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-[[2010年 大賞]]
-[[2010年 次点]]

総評案は以下のページにおながいします。~
*2010年 総評 [#bcb9627d]
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総評案は叩き台なので、基本的には自由に加筆・修正ができます~
自分が書いた総評案を編集して欲しくない場合は、その旨を書いておいてください~
求められるのは『''2010年のまとめ''』としての総評と『''明確な選定理由''』です~
新たな総評案を投下する際には~
''既存の総評案を手直ししただけ''のものや、''各作品の選評をコピペして文章でつないだだけ''のものに~
なっていないか注意してください~

[[2010年総評案01-10]]~

[[2010年総評合成01-10]]~

[[2010年総評案11-20]]~

*総評(仮) [#vb9ac3b2]
現在一番支持を得ている(総評合成案3)を暫定的に載せています。2月一杯様子を見てこれ以上の支持を得られる総評が投下されなければ、~
この総評案に最終的な加筆修正を加えたものがクソゲーオブザイヤー2010携帯板の正式な総評に決定します。~
#aapro{{
クソゲーオブザイヤー(KOTY)……
クソゲーオブザイヤー(KOTY)……。
それは、不幸にもこの世に生まれてしまったクソゲーの頂点を決める悪夢の祭典である。
2009年、新鋭フリューの「三銃士」と、修羅の国からの黒船『戦極姫』によって蹂躙された携帯ゲーム機版KOTYスレであったが、
2010年もまた、荒野に芽吹く強靭な作物のように、彩り豊かなクソゲーが跳梁跋扈することと相成った。
今ここに、史上稀に見る熱戦となった2010年携帯ゲーム機版KOTYのあらましを著すこととする。

まず先鋒をつとめたのは、ブロッコリーの『ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period』(「アクエリ」)であった。
アクエリアンエイジとは古参の萌え系トレーディングカードゲームであり、本作は同社の「ゲームブックDS」シリーズの第三弾であるが、
ゲームブックと自称しているにも関わらず実際は単なるADVであり、このご時世に『頭脳戦艦ガル』顔負けのジャンル詐欺を敢行している。
いないはずのキャラの立ち絵が表示されたり、立ち絵同士干渉して表示がおかしくなるなど、一目見ればわかるバグが放置されており、
ヒロイン6人中3人は最後まで声と文章の同期が取れていないという点からも製作者が本当にテストプレイしたのかも疑わせる内容となっている。
果てにはCGモードを閲覧するだけでメニュー画面が消滅しセーブ&ロード不能になることが露見し、疑惑は確信へと変わった。
なお、唯一の存在意義であった特典のカードについても後に一般販売が決定し、購入者の心にもピリオドが打たれたことを記しておく。*
まず先鋒が名乗りを上げたのは2月。
ブロッコリーの『ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period』(「アクエリ」)である。
「アクエリアンエイジ」は息の長い美少女系トレーディングカードゲームだが、メディアミックスの迷走にも定評があり、
本作においても「ゲームブックを名乗りながら実際は単なるADV」という、『頭脳戦艦ガル』も顔負けのジャンル詐称をかましている。
内容面に関しても、ヒロイン6人中3人の声と文章が最後までズレているなど、本当にテストプレイを行ったのか疑わせる崩壊ぶりであったが、
最終的にCGモードを閲覧するだけでセーブ&ロードができなくなるバグが発覚し、疑惑は確信へと変わった。
後日談だが、唯一の存在意義であった初回限定特典が一般販売されることになり、購入者の心にもピリオドが打たれてしまったという。

