[[2010年 次点]]
*2010年のあらすじ(選評をつなげたもの) [#nefd2cf3]
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「アクエリアンエイジ」というトレーディングカードゲーム(以下TCGと略)がある。
『美少女TCGの最高峰』と銘打っており、歴史も国産のオリジナルTCGではもっとも古い部類に入る
近年は版権タイトルのTCGに押されっぱなしではあるが、まだやる気は十分のようだ。
『ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period』は、それのメディア展開作品である。
これまでメディアミックスが一度も成功したことの無い同タイトルであるが、それの中でもとびっきりの大失敗作だろう。
無論、メディアミックス云々を置いといても相当なクソゲーなのは間違いないが。

プレイすると、まず第一に『ゲームブックじゃねえ!』という突っ込みが入る。
元となるTCGのシステムを再現してないのは仕方無い。これまでのメディアミックスでも、ほぼ無視していた。
(簡略化した限定ルールでプレイするネットゲームはあったが)
しかし、これではただのノベルゲーだ。それとゲームブックは違う。
システム面も褒められた所はほとんど無い。せいぜい縦読みデザインが読みやすい、ぐらいか。
セーブ&ロードにアクセスしづらく、セーブデータも三つ。スキップ機能も使いづらく本体に悪い。
シナリオ中に出てくる文章をタッチすることで用語集が出てくる機能があるが、ほとんど使用する機会が無く
しかも一部単語と解説が間違っている。やる気無いだろ
シナリオ面も、褒められたものではない。
元ネタを殆ど活かせてない上、特に面白いという訳ではないシナリオ。
例えるならば、ホイコーローを注文したらあまり美味しくない野菜炒めが出てきた、といったところだろうか。
それ単体なら食べられなくもないが、期待した物でない上値段分は絶対取り返せない。
なお、一度ヒロインのルートに入ると選択肢にほとんど意味は無く一部即死ルートがある程度。
CG枚数が各ヒロイン5枚+α、立ち絵の服装バリエーションが無いせいで一部キャラがおかしく見えるというお粗末な部分も散見

ここまでは前座、問題はここから。あちこちに、テストプレイを一度もしてないのが確定のバグが見られるのだ。
キャラ立ち絵が残り、居ない筈の場面でもそのままの場面がかなりある。しかもセーブ&ロードしても消えない。
大抵は最前列に出ているため他のキャラが隠れる上、イベントCGが出る場面であっても構わず出っぱなしで
イベントCGが隠れてしまうという酷い状態が頻発する。また、立ち絵同士が干渉して表示がおかしくなる場面も。
その状態の立ち絵が消えるのは、話の中で日付が変わるのを待つしかない。
また、一部ヒロインのシナリオ終盤……一部と言っても、6キャラ中3キャラだが……で、声と文章の同期が取れていない。
具体的には「一つ後の文章のセリフを読んでいる」「一つ前の文章のセリフを読んでいる」のいずれかが発生するのだ。
無論、エンディングまでズレは直らない。一番盛り上がるところでそんなバグを起こすとは、デバッグしていないのだろうか。
多分してないんだろう。
極めつけに「タイトルメニューからCGモードを閲覧し、その後ゲームをプレイする」と
メニュー画面に何も表示されないという訳が分からない状態に陥る。そうなると設定変更はもとよりセーブ、ロードも不可能。
その状態に気づいてやり直した場合、既読データもセーブされないため同じ文章を二度読むハメになる。
なお、公式で発表されているバグはこれだけである。

通して一回プレイすれば分かるはずのものを全放置しているのは、『修羅の国』と呼ばれるエロゲー業界でもあまり無いだろう。
PCタイトルが大半のエロゲーではパッチを当てることが可能であり、その点でもタチが悪いと言える。
『クソゲーにおいて、バグはドラのようなもの』という名言があるが
これの場合は「安い手にリーチをかけたらドラが沢山乗りました」的な物だろうか。

余談として
・ファミ通でレビューが掲載されず「その他の発売ゲーム」欄での紹介であった。
 レビュー掲載拒否ではないかと疑いたくなる
・本家TCGの2chスレでは、新弾がほぼ同時発売だったこともあり全スルー。
 出来が悪いという話題で「やっぱり」という反応だった
という二点を付け加えておこう

2010年初頭、あのシステムソフトアルファーがKOTYに新たな尖兵を送り込んできた。
その名も「現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜」
PCゲームでシリーズ化されているSLG、「現代大戦略」のPS2/PSP版をさらに移植した作品だ。

このゲームをプレイしてまず気になる点は、カーソルの動きだろう。
遅い。何かに引っかかったかのようにカクカクと動く様子はそれだけでストレスを貯めてくれる。
またタッチペンを使えば高速でカーソルが移動するので大きく動かしたい時にはそれを使うことになる。
が、何故かタッチペンを離す時にメニュー画面が暴発する。
一応、十字キーを連打すれば快適な速度でカーソルは動く。メニューに関してもタッチペンを画面中央寄りにずらしてから離せば暴発しない。
しかし逆に言えば、カーソルを動かすだけでこのような工夫が必要になるのだ。

