さと存在感を放っている。これが頂点たる所以であろう。
数キロバイトの基礎プログラムがベースであるブロック崩しから、ここまで理不尽な作品が出ることも恐ろしい。
他にも2本の大戦略、プーペガールDS2による四つ巴の戦いが繰り広げられたが、
どれもベクトルが違う最大限のクソという中、バグもないのに先述の「理不尽」という1点のみでプレイヤーの意欲を完全に削ぎ落とす姿勢が評価された。
もはや笑える域の理不尽さだが、それは他のバグなどでクソゲーと称されるゲームの哀しみと怒りを大幅に超えるものがある。
この笑いという要素は、最大限のクソを発揮したゲームにのみ付いてくる勲章である。
ここでの「笑い」は、世に言う「呆れ笑い」の更に上の言わば「諦め笑い」である。
哀しみは怒りに昇華し、そして怒りは笑いへと昇華する。
怒りを超越し、笑えてくるクソゲー、これこそ真のクソゲーなのではないのだろうか。
無論、次点7本も今年最高峰のクソゲーであることは言うまでもない。

今年は、夏の魔物と年末の魔物両方が襲来した年となった。
来年こそは、魔物及びクソゲーが登場しないことを祈りたい。
また、2月にはニンテンドー3DS、年末にはNGPが発売される。
こちらから、新機軸のクソゲーが登場しないことをこれもまた祈りたい。

最後に、発売元のドラスに、言葉を添えて、今年のKOTYを締めくくることとする。

「ブロックの前に、プレイヤーのハートをクラッシュさせて、どうするんですか?」
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*2010年総評案1.5(ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!) [#r2a80839]
総評1のひと  ◆7AXXJBnGYg
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昨年は今年の据え置き機クソゲートレンドを先取りしたかのごとく薄いゲームが乱立する中、
PCゲーム界からのバグだらけ凶悪作品、「戦極姫」が据え置き携帯ともに大賞に輝いた。
今年はいったい、どんなジャンルのクソゲーが出てくるのだろうか・・・。
そんな言葉は予想の真上を行ってしまうほど、今年は混沌としたものとなった。


しかし最初は緩やかな幕開けであった。
3月になり、現代大戦略DSとRPGツクールDSが話題となるが、
前者はクリアが困難で選評が来ず(後述)、後者は当時は話題になったものののちに放り込まれたクソの大群に飲み込まれてしまった。


2010年も半年が過ぎた6月24日、昨年の覇者、システムソフト・アルファーがついに今年1発目のクソゲーを放り込んでくる。
PSP「大戦略PERFECT〜戦場の覇者〜」である。
このゲーム、キーレスポンスが悪い、敵の思考が長い、グラフィックが重い、システムが全体的に不親切など、インターフェースは非常に悪い。
が、さすがパーフェクト、さらにパーフェクトなクソの山を魅せつけてくれた。

また、このゲームにはパーフェクトなバグも完備している。
マイ部隊というオリジナル部隊を作れるのだが、なぜか作った自分の部隊は敵となって攻撃を仕掛けてくる。
これが頻繁に発生するので、どこがマイなのかも分からないようなものになってしまっている。
フリーズはあらゆる場所で発生し、キャンペーンモードなどはほぼクリア不能なシロモノになっている。
クリア不能な原因が「ほぼフリーズのみ」なのだから驚きだ。
極めつけは、謎の名無し部隊が出現し、それを調べるとPSP自体の電源が落ちてしまう、恐怖のバグ。
強制シャットダウンのようなものなので、最悪本体にも支障をきたしてしまう。
まさにパーフェクトなバグの山と言ってもいいだろう。


このゲームを機に、もうひとつの大戦略が日の目を浴びる。
2月25日発売のDS「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜」である。
名のとおり一触即発・ゲームバランス崩壊のバグだらけで、相変わらず操作性やシステムも最悪である。
当然のごとく相手の思考時間はPSP以上である。

フリーズやバグも当然のように完備しており、ストレスしかたまらないゲーム仕様だ。

更に、ルート分岐判定が分岐後にもう一度行われるため、無限ループに突入してしまい、クリアできなくなってしまう。
このエンドレスエイト状態を抜け出すには、降伏(通称土下座外交)を行い友好度を調節することが事実上必要不可欠なものになってしまっている。
そこまで現代を再現する必要があったのだろうか。

このゲームの総評が来なかった理由は、先述の無限ループによりクリアが出来なかったため、である。
そこまで大戦略はクリアさせたくないのだろうか。それとも、「現代にクリアという終わりなどない」と現代の人間に伝えたいのだろうか。
そう思わせる2本の大戦略であった。


この2本は、システムソフトアルファーが何ら改善されてないことを知らしめる2本であった。
なお、昨年KOTY大賞戦極姫の続編戦極姫2PSP版は、バグが殆ど治っており、足掛け3年でようやく遊べる普通のゲームになったことを追記しておく。


このあたりで選評が届き、注目を浴びたのがもう一つの2月25日発売DS「ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period」。
こちらはトレーディングカードが元になっており、これがゲーム化されたものだ。
もともとゲームブック自体前2作が非常に不評だったのだが、3作目となる今作はそれ以上に酷い出来となっていた。

そもそもこのゲーム、もはやゲームブックではない。文章を読み進めていく、ノベルゲーのようなものだ。
しかもそのノベルゲー部分のシステムですら10年前のレベルと評される始末。
バグも酷く、いないはずのキャラの立ち絵が表示されたり、立ち絵同士干渉して表示がおかしくなったりする。
ヒロイン6人中3人には、声と文章の同期が取れていない、いわゆる音ズレが発生する。
しかも最後まで直らない。

最終的にプロモーションカードのオマケ扱いされる始末だったが、そのカードも一般販売されることになり、
完全におまけですら無くなってしまった作品であった。


7月15日。
携帯機KOTYは夏にもクソゲーの登場が多いが、今年はとてつもないものがやってくることとなる。
PSP「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!!」である。
いわゆるブロック崩しでバグもなく、ロードも速くシステム面は完ぺきだ。
ただこのゲームのクソな点、それは「理不尽さ」に凝縮されていた。