それに続いたのは、前年王者システムソフトアルファー(SSα)による『大戦略PERFECT 〜戦場の覇者〜』(以下「大戦略PSP」)である。
本作は『戦極姫』同様、PC用ゲームで出ていたシリーズを移植したものであるが、悲しいことに崩壊ぶりまでもが全く同様であった。
説明不足で意味不明なインターフェースや、敵AIの思考時間の異常な長さは、もはや「SSαではよくあること」なのでさておき、
よもやカーソルを動かすだけでローディングが入り、キーレスポンスにすらラグが発生するという追加サービスを誰が予想できたであろうか。
このように「ただプレイする」だけでストレスが募る本作であるが、もっと恐ろしいことに、そもそもバグのせいでまともにプレイすることができない。
ステージクリア時、敵ターン終了時、戦闘終了時、ボタン押しっぱなし時など、ありとあらゆるタイミングでフリーズが発生。
自国生産設備に突然名無しのユニットが現れることもあるが、うっかりこれを選択すると問答無用でPSPの電源が落ちてしまう。
あのSSαが「PERFECT」という名を与えただけのことはあり、実際の戦争さながらのスリルを演出することに見事成功した怪作であったと言えよう。
それに続いて突如、戦時中さながらの空襲警報がスレに鳴り響くことになる。
前年王者システムソフトアルファー(SSα)による『大戦略PERFECT ~戦場の覇者~』(「大戦略PSP」)の襲来である。 
本作は前年の『戦極姫』同様、もともとPCゲームとして出ていたシリーズをPSPに移植したものだが、
悲しいことに崩壊のレベルまでもが全く同様であった。
説明不足で意味不明なUIや、敵AIの思考時間の異常な長さは、もはや「SSαではよくあること」だが、
よもやカーソルを動かすだけでロードの嵐、キーレスポンスにすらラグが発生する事態になるとは誰が予想できたであろうか。
このように「ただプレイする」だけでストレスが募る本作であるが、
さらに恐ろしいことに、「そもそもバグのせいでまともにプレイすることができない」という異常事態が重なっている。
フリーズはステージクリア時、敵ターン終了時、ボタン押しっぱなし時など、ありとあらゆるタイミングで発生。
プレイヤーが自由に編成できる「マイ部隊」という機能は、いざ使ってみるとなぜか敵側に配置されていたり、
自国生産設備に突然名無しのユニットが現れ、うっかり選択すると問答無用でPSPの電源が落ちるなど、数多のバグの温床となっている。
あのSSαが「PERFECT」という名を与えただけのことはあり、上半期最後にして最大の爆撃によりスレは臨戦態勢に入ることとなった。

この『大戦略PSP』に触発される形で、3月時点で発見されていた不発弾にようやく解体班が着手する運びとなった。
同じくSSαから発売された『現代大戦略DS〜一触即発・軍事バランス崩壊〜』(「大戦略DS」)。
「シナリオが無限ループしてクリア不能」というバグによりスレ住人が一人もクリアできず、選評が遅れたという曰く付きの作品である。
なお、これを避けるために他国との友好度を保つことが不可欠であるが、その手段は開戦後即降伏という「土下座外交」しか存在しない。
この他、ユニットを全く動かさなくてもクリアできるステージの存在や、数ターン経過すると敵が動かなく現象も報告されており、
これらの無気力仕様に加えてDSのスペックを限界まで酷使するCPUの長考がプレイヤーの虚脱感に拍車をかける。
「一触即発」なのは購入者の心理状態であり、「軍事バランス」以前にゲームそのものが完全に崩壊していたのは言うに及ぶまい。*
この『大戦略PSP』に触発される形で、3月に発見されていた不発弾にようやく解体班が着手する運びとなった。
同じくSSαから発売された、『現代大戦略DS~一触即発・軍事バランス崩壊~』(「大戦略DS」)。
「メインシナリオが無限ループする」というバグが原因でスレ住人が一人もクリアできず、選評が遅れたという曰く付きの作品である。
このバグを防ぐには開戦後即降伏を繰り返すという「土下座外交」を余儀なくされるが、素のシナリオも惨憺たるものであり、
隙あらば全面戦争に突入し、味方軍の圧倒的な戦力差ゆえ何も操作しなくても勝利可能という始末。
それに加えてもはや暗号解読の域に達したUIや、DSに移植したことで深刻化した敵AIの長考も、プレイヤーの苛つきに拍車をかける。
「一触即発」なのはどう考えても購入者の心理状態であり、
「軍事バランス」以前にゲームそのものが完全に崩壊していたのは言うまでもあるまい。 