また、情報の検索性も良いとは言えない。
マップから直接ユニットデータに飛ぶことはできない。
マップ上でも見られる簡易データでは部隊の所持している武装の射程、弾数、タイプしかわからない為、武装の名前もわからなければ、有効な相手もわからない。
つまり軍事知識のある人間でさえ、その武装が対空兵器なのか、対戦車用なのか、対潜水艦なのかは並び順で覚えるしか無い。
航空機の下にヘリや陸上部隊が入り込むと、カーソルを重ねないと一切見えないため、最悪敵戦車に気付かずに奇襲される事もある。
数種類ある兵器の一覧表はソート順を変えることが出来るが、何の順になっているのか表示されないためわからない。
特に部隊を出撃させる時のリストは、ソート順を変えてもユニットデータを見ようとすると元の位置のユニットのものが表示される、
ソート順を変えた後一つユニットを出撃させるとソート順が勝手に変わる、とソートを事実上禁止される。

そもそもユニットデータを見ても、説明書に全く説明のない数値が多々ある。
回避の数値などはまあ高ければいいのだろうと予測できるが、武装のタイプ「全E」や「攻」の意味を見ただけで理解できる人間はいるのだろうか。
ユニットの配置方法などもまともに説明されていない上にチュートリアルでもユニットの配置には全く触れていない。
初めに出ているユニットを動かす「行動フェイズ」があり、それを終了した後「配置フェイズ」で新しいユニットを配置するのだが
説明書に書いてあるのはフェイズ名と順番だけである。またチュートリアルでは配置フェイズが存在しない。

ここまでの不親切な仕様を我慢すればまともなゲームになるかといえばそんな事はない。
まず敵の思考。各陣営一分程度の思考時間を使う為、CPUが最大の5陣営いる場合は待ち時間はかなりのものになる。
それだけ考えた挙句に補給さえろくにせず、ピンポイント爆撃を無防備に喰らう様はむしろ悲しくなる。

戦闘画面が酷いという話もあるが、
CPUの手番が余計に長くなるのを嫌い、殆どの人は非表示にすると思われるため大した問題ではないだろう。

空母や揚陸艦を使いたいという人は他のゲームを買おう。
どちらも大量のユニットを輸送して、様々な場所で部隊を展開できる近代戦の花形ユニットの筈なのだが
何故かどちらも味方の港の中でしかユニットを出すことができない。完全に高いだけの鉄屑である。

今作の目玉要素の一つである内政だが、
これも部隊の整備工場は強化してもセーブロードで元に戻る、一周クリアすると集めた人材が無駄になるなど問題点は多い。

エンディングまでの流れは、数回ミッションクリア&特定国との友好度を上げる→国の個別ルートに分岐→個別ルートのミッションを最後までクリア→エンディング
なのだが、個別ルートに分岐後また分岐の判定が行われることがある。
分岐した場合はその国の一番最初のミッションからやり直すことになってしまい、しかも何故か今と同じ国のルートに分岐することさえある。
これを回避するには分岐後、全ての国の友好度を分岐が発生しないレベルまで下げる作業が必要になる。

もちろん、システムソフトアルファーおなじみのフリーズも完備されている。
頻度はそれ程高くないが、マップ開始時、敵ターン開始時、敵ターン途中にAを押した時などパターンはバリエーション豊かである。
また敵の巡航ミサイルを迎撃した時には不自然なメッセージが出た上で操作不能になるが、
これは恐らくフリーズではなく操作を一切受け付けないだけだろう。

長々と書き連ねてきたが、一言で纏めるとこうなるだろう。
「バグと不親切さがひたすら詰め込まれたゲーム」
ゲーム進行に支障のあるバグは確率の低いか回避可能な物しか無いが、あらゆる要素がプレイする人間の気力を奪いに来る。
タイトルの「大戦略」というのは、購入者を撃破するための戦略なのではないか……このゲームをプレイしていると、そんな考えさえ浮かんできてしまう。

2010年3月、出会いと別れの交錯する季節の中、我々は新たなジャンルのクソゲーと出会うこととなった。
エンターブレインから発売された「RPGツクールDS」である。
RPGツクールシリーズは、ゲーマーならば誰もが一度は想像したであろう「理想のRPG」を手軽に作成できるソフトである。
またコンシューマとしてはPS2版以来の6年振り、携帯ハードではGBA版以来の7年ぶりの新作であることや
wi-fiに対応した素材配布やコンテスト、イラスト投稿サイトPixivとのコラボレーション企画の存在もあり
シリーズファン(以下・ツクラー)は元より新規客の期待も次第に高まっていく。
彼らはそれぞれの「理想のRPG」に想いを馳せ、2ヶ月の延期を経たにも関わらず多くの者が発売日にそれを購入した。
しかし、次第に本スレや携帯KOTYスレは購入者たちの悲鳴や怨嗟の声が届き始める。
その様子はまるで高難易度ダンジョン挑み、そして途中で力尽きる冒険者のようであった・・・。