なお、このゲームはタイトルにハローキティとあるように、いわゆるキャラゲー的な要素もあるにはあるのだが、
ご褒美イラストは全て公開済みの作品であったり、PSNで50円で買えたり(こちらのほうが良質)と、キャラゲー要素はこの時点でほぼ消えてしまっている。
この状態で更に、ブロック崩しが恐ろしい物になっていること、そこがこのゲーム最大の怖さである。

まずボールの挙動がおかしく、落下地点の予測が非常に困難になっている。。
パドルの端に当たると下に跳ね返っていくボール、ブロックに斜めにぶつかると真下に下りてくるボール。(なお、これは説明書にも画像があり、仕様のようだ)
物理法則的には強ち間違ってはいないのだが、ブロック崩しとしては完全に間違えている。
またパドル移動によるボールの方向調整は困難を極める。
これらの点は絶妙なパドルの遅さと慣性と相まって、非道なまでに理不尽さを醸し出している。

そしてこの挙動と相まって更に非道さが見えるのがステージ構成である。
前半はまだ普通のブロック崩し。後半は気が狂ったブロック崩し(なのかどうかも甚だ疑問だが)になっている。
ブロック崩しなのに砲台(破壊不能なブロックに守られてる)から大量の弾が降ってきたり、動きまわるターゲット(球を撃つ)に50発ボールを当てたり、
暗闇の中砲台(破壊不能なブロックに守られてる)から弾が降ってきたり。
極めつけは当たると方向が変わる矢印ブロック6つをすべて一定の方向に揃える、というもの。
砲台(破壊不能なブロックに守られてる)も完備されており、先述の挙動と相まって理不尽さは極限値に。
果てには有用アイテムが出るまでリセットというブロック崩しに似つかわしくない乱数調整まがいのことをさせられることも。
なお、当然アイテムにはマイナスアイテムも含まれており、取ってしまうとほぼ1ミス確定である。
ちなみに先述の矢印ブロックを揃えるステージではアイテムは一切出現しない。

ここまで酷いと、「ブロック崩し」というジャンル自体を問いたくなる、そんな出来であった。

ここに来て、まさかの「超難易度理不尽ゲー」が名乗りをあげた今年のKOTY。
ここからスレは一時的に休戦状態にはいる。

3ヶ月たち10月になり、にわかに話題となったのは10月7日発売、DS「天下一★戦国LOVERS DS」である。
こちらは携帯ゲームからの移植であるが、なんとこのソフトは5040円のフルプライスでありながら携帯版の体験版とも言える内容であったのだ。
なお、操作性も忠実に携帯版を移植しており、なぜDSで出したのだろうか、と疑問が浮かぶ。

話がラストまで収録されているのは9人中2人のみ。他は携帯で一から課金しなければならない。
恋愛ADVなのに、ロードという概念が存在しない、スキップが遅い、オートセーブというADVのシステムを覆しかねないシステム。
シナリオも微妙であり、いつ主人公を好きになったかが殆ど語られなかったり、寝取られたり、ボイスが少なかったり。
なお、寝取らないと特定のキャラが攻略できないというのも恋愛ADVとしては複雑なものだ。

まさに続きはWebでならぬ続きは携帯版で、であり、それなのに5040円というフルプライス価格はもはや薄いを通り越し悪質であった。

12月。
今年は据え置き機に年末の魔物は襲来しなかった。
しかし、携帯機には年末の魔物がさも当然のごとく今年も襲来してきたのである。

12月16日に2本のゲームが発売された。
まずはDS「どんだけスポーツ101」である。
これはDSで101種類のスポーツが楽しめるという、なんだかテーマだけでにわかに地雷臭を漂わせる作品であった。
ファミ通レビューも18点、しかもレビュアーの一人が3点をつけた。

まず101種類のスポーツだが、どマイナーな種目も多数ある。そりゃあ101種目もあるのだから当然といえば当然だが。
ちなみに101種類を選ぶセレクト画面はipodのジャケットシステムのようなもの(の劣化)になっており、非常に選びづらい。
しかしそのマイナースポーツの数々に説明が殆ど無い。説明になっていない説明もある。
操作方法も被りが多数生じており、やりごたえもない。単調なタッチペン遊びを繰り返すだけである。
ルールや物理法則無視まである始末だ。そもそもの競技内容が違うものまである。

101個ものスポーツ、全てがつまらないゲームであり、0を101個合わせても所詮は0であることを証明してくれた。

もうひとつはDS「プーペガールDS2」である。
こちらは昨年1作目が発売されたが、こちらはただの作業ゲーであった。
しかし今作は作業にバグを引っさげて登場してきたのである。
なお、こちらは2種類のバージョン違いがあり、入手アイテムに違いがあるのだが、両方買っても入手できるのはどちらか一方なのであしからず。

まず地味にロードが長く、画像も頻繁に乱れる。地味に操作性も悪い。
きせかえ画面で顔が潰れてホラーゲームもびっくりのグロ画像になることも。当然のようにフリーズもある。
6000点あるアイテムを集めても、残せるスナップショットは30枚。どこの時代だろうか。

このゲームはお金=リボンを集めて、服を買ってコーディネートするゲームなのだが、
リボンがもらえるはずのファッションショーに出てもリボンがもらえない。その後は開催すらされない。
このせいで後半は上昇し続ける物価に対して収入が見合わず、ひもじい生活を強いられることになる。

極めつけはプレイ22時間後に起こる。
ある日突然、リボンが減っているのだ。減るリボン数は15536リボン。
マイナスになるとゲームが進行不可能になってしまう。
再現性100%、まさに恐怖のバグである。
解決策として公式からリボンがもらえるコードが配布されているが、使えないという報告もある。

このゲームは発売時期と相まって、何も悪くないお子様や女の子を巻き込んだ。


今年はノミネート7作品という、昨年よりも多い大波乱となった携帯機KOTY。
しかも「バグ」「仕様」「理不尽」「薄い」といった、様々なジャンルのクソゲーが登場する、荒れたものとなった。

