[[2012年 次点]]

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//*総評案xx ダメジャー大賞 ←総評案の番号と大賞になるソフトを記載してください
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*総評案1(シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩)
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2012年始まって早々、携帯機版クソゲーオブザイヤー(以下「KOTY」)スレは嵐に見舞われた。
そのきっかけは2/14、バレンタインデーにコナミから発売された「NEWラブプラス」。
人気のギャルゲーで、ぴあの増刊が出たり任天堂社長からインタビューを受けたりと、
ギャルゲーというジャンルでとしては破格のブームを起こしたシリーズの最新作という事もあり、
人々の期待と注目ははちきれんばかりだったのだが、あろう事かコナミはそれにはちきれんばかりに山盛りのバグで応えてしまったのだ。
最終的には2度の大型パッチにより、KOTYを競えるレベルではなくなったのだが、当時は注目作が壮大にやらかした事に興奮したのか、
冷静な検証などおっぽりだして騒ぎ、貶し、煽りまくる、空気とスレのテンプレが読めない方々が大量に出現。
もはやまともな会話が成立せず、クソゲーを語るために住民はスレ外部への脱出を余儀なくされる異常事態に陥った。

そんな混乱のさなか、遙か七つの次元を超えた先から忽然と現れたのが「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」(ガスト)であった。
ギャルゲーの注目作、頻発するフリーズと大量のバグなど、NEWラブプラスとの共通点が多いため、
混乱冷めぬスレ内では両者を並べて、片方を貶すためにもう片方を引き合いに出す行為が横行して荒れ模様に。
そういう困った方々を無視したとしても、ゲームのストーリーは毎月追加配信される有料ダウンロードコンテンツ(DLC)を買わないと完結しない。
その終了まで1年はかかり、パッチも頻繁に当てられている事もあり、年末まで語るのは時期尚早という扱いとなる。

しかし、いざ年末になって振り返ってみても、そこにあったのは依然として高くそびえ立つクソの山であった。 

12度にわたるパッチでいくらかのバグは解消されたものの、逆にパッチで発生したバグもあり、手つかずで残る物も含め、未だエラー報告は絶える事がない。
プレイヤーが自衛で取ったバックアップデータに公式が対応する有様である。
バグ以外はどうなのかと言えば、このゲームは画面をトントンとダブルタップし、イオンという女の子とコミュニケーションを取るのと、シャールという小妖精を育成し使役するのが主となっている。
まずコミュニケーションだが、セリフの量がかなり少なく、日に10分程度のプレイでも何度も同じセリフを聞かされる羽目になる。
セリフがネタ切れになるとイオンの体をお触りできる状態になるが、これもろくにパターンがない。
アップデートでセリフ量は徐々に増えているが、アップデート頻度が低いので焼け石に水、あっという間に消費されてしまう。

というかコミュニケーションと言っても、ほとんどはイオンのセリフを一方的に聞かされるだけで、会話にはならない。
たまに選択肢が出る事もあるが、選択肢が1つしかない「選択が出来ない選択肢」である事も多く、
イオンちゃんが「腕を組んで歩きたい」と言ってもプレイヤーは「歩きづらくてイライラしそう」と答える事しか許されないディスコミュニケーションっぷりだ。
機嫌のパラメータは存在するものの、時間でぐんぐん上がり、寝ればあっさりリセットされ、そもそも特にデメリットが存在しない。
一応イオンのリアルタイム・ライフ・シュミレーション(パッケージの記述より)の体裁を取っており、日々イオンが食ったり寝たり工作したりぼーっとしたりしているが、
これもパターン数が少なく、曲も一種類で、眺めていてもすぐに飽きてしまう。
外出などされた日には眺めて退屈どころの話ではなく、一切のコミュニケーションが取れなくなる有様だ。