2010年も終盤に差し掛かった10月。前年の「修羅の国」に触発されたのか、今年は「乙女の国」からの刺客が現れた。
ロケットカンパニーによる女性向け恋愛AVG『天下一★戦国LOVERS DS』(通称「戦国」)である。
本作は人気携帯アプリを原作に持つ、女性向け恋愛AVGであり、その名の示す通り、昨今女性人気の高い歴史要素を足した「乙女ゲーム」である。
シナリオは「家臣に主人公を与えて抱かせた後、いきなり略奪愛に走る主君と、それにあっさり応じる主人公」といった物議を醸すものであり、
過激な性描写が売りの「少女コミック」的要素に、昨今一部で流行中の「寝取られ」属性を織り混ぜた高次元の不快感を産み出すことに成功している。
セーブはキャラごとに1つのみで、なおかつ一章ごとに勝手にオートセーブするという鬼畜仕様も携帯アプリ原作ならではの斬新な仕様と言えよう。
2010年も終盤に差し掛かった10月。
前年の「修羅の国」の瘴気に誘われたのか、今回は「乙女の国」からの刺客が現れた。
ロケットカンパニーによる女性向け恋愛AVG『天下一★戦国LOVERS DS』(「戦国」)である。
本作は女性向け恋愛AVG(乙女ゲー)に歴史要素を足した、同名の携帯アプリのDS移植版である。
シナリオは乙女ゲーの中でもひときわ異彩を放っており、三択で「夜伽」「夜伽」「夜伽」とだけ書かれた豪快な選択肢や、
「主人公を家臣に抱かせた後、いきなり略奪愛に走る主君と、それにあっさり応じる主人公」という超展開は物議を醸すこととなった。
だが、特筆すべきは、かの国の過酷なゲーム業界事情を雄弁に物語る驚愕の販売戦略であろう。
なんと本作には攻略キャラ9人の内わずか2人分しか完全なシナリオが収録されておらず、残りは携帯で一から課金しなければならない。
「5000円の有料体験版」、「続きは携帯で!」などと揶揄されたその逞しすぎる商魂は、携帯機KOTYスレの想像を遥かに超えており、
据置機の『ラブルートゼロ』と合わせて、この一年で「乙女の国」の威光を知らしめるに十分なものであったと言えよう。
なんと本作には攻略キャラ9人の内わずか2人分しか完全なシナリオが収録されておらず、
残りに関しては携帯アプリ版で一つずつ最初の章から有料ダウンロードしなければ読むことができないのである。
そのたくましすぎる商魂は「5000円の有料体験版」、「続きは携帯で!」などといったキャッチコピーで賞賛された。

そうこうしているうちにスレに12月が訪れる。
そうこうしているうちに、スレに12月が訪れる。
「年末には魔物が潜む」と言うが、今年も現れるのだろうか……
そんな不安を抱く住人たちの前に現れたのが、スターフィッシュ・エスディによる『どんだけスポーツ101』(「どんだけ」)である。
本作は、低得点ほど信頼と実績のあるファミ通のクロスレビューにおいて5・6・4・3の合計18点を叩きだし、発売前から刺激臭を発していた。
スポーツゲームが101種類楽しめるという触れ込みであったが、いざ蓋を開けてみると詰まっていたのはスポーツではなくクソ的な何かであり、
槍を水平に飛ばして競う「槍投げ」や、飛び込む前に出てきたマークを覚えるという謎のゲームと化した「アクロバットダイビング」など、
製作者は各スポーツのルールだけでなく地球上の物理法則すら全く知らないのではないかという異常な仕上がりになっている。
何よりも、北米で発売された本作をわざわざ選んでローカライズしたスターフィッシュの判断に「どんだけだよ!」とツッコまざるを得ない。
なお、本作を制覇した勇者による「102種目めの『どんだけスポーツ101壁投げ』は神ゲーだった」という報告もあるが、真偽は定かではない。
そんな不安を抱く住人たちの前に現れたのが、スターフィッシュ・エスディの『どんだけスポーツ101』(「どんだけ」)である。
本作は「スポーツゲームが101種類楽しめる」という触れ込みであったが、
低得点ほど信頼と実績があると評判の「ファミ通クロスレビュー」で5・6・4・3の合計18点を叩きだし、発売前から刺激臭を発していた。
いざ蓋を開けてみると、やはり詰まっていたのはスポーツではなくクソ的な何かであり、
槍を水平に飛ばして競う「槍投げ」や、飛び込む前に出てきたマークを覚える謎の競技と化した「アクロバットダイビング」など、
各スポーツのルールだけでなく地球上の物理法則すら感じさせない異常な仕上がりになっていた。
本作を制覇した勇者による「102種目めの『どんだけスポーツ101壁投げ』は神ゲーだった」という総括が全てを物語っていると言えよう。