それでは今年の大賞を発表しよう。
大賞は、「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!!」である。
受賞理由としては、悪意しか感じないゲーム構成、この1点に尽きる。
調整を間違えたばかりに、バグもないのにクソゲーの頂点へ転落してしまった点も非常に大きい。
なぜ作った、この言葉が似合うクソゲーもそうそうない。
プレイするものは理不尽さに哀しみ、怒り、最終的には乾いた諦め笑いを浮かべる。これは他6本にはない唯一の要素だ。
クソゲーにある怒りを超え、笑いにまで昇華させる作品は、今後200年は出てもらいたくないものである。

今年は大賞争いが困難を極め、特に鬼帝(キティ)、大戦略PERFECT、プーペガールDS2による3本の争いは、混沌を巻き起こした。
全てがゲームとして崩壊している3本の中で、プレイヤーの意欲を「理不尽さ」のみで全て削り落とす鬼帝が、一歩前に出た形となった。
ブロック崩しという基礎は数KBのプログラムである定番ジャンルから、どうしてここまでクソが出来上がってしまうのか。不思議でやまない。

言うまでもないが、他6本も最高峰のクソゲーである。そこは間違えないでもらいたい。

今年は、夏の魔物と年末の魔物両方が襲来した年となった。
来年こそは、魔物及びクソゲーが登場しないことを祈りたい。
また、2月にはニンテンドー3DS、年末にはNGPが発売される。
こちらから、新機軸のクソゲーが登場しないことをこれもまた祈りたい。

最後に、発売元のドラスに、言葉を添えて、今年のKOTYを締めくくることとする。

「HELLo!KOTY!」
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*2010年総評案2(ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!) [#m3083f6f]
以下の文章はどう扱おうと自由です。
ただし、ここへの上書きはご遠慮下さい。
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2010年ワールドカップ南アフリカ大会で日本代表チームの奮闘により、列島が熱狂に包まれた。
だが光あるところに闇もまたある。クソゲーのチャンピオンを決定する戦いが、ひっそりと世間の片隅で行われていた。
携帯ゲーム板クソゲーオブザイヤー2010の開幕である。

それでは早速、厳しい選考を勝ち残ってきた代表達を紹介しよう。
まず選評が届き候補に名乗り出たのは、ドラスが販売した「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!」である。
一見女児向けのゲームかと勘違いしてしまいそうだが、
キティちゃんを愛する超キティラーと呼ばれる女性キャラクターを人気イラストレーター達に描いてもらう、
「ハローキティといっしょ!」という企画の一環で、
どちらかと言えば大きいお友達向けのブロック崩しゲームである。
萌え絵を見てもらうだけで良かったはずだったこのゲーム、予想外にぶっ飛んでいた。

ボールがブロックに斜めに当たったのに垂直に落下してくる、
パドルの端でボールを拾ったはずなのに下へ落っこちてミスになる、
という物理法則的には正解だが、ブロック崩し的には不正解の斬新な仕様である。
ボールの挙動が予測しづらいのに加え、パドルの移動が遅い上に慣性が付き難易度がやたらと高い。

ステージ構成もかなり力が入っていて、
常人では反応できない速度でボールを跳ね返す反射ブロックが配置される、
その反射ブロックがパドルの真上に配置される、
弾幕を張る砲台ブロックが存在して最早シューティングゲーム、
ボールとパドル周辺以外が暗闇で隠される、
もちろん敵弾も隠される、
という風に色々と間違った仕掛けでプレイヤーを殺す気満々である。
最難関ステージに至っては「乱数調整をしてようやく一筋の光が見えてくる」と報告されるほどの鬼畜難易度で、
どうやらこのキティさん手加減というものを全く知らないらしい。
これらの事からKOTYスレでは、「鬼帝」もしくは「鬼帝さん」という素敵なニックネームで呼び親しまれる事となった。
また、大きいお友達が求めるイラストは全て既出な上に、
ゲーム内で貰える絵よりも汎用性の高いものが、PSストアにて1枚50円で購入可能であると付記しておく。

続いて選評が届いたのは、昨年の王者システムソフト・アルファーが放つシミュレーションゲーム「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊」である。
発売自体は鬼帝さんよりも半年近く早かったのだが、
バグによりシナリオが無限ループしてクリア不能となり、選評が遅れたという曰く付きの作品であった。
上級プレイヤーがなんとか突破方法を発見して、こうしてノミネートに漕ぎ着けた。
これだけでも充分な要素であるが、インターフェースの劣悪さやバグの多さも酷い。
敵側思考時間も最大5分と、セガサターン時代を彷彿させる。
ユニットを全く動かさなくてもクリアが可能なステージも存在し、
崩壊しているのは軍事バランスではなく、ゲームそのものだったのではないかと声を大にして言いたい。

そして、SSαの連撃「大戦略PERFECT 〜戦場の覇者」の選評が届く。
インターフェースや敵思考時間はDS版と同じく劣悪。
そしてこちらもバグが多い。突然発生するフリーズは当たり前。
マイ部隊というプレイヤーオリジナル部隊が敵として登場したり、
脈絡も無く自国生産施設に謎の部隊が出現したり、
それを確認しようとするとPSPの電源が落ちたり、
とにかく進行に関わるバグが盛り沢山である。
再びKOTYの覇者になるべく、パーフェクトなクソゲーを送り込んで来たということなのだろうか。

クソゲーオブザイヤーでは年末に魔物が潜む。
使い古された言い回しではあるが、今年もやはり魔物が我々を待ち構えていた。それも2匹も。
1匹目はファミ通クロスレビューにて5・6・4・3計18点という素晴らしい低得点を叩き出した、
スターフィッシュ・エスディ販売の「どんだけスポーツ101」である。

海外ゲームのローカライズ版であるこの作品、
世界のスポーツ101種類を1本のソフトに集めたゲームだ。
101種類もあるという事で、メジャーなものから、
Google先生に聞かないと分からないマイナースポーツ、
これがスポーツなのかと小一時間問い詰めたくなるようなものまで幅広く網羅している。
問題は101種類どれもが携帯アプリゲームの出来損ないレベルで、
どれもが果てしなく面白くないという事であった。
その上、スポーツのルール無視や物理法則の無視も割と平然と行われる。
種目を選ぶインターフェースも悪く、ゲームルールの説明もいい加減な場合がありイライラが増幅される。
兎にも角にもつまらない、それが101個も揃ってまさに数の暴力。
小さいクソをどんだけ積み重ねても、結局は大きいクソの塊にしかならないという好例であろう。