まずツクラーを出迎えたのは、いずれもRPGではポピュラーな「職業」「属性」「耐性」の仕様である。
まずは職業。これを主要キャラに設定する事でレベルアップ時のステータス上昇値や特技の習得レベルを設定する事ができる。
しかし、主要キャラは最大8人なのに対して職業は最大16種の枠がある。つまり、8種類分の枠が余ってしまう。
DQやFFに親しんできた方は「転職させればいいだろう」と思われるかもしれない。
しかし、RPGツクールDSには転職システムが実装されていないのである。(前述のGBA版では転職させることが可能だった)
つまりこの余り枠をゲーム中で有効活用する方法はあまり無い。

次に属性。通常のRPGでは敵によって呪文や特技を使い分けることで敵の弱点を突き、ダメージを増加させる効果がある。
しかし、この属性もRPGツクールDSには実装されていない。
炎や水、土や風、氷や雷とアニメーションは多彩だが、与えるダメージ量は数値で設定するだけというのは味気ない。

最後は耐性。メタルスライムなど呪文・状態異常に耐性を持つ敵は多くのRPGで見られる。
・・・ここまで読んでいただければ想像に難くないだろうが、耐性も実装されていない。
この仕様や前述の属性の仕様のせいで「炎を無効化するが水に弱い」敵などは一切作れない。もっと悲惨なのは状態異常である。
ラスボスだろうが高確率で麻痺や毒や即死が効くのである。対処法は「状態異常にさせる呪文・特技・アイテムを作らない」こと。
それだったら状態異常を実装するなと言いたい。

このような制約がある中、ツクラーたちは「理想のRPG」を作るために様々な工夫を凝らし製作に励んでいた。
しかし、そのような工夫さえも水泡に帰してしまうような制限がある。
それは「メモリ容量」である。

RPGツクールDSの目玉として、wi-fiに対応したコンテストが挙げられる。
これはツクールによって作られた作品を公募し、優秀な作品を決めるというツクラーたちの腕の見せ所となっている。
今回のコンテストはwi-fiを使っての公募ということで非常に間口の広いものとなっている。
だが、公式HPのコンテスト開催概要には『募集作品:「DPサイズ」で作成されたゲームに限ります』の気になる一文が。
当然多くのツクラーがDPサイズでの作成に取り掛かるが、これがとんでもない地雷だった。

DPとはDownload Playの略であり、その名の通りDSのダウンロードプレイに対応したモードである。
このモードで作成したゲームならば、RPGツクールDSを持っていない知り合いにも
ダウンロードプレイで受信させる事でそのゲームをプレイしてもらうことが可能となっている。
ここまで聞くととても素晴らしく感じられるが、このモードには最大の欠点がある。
それは「メモリの消費量が半端じゃなく多い」のである。
DPモードでツクラーが使える総容量は約116万なのだが、ワールドマップで約16万の容量を消費する。
「建物も何も無い」村に約28万、さらにその村に部屋や家を「1つ」置くと約20〜30万の消費となっている。
またゲームを盛り上げる数々の要素も、BGMに約10万〜20万、特技のアニメーションに最大10万
モンスターのグラフィックに最大3万、宝箱のグラフィックに約5万とこれでもかと言うほどに消費する。
本スレでは「容量を削減するために」仕方なくBGM・マップ・アニメーション・グラフィック等を使い回し・削除をするツクラーも続出した。
そして彼等の行き着いた先はダンジョン一つの中で話が進む一時間程度のミニゲームであり「理想のRPG」の思いを胸にコンテストに挑もうとした男達はこんなはずでは…と枕を濡らした。

もう一つのモード「Fullサイズ」は、RPGツクールDSを持っている者同士での通信が目的のため、素材の容量は心配なくなる。
しかしワールドマップのオブジェクト数から来る消費は破格でサンプルから呼び出すだけで全容量12万5千の内3万3千を消費するため、容量を圧迫してしまう。
さらにマップやBGMなどの演出が使い放題になっても肝心のイベント作成に使う容量や道具・装備の作成上限各50個はDPと変わらずそう多くないため大作を目指してマップだけ広大に出来てもイベントがスカスカとなるため余り長いゲームは作れない。

しかも、Wi-fiで配布された素材を保存する際には、DP・Full共に容量の一部を使って保存することになるためゲームに使いたい配布素材を取ると、ゲームに使える容量が減るというどうにもならない矛盾が存在する。
特にPixivのコラボレーション素材は、DP・Full共に公式のデモ画面一枚を再現するだけで容量が枯渇する始末である。