825 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 06:33:45.56 ID:b3KjBYvT0 [4/7]
しかし、真の恐怖はこれからであった。「年末の魔物」は全く別の場所に生まれていたのである。
アルヴィオン発売の『プーペガールDS2』(通称「プーペ」)、女性向けファッションSNSの最大手「プーペガール」のDSゲーム化第二弾である。
元がSNSであるという特色はあるが、基本的にはただの「着せ替えゲーム」……本作は本来、そうなるはずであった。
だが、蓋を開けてみるといきなり、2種類のバージョン違いに応じた購入特典は実はROMではなくDS本体に依存していることが判明、
そのことを詰め寄られたメーカー側は「DS本体を二台用意しろ(要約)」と釈明し、不信感が広がることとなる。
肝である着せ替え部分についても、画面が乱れてグロ画像と化したり、時には拡大するだけで暗転フリーズを引き起こし、
ゲーム内の主な収入源であるはずの「ファッションショー」は一度出場すると二度とお呼びがかからないという報告がスレに投下される。
極めつけに、健気に耐えてゲームを続けたプレイヤーのもとにも発現率100%の「時限爆弾」が爆発し、スレは阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
本作にはゲーム開始から22時間経過後のサプライズイベントとして「ボーナス」が設定されているが、
その際ゲーム内通貨である「リボン」が何故か「マイナス」15536個プレゼントされるのである。
この際に足りない分のリボンは強制徴収されるが、所持リボンがマイナスになるとバグで全く外出できなくなり、
自分の部屋の写真を撮ることで稼げる雀の涙ほどの収入で返済し尽くすまでほとんど何も行動できない。
だが、真の恐怖はここからであった。
「年末の魔物」は『どんだけ』ではなく、同じ日に生まれた全く別の作品だったのである。
その正体はアルヴィオン発売の『プーペガール DS2』(「プーペ」)。
2色のバージョンに分けて販売された本作は、アバターを「着せかえ」して楽しむ同名の女性向けSNSをゲーム化したものである。
だが、各色によって違うはずの「特典アイテム」がソフトではなくDS本体のみに依存していることが発売直後に発覚。
そのことを詰め寄られたメーカー側は「DS本体を2台以上用意しろ(要約)」と釈明し、出だしからきな臭い空気が流れていた。
肝である着せかえ部分についても、画面が乱れてグロ画像と化したり、拡大機能を使うだけで暗転フリーズする有様であり、
「ファッションショー」に出ても報酬がもらえない、一度出ると二度とお呼びがかからないなどといった不具合報告が噴出。
極めつけに購入者を阿鼻叫喚の渦に陥れたのが、発動率100%の「時限爆弾」である。
その爆弾とは、ゲーム開始から22時間経過後のサプライズイベントとして設定されている「ボーナス」であり、
プレイヤーに対して突然、ゲーム内通貨である「リボン」が何故か「マイナス」15536個プレゼントされるのである。
この際に足りない分のリボンは強制徴収されるが、所持リボンがマイナスになるとバグで外に出ることができなくなり、
自分の部屋で写真を撮ることで稼げる雀の涙ほどの収入でマイナス分を返済し尽くすまでほとんど何も行動できない。
これらに対する購入者の怒号は凄まじいものがあり、当初無視を決め込んでいたメーカー側も一応の対応を見せたが、
「22時間バグ」の対処として公開されたコードについては、
「入力済みですとしかでない。。入力したことねーよ」といった不具合報告が多発。
各バージョンの特典アイテムを配布する共通コードも公開したが、購入者以外も普通に入手できるようになってしまい、火に油を注いでしまった。
本スレを中心にどれほどの怒りがあったかは、有志のタレコミによって本作がネットニュースに取り上げられたことからも察することができるだろう。
「22時間」バグの対処として公開されたコードについては、「入力済みとしかでない」といった報告が多発。
前述の特典アイテムについても最初に出した声明を撤回し、取れなかった方を無償で配布するコードを公開したが、
今度は購入者以外も特典を普通に入手できるという前代未聞の珍事を巻き起こし、火に油を注いでしまった。
本スレ有志のタレコミによって本作がネットニュースに取り上げられたことからも、購入者の怒りの程を察することができるだろう。 