もう1匹の魔物はアルヴィオンが開発販売の「プーペガールDS2」であった。
女性向けファッション着せ替えSNS「プーペガール」のDS版の第二弾。
前作はスレで名前すら出なかったが、残念ながらこうしてノミネート作として名を連ねた。
ゲーム内通貨のリボンを貰えるはずのファッションショーに出場しても全く貰えない、
一定期間ごとに開催されるはずのファッションショーが1回しか行われない、
22時間プレイしたご褒美が何故かリボン-15536、
それでリボンのトータルがマイナスになってしまったら事実上進行不能。
その他にも数えきれない程のバグが発覚し、作品本スレでは怨嗟の声が響き渡った。
メーカー側も流石に上記22時間バグには機敏に対応。リボンを大量に貰えるパスワードを公開した。
しかし、一部ユーザーは正しく入力してもエラーとなってリボンを全て獲得しきれず、残念ながら完璧な救済措置とはならなかった。
早急な対応は良かったものの、何ともお粗末な顛末を披露してくれた。

以上5本のソフトがクソゲー頂上決戦へ出場する代表選手に選ばれた。
どの作品もそれぞれが違うベクトルに突出していて丙丁付け難く、大賞選出は非常に困難を極めた。
中でもあまりの難易度にブロック崩しというジャンルとして崩壊している「鬼帝」、
数多のバグともっさりUIで戦略SLGとして崩壊している「大戦略PERFECT」、
バグのせいで収支バランスが壊れて着せ替えゲームとしての根本が崩壊している「プーペガール」、
これら3作品は最後の最後まで互角の戦いを繰り広げた。
度重なる議論の末に大賞へ選ばれたのは、「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!」である。

ブロック崩しゲームはビデオゲーム黎明期から既に確立されている歴史ある定番ジャンルで、
今やフリーゲームとして制作される事もある。
昨今の普通のゲームはMB〜GBの容量を扱うのに対して、ブロック崩しは数KBから作成可能というジャンルで、高度な設計やプログラムは要求されない。
単純故に失敗しづらいはずなのに、「最高のテクニック」と「最高の幸運」を同時に要求される凶悪無比なクソゲーへ転落してしまった点が、
他作品よりも頭一つ抜けていると判断された。
同年に生まれてしまった作品同士の不幸な定め、非常に些細な差ではあるがこのように大賞が選定された。

振り返ってみれば、実力伯仲でハイレベルであった本年のクソゲーオブザイヤー。
狂った難易度の「ハローキティ」、相も変わらずSSαクオリティ炸裂の「両大戦略」、
小さいクソをこれでもかと詰め込んだ「どんだけスポーツ」、テストプレイをしたのかも疑わしい「プーペガール」、
ゲーム市場の主流が携帯ゲーム機に移ったと言われるようになって久しいが、それを象徴するような百花繚乱の様相を呈した。

最後に、長く続くブロック崩しゲームの歴史に「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!」という腐った金字塔を打ち立てたドラスへこの言葉を贈って、クソゲーオブイヤー2010を締め括りたい。

Hello!KOTY!
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*2010年総評案3(ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!) [#p7e02e33]
#aapro{{
業界新規参入のフリューが「三銃士」と呼ばれる薄いクソゲーを送り込んだ中、
修羅の国からの進行によるバグまみれの作品「戦極姫」が三銃士を倒し大賞に輝き終了した2009年。
修羅の国からの刺客より焦土と化したスレは更なる地獄へ落ちていく事になる・・・
KOTY2010携帯版の開幕である。

2010年の先行を取ったのは「ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period」である。
アクエリアンエイジとは古参の萌え系トレーディングカードゲームなのだが本作はブロッコリーの「ゲームブックDS」シリーズの第三弾である。
しかしこのシリーズ二弾まで絶不評であり、本作も三度目の正直とはならず二度あることは三度あるとなってしまった。
どう見ても普通のアドベンチャーゲームなのにゲームブックと名乗っており、シナリオも面白くなく、セーブ&ロードやスキップ機能も使いにくいとシステム面は10年前レベルと言われるぐらい劣悪。
バグも多くそれも背景の指定ミスやいないはずのキャラが表示される、盛り上がる場面での音ズレ等一度プレイすればわかるだろと思うレベルである。
この出来の為、TCG原作のクソゲーによくある「カードのおまけ」扱いとなってしまった。
だが後に付属カードの一般パックでの再録が決まってしまったため、その立場すら失い無価値となってしまった。

前年度王者SSαによるKOTY二連覇への戦略であるSLG作品の「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜」。
この作品は前述のアクエリアンエイジと発売日が同じ2/25なのだがバグ等により検証が遅れ選評が届いたのが七カ月後であった。
カーソルの動きが遅く、だからといってタッチペンを使えば暴発すると操作性が悪く
ソート機能が使いにくいなどとインターフェースは最悪。
CPUの思考時間はプレイヤー以外に5陣営あるのに各一分以上かかり大戦略の暇つぶしに何かすることを探さなければならない。
説明不足のため表示されている攻撃タイプの意味やユニットの配置方法がわからない
バグの代名詞であるフリーズを始めとした様々なバグも完備。
目玉要素である内政は整備工場を強化してもセーブロードで元に戻ってしまう。
検証が遅れる原因となった無限ループバグを回避するために戦闘開始直後に即降伏する「土下座外交」と呼ばれる物をしないといけない。
戦略シュミレーションなのにまともに戦うことすらできない本作は軍事バランスよりもゲームとして崩壊していた。