だがもしかすると、我々は固定観念に囚われすぎなのかもしれない。何しろイオンちゃんは七次元人なのだ。
せっかくのデートがループする背景を3分ほど歩いて終わりなのも、
トイレ中のイオンちゃんをトントンすると「一緒に入る?」などと言い出すのも、
イオンちゃんがテーブルの裏で寝たり、壁に埋まったり、胴体が伸びたり、
テーブルから生えたりするのも、きっと七次元流のコミュニケーションなのだ。
ただ残念ながら、この名状しがたきイオンちゃんとの七次元コミュニケーションは我々の理解が及ぶ物ではなく、三次元的な認識ではやはりクソゲーと言うしかないだろう。

小妖精シャールはバーコードからキャラが生成されるのだが、生成に使う数字が国とメーカーを表す部分なので同じシャールばかりぞろぞろ作られ、
大勢に使われるシャールは契約に支払うポイントがお高くなる仕様なので、高い連中ばかりで新規プレイヤーはシャールとの契約が困難になってしまう。
救済のため1体目のシャール雇用がタダになったり、シャール無料契約券が発行されたりしたが、そうなるともう誰かの強いシャールを雇えばいいだけで、育成もバランスも崩壊。
雇用のためのポイントを稼ぐ、というゲーム性も無くなってしまった。
シャールの主な仕事はシナリオロックの解除であり、「エロゲの体験版より少ない」と言われる2時間弱の一本道シナリオを、少しでも長く保たせるための足かせであったはずだが、
強シャールなら解除に1日しかかからない。
シャールの仕事にはクエーサーを送るというのもあり、みんながサーバーに送ったクエーサーの累積量で特典が開放されるシステムなのだが、
せっかく送ったクエーサーがゲージを振り切ったのに、公式が「バグで本当は貯まってない」と発言し開放が遅れる事件が発生。
プレイヤーたちがやる気をなくし、ゲージの進みが悪くなると、貯まりきらない内に特典開放。gdgdすぎる。

毎月配信のはずのDLCは2ヶ月1本のペースに遅延し、もういつ完結するのかも定かではない状態。
やきもきするプレイヤーをよそに、アップデートで会話が追加されたと思ったら、あなたに気持ちを伝えたいと本を書きだし
「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」とか苦労とあなたのためにをことさらアピール、プレイヤーに一択の「楽しみに待ってるよ」を言わせたあげく、
最後には「出来上がった本はコミケで買ってね(意訳)」と言い放つイオンちゃん。
ストーリー完結の作業はどこへやら、小遣い稼ぎにデート商法を始める前代未聞の展開には呆れるばかりだ。
それとも、これが七次元人と付き合うという事なのだろうか? 

七次元ほど遠くはないものの、海の向こうからも刺客が現れていた。
「HEAVY FIRE The Chosen Few」(ハムスター)。
このヘビーファイアというタイトルは低価格のガンシューティングとして人気のシリーズで、このたび据え置き・携帯機両方にソフトを擁して上陸したわけだが、
そのあまりのクオリティーに据え置き版KOTYスレで話題騒然となる。
となれば携帯の方は……? そう、蛙の子は蛙。クソゲーの子もやはりクソゲーだった。

このゲームは北米のWiiware2作品を1本にしたものだが、2つ入ってるからお得かと思いきや、元はWiiwareの5ドル×2がなんとびっくり4,980円(税込)の大幅値上げ。
おまけに2人プレイモードや一部の武器も削られた、まごう事なき劣化版になっている。
無理矢理ニコイチにした辻褄合わせのためか、ミッション開始時にストーリー解説のグラフィックが追加されているが、これが中学生の落書きレベルのチープな代物。
内容も「狙撃兵だ!」と笑顔で警告したかと思えば次の絵ではもう倒していたり、研究者を救出に来たはずなのに施設を爆破したり、核弾頭のある武器庫も爆破してたりで、
逆にストーリーどうなってるんだと混乱してしまう始末。だがスキップできないので、見るしかない。

