2011年 次点

概要

名称プロ野球スピリッツ2011
ジャンルスポーツゲーム
対応機種3DS
発売元コナミデジタルエンタテインメント
開発元パワプロプロダクション
発売日2011年4月14日
価格5800円(税込)
対象年齢CERO:A(全年齢対象)

選評

プロ野球スピリッツ2011、3DS版

・グラフィック
悪い点
フレームレートが低すぎる。
野球ゲームで攻撃、つまり球を打つ時は相手の投げるボールの位置にカーソルを合わせて打つ必要があるが
フレームレートのわるさによってカーソルが滑らかに動いてくれない。
ゲームウォッチのキャラクターみたいな動きをする、
と考えてくれれば問題無いだろう。
それに対しボールもフレームの問題で点滅しながら変化する魔球と化している。
普通にやると全く打てない。
対処方法として、打撃時にタイミングのみを合わせるゾーン打ち、というシステムが存在。
これを使用すればなんとか問題なく点を取ることが出来るだろう。
しかし、大変なのは打撃よりも守備。
バッターの打った打球は凄い早さで飛んでくるものの、
それを取らなければならない選手がフレームレートの悪さで瞬間移動しながら動く。
つまり球が取れない。
対処方法としては守備をオートにしよう。
自身がプロ選手になって狙って撃ちたい、守りたい、というコアなファンの欲求は見事に打ち砕かれるだろう。
また、フレームレートは体感ではあるが
3DMAX<3D中<<2D表示
であり、
操作ガイドなどをオフにすることで少しマシになるなど、ユーザーのニーズに合わせて工夫する事で少しマシになる。
勘違いしないで欲しいのは良くなる、ではなくマシになる、
という表現を察して欲しい。
それと、10時間くらい遊んだら慣れて来た。

良い点
画面が3Dになる事、これはハードの仕様上当たり前であるがこれが野球と非常に相性が良い。
目の前で本物そっくり(一部微妙)に作られた選手が立体で動く。
3DS、またはPS3を3Dテレビでプレイした人なら判ると思うがこれが感動する。
まるで球場内、しかもフィールドの中で試合を見ているような錯角に陥る。
これでフレームレートがまともだったら、凄い良いゲームとして評価されたであろう。

・ゲーム部分
上記の内容をみれば判ると思うが、
コレはゾーン打ち、守備オートでの感想である。
何故なら通常システムだとゲームにならないので。
根本的ゲーム部分に関しては流石に野球ゲームの老舗コナミである。
選手一人一人の能力が再現され、得意なコースや苦手なコースなども再現。
速い球を連続で投げると相手の目が慣れて打たれるので
速球、ゆっくりの変化球を交互に投げて目を慣らさないように気を使ったり
今後20年全試合が出来るペナントでは全選手の疲労度がありベテラン選手や現実世界でも怪我が多い主力選手を適度に休ませる、またちまちまと若手を使うことで育成するなど
本当に監督になったかのようなプレイングや思考が出来る。
また、試合中にコーチから「ここはバントで確実に行くべきです」「抑えの◯◯に変えて、この試合を終わらせましょう」
などとアドバイスが飛んでくる。ので初心者でも安心。
はっきり言おう、わりと面白い。

・システム周り
ロード時間は大分短い、さすがROM。
他のソフトと比べても短い方。
ものを選ぶ時にスクロールするがスティックを入れっぱなしで適当にスクロールを流すとBGMが途切れ途切れになる。
名前などの設定が全て上画面で、
タッチパネルをろくに使えていない。
選手の腕の細さ、身長と足の長さ太さや靴下の種類まで事細かに決められる。
しかし胸板の形を決める時に選手がこっちを向いてるので胸板のパターン4つの何が違うかわからない。

・音
3DS全体に言えるが今までの携帯機で一番音が良いハードでありこのソフトも例外ではない。
3D画面と合わさって臨場感を盛り立ててくれる
また、TV中継のように実況解説が存在し、聞いてて楽しい。
解説の一人は役に立つ事を言わない。これは実際のTVでもよくある事で、良く再現出来てるとも言える。
またホームランなど試合が動くプレーを
するとベンチでインタビューがされて試合中にベンチにいるアナウンサーが報告してくる。
またROMなので実況が遅れない。これは非常に大きい。
が、ロードの長いハードでの制作が多かったからか、
たまに実際に結果が出る前にチャンスを潰したとかネタバレを言う
これはPSPなどでもあったので開発側に問題があるだろう。

・総評
なんとか遊べる出来。
シリーズファンにとっては糞ゲーであるので注意。
ファンじゃなくても糞ゲーではあるが、
糞ゲーの糞とはウンコの事であり、このウンコは「出したあと、ホッと一息つくウンコ」である。
買う前にしっかり把握し、守備オートなど調節すればちゃんと楽しめる。
マニュアル操作で楽しみたかった人にとっては血のついた綺麗な形のウンコでしか無い。
KOTY、少なくとも大賞にはなり得ないと思われる。
が、自身が楽天のファンであるからこそのこの評価であり、
実際の野球を見ない、ゲームしか興味が無い、という人はもっと評価が下がるだろう。
売り文句の「誰がやってもプロ野球」と言うのは大嘘である。

余談だが、解説が
「今日は球がよく見えていますね!」
としゃべっていたが、そんな事はない。