前年度の修羅の国に続き乙女の国からも刺客が現れた。
ロケットカンパニーによる「天下一★戦国LOVERS DS」である。
本作は携帯アプリが元のアドベンチャーゲーム。
だが本作は攻略キャラ9人の内2人までしか完結編は入っておらず、残りのキャラは「続きは携帯版で!(有料)」となる。
ストーリーも全10章あるが1章辺り5分で読み終えることができ、プレイヤー置いてきぼりでストーリーが進んでいく。
特定のキャラを攻略するにはあるキャラを踏み台にして寝取られENDを狙うしかない。
章の終了時にシナリオの進行状態を評価して教えてくれるが、オートセーブされてしまい章セレクトもないのでほとんど意味がない。
操作性や仕様はDSの利点を捨ててまで移植前の携帯アプリ版を再現すると言う無駄な移植度の高さには感心するしかない。
フルプライスで携帯アプリ版の有料体験版とは「薄い」の一言で済まされる問題ではないだろう。

低得点には信頼と実績のあるファミ通のクロスレビューで一人が3点を付けた合計18点を叩きだし、
発売前から存在感をアピールしたゲームがあった。
スターフィッシュ・エスディによる「どんだけスポーツ101」である。
本作は前述のレビュー結果に加え、発売が年末である事、
101種類のスポーツを楽しめると言うコンセプトであり「見えてる地雷」として期待されていた。
101種類もあるので当然マイナーなスポーツもあるのだがルール説明がない。
スポーツの選択画面も101種類のスポーツを1列に並べそれをタッチパネルでスライドして選ぶという何も考えてないインターフェース。
ゲーム部分も出来が悪く、ひたすら単調なものや操作が他のスポーツと被っているものばかりである。
物理法則を無視してるものもあり、この手のゲームではやってはいけないルールまで間違えてるものまである有り様である。
101個集めても1にすらならない本作はファミ通の低得点レビューの信頼を上げるだけのために存在したようなものであった。

ここまでが奈落の底へ到達したスレにやってきた者たちである。
しかし奈落の底に穴を掘ってしまった3作により大賞選考は大きく荒れる事となった・・・。

一つ目はSSαによるKOTY二連覇の戦略の詰めとして送り出された「大戦略PERFECT 〜戦場の覇者〜」である。 
本作はPCで発売された大戦略パーフェクト系の移植作である。
しかし戦極姫の前科があるSSαではまともな移植はできなかった。
読み込みが悪い、キーレスポンスが悪い、システム関連は不親切、敵の思考時間は長いとプレイヤーをイライラさせるクソ要素はしっかり抑えている。
SSαお得意のバグも大量に盛り込まれており、フリーズはあらゆるタイミングで頻発。
目玉要素であるマイ部隊は何故か敵に配置されてしまい、それにより様々なバグを引き起こし使いものにならない。
これらの多発するバグによりキャンペーンモードはほぼクリア不可能と言われてる始末である。
更にはPSPの電源を落としてしまうバグもあり本体が壊れたと言う報告も有り、物理的な面でもプレイヤーにダメージを与えてくる。
このようにKOTYの覇者となるべく送り込まれたパーフェクトなクソでありSSαの底力を見せつけた出来であった。

バグといえば二つ目であるアルヴィオンによる「プーペガールDS2」も負けてはいない。
本作はアバター着せ替えゲームなのだがその着せ替えを楽しむこと自体が茨の道となっている。
中盤以降は収入に対して高価なアイテムばかりが並び思うようにアイテムを買うことができないのだが、そこにバグが追い打ちをかける。
後半の収入源として設定されているであろうファッションショーに出ても収入がゼロで、定期的に開かれるはずなのに一回きりしか発生しない。
プレイ時間が22時間を越すと大幅に所持金を持って行かれてしまうバグもあり、これにより所持金がマイナスになった状態で外に出るとフリーズする。
このバグの救済のためか「おとしだま 5000リボン」「まいぞうきん 7777リボン」等の時期を見て公表する気だったと思われるパスワード達が一気に公式ブログで公表された。
だが、このパスワードも受け付けてくれない事があると救済策にすらバグがある有り様である。
数々のバグを乗り越え着せ替えを楽しもうとしても再びバグが立ちふさがる。
画像が乱れてアバターががグロ画像になってしまったり、フリーズまである。
ゲームとは直接関係ないが本作は2バージョン発売であり、
プーペガールのPCサイトで使えるアイテムがもらえるコードがそれぞれのバージョンにある。
だがこれにも不具合があり、現在は救済策が出たがDS本体が2台なければ2つとも入手することができなかった。
この他にも細かいバグも多々あり終始バグに悩まされるバグの塊とも言うべきものになっている。
この作品は12月に現れ年末の魔物として猛威を奮いターゲット層である何も知らない女の子を苦しめたのは悪夢としか言いようがない。

そして三つ目は2010年の大賞であり毎年恒例の夏の怪物として現れた。
ただこの作品は上記の二作品と違いバグはない。存在自体がバグと言えるぐらい意味がわからず、そして理不尽なのである。
ドラスによる「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!」である。
本作は古くから存在するブロック崩しでありクソゲーにはなりにくい所謂「安牌」である。
この法則は毎年破られてきてるので「安牌」という言葉は死語なのかもしれない。
「ハローキティといっしょ」とは、“「超キティラー」と呼ばれるキティを愛してやまない女の子たち”を様々なイラストレーターが描いていくというサンリオウェーブの新プロジェクト。
なので大きなお友達向けなのだがクリア後に入手できるイラストは各絵師(全12人)につき最大2枚であり書き下ろしはなく、
全てPlaystation Networkから1枚50円で同じ画像が壁紙としてダウンロード可能である。
なのでキャラゲーとしてはやる気が感じられないためキャラゲーとしては崩壊している。
ではブロック崩しとして見てはどうか?
反射がおかしくブロックの角にぶつかったボールが垂直に落ちてきたりバーの横で撃ち返したボールが下に跳ね返って行く等、
普通のブロック崩しではあり得ない挙動が連発。
とはいえブロックの角にぶつかったからと言って先ほどの挙動をするとも限らず普通に跳ね返ってくる時もある。
わからないほどのわずかなズレでボールの挙動が大きく変わってしまう。
読めないボールの動きに終始振り回されることになる。
このボールの挙動はバグかと思えば説明書ではバーの端で弾くと下に跳ね返っていくことが説明されている辺り仕様のようである。
そしてバーの操作性も悪く慣性がついてるためか操作しにくく、移動も遅く前述のイレギュラーに気付いても対処できない。
これらの極悪仕様に慣れたとしても更なる関門が立ちはだかる。理不尽なまでに難易度が高いステージ構成である。
「3回当てると壊せるブロックや当てるとボールが一定時間加速するブロックがバーの手前に設置されていたりステージいっぱいに配置されている」
「敵ブロックから出てくるバーに当たるとミスになる弾を出すの弾と一緒にボールが落ちて問答無用でミス」なんてのは良くある事である。
酷いステージになると「バーとボールとアイテムの回り以外見えないのに敵ブロックに砲撃される」
「敵ブロックがステージいっぱいに配置されており弾の回避が困難なステージ」「敵ブロックの砲撃を避けながら当てると不規則な方向にボールを跳ね返すボスにボールを50回当てる」
「壊せない敵ブロックの砲撃を避けながら一回当てると90度回転する矢印ブロックを6つ指定された方向に揃える」等の楽しませる気がないどころか悪意しか感じないステージばかりである。
前述のボールの挙動も合わさりプレイヤーの腕ではどうしようもない事も多く「貫通を引くゲーム」「ブロック崩しの姿をしたマインドシーカー」と言われるような運頼みのゲームとなってしまう。
このように製作者のズレによりブロック崩しとしても崩壊しており4,200円(DL版は3,200円)払ってまで遊ぶものではないだろう。