延々続くチープな紙芝居に戦闘意欲が萎えきったところでステージ開始。
このゲームはレールシューティングで、移動は自動、プレイヤーは出てくる敵の射撃に専念する事になる。
PS1時代かと思うようなローポリの敵の頭上に「!」マークが出ると、その敵はライフを減らす命中弾を撃ってくるので、撃たれる前に倒さなければならない。
のだが、出現と同時に「!」を出し間髪入れず発砲してきたり、画面上部にいる敵の「!」が画面外に見切れていて見えなかったり、
遠くの敵は小さすぎて照準しづらかったり、ダメージの弾痕で敵の姿が隠れたり。
ひどい時には同時に10人近い敵が現れたり、「!」が何個も出たりする。
当然グレネードなんて親切な物はなく、隠れる機能もない。
それどころか、あのデスクリムゾンにすらあったライフ回復アイテムもない。
チェックポイントもないので、やられればまた最初、つまり冒頭の長い紙芝居からやり直しになる。
この過酷な戦場で何とか気持ちを奮い立たせようにも、BGMはメイン画面用曲が特定ステージで使い回されるだけで、あとは無音。心が渇くこと請け合いである。
そして頑張ってクリアしても、エンディングで流れるのはまたも使い回されたあの曲。
スタッフロールは手動でページめくりせねばならず、キャンペーンモードはデータリセットしない限り再プレイできない。

戦いは空しい。そのありふれた言葉も、このゲームをやった後ならばこれ以上なく実感できる事だろう。 

据え置きで話題、という話では、このタイトルも忘れてはならない。
「Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の記憶〜」(PIACCI)は、2011年に据え置き版スレでKOTYを争ったPia4、あるいはPアフォと呼ばれたゲームの移植である。

このゲームのクソっぷりは、据え置き版KOTYを知っている者には繰り返しになってしまうが、まずギャルゲーなのにグラフィックが低レベル。
キャラの半分は「できるだけテキストウィンドウから上を見たくない」と言われるほどのヒラメ顔、
背景も「地平線が見え木々が生えている、サバンナのような競技場」を始め、枚挙に暇がない。
ADV+SLGというジャンルのADV部分は、そもそものシナリオが陳腐で薄っぺらなのに、
語尾に♪や汗マークを頻繁につけ、嫌がる女の子をつけ回すストーカー気質の主人公に余計にイライラさせられる。
18禁でのエロシーンをただ削除した結果「プレイヤーの知らない内に恋人になり肉体関係にまでなっていた」事もしばしば。
SLG部分は能力値がエンディング分岐にしか関係なく、数多くある仕事も能力値上昇が最高の物以外はほとんど存在価値がないという意味不な仕様。
しかし能力値が足りていなければ、例えヒロインと肉体関係になっていても「この夏は働いてた記憶しかない」と言い放ちヤリ捨てる結果に。
パッケージ裏にはシュミレーションとの記述があり、シェルノサージュの事も考えると、この「シュミレーション」という謎のジャンルの奥深い邪悪さに戦慄を覚えずにはいられない。

実は携帯機移植で、UIなどシステム面は大幅に改善されている。
しかしそれも上記のクソ要素の前では焼け石に水、再びのKOTY登場となった。
そもそも18禁の時からクソゲー呼ばわりでエロ以外評価されなかったのに、取り柄のエロを抜いてしまったのだから、
据え置きで既に誰得移植だったこのゲーム、どうしてさらに携帯機に持ってきてしまったのか。
そんなに2011年のKOTYを逃したのが悔しかったのだろうか? 

最後に、2つのミニゲームを紹介しよう。
1つは「パシャットバシット〜Whack A Friend〜」(アイシーエムジャパン)。
DSiダウンロードソフトで、価格は200円。タッチペンを使ったモグラ叩きゲームという他愛ない内容だが、この価格なら文句を言うのは野暮というもの……だったはずだが、そうは問屋が卸さなかった。
普通のモグラ叩きと違って、このゲームはカメラ機能を使って取った顔写真をモグラに貼り付けられる(タイトルの英語も、和訳すれば「友人叩き」)。
写真を使わない場合は、デフォルトで用意されているイラストを使うのだが……これがかなり不快な顔をしている。
コンセプト的に、殴って気がとがめる顔でも困るのだが、それにしてもひどすぎる。
イラストはこの一種類しかなく、これが常に上画面で大写しなので非常にイラつく。