さて、以上6本の入選作を発表し終えたところで2010年の大賞を発表しよう。

さて、実はまだ一本だけ、ここまでに紹介していない夏の作品がある。
携帯機KOTYには「年末の魔物」と並び称されるものがある。
「夏の怪物」……日々の生活に疲れた人々が長期休暇に沸き立つ時期、その幸福を掠め取るが如く蔓延する悪夢が存在するのである。
2008年には据置機KOTYが「年末の魔物」同士で紛糾するのを尻目に、携帯機KOTYは「夏の怪物」が圧倒的な実力で大賞を奪っていった。
そして、今年もそんな運命のもとに産み落とされた一本のゲームがあった。
その名も「夏の怪物」……人々が長期休暇に沸き立つ時期、その幸福をかすめ取るべく暗躍するおぞましい悪夢である。
そして、今年もそんな運命のもとに産み落とされた一本のゲームが、「年末の魔物」を迎え討つべく既に君臨していたのであった。

2010年ワールドカップ南アフリカ大会、日本代表チームの奮闘により、列島が熱狂に包まれる中、ひっそりと発売されたゲーム……
それがドラスによるPSP専用ソフト『ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!』(通称「鬼帝」)だ。
本作は「ハローキティといっしょ!」というのメディアミックス企画の一貫として発売された「ブロック崩し」のゲームであり、
著名な萌系イラストレーター陣が描く「キティラー(キティ好きの女の子)」達がパッケージを華やかに飾っている。
しかしながら、その内容は、とある勇者をして「まさかHELLOではなくHELLだったとは」とまで言わしめるほど凄絶なものであった。
元来、「ブロック崩し」と言えば、誕生から30余年愛され続けている究極の「安牌」ジャンルである。
だが、本作の場合は、今までに見たことのない前衛的な解釈と、同人ゲームサークルにも劣る技術力によって「別の何か」へと変貌を遂げていた。
まずボールに関してだが、「ブロックに斜めにぶつかったボールが垂直に落ちてくる」、「パドルの端にボールが当たると下方向に落ちる」など、
一体どの星の物理法則を参考にしたのか不明な謎の挙動がプレイヤーを苦しめる。
このため、反射のたびに超反応を要求されるが、自機であるバーの移動が異常に遅く、慣性も異様に大きいため、
「見てから」では間に合わず、経験によって体得した「予知能力」が攻略に不可欠となる。
だが、これらの挙動に加えて、「ボールを加速して反射するブロック」や「復活するブロック」などが自機の真上に設置してあることが多く、
どれだけ練習してもプレイヤーの腕だけではどうにもならない局面が多発する。
こうして最初の10分で判明する鬼畜な難度に、キティちゃんを基調としたイラストのつられて買ったプレイヤーは大きく戸惑うこととなるが、
「HELL(地獄)」は決してそこでは終わらない。
10キャラ分用意された各ルートの上級ステージに進むたび、製作者の「悪意」が徐々に馬脚を現していくこととなるのである。
各ルートでネタ切れを起こす後半では、大量に置かれた砲台による防御不能の弾丸の雨がプレイヤーの命を狙い撃つという構成が基本となり、
「一気に壊した時の爽快感がヤミツキに!」などと謳うルートに「3回ぶつけないと壊せないブロックをガン並べしただけ」の面が鎮座する始末である。