この作品が他二作と差をつける事となったのは根本からして間違っていた事である。
大戦略は不親切な点があれどSLGのしての形は整っているし、自らのバランス調整を放棄してユーザーに設定させるという要素もある。
バグによって崩壊してしまっているが根本は間違ってはいない。
プーペガール2は金銭面のバランスに難があるが、着せ替えゲームとしての要素はできているし服やアクセサリーの評価は悪くない。
こっちもバグによってとんでもないものになってしまっているが着せ替えゲームとしての根本は間違っていない。
それに対しキティはキャラゲーなのに新規絵を一切用意せず、ブロック崩しとしても成立しておらずユーザーのやりたい事を何一つ満たしていない。
過剰なまでに高い難易度を逆手にとってマゾゲーとしてみてもパターンを構築できず運頼みになってしまい、
最終的には運ゲーになってしまいマゾゲーとしても成立していない。
高難易度と理不尽は違うという良い見本でもある。
「キャラゲー」「ブロック崩し」としての両面で崩壊しており無理矢理「マゾゲー」として見ても駄目であり、存在価値と存在意味がわからないものとなってしまっている。
キャラゲーとしてもブロック崩しの難易度調整にしてもスタッフの認識のズレから根本が狂ってしまっている。
他二作もクソゲーとしては決して劣ってはいないが、バグがなく仕様通りに完成されているのにバグがあるかのような狂っていため他二作と差をつけて大賞に輝く事になった。

振り返ってみれば2010年はSLGや恋愛ゲームからブロック崩しや着せ替えゲームまで様々なジャンルの作品があった。
クソ要素のベクトルも「薄い」「理不尽」「詐欺」「バグ」「手抜き」と様々で1年中ネタが尽きることも無く大豊作な1年であった。
しかし、2011年は次世代機が発売する事もあり、クソゲーが多く出た事に不安を残していった事も確かである。
失敗があるからこそ成功が生まれるのであるのでこれらのクソゲーが無駄ではなかったと信じたい。

最後に大賞を受賞した「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!」の発売元であり、
パチスロ機のシミュレータを得意としているドラスに次の言葉を送り締めくくりたい。

「パチスロには運要素は必要ですけど、ブロック崩しには運要素はいらないのですよ?」
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*2010年総評案4(ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!) [#e6556ec1]
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2009年、「戦極姫」という修羅の国からの刺客により、焦土と化したKOTY。
しかし、荒廃した土地であるからこそ、それはより強靭な作物の温床となる。
2010年のクソゲー市場には、そうした「突き抜けた」作品が数多く芽吹くこととなった。

その先鋭となったのは、2月にブロッコリーより発売された「ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period」である。
その内情は、ゲームブックとは名ばかりなノベルゲーで、
使い辛い機能が多く不親切、シナリオも面白さを感じさせないというものであり、
テストプレイの有無を疑わせる数々のバグも備えた、正に特典カードのおまけ状態であった。
この作品は、今年度現れた他の候補作と比べると見劣りするものの、
2010年KOTYの端緒を飾るには相応しく、同時に
「近年のクソゲーはやはりバグに彩られるのか」という危惧を抱かせることとなった。

前年度の覇者、「戦極姫」の兄弟とも言える作品も登場し、プレイヤーを苦しめる。
システムソフトアルファーより、それぞれ3月・6月に発売された、
「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜」、及び「大戦略PERFECT 〜戦場の覇者〜」という名の2つの戦略シミュレーションゲームである。
「戦国姫」と同じ遺伝子を持つ、これらの作品にも強烈なバグが存在した。
「現代大戦略DS」では、進行したはずのシナリオが分岐を起こし、再び開始時に戻る無限ループを引き起こしてクリアを困難にさせる。
それに輪を掛けて酷いのが「大戦略PERFECT」であり、
自分好みのユニットで編成されるはずの通称「マイ部隊」は敵側に出現、
味方として使用「できた」場合でも、損害を受けたユニットの補充がされないという有様。
ゲーム自体がフリーズする頻度も高く、
果ては名無しの部隊が自国とPSPの電源を陥落させる、とあっては最早クリアできたものではない。
バグを抜きにしても、カーソルの移動・敵勢力の思考に過剰に時間を要することに加え、
「現代大戦略DS」は空母が役に立たない・ユニットの配置方法や数値の説明がされていない、
「大戦略PERFECT」では、先述の「マイ部隊」に自作の兵器を持たせられない・同種の兵器のアイコンが全て同じで見分けがつかない、
と、各種システム面が不備・不親切極まりない仕上がりとなっている。
SLGの根幹を成すはずの「戦略」が、プレイすること自体に要求された、これらの作品は正に禁断の果実であった。