さてゲームを始めてみると、モグラが出てくる穴は9個なのだが、なんと1匹ずつしか出てこない。
同時に画面にいるのは2匹まで。偽物やフェイントなどの、ミスを誘う要素もないので、出てくるモグラを順番にただただ叩く単調な、砂を噛むような味気ないゲームとなる。
さらにモグラの初期速度がかなり遅く、スピードアップのペースもゆっくりなため、ミスが発生する程度に慌ただしい速度には、人にもよるが30分はかかる。
その間はずっと、ミスしようもないモグラ叩きを淡々続ける事になる。

「叩かれたターゲットにはユニークな効果がつく」とゲームの説明で述べられているが、
実際はユニークでも何でもないピンクのイボやら青あざやらイモリやらトカゲやらがランダムで顔にべたべた貼られていくだけ。
元からキモいイラストがさらにグロく、生理的嫌悪をもよおすレベルになる。
それが前述の通り、常に上画面に大写しなのだからたまらない。
タイトル通りに友人の顔写真でも使ってみようとするのなら、本体保存の写真は使えず、このソフト上で撮影するしかない。
保存も1枚しかできず、新しい写真を撮るなら前の写真を消すしかない。
そして写真を消すと、スコアの記録も消えてしまう。
タイトルにもなっている目玉機能を使うと、30分以上の単調な作業と気色悪い効果に耐えてようやく記録したスコアが警告一つ無く消去されるのだ。

ミスを4回するとゲームオーバーではなくクリアと表示されるこのゲームだが、確かにこんなゲー無をやっていれば、脳内の何か大切な物がクリアされてしまう事だろう。 

もう1つのミニゲーム、というかミニゲーム集は「みんなの縁日」(バンダイナムコゲームス)。
縁日、バンナム、ミニゲーム集、のキーワードにあるクソゲーを思い出してしまう人もいるだろうが、別に移植でも続編でもない。
だが関係ないならクソゲーじゃないのかと思うと、残念ながら立派にクソゲーである。

7つのミニゲームが収録されているが、その中で面白いと言えるのはミニボウリングとスマートボールの2つのみ。
金魚すくいは何をやってもポイが破れる事はなく、ヨーヨー釣りのコヨリも同じ。
マーカーとターゲットが重なってる時に3DSをちょっと持ち上げるだけで釣れる。重なってなくても釣れる事すらある。
輪投げと射的はターゲットがふわふわと空中浮遊している謎シチュエーション。
輪投げに微妙な力加減は必要なく、射的は半自動の追尾があるので、テクニックは何もいらない。
ちなみに射的の操作ではマイクに息を吹く。それは射的でなく吹き矢だろう。
かき氷に至っては、3DSを回して氷を削りシロップをかけるだけ。どう考えてもゲームではない。
これら5つはゲームオーバーという概念が無い。モードが複数あるがどれも代わり映えが無く、収集要素があるもののゲームがつまらないのでモチベーションにならない。
最後は常に、疲労感とため息と共に自らBボタンを押してゲームを終わらせる事になる。

なおこの他に7つおまけゲームという物も入っているが、映像を万華鏡化するだけ、3DSのゲームコインで収集アイテムと引き替えられるお札を買う、など
ろくにゲームがない。まぁかき氷を思えば今更ではあるが。
面白いゲームもあるとはいえ、所詮ミニゲームレベルの面白さ。4000円近くを払う価値は全くない。
そもそもゲームの背景は3DSカメラの映像にエフェクトをかけただけで、縁日っぽさは皆無。
無理に縁日らしさを探すとすれば、値段に合わないこのぼったくり感ぐらいなものだろう。 

さて、5本の候補が出揃ったところで、いよいよ2011年携帯機版KOTYを発表する事としよう。
今年一番のクソゲー、KOTYに選ばれたそのソフトは――「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」である。