もし本作が一般的な「難ゲー」であれば、それは練習に裏打ちされた達成感を提供するものであり、必ずしもクソゲーとは呼べないはずである。
2010年ワールドカップ南アフリカ大会に列島が熱狂に包まれる中、ひっそりと発売されたゲーム……
それがドラスによるPSP専用ソフト『ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!』(「鬼帝」)だ。
本作は「ハローキティといっしょ!」というメディアミックス企画の一貫として発売された「ブロック崩し」のゲームであり、
著名な萌系イラストレーター陣が描く10人の「キティラー(キティ好きの女の子)」達が所狭しとパッケージに描かれている。
しかしながら、その内容は、「まさかHELLOではなくHELL(地獄)だったとは」と評されるほど凄絶なものであった。
まずボールに関してだが、「ブロックに斜めにぶつかった後、垂直に落ちてくる」、「バーの端に当たると下方向に落ちる」など、
三十年以上親しまれてきたブロック崩しの常識を覆す予測不能な挙動がプレイヤーを苦しめる。
また、自機であるバーの移動が異常に遅く、思い通りに動かせないため、ボールの反射を「見てから」では間に合わない。
本作独自の変態挙動を第六感で予知できるようにならなければ攻略のスタートラインに立つこともできないのである。
だが、どれだけ練習してもプレイヤーの腕だけではどうにもならない局面が多発するのがこのゲームの特徴である。
ステージ構成を見ても「ボールを加速して反射するブロック」や「復活するブロック」などの罠が自機の真上に設置してあり、
各ルートでネタ切れを起こす後半では、大量に発射される防御不能の砲弾がプレイヤーの命を狙い撃つのが基本となる。
ここまで来ると、プレイヤーは「HELL」の真実に気付くことになるだろう。
一般的に「難ゲー」と呼ばれるものは、技量や知識に裏打ちされた達成感を提供するものであり、必ずしもクソゲーとは呼べない。
だが、本作の異常な難度の本質は、製作者がゲームを面白くするために知恵を絞った結果のものではなく、
往々にして「プレイヤーを死なせること」だけを主眼にした、思いつきや手抜きによる《無理難題》であるのだ。
「不規則に動き回り、不規則な方向にボールを跳ね返すボスに対してボールを『50回』当てる」という要求にプレイヤーの目の前は真っ暗になるが、
一方で「バーとボールとアイテムの周囲以外見えない暗闇の中で、敵から砲撃され続ける」という、実際に目の前が真っ暗になるステージも存在する。
そして、極限状況に耐えて勝ち残ってきたプレイヤーを最後に待ち構えているのは、それまでの努力の成果を真っ向から叩き潰す「運ゲー」である。
悪名高いそのステージは「壊せない位置からの一方的な砲撃を避けながら、回転式の矢印ブロックを6つ指定された方向に揃える」というものであり、
それまで培ってきた超人的な操作に加えて、気の遠くなる回数の再試行によって幸運を掴むことでしかクリアすることができない。
その苦行の様子は、石を積み上げて鬼に崩される作業を永遠に繰り返すという三途の川にまつわる伝承になぞらえて「セルフ賽の河原」と称された。
あまりの暴虐ぶりから、誰ともなく本作を「ハローキティ」になぞらえて「覇王鬼帝」などと呼ぶようになったのもごく自然の流れであろう。
また、これまで再三製作者側の悪意を強調してきたが、この手のゲームに当然実装されているはずの面ごとのオートセーブが本作にはなぜか存在せず、
2時間、3時間もの死闘の果てにセーブを忘れて電源を切ってしまったプレイヤーの悲鳴が各所でこだましたことにも触れねばなるまい。
往々にして「プレイヤーを死なせること」だけを主眼にした、剥き出しの悪意と手抜きによる《無理難題》であるのだ。
例えば、「一気に壊した時の爽快感がヤミツキに!」と謳うルートの面が
「3回ぶつけないと壊せないブロックをガン並べしただけ」の嫌がらせのような構成であったり、
別ルートでは、不規則に動き回り不規則に球を反射するボスに「ボールを『50回』当てろ」という要求をされたりといった具合だ。
そして、そんな理不尽に耐えてきたプレイヤーを最後に待ち構えているのは、さらなる理不尽でしかない「運ゲー」である。
悪名高いそのステージは、砲撃の雨を避けながら「当てるたびに90度回転する6つの矢印ブロック」を指定の方向に揃えるというものであり、 
それまで培ってきた超人的な操作感覚に加えて、気の遠くなるリトライ回数で幸運を掴むことでしかクリアできない。
予測困難な挙動もあり、揃えた矢印を自ら崩してしまう苦行が終わりなく続くその様は「セルフ賽の河原」と称された。
あまりの邪智暴虐ぶりから、誰ともなく本作を「ハローキティ」ならぬ「覇王鬼帝」と呼ぶようになったのもごく自然のことであろう。 