この時点で一部のツクラーからは「RPGは諦めた」「ADVツクールだったんだよ」「脱出ゲームなら・・・」といった声も聞こえ始めた。
しかし、ごらんの有様状態でもツクラーたちは己の知恵をスレに集結させ、よりよいゲームを作るよう努力してきた。
だが、そんな健気なツクラーたちの努力ではどうしようもないバグの数々が発見されてきたのである。
・反撃が発動すると、そのターン中に通常攻撃を受けた際は必ず反撃する
・1ターン中に2回以上反撃が発動すると2回目以降は高確率で0ダメージ
・アイテムを使おうとしたターンに、実際にアイテムを使う前に行動不能にされた場合でもアイテムが消費されてしまう
などRPGとしての戦略を揺るがしかねないバグや
・移動中のみ使用可能な設定していたアイテムが戦闘中でも使えてしまう
・逃走したモンスターはHP0、グラフィック非表示という処理
・消費HP・MP半減の処理が逆順
など単純な処理の問題の他
・イベントの分岐の中に命令が50越えるような内容をペーストしようとフリーズ
・モンスターに特技を設定したまま特技作成メニューで、モンスターに設定した特技の並び替えを行うとセーブ時にフリーズ
・攻撃系の特技で対象を選ぶときAとBを同時押しすると、場合によってはフリーズ
などバグゲーにはお馴染みのフリーズも搭載されている。
本スレやwikiには増え続けるバグ報告がまとめられており、今後もその数を増やすことが予想される。
また本スレではエンターブレインに質問メールを送った者もおり、色々な意味でその返信が期待されている。

「仕様」「容量」「バグ」の三重苦、普通ならば本スレさえも葬式状態になっているところである。
そのような状況下でも良い作品を作り上げるために切磋琢磨しているツクラーたちは尊敬に値する。
冒頭でツクラーたちをRPGの冒険者になぞらえて紹介したが、彼らこそが
RPGツクールDSという悪夢を打ち砕くために戦う勇者たちなのかも知れない・・・。

2010年6月。
誰が言ったかクソゲーオブザイヤーの夏は荒れる。
全国的な豪雨の中、前年度の二冠の王者システムソフト・アルファ(以下SSα)が現代大戦略DSに続いてクソゲー界に放った二発目の轟雷。
それが「大戦略PERFECT 〜戦場の覇者〜」である。

元はPCで発売された大戦略パーフェクト系の移植版であり、
最近の大戦略の特色であった連続するステージをクリアしていくキャンペーンが主体ではなく、色々なマップを集めたシングルマップ集であるのが特徴。
通常のキャンペーンもあるが、シャッフルキャンペーンという特殊なものを除けば数は2つと飽くまでもオマケである。
また、好きなユニットを集めて「マイ部隊」を編成し、オリジナル部隊として各マップを転戦して鍛えていったり、
細かいパラメータまで変えられるユニットエディタや、マップエディタなどの付属ツールも充実している。
どうせまともなゲームバランスにできた事など一度もないSSαである。調整はユーザーにやらせてしまおうと言うのは、ある意味英断であると言えるかもしれない。
例によって例のごとく宇宙マップやファンタジーマップなど、誰が喜ぶのか疑わしい妙なマップが数多く収録されている。
登場生産タイプも日米など主要国に加えてイラクやヨルダン、果ては北朝鮮など20カ国に及ぶ。

と、ここまで聞けば、育成好きのユーザーはなかなか心惹かれるものがあるかもしれない。
長いキャンペーンがメインではないので、ちょっとした空き時間にも出来るという携帯ゲームの長所を活かせるのも嬉しい。
かつて大戦略2などであったマップコンテストなど思い出す往年のプレイヤーもいるだろう。
「面倒なフラグ管理もない単純なゲームだ。しかも移植だし、いくらSSαでもそう悪い出来にはならないだろう…」
そう思った御仁、甘い。そこはクソゲー界の雄、SSα。
「大戦略PERFECT 〜戦場の覇者〜」はクソゲーとしてもまさにパーフェクトであり、覇者として相応しいものだったのだ…

まずこのゲーム、お互いの仕様がお互いの長所を打ち消しあうという謎のバランスになっている。
恐らく本作最大の特徴である「ユニットエディタ」で作った兵器は、マイ部隊に登録が出来ないのだ。
自分の部隊で戦いたい人はユニットエディタを使う機会はないし、ユニットエディタで調整した兵器で戦いたい人には、マイ部隊機能はあまり意味のあるものとは言えない。
あちらを立てればこちらが立たずである。いったいどうしろというのだろう。

またこのゲーム、とにかくキーレスポンスが悪い上に読み込みが非常に多い。
ユニットデータの参照はもちろんの事、地形の確認やユニット名の確認、果てはカーソルの移動や文字の入力まで
ありとあらゆる事に1秒ほどローディングが入る。
あっちを押してはジーコージーコー…こっちを押してはジーコージーコー…。プレイヤーの忍耐とPSPの耐久性が試される。
敵フェイズの1勢力辺り数分にも及ぶ長考と併せて、携帯機の利点が全くなくなっている。もはや空き時間に出来るものではない。
今作頑張ったであろう戦闘画面は、案の定一回ごとにロードが4秒程度入る上に、PSレベルの出来の悪いCGを小さな画面に映すため潰れて何が起こってるのかよく分からない。
しかし、戦闘に入る前に結果が表示されてしまうために、そもそも見る必要性が無い。
ある機能で遊びたい人は別の機能では遊べない、遊んでもらえないというのは、クリエーターとして気持ちの良いものなのだろうか?