確かにどのクソゲーもいずれ劣らぬひどさだ。
しかし当然ではあるが、一通りやればクソゲーだとわかる。
クソゲーとわかれば、後はやめてしまえばいいだけだ。それでもう、そのクソゲーからダメージを受ける事はない。
だが、シェルノサージュは「未完成」なのだ。
今はどう見てもクソゲーだが、DLCが揃って完結したら、パッチでバグが根絶したら、もしかしたら。
そんな錯覚からゲームをやめられず、延々とクソゲーに囚われ続ける。
希望を求めた結果、絶望に絡め取られるその様は、蜘蛛の巣に捕まった哀れな蝶のようである。
本来は欠陥である「未完成」を逆手にとって人々をクソゲーに縛りつけ続けるシェルノサージュは、累積ダメージという点で他の候補に勝る破壊力を有していると言えよう。

シェルノサージュについては、「ネットオンリーのゲームはネトゲ板で」というルールにも触れねばなるまい。
オンライン専用と銘打ってはいるものの、実はこのゲーム、イオンとの簡単なコミュニケーションならオフラインでもプレイ可能になっている。
そのためここでは「ネットオンリー」の条件には当たらないとした。
この解釈には異論のある者もいるかもしれない。
だが今年一番のクソゲーを決めるのがKOTYだ。
今年一番のクソだと思えるゲームがそこにある時、それを解釈の問題で除外する事にどんな得があるのだろうか?
少なくともそれは、KOTYスレにとってはマイナスでしかないだろう。

さて、2013年には「シェルノサージュ〜失われた星に捧ぐ詩〜RE:Incarnation」という、今までのDLCと最新パッチ、さらには追加要素など収録したソフトが発売されるそうだ。
一見すると完全版商法のようだが、これも未完成品である事は変わらない。
そもそもシェルノサージュ自体が「サージュ・コンチェルト」なるシリーズの第一弾と聞く。
いったいシリーズ完結はいつの日になる事やら……。

「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」
 「……いや、いいからとっとと終わらせてください」 
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*総評案1.1(総評案1の差分) [#x9f0b349]
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12度にわたるパッチでいくらかのバグは解消されたものの、逆にパッチで発生したバグもあり、手つかずで残る物も含め、未だエラー報告は絶える事がない。
プレイヤーが自衛で取ったバックアップデータに公式が対応する有様である。
バグ以外はどうなのかと言えば、このゲームはイオンという女の子とコミュニケーションするのと、シャールという小妖精を育成し使役するのが主となっている。
まずコミュニケーションだが、とにかく量が貧弱すぎる。
画面をトントン叩いて会話を試みても、イオンの体をお触りしてみても、日に10分程度のプレイで何度も同じセリフを聞かされる羽目になる。
リアルタイム・ライフ・シュミレーション(パッケージの記述より)と銘打っており、イオンの日々の生活が見られるのだがこれもパターンが少なく、曲も1曲なのですぐに飽きてしまう。
注目するのはせいぜい、イオンの胴体が伸びたり机から生えたりする時くらいか。(勿論バグ)
外出などされた日には眺めて退屈どころの話ではなく、一切のコミュニケーションが取れなくなる有様だ。
アップデートで徐々に量は増えているが、アップデート頻度が低いので焼け石に水。
というかコミュニケーションと言っても、ほとんどはイオンのセリフを一方的に聞かされるだけで、会話にはならない。
たまに選択肢が出る事もあるが、選択肢の量まで貧弱で、1つしかない事が多い。選ぶ事が出来ないそれを選択肢と呼んでいいのかは疑問だが。

