2010年 次点

概要

名称RPGツクールDS
ジャンルゲームブック型アドベンチャー
対応機種ニンテンドーDS
発売元ブロッコリー
開発元日本アートメディア
発売日2010年2月25日
価格5,040円(税込)
対象年齢CERO:A(全年齢対象)

要点

選評

選評案その1

「アクエリアンエイジ」というトレーディングカードゲーム(以下TCGと略)がある。
『美少女TCGの最高峰』と銘打っており、歴史も国産のオリジナルTCGではもっとも古い部類に入る
近年は版権タイトルのTCGに押されっぱなしではあるが、まだやる気は十分のようだ。
『ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period』は、それのメディア展開作品である。
これまでメディアミックスが一度も成功したことの無い同タイトルであるが、それの中でもとびっきりの大失敗作だろう。
無論、メディアミックス云々を置いといても相当なクソゲーなのは間違いないが。

プレイすると、まず第一に『ゲームブックじゃねえ!』という突っ込みが入る。
元となるTCGのシステムを再現してないのは仕方無い。これまでのメディアミックスでも、ほぼ無視していた。
(簡略化した限定ルールでプレイするネットゲームはあったが)
しかし、これではただのノベルゲーだ。それとゲームブックは違う。
システム面も褒められた所はほとんど無い。せいぜい縦読みデザインが読みやすい、ぐらいか。
セーブ&ロードにアクセスしづらく、セーブデータも三つ。スキップ機能も使いづらく本体に悪い。
シナリオ中に出てくる文章をタッチすることで用語集が出てくる機能があるが、ほとんど使用する機会が無く
しかも一部単語と解説が間違っている。やる気無いだろ
シナリオ面も、褒められたものではない。
元ネタを殆ど活かせてない上、特に面白いという訳ではないシナリオ。
例えるならば、ホイコーローを注文したらあまり美味しくない野菜炒めが出てきた、といったところだろうか。
それ単体なら食べられなくもないが、期待した物でない上値段分は絶対取り返せない。
なお、一度ヒロインのルートに入ると選択肢にほとんど意味は無く一部即死ルートがある程度。
CG枚数が各ヒロイン5枚+α、立ち絵の服装バリエーションが無いせいで一部キャラがおかしく見えるというお粗末な部分も散見

ここまでは前座、問題はここから。あちこちに、テストプレイを一度もしてないのが確定のバグが見られるのだ。
キャラ立ち絵が残り、居ない筈の場面でもそのままの場面がかなりある。しかもセーブ&ロードしても消えない。
大抵は最前列に出ているため他のキャラが隠れる上、イベントCGが出る場面であっても構わず出っぱなしで
イベントCGが隠れてしまうという酷い状態が頻発する。また、立ち絵同士が干渉して表示がおかしくなる場面も。
その状態の立ち絵が消えるのは、話の中で日付が変わるのを待つしかない。
また、一部ヒロインのシナリオ終盤……一部と言っても、6キャラ中3キャラだが……で、声と文章の同期が取れていない。
具体的には「一つ後の文章のセリフを読んでいる」「一つ前の文章のセリフを読んでいる」のいずれかが発生するのだ。
無論、エンディングまでズレは直らない。一番盛り上がるところでそんなバグを起こすとは、デバッグしていないのだろうか。
多分してないんだろう。
極めつけに「タイトルメニューからCGモードを閲覧し、その後ゲームをプレイする」と
メニュー画面に何も表示されないという訳が分からない状態に陥る。そうなると設定変更はもとよりセーブ、ロードも不可能。
その状態に気づいてやり直した場合、既読データもセーブされないため同じ文章を二度読むハメになる。
なお、公式で発表されているバグはこれだけである。

通して一回プレイすれば分かるはずのものを全放置しているのは、『修羅の国』と呼ばれるエロゲー業界でもあまり無いだろう。
PCタイトルが大半のエロゲーではパッチを当てることが可能であり、その点でもタチが悪いと言える。
『クソゲーにおいて、バグはドラのようなもの』という名言があるが
これの場合は「安い手にリーチをかけたらドラが沢山乗りました」的な物だろうか。

余談として
・ファミ通でレビューが掲載されず「その他の発売ゲーム」欄での紹介であった。
 レビュー掲載拒否ではないかと疑いたくなる
・本家TCGの2chスレでは、新弾がほぼ同時発売だったこともあり全スルー。
 出来が悪いという話題で「やっぱり」という反応だった
という二点を付け加えておこう

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