システム関連も不親切この上ない。
例えば戦闘機なら戦闘機、爆撃機なら爆撃機で全てユニットアイコンが共通である。
大きな戦闘ともなれば陸で空で敵味方が入り乱れるわけだが、そこに表示されるのは全部同じ戦闘機。向きも同じなら当然形だって瓜二つ。
自軍のユニットならまだ覚えているから良いものの、敵軍の部隊でどれが脅威になるか一目で判断が付かないのは非常に辛い。
ユニットアイコンの端に表示される機数表示は、行動終了のEマークに隠れてしまいがちでどちらかの表示を消すほかない。
また、PC版であった階層システムを取り入れているので、1マスに地上、低空、高空など複数のユニットが存在できるが、
3Dで立体表示されていたPC版とは違い、見下ろし形の平面マップなので、
一番上のユニットのアイコンに申し訳程度に付いた数ドット程度の色分けされたマーカーでしか区別出来ない。分かり難い事この上ない。

もちろん、敵も構わず自軍航空機の真下に入り込んでくるので、よく注意しておかないと知らない間に歩兵が戦車に襲われていたなんてことになりかねない。
しかも前作に比べれば改善されたものの、やはりユニットの情報を得るのが面倒。航空機の燃料を調べるのも結構な手間なんである。
当然、ターン開始に自軍敵軍あわせてユニットの情報を確認するのだが、ここであの細かいロードの嵐が襲う。

そろそろ不安になってくるが遊べないものではない、変な訓練の行き届いたプレイヤーであれば我慢の範疇になるだろうし、
最近の審査が厳しくなっているクソゲーオブザイヤーにはノミネートも難しいだろう。
実際、筆者も当初はやや不満はあるものの、まあこれくらいなら遊べないこともないかなぁと思っていた。1ゲーム目だけは…

問題はここからである。
最初に言っておかなくてはならない。
上で「ある機能で遊びたい人は別の機能では遊べない」と書いたが嘘である。そもそも全く遊べないのだ。

このゲームの特筆すべき点は重大なバグの多さである。
ユニットに敵の攻撃を指示しても何もせずに終了するのはまだかわいいほうで、
ステージクリア時、敵ターン終了時、戦闘終了時、ありとあらゆるタイミングでフリーズするので油断ならない。

さらに、多くの致命的な誤作動によってマイ部隊はほぼ使用不可能である。
マイ部隊を配置すると、なぜか敵としてマップ上に出現することがよくある。かなりの頻度で。
それだけでも問題だが、敵の状態のまま自国の生産施設に配置されてしまった場合、その分出撃枠が制限されてしまう。
恐らく全ての生産施設が敵に埋め尽くされた場合、新規ユニットが一切出せない事態に陥る。
最悪の場合、自国首都に配置した歩兵が敵になる可能性もある。
ゲームのシステム上、自軍の行動ターン終了後にユニット配置ターンとなるので歩兵の排除も出来ず、こうなった以上何も打つ手が無い。
状況にもよるが、次の敵ターンで首都占領敗北も十分に考えられる。

マイ部隊はシステムデータを使って出撃の都度保存されるため、バグで敵になったら回収する術はない。
ゲームが続行不能に陥った場合はもし途中セーブしていなければ、出撃中の全ユニット破棄となる。
また、ステージクリア時のユニット数がそのまま1ユニットの上限数となり、それ以上補充されないバグがある。
もし、敵との交戦で1ユニット辺り最大10機編成の部隊が損害を負って、2機になっている状態でクリアした場合
本来であれば10機まで回復できるものがどんなに補充しても2機までしか補充できない事態になる。
詳しいバグ発生条件は不明だが、クリア時に補充分の費用が足りない場合に適切に処理がされない可能性があるため、
大変面倒ではあるが、クリア前には持越しが必要な部隊を全て全回復しておく必要がある。
恐るべき事に、新規生産部隊でも一度減ったら補充できない事がある、という報告が挙がっている。
また、バグではないものの、ステージクリア時に持ち越しできるユニット数に100部隊までと制限がある上に、一度選ぶとキャンセルできない
持ち越し枠が全部埋まった後に精鋭部隊を選び忘れた事に気が付いても遅いのである。
当然パーフェクトと言うだけあって、ソート機能などという軟弱なもの存在しない。
微妙に効き難いキーレスポンスの中、お目当ての部隊を最大250部隊の中から探し当てなければならないのは大変な事である。

そして極めつけは自国生産施設に突然名無しのユニットが配備されるバグである。
当然邪魔なのでどうにかしたくなるが、現れても絶対に触ってはいけない。謎の部隊を確認すればそのままPSPを巻き込んで電源ごと落ちる。
動作中の機械の電源を抜くのがどれほど恐ろしいか、PCユーザーならお分かりいただけるだろう。