シャールはバーコードからキャラが生成されるのだが、生成に使う数字が国とメーカーを表す部分なので同じシャールばかりぞろぞろ作られ、
大勢に使われるシャールは契約に支払うポイントが高額化する仕様なので、新規プレイヤーはシャールとの契約が困難になってしまう。
救済のためシャール無料契約券なども発行されたが、そうなるともう誰かの強いシャールを雇えばいいだけで、育成もバランスも崩壊。
雇用のためのポイントを稼ぐ、というゲーム性も無くなってしまった。
シャールの主な仕事はシナリオロックの解除であり、「エロゲの体験版より少ない」と言われる2時間弱の一本道シナリオを、少しでも長く保たせるための足かせであったはずだが、
強シャールなら解除に1日しかかからない。
シャールにはクエーサーを送るという仕事もあり、みんながサーバーに送ったクエーサーの累積量で特典が開放される……はずが、
ゲージを振り切っても「バグで本当は貯まってない」と開放を遅らせる事件が発生。
そうかと思えば貯まりきらない内に特典開放される事もあり、gdgdすぎる。

毎月配信のはずのDLCは2ヶ月1本のペースに遅延し、もういつ完結するのかも定かではない状態。
やきもきするプレイヤーをよそに、アップデートで会話が追加されたと思ったら、あなたに気持ちを伝えたいと本を書きだし
「絶対に、あなたに届けたい。だから無理してでも頑張るよ!」とか苦労とあなたのためにをことさらアピール、プレイヤーに一択の「楽しみに待ってるよ」を言わせたあげく、
最後には「出来上がった本はコミケで買ってね(意訳)」と言い放つイオンちゃん。
ストーリー完結の作業はどこへやら、小遣い稼ぎにデート商法を始める前代未聞の展開には呆れるばかりだ。
それともこれが七次元のコミュニケーションなのだろうか。高度に発達しすぎて、三次元人にはクソゲーと見分けがつかないが。 
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*総評案2(ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー) [#ie661b07]
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総評案2 

2012年。 
わずか二本のタイトルで大賞選びが行われた前年度、その少なさから携帯ゲームにおけるクソゲーはいよいよ枯渇したのかと危ぶまれた。 
しかし一年を終えてみれば、そんな不安は些細な事であったと言えよう。 
なぜならば、海の向こう、据置、はてには過去からと時空を超えて四方八方から魑魅魍魎が押し寄せ、 
かつて無いほどのレベルの瘴気にスレ住人達はあてられる事になった。 
年末に突如起きた選評ラッシュは昨年の据置版の様相を呈し、前年度の静けさが嘘だったかのような賑わいを見せた。 

では、発売順にそれぞれの候補を紹介しよう:

まず先鋒に、『パシャットバシット〜Whack A Friend〜』(略:「パシャット」/アイシーエムジャパン)。 

2月1日にDSiウェア専用ソフトで200ポイントで配信されたこのゲームは、DSi(または3DS)本体のカメラを使い、 
撮影した顔を用いてモグラ叩きをするという内容。 
タッチスクリーンで下画面に表示される的を叩いていくだけのシンプルなゲームだが、 
プレイした者に昨年の覇者『対戦チンチロリン』に匹敵し「ゲー無」としての究極の到達点とまで言わしめたいわく付きの一本である。

具体的な問題点を見てみよう: 
まずそのゲームの趣旨だが、サブタイトルを和訳すると「友人叩き」となり、この時点で制作者のセンスが鈍く輝く。 
そしてタイトル画面以降ずっと上画面に表示される男性のイラストが、直接画面を叩き割りたくなるレベルで酷い。 
これ以外に収録されているイラストは一枚も無い。写真機能を使えば別の映像に変えられるが、保存できるのは一枚のみ。 
DSi本体から引っぱりだす事はできないため、サブタイ通りに「友人叩き」をしたいのであれば直接撮影をお願いするしかない。 
言うまでもなくケンカの元にならないよう注意しなければならず、コンセプトからして何かが狂っている。 

モグラ叩きとしても問題を抱えており、3x3マスの穴からはかならず一体ずつしか的は出ず、最高でも2つ同時にしか表示されない。 
フェイントも偽物も無いため、延々と「出たらタッチ」を繰り返す事になる。 
もはやゲームというよりも単純な反射運動となっているため、「的以外をタッチする」というミスは意図的にやらなければ発生せず、 
疲れきって四回ミスするまでゲームは終わらない。 
何十分と続くこの無意味な作業は「ゴールの見えないマラソン」「精神的シャトルラン」とまで言われている。