昨今勢力を拡大している、携帯電話向けアプリからの移植恋愛AVGも登場する。
10月にロケットカンパニーが発売した「天下一★戦国LOVERS DS」である。
本作は乙女ゲームであり、イラストには一定の評価がされているが、
肝心要の恋愛部分が「最後までシナリオが収録されているのが2人」という、
携帯アプリの体験版としか言い様のない仕上がりであり、かの有名な
墨俣一夜城も霞むほどの、完全版商法を地で行くソフトであった。
「続きは携帯で!」…残された7人の武将のファンは、果たしてこれで納得したのであろうか。

年末になると、市場には低品質なクソゲーが頻出するが、2010年のKOTYでも、強力な「魔物」が従者を引き連れ、スレ住人の下に降臨することとなる。
その従者とは、スターフィッシュ・エスディより12月に発売された
「どんだけスポーツ101」である。
世界各国、101種類ものスポーツが遊べるという触れ込みだが、
101種類のリストは一列横並びであり選択が面倒、という不親切設計となっており、また操作の説明も不十分。
肝心のゲーム内容も、異なったゲーム性を持つはずのスポーツ同士のルールが似通っていたり、
元のスポーツの再現が不十分であったりと、明らかに個性の付け方を間違っている。
正に「量より質」という言葉を思い起こさせるゲームであると言える。

そして「どんだけスポーツ101」が生を受けた日と同日、その従者に連れられる形で、
アルヴィオンの「プーペガールDS2」という魔物が出現する。
アバターを着飾る、ウェブサービスのゲームのDS版である本作は2バージョンが発売され、おしゃれを楽しむ層の需要に応えるべく製作されたソフトであると言える。
しかし、実際はあばたをバグで着飾った、容赦ない搾取のソフトであった。
ソフトを楽しむための基本である、通貨に当たる「リボン」の入手。この部分が大きな問題点を抱えている。
本来リボンの稼ぎ所となるはずのファッションショーは、最初に一度開催されると以降実施されず、あまつさえ報酬リボンも0。
無論キャラクターがショーで過失を犯した訳ではなく、ゲームの「仕様」である、としか言い様がない。
着せ替えに微細なリボンを得るより道が無くなるが、そこに追い討ちを掛けるのが、ゲーム内で獲得できるリボンのボーナスである。
これにはあいことばを入力することで一定量のリボンを獲得できるパスワードと、
アイテム購入数などプレイ内容に応じてリボンを得られる実績制度の2種類がある。
その実績の中に、ゲームを22時間プレイ、という条件があるが、
それを満たすと何と16000近いリボンがマイナスされる、という凄まじいバグがある。
もう一方のボーナスであるパスワードでリボンを補おうとしても、使用していないパスワードを「すでにとうろくされています」と言って撥ね付けてくることがあり、理不尽さは留まる所を知らない。
ちなみに、総リボン数がマイナスとなった状態で家の外に出ようとすると、ご丁寧にもフリーズする。
肝心のおしゃれ部分も、アイテムが可愛らしいことは評価されているものの、
システム面において、アイテムの同時表示数が少ない、アイテムを身に付けると他のアイテムが消える、
顔のグラフィックが乱れる、など到底満足できる仕上がりではない。
このソフトはSNSのおまけである、と割り切る道もあるだろう。
しかしこの最後の希望も、2種類のソフトそれぞれで得られるはずの2種類のウェブ特典が、同一DSだと1種類しか得られない、という不備により薄れてしまう。
後に2種類の特典を得られる様対応されたものの、特典のためにDSを2台用意したプレイヤーの思いは測り知れない。
端から端までことごとく負の要素で埋め尽くされた、「プーペガールDS2」は正に「魔物」の名に恥じぬソフトである。

この様に、2010年は数多くの低品質なクソゲーが排出された。
特に「大戦略PERFECT」及び「プーペガールDS2」は群を抜いており、
クソゲーの底辺決戦を争うことに申し分ない作品である。
しかし、前年の黒船襲来によって、荒野と化した2010年KOTYである。
KOTYを手中にせん、とする「覇者」・「魔物」の2候補の前に、
「覇王」「鬼帝」とまで畏れられた存在が立ちはだかったのである…。

それでは今年度の大賞を紹介する。
列島を後に襲う猛暑がその片鱗を見せ始めた7月、ドラスよりあるゲームが発売された。
このソフト、他の候補作とは異なり、バグらしいバグは殆ど無く、ロードも快適。
強いて他の候補作との共通点を挙げるとすれば、「プーペガールDS2」と同じく可愛らしい少女が登場すること、
「大戦略PERFECT」の様に、敵の砲弾による攻撃がプレイヤーを邪魔して来ることぐらいである。
このゲームがどうしてクソゲー、更にはKOTYの大賞作品となりうるのであろうか?
…このゲームの名は「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!」
…そう、このゲームは、パドルと呼ばれる棒状の自機を操り、ボールを弾く、「ブロック崩し」のゲームである。
ブロック崩しで砲弾の攻撃を受ける―これが何を意味しているか。
―このゲームが大賞を受賞した理由はただ1つ。
他に類を見ない、その天井知らずの高難易度である。
ステージには多種多様な仕掛けがあり、基本ステージ数は120にも上る。
つぼみにボールを当て花を咲かせるというステージや、ボールの周囲以外が暗闇に包まれたステージ、など様々な個性的な工夫が凝らされており、一見するとプレイヤーを飽きさせない設計となっている。
しかし、実際はステージの多くが、飽きる以前に息を吐くことさえできない意匠となっている。
「中々壊せないブロックばかりがずらりと並んだステージ」というのはまだしも、
「途中で壁に当てることなく、ブロックにボールを当て続けるステージ」において、
配置されているブロック全てが一度ボールを当てると壊れる普通のブロックである、
などというのはそれだけで気が滅入るものである。
そこに現れるのが砲弾による攻撃である。
パドルに当たるとミスとなるこの砲弾、ステージによっては複数の砲台から次々と打ち出されてくる。
ならばと砲台自体をボールで狙おうにも、先述の中々壊せないブロックや、一切壊せないただの壁に砲台が守られているステージではそれも叶わない。
加えて先の暗闇ステージでは、闇に紛れて発射された砲弾がボールの光に照らされ、
パドルの間際に現れて初めて気付く、という絶望的な状況が発生する。
レベルが高いとされているステージには全てこの砲台が設置されており、
プレイヤーの精神力を根こそぎ奪い取ることとなる。