これら多発するバグによって、部隊の持越しが基本となるキャンペーンは事実上クリア不可能である。
短期で決着の付く小さなシングルマップで、マイ部隊を持ち出さずに遊べば遊べない事もないかもしれない。
それでもフリーズの恐怖は付きまとうが。

どれもこれも一度でもテストしたら分かるだろうという欠点や誤作動だらけで、これぞ王者の貫禄といったところだろう。
ユニット間のバランス調整すらユーザーに一任するという荒業に打って出ても、根本的に製品未満であればどうする事も出来ない。
このメーカーの御多分に漏れず、公式からの説明は一切なく、サイト上にも一切不具合に関する記述はない。
最早誰からも見放され、一体どこを向いて何に向かって突っ走っているのか分からないSSα。
結局、大戦略パーフェクトの何がパーフェクトだったのだろうか。

2008年のめざせ甲子園、2009年の世界ふしぎ発見DSに続き今年も夏の怪物がやってきた。
「ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!」である。
本作は様々な絵師が描いた超キティラーと呼ばれる女の子が出てくる「ハローキティといっしょ!」という企画を題材にしたブロック崩しだ。
登場キャラクターは10人。各キャラクターごとに12ステージ、つまり計120の通常ステージとそれらを全てクリアすると現れる全3ステージのEXステージの合計123ステージのボリュームを誇る。
ゲームを起動するとかわいらしいキャラを背景にボーカロイド(SF-A2 開発コードmiki)の歌うテーマ曲画流れゆる〜い雰囲気のオープニング画面がプレイヤーを出迎えてくれる。、
しかしこのゲームの正体が「覇王鬼帝」と呼ばれ恐れられている、無限に地獄が広がる理不尽難易度のゲームだとは誰が予想できただろうか。

まず普通のブロック崩しに比べてボールの挙動がおかしく、ブロックの角に当たった場合垂直に跳ね返ってくる事がある。
ブロックの角に当たったかどうかも見極めにくく、ボールの動きの予測が困難。
その割にバーの動きがもっさりと遅く、ボタンの押しっぱなしによる加速といったものも無いため気づいてもボールに追いつけず落としてミスをするという事態が頻繁に発生する。
バーに慣性が働いてるためか操作性が悪く、バーを使ってのボールの調整もやりにくい。
更にボールにギリギリ追いついて返そうとしたり、ボールの動きを調節しようとした時にバーの横で返してしまうと下に跳ね返って落ちていきミスとなってしまう始末。
常に事故死の可能性がつきまとうため気が抜けず、全体を通して緊張感溢れる仕上がりと言えるだろう。

オプションはBGMとSEの三段階調整のみと充実しており、ゲーム中のBGMも123ステージあるのに通常時と残り1機の時の2種類しかなく、
BGMに頼らず純粋にゲームの内容で勝負しようと言う、あまりにもストイックな姿勢さえうかがえる。

これだけなら、特別なルールだと思えば遊べない事もなく各キャラクターの前半のステージは難易度が高くなく楽しめる。
天風みさき(今泉昭彦画)のステージと橘みかん(ぽよよんろっく画)のステージは全体的に易し目であり、後述の「オーソドックス」なステージよりも先にやるといいだろう。
だが他のキャラクターは後半になるにつれ地獄に足を踏み入れていくことになる。

猫村いろは(okama画)のステージは説明書曰く「オーソドックス」であり最初に触れることになるだろう。
反射ブロック(ぶつけるとボールが急加速する)が敷き詰められたステージや低空にブロックを敷き詰めたステージ等「オーソドックス?」と思うようなステージが出てくる。
最終ステージではたくさんのブロックに守られた5つの敵ブロック(砲撃をしてきて弾にバーが当たるとミス)が待ちかまえている。
砲撃は基本的にバーが近くに来た時に行ってくるが、それ以外にも意味不明なタイミングで撃ってくることが有りパターンを確立できない。
敵の弾の落ちてくる位置と落ちてきたボールの位置が重なる、敵の弾を避けたら反対側にボールが飛んできて追いつけなくなった等の事故が多発する。
だが最初の方で貫通を引き当てればあっさりクリアできるため、最初に貫通を引き当てるまでやり直すのも良いだろう。つまりは運ゲーである。
正直あまり簡単なステージではないが本作では「オーソドックス」な構成であり、「オーソドックス=簡単」ではないので間違ってはいないだろう。

リオ(KEI画)のステージはブロックとボールのサイズが半分になるというもの。
ボールが小さいため見失いやすく、ブロックが小さくなった分ステージいっぱいにブロックを敷き詰めると言う迷惑なサービス精神が全開である。
ボールのコントロールが難しい本作では小さいブロックに狙って当てるのは難しく、ブロック崩しで良くある「後少しなのにブロックが中々消せない」苦しみを倍以上味わう事ができる。
反射ブロックが大量に設置されており加速した後にブロックにぶつかり回りボールを見失ってしまうステージやハードブロック(3回当てると壊れる)を95個敷き詰めただけ等のステージ構成も製作者の遊び心に溢れている。
だが大半のステージは貫通を引くとかなり楽になる。
最終ステージには砲撃が待ち構えているが貫通を引けばあっさりクリアできるため、やはり運ゲーである。