多少のスピードアップ以外に起きる変化と言えば上画面の顔への演出だが、公式がいう「ユニークな視覚効果」とは裏腹に、 
イボや絆創膏、青あざにイモリがランダムに配置され、不快感を一気に加速させる。場合によっては蓮コラ並に気持ち悪い配置となるため、 
金を払ってシャトルランをしグロ画像を見せられるという最悪の罰ゲームが待ち受けている。 
しかし、これだけの苦労の末にハイスコアを叩き出しても、目玉機能の写真撮影をするだけでスコアが全て消えるというトドメが残されている。 
この事は説明書には記載されておらず、代わりに「ミスは3回まで」と誤記が挿入されている。 
しかし真に無へと帰す瞬間は、このゲームの改善版がItunesストアで無料で配信されている事に気付いた時だろう。 
金も時間も友情も努力も全てを無にしてしまうこのゲー無は、200ポイントでも安易に手を出さない方がいい。

続いて5月24日、夏祭りシーズンを目前に控えた頃、過去からの亡霊が携帯へと蘇ってくる。 
その名も『みんなの縁日』(略:「縁日」/バンダイナムコゲームス)。 

かつてWiiロンチタイトルとして同社から発売され、2006年据置KOTYの次点に輝いた『縁日の達人』。 
6年の沈黙を破り、装いも新たに3DSの機能をふんだんに使った携帯ゲームソフトととして帰ってきた 
・・・と紹介すれば聞こえはいいものの、まったく異なるゲームデザインでありながら同じぐらいつまらないクソゲー集であった事が明らかになる。

縁日を題材とした7つのミニゲームと7つのおまけ、それにちなんだ景品を集める図鑑。 
一見豪華そうに思えるが、いつぞやのおせち騒動を想起させるぐらいに中身がスカスカなのである。 
ミニゲームのうち、まともに遊べるのは「ミニボウリング」と「スマートボール」ぐらいであり、残り五つは遊びと呼べるかすらも怪しいレベル。 

「射的」と「輪投げ」はプレイヤーの周囲に浮遊する景品をジャイロ機能を使って入手するのが目的となるが、 
背景は3DSのカメラ機能で撮った映像のため縁日の雰囲気は微塵も感じられない。 
仮に本物の縁日でプレイした場合、弾を発射するためにひたすら息を吹きかけ、輪っかを投げるために3DSを揺らしまくる変質者にプレイヤーは早変わりするだろう。

「ヨーヨー釣り」と「金魚すくい」では糸が切れたりポイが破れる事もないので、せっかく残される記録に対しても達成感がまるで無い。 
操作もマーカーに合わせて本体をただ上下すればいいだけで何の面白みもなく、金魚すくいにいたっては魚群探知機を眺めている気分になる。 
それぞれ得られる景品が深海魚だったり日本地図の欠片や楽器だったりと多少は楽しませようとする工夫は感じられるものの、 
元のゲームがただの作業でしかないのでそれらを入手する喜びは皆無と言ってもいい。 

極めつけは最後のミニゲームであり、なんと3DS本体をぐるぐる回して作る「かき氷」が楽しめる 
・・・わけでもなく、自ら画面を回転させることで映像がとてつもなく見づらくなり、 
適当にシロップをかけたあとに「これは本当にゲームなのか」と思わず3DSの蓋を閉めたくなる。 

この5本には明確なゴールもないため、プレイヤー自身がわざわざ終了ボタンを押さなければならない虚しさまで味わうことになる。 
まともな2つのミニゲームも景品をコンプすればすぐに飽きてしまうあたり、これらは7本の「ゲー無集」の間違いではないのかと疑ってしまう。