高難度なステージこそ技術の見せ所、と考えるプレイヤーもいるだろう。
しかし、「鬼帝」と称されるこのゲームにその様な単純な考えは通用しない。
プレイヤーが唯一干渉できるパドルは動きが妙に遅く、停止しようとしても少し滑る。
そこに容赦なく砲弾の雨が降り注ぐのであるから、ミスなくボールを弾くだけでも困難を極める。ブロックとパドルの間隔が近いステージでは一層顕著である。
目一杯パドルを動かし、パドルの端が何とかボールに追いついた…と思ったら、
ボールが下に弾かれて落ちて行く…という、僅かな光から絶望の淵への逆落としも頻発する。
斜めにブロックにぶつかったボールが垂直落下してくる可能性もあり、落下位置の予測は容易ではない。
ブロック崩しではよくあるボールの動作ではあるが、…これは果たしてブロック崩しなのだろうか。
プレイヤーに残された伝はアイテムの存在であり、
事実ブロックを貫通する様になるアイテムを獲得できれば、ステージの難易度は自ずと下がる。
それでも良いアイテムが手に入るかどうかは運次第であり、
運が悪いと、「パドルの移動速度が下がる」というアイテムを手に入れてしまい、ほぼ確実にミスとなる。
そしてこの運要素が最大限に発揮されたのが最終ステージである。
ここには矢印ブロックが存在し、ボールを当てることで90°ずつ回転する。
このブロックを全て指定の向きに揃えればクリアとなるのだが、
一度矢印を合わせても、そこにボールが当たると再び90°回転し、やり直しとなる。
丸みを帯びた矢印ブロックにぶつかって乱反射したボールが、
向きを揃えていた他の矢印ブロックを次々と襲う、という光景は地獄絵図そのもの。
最終ステージにはこの矢印ブロックが6つ存在する上、アイテムは一切存在しない。
忘れてはならないのが砲台であり、壊せない壁に守られた4基の砲台が怒涛の砲撃を浴びせてくる。
クリア出来るかどうかはひたすら運次第…もう一度訊く、これは本当にブロック崩しなのだろうか。

このゲームをキャラゲーとして楽しむ可能性も残されている。
このゲームには「超キティラー」と呼ばれる、キティをこよなく愛する少女たちが10人登場する。
そしてキャラ1人ごとの12ステージをクリアすると、ご褒美として
そのキャラのイラストを獲得できる。
しかしこのイラスト、全て他所で公開済みであることに加え、
PSネットワークストアでより良質な物を1枚50円で手に入れることができる。
つまりこのゲームにはキャラゲーとしての生き方も残されてはいないのである。
その他細かい部分を見ても、オプションはBGMとSEの調整だけ、
プレイ中のBGMはわずか2種類、
120ステージクリア後に登場する、3種類のEXステージもランダム配置のエンドレス…、
と、随所に物足りなさを感じさせる。
ゲームをクリアしても、その先にはエンディングはなく、
様々な苦悶をその身に受けた、幾多のプレイヤーの屍が横たわっているだけである。
超キティラーが愛してやまなかった物…それは決して「鬼帝」などでは無かったはずである。

こうして、無間地獄が顕現した、とでも言うべき様相を呈した
「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!」が今年度のクソゲーオブザイヤーを受賞した。
序盤こそブロック崩しゲームとして認識出来るものの、後半になるとプレイヤーは、
恐怖のステージの数々によって何度もクリアに失敗し、その度に何度もプレイを再開、
そしてまた力及ばず、ついには乱数調整を始める…
これでは只の作業、或いは修行である。
評価できる点であったはずのロードの快適さも、プレイヤーを幾度となくこの苦難へと追いやり続ける、
悪魔の手先となってしまうのである。
「キティ」にはバグが殆ど無い、という特徴もあるが、忘れないで欲しい、
ゲームにはバグが無いことが求められるのであり、バグが無いことは決して
評価されるべき点ではあり得ないのである。
他の2作も救いようのない出来の悪さを誇っているが、
「ブロック崩しのような何か」「着せ替えゲームもどき」と表現しても過言ではない「キティ」「プーペガール」と比べ、
まともなクリアが不可能であるとはいえ、まだ「戦略シミュレーション」としての形を保っていた「大戦略PERFECT」は先ず後れをとることとなった。
「キティ」と「プーペガール」の決戦は、両者ともにゲーム性が完膚無きまでに破壊されていたために熾烈を極めたが、
崩壊しながらも、「可愛らしいアイテムを眺める」「SNSのおまけ」という側面に辛うじて光を見出すことができる、さながら暗黒星雲である「プーペガール」に対し、
最後の側面である「キャラゲー」としての道すらも、既存・ソフトなしでも入手できるご褒美イラストに埋め尽くされ、残されたのが渇いた笑いのみ、という「キティ」は最早ブラックホールであり、「キティ」が「プーペガール」を僅差でかわす形となった。
そしてその渇いた笑いすらも、KOTYスレ住人の笑いの種に変え、
ついには鬼帝をスレのマスコットにまでのし上げたこの作品は、
本来ならば憎まれるクソゲーに取り憑かれた、「超クソラー」たちの祭典である、
KOTYの大賞として最も相応しい作品である、と言えるだろう。

今年度のKOTYを振り返ると、最低品質のクソゲーが跳梁跋扈した、粒ぞろいの年であったと感じられる。
ノミネート作のジャンルも、戦略シミュレーション・恋愛アドベンチャー・
着せ替えゲーム・ブロック崩し…など多岐にわたり、クソゲーの土壌が大いに潤う豊作の年であった。
こうなると翌年の不作が危惧されるが、そこは逆境から生まれるクソゲーである。
来年度も、それまでとは一線を画する様なクソゲーが登場することを危惧…いや期待しよう。

それでは最後に、見事今年度の大賞を受賞した鬼帝閣下にお言葉を頂き、
今年度のKOTYを締めくくることとする。

「よくぞスレを1年間楽しんでくれた。 褒美として地獄への招待状をやる。」
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