山邑カリナ(小梅けいと画)のステージはバーとブロックが丸いというもの。
説明書によると「バーもブロックも曲面のなので、どこに跳ね返るかわからない!?」という事だそうだが、曲面じゃなくてもわからないので些細な問題すぎない。
むしろ問題なのは敵ブロックを画面いっぱいに敷き詰めた為に弾が回避できず完全な運ゲーとなってしまっているステージが存在することだろう。

マール・キサラギ(しめ子画)のステージはタコの形をしたボスにボールを当てて倒せばクリアになるというもの。
このボスの形故に当てたら思いがけない方向に飛んで行ってしまったり、ボールを当てたら真下に落とされミスとなったり、後半になると無駄に硬くなりランダムに弾まで撃ってくる。
最終面では近距離に設置された事故要因となるハードブロックにハードブロックに守られた5つの敵ブロックと50発程当てないと倒せないボスとの耐久戦を強いられることになる。
砲撃のおかげでパターンが確立できず敵の弾やボスのボールのはじき返しによる事故が多発するため、むしろ必要なのは集中力よりも運かもしれない。
余談だが筆者はこのステージが最後まで残り、クリアに9時間もかかった。

蘭道鈴(黒星紅白画)のステージはキャラクターの設定を生かしトレジャーハンティングということでバーとボールとアイテムの回り以外が見えなくなっている。
終盤のステージではあの敵ブロックが暗闇から回避困難なステルス砲撃を仕掛けてくる。まともに回避するのは困難だが、貫通を使えばあっさりクリアできるため、最初に貫通が出なければリセットする戦法を取った方がいいだろう。
またしても運ゲーである。

一花麗流(西又葵画)のステージは全てのつぼみブロックにボールをぶつけて花を咲かせればクリアというもの。
ノルマ自体は変なものではないが、つぼみブロックが39個設置されたステージに87個のハードブロックで1個のつぼみブロックをガードしたステージ、
そして壊せない所に設置された敵ブロックからの砲撃を避けつつ、ボールを正確にコントロールしていかないといけないラスト2ステージと鬼帝らしい悪意に満ちたステージが満載である。
ボールコントロールが難しい本作において、細かいコントロールを要求してくる面も多く、耐久戦になりやすい構成のため更なる地獄に足を踏み入れるための修行の場には持って来いのステージだ。

真宮・エリザベス・つばさ(駒都えーじ画)のステージはコンボ(壁か天井かバーに当たるまでにボールがブロックに当たった回数)を指定の数を達成するというもの。
当然ブロックは当てれば壊れるので最初の1球で失敗したら必然的にやり直すことになる。
ブロック崩しらしくない事をやり続けるため、一体自分は何のゲームをやっているのかと自問自答することになるだろう。
要求コンボが厳しい面もあるがアイテムも砲撃もないので鬼帝にしては珍しく一切運が絡まず、攻略法をある程度確立できるのはブロック崩しらしいかもしれない。

水無瀬シズク(POP画)のステージはボールを当てると90度右に回転する矢印ブロックを全て指定の向きに合わせると言うもの。
ボールのコントロールが難しいこのゲームにおいて、このノルマはかなり厳しく矢印ブロックが丸いため当てたら思いがけない方向に飛んでいく。
更に恐ろしい事に指定の向きになった矢印ブロックはボールをぶつけると向きが変わってしまい再び3度当てて直さなければならないため、一つの矢印を揃えようとしたらボールが暴走し他の矢印が全てやり直しになったというような無限地獄にはまりやすい。
そしてステージが進むにつれ矢印ブロックの数が増えていき、最終面では壊せない位置に設置されている敵ブロックの砲撃を避けつつ、6つの矢印を揃えると言う悪夢のような構成が待ち構えている。

これらの地獄を乗り越え120ステージクリアするとスタッフロールもアナウンスもなくEXステージが解禁している。
これは適当に作ったようなもので、ランダムで今までのステージに使われた背景が設定され、ランダムにブロックが出てきてそれを延々と壊し続けると言うものである。
エンドレスなので終わりがなく残機がなくなるまで続けるのだが、何故かベストタイムが長くプレイした時間ではなく他のステージ同様最も短かったプレイ時間が記録されるとやる気の無さがうかがえる。
最終ステージであるステージ3を終えてもやはりスタッフロールは無かった。

この様にターゲットである大きなお友達どころかクソゲーマニアまで吹き飛ばしかねないテストプレイをしたか疑わしい難易度である。
クリアしたらゲットできるイラストも既に公式でサイトで公開済みのものであり絵目当てで買う価値はない。
更に言えばこのゲームはブロック崩しと言うより、敵の弾や取ると1ミスほぼ確定のバーの低速化等のアイテムなどを避けつつ、
ブロックから貫通やライフアップ等の有用なアイテムが降ってくるのを祈りながら、乱反射などの理不尽死という運要素の塊に
風味程度のゲーム性が加わったもので、とてもブロック崩し好きが買うものではない。
本作の評価点と言えばゲーム部分以外は割と快適な事だろうか。
ただしこのゲームはオートセーブではないためセーブをし忘れて鬼畜ステージをクリアし直しという賽の河原にはならないように気をつけて欲しい。