年末の魔物『プーペ』と、夏の怪物『鬼帝』の真っ向勝負となった今回……議論は例年になく過熱し、決着は3月まで持ち越された。
最終的に『鬼帝』を勝者たらしめたのは、クソゲーとして他に類を見ない「負の吸引力」である。
『プーペ』は凄まじいバグによってプレイヤーを苦悶させたが、それは言わば「門前払い」のようなものであった。
その低すぎる完成度はゲームの進行を完全に不可能にする性質のものであり、プレイした内容よりもメーカー対応や購入者の怒りが話題の中心であった。
また、本家SNSと同じイラストレーターの手がけたアイテムの価値は、本作の不出来によって貶められるものではないことも触れておかねばなるまい。
それに対して、『鬼帝』はどこまで行ってもどうしようもない「無価値」である。
苦難の末に各ルートを全面クリアすると「イラストをゲット!」などと大きく表示されるが、描き下ろしのイラストなどは一切無く、
全てが各媒体で既に使い回されているものであり、とどめとばかりに高画質版がPlaystation Networkで50円で購入できる。
多くのクソゲーで唯一の救いとされる「BGM」でさえ、ゲーム中はたった二種類の単調なものしか聞くことが出来ない。
超絶な「難度」、製作者の「悪意」、乱数調整の「運ゲー」という、地獄の三段構えを乗り越えた先に待っているのは「虚無」なのである。
このように最初から結果が分かっているにも関わらず、本作にはなぜか「やってみたい」とさえ思わせる不思議な魅力を持っており、
「どんな挑戦も受ける」と息巻いて突撃した歴戦の猛者達を拷問に引きずり込むことに成功した。
「バグ」は確かにクソ要素として重視されるべきでものはあるが、「バグがないこと」はゲームとしての長所などではなく当然の「前提」であり、
さらに言えば、『鬼帝』のように苦行を強要するゲームについては「ゲームとして問題なくプレイできること」そのものがクソ要素と成り得るのである。
以上の理由をもって、『ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!』を2010年携帯機版KOTYの大賞とする。
さて、以上7つのノミネート作品を紹介し終えたところで、大賞を発表しよう。
まず初めに候補は3つに絞られたと言えるだろう。
前年覇者SSαの申し子『大戦略PSP』、年末の魔物『プーペ』、それに夏の怪物『鬼帝』である。
いずれも例年であれば圧倒的な力で勝利を手にしたであろう超大作が激突し、三つ巴の大決戦となった。
3月まで決着が付かず、爆発寸前まで過熱したこのレッドゾーンの死闘を制し、見事大賞に輝いた作品……
それは──『ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!』である。