料携帯アプリの乙女ゲーが増える昨今、ついに携帯アプリからのコンシューマーへの移植作が登場した
それが「天下一★戦国LOVERS DS」である
携帯→DSという移植、「新規書き下ろしを含め、100章以上の壮大なストーリー!」の宣伝文句を謳っており
シナリオ全収録と誰もが思って購入するであろう本作品、完結編が収録されているのは9人中2人だけという意外性を持つ
そしてその事実をプレイヤーが知るのは、購入した後に読む取扱説明書である
さすが携帯アプリ。コンシューマーの常識は通用しない

またその操作性も携帯アプリの特性を生かし、DSの利便性は一切利用しない男らしさを見せる
セーブデータはキャラクターごとに一つ。シナリオもキャラクターごとに独立しているので
武田を攻略しつつ、上杉のシナリオを進めることは可能だが
章クリアをして発表されるエンディング分岐評価(◎〜XXの5段階)を見て、選択肢からのやり直しは出来ない
なぜならその評価をされた瞬間にセーブデータが自動的に上書きされるからである
アプリ時にやり直しは出来ない――――その仕様を移植先であるDSでも残しておくことで
携帯プレイ済みの人には懐かしく、未プレイの人にもアプリの感覚を教えてくれるという親切設計だ

ちなみに章セレクト等の便利機能も存在せず、イベント回想モードも無い為に
見直したいイベントがある場合は、シナリオの最初からプレイすることになる

エンディングは極楽・通常・地獄の三通りあるのだが
選択肢へのリアクションが分かり辛く、他のゲームでよくある正解選択肢を選んだら効果音が鳴るということも無いので
前述した章クリア時の評価で判定するしかない
乙女ゲーでは周回プレイが必須とはいえ、スチルでしかボイスの付かないこのゲーム
攻略キャラのリアクションが声付きで楽しめるわけでもなく、そもそもそのリアクションも
どの選択肢を選んでも大して変わらない
そのうえスキップは「スキップしているのに、普通にテキストが読める」速度のために
一章あたり5分×十章のボリュームが何倍にも感じられる仕様である
また章が終わるたびに次回予告が挟まるのだが、章がすぐに終わる為に必要性は感じられない
オートモードもあるので、周回プレイは他の事をしながら選択肢までDSを放置することをオススメする

そして9人居る攻略キャラであるが、最初にプレイできるのは3人
残りの6人は、3人は別に独立したルートのある種隠れキャラのようなものだが
残った3人は、最初にプレイできる3人の通常・極楽エンディングを引き継いでのシナリオである
最初にプレイできる従者ルートでは「褒美にヒロインと契るが良い」と主君が言い、その通り従者ルートでは
ヒロインと従者はやることやって結婚の誓いを、後に攻略できる主君の前で、主君公認でするが
主君ルートに入ると「やっぱり俺もヒロインのことが好きだから、さっきの無しね」と掌を返される
従者もヒロインも最初は気まずく思っているが、比較的アッサリと乗り換える尻の軽さ
この手軽な少コミテイストが、時間の無い現代人にはもってこいなのかもしれない

OP・EDはBGMのみで、書き下ろしのスチルというものは存在しない
スタッフロールは極楽結末でしか拝めなく、通常・地獄だと電源を入れた時に表示される
Nintendoのライセンスが目に飛び込んでくる。余韻というものは無い

完結編であるが、これは通常のストーリーからそのまま続いているわけではなく
シナリオ選択時に「完結編」を選択することで遊べるようになるため
完結編の入っていないキャラクターでも恋愛エンド自体はちゃんと存在する
本作のヒロインの当初の目的―――国を滅ぼした信長への復讐、これが果たせるのが完結編である
正直に言えば、どの攻略キャラクターでも完結編が存在しない、という作りならば
携帯アプリ未プレイの人間は完結していないとは気付かないと思われる本作
何故わざわざ2人だけ完結編を入れて、未完成品を売りつけたと思わせる商法にしたのか謎である

限定版には設定資料集が付いてくるのだが、そこに収録音声一覧と2Pで
キャラクターのボイスを書き起こしてくれている
公式サイトでサンプルボイスを公開し
「ゲーム内に収録できなかったボイス集CD」が付いてくるほど、豪華声優で宣伝をしているのに
キャラクターによっては一行しかボイスが存在しない

BGM・テキストともに哀愁漂う出来であり、大砲が打ち込まれるシーンなど
効果音無しでメッセージウィンドウに「ドドン!」と明朝体の太文字で表示される

無い無い尽くしの本作。まさに有料体験版、続きは携帯アプリで!という前衛的な作品である
クソゲーの歴史に新たな一ページを記す、大河系恋愛AVGというジャンルに恥じない出来ではないだろうか 
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