本作を勝者たらしめたのは、「クソゲーとしての完成度」である。
クソゲーなのに完成度が高いとはこれ如何に、と思われるかも知れないが、
一見相反するこの二つの性質は、ある特異な状況においては両立しうる。
それは「製作者が仕様通りに完成させたゲームがクソゲーであった時」である。
思い起こせば2010年は、製作者ですらプレイしていないのではないかと思わせるバグゲーが量産された。
中でも『大戦略PSP』は、あまりのバグの数によって早々にキャンペーンのクリアは不可能と断言されており、
『プーペ』はと言えば、本スレにも「遊べないからゲームの話題をしようがない」と書き込まれる状態であった。
だが、『鬼帝』の場合、これといったバグが存在せず、決められた仕様の範囲では完成していると評価せざるを得ない。
他二作とは逆に、製作陣が「ゲームの内容を把握した上で敢えて今のように作った」という疑いが強いのである。
また、クソゲーというものは元来、制作期間や予算の不足による不本意な結果であることが多く、
どんなクソゲーにおいても基本的に、製作者が当初盛り込もうとした魅力が申し訳程度には見出されるものである。
例えば、『大戦略PSP』の場合、実在の兵器が登場したり、マップ編集機能など戦略SLGの基本部分は押さえており、
移植元の「大戦略」シリーズの面白さを部分的に体感することができると言えるだろう。
『プーペ』もまた、前述のようにアイテムのデザイン自体は評価の対象となっており、
さらに言えば特典コードとは別に、本家SNSで使えるコードもゲーム中で取得できる。
一方、『鬼帝』に関してはそうした肯定的に評価できる点を見つけることは困難である。
本作を飾っている萌えキャラ勢は一見このゲームならではの魅力であるように思えるが、
その実、豪華イラストレーター達のいたいけなファンを釣り上げるための「疑似餌」でしかない。
「超絶難度」、「製作者の悪意」、「運ゲー」という地獄の三段構えのゲーム内容については前述した通りだが、
それを超えたプレイヤーを待っている「ご褒美」は、全てが既に各種媒体で使い回されているイラストであり、
とどめとばかりに高画質版がPlaystation Networkで50円で全て購入することができる。
これではクリアした瞬間にそれが壮大な徒労であったと宣告されるようなものであろう。
このように、本作はプレイヤーに無理難題を押し付け、理不尽に耐えてクリアしたプレイヤーさえも最後に脱力させてしまう。
さて、このようなゲームを我々はどこかで見たことがあるはずではなかろうか。
80年代を代表するクソゲーとして知られるあの伝説の怪作……そう、『たけしの挑戦状』である。
思えば『鬼帝』は、クリアしても虚無と絶望しか得られないことが早い段階で報告されていたのにも関わらず、
クソゲーハンター達を惹きつける「負の吸引力」を持っており、多くの猛者を拷問の渦へと誘いこむことに成功した。
それもひとえに本作が一種の製作者からの「挑戦状」だからこそ、彼らの冒険心をくすぐったのであろう。
むろん、クソゲーとして吸引力があったからと言ってゲーム自体が楽しいわけでは一片もなく、
本作のようにクリア達成者から異口同音に「クソゲー」と罵倒された作品はそう多くあるまい。
『鬼帝』は、四半世紀の時を経て現代に転生したクソゲー愛好家たちへの「挑戦状」であったのである。

2010年も様々なクソゲーが産み落とされた年であった。
『アクエリ』、『大戦略PSP』、『大戦略DS』、『戦国』、『どんだけ』、そして『プーペ』に『鬼帝』……
奇しくも、盛況で知られる据置機KOTY 2008と同じ7作のノミネートに恵まれた年となったが、審議の紛糾ぶりはそれ以上のものとなった。
中でも『大戦略PSP』はフリーズを超える「電源落とし」を実装することでSSαバグゲーの神髄を見せつけ、
『プーペ』を巡る顛末は、DSの普及によって増えた女性ゲーマーの怒りと悲しみがクソゲー界に鳴り響いた象徴的な事件となった。
そして、『鬼帝』は未来永劫続く「ブロック崩し」のゲーム史において、「クソの記念碑」としていつまでも語り継がれてゆくことであろう。
奇しくも、盛況で知られる2008年据置機KOTYと同じ7作のノミネートに恵まれた年となったが、審議の混迷ぶりはそれ以上のものとなった。
これらの個性豊かな作品の中でも特に、『大戦略PSP』は前年を制したSSαバグゲーの神髄を見せつけるものであり、
また、『プーペ』を巡る顛末は、DSの普及によって増えた女性ゲーマーの怒りと悲しみがクソゲー界に鳴り響く象徴的な事件となった。
そして、『鬼帝』は未来永劫続く「ブロック崩し」のゲーム史に燦然と輝く「クソの記念碑」としていつまでも語り継がれてゆくことであろう。

最後に、本作を開発・販売した「ドラス」と、不幸にも本作に巻き込まれたイラストレーターの方々に向けて、
最後に、『ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!』をリリースした「ドラス」と、
不幸にも本作に巻き込まれてしまった人気イラストレーターの方々に向けて、
次の言葉を贈ることで2010年携帯機版KOTY総評の結びとする。

「H E L L O !  K O T Y ! !」
「H E L L O ! K O T Y !!」

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