上記のミニゲームよりまだマシと感じてしまう「日本じゅうだん」という名の新幹線ゲームを除けば、おまけも同様にしょぼい。 
「お面」はカメラの映像にカツラやヒゲを8種類くっつけるだけの合成アプリ、「万華鏡」は文字通りカメラの映像を万華鏡化するだけ、 
塗れる範囲が固定された自由度のない「砂絵」、なぜかある「プラネタリウム」など、存在価値があるのかさえよくわからないものも。 
「お札交換」では図鑑をコンプするために3DSのゲームコインを景品と交換できるが、これによってミニゲームをプレイする意義がさらに無くなる。 
そもそもゲームシステムの一部をおまけに入れてよいものなのかはさておき、 
あえて褒めるとすれば「おみくじ」という名の前世占いに登場する巫女さんが可愛い事ぐらいだろうか。 

こうして表舞台に舞い戻ってきた『みんなの縁日』だが、6年の間なにも学習していないばかりか次世代機の機能を完全に間違った形で使っているあたり、 
余計悪化しているのではないかと疑問に思えてならない。同じ金額を使うなら、みんなで縁日に行った方がいいと結論づけられる事になる。

2009年には修羅の国から『戦国姫』が急襲し他のソフトを圧倒したことから「黒船」と呼ばれたが、 
今回は北米市場からのリアル黒船が海の向こうから飛来する。 
6月14日、突如やってきたその怪物の名は『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』(略:「重火」/ハムスター) 

移動が全て固定され、決まったシーンで一人称視点での射撃を行うレールシューティング形式の本作。 
同ジャンルに『タイムクライシス』などの名作が挙げられる一方で、 
『デスクリムゾン』という妖怪がかつて存在していた事からも決して安心してはならない本作。 
だが、部分的にとはいえ、かの征夷大将軍をも超える問題をこのゲームは抱えているのであった。 


強制的に顔写真を撮られるセーブスロットを作成し終えると、パッケージを飾るいかつい兵士同様のイラストがメイン画面で出迎えてくる。 
この時点でオプション項目がない事に気付くべきなのかもしれないが、 
ストーリーを追う「キャンペーン」を選択した直後から始まる低クォリティな紙芝居に、プレイヤーは度肝を抜かれる。 
話の流れもかなり雑で、どこかのアジトで大怪我をした後に突然南米でのゲリラ掃討を命じられ、そして唐突に人質救出にアフリカに飛ばされる。 
核弾頭がある武器庫を爆破したり、人質がいる宮殿を空爆したりと、エリート部隊の仕事とは思えないことを平然とやってのける。 
中学生のラクガキかと思うくらいチープな寸劇の後には、初代バーチャコップもビックリなくらいローポリな3D世界が待っている。 
モッサリとしたスキップ不可のムービーの後に戦闘が始まる頃には、BGMが全く無い事に気付く。 
正確には1ステージだけ音楽が付いているのだがなんとメイン画面と全く同じ物であり、この曲はEDでも使い回され、今時珍しい全1曲収録という事が判明する。 
敵のモーションもお粗末であり、中には欽ちゃん走りで画面を駆け抜ける者まで登場する。 
敵の種類も船(ステージ1限定)、ヘリ1機(ステージ7限定)、火炎放射機持ち(ステージ2〜7限定)を除けば、全員色違いの同じものしかいない。 
スタッフロールも手動でページをめくる等、あらゆる点で演出がおかしい。

しかしこれらはほんの飾りでしかなく、ほんとうの問題点はシューティング部分にある。 
まず、回復アイテムがない。そしてチェックポイントもない。 
よって一度でもライフを5つ失えば最初からやり直さなければならなく、ステージが長けば長くなるほどに難易度が激増する。 
ところが、ステージごとの長さにばらつきがあり、ステージ1がいきなり8分もあるのに対し中盤以降に3分程度のものがあったりする。 

弾丸を当ててくる敵の頭上に表示される「!」マークからの被ダメージまでの間隔にも問題があり、表示直後に命中させてきたり、 
あるいは撃たずにどこかへと走り去ったりする。終盤では画面上に10人近い敵が表示されることもあり、とても一人では対処しきれない場面も多々ある。 
そのため終盤の難易度は異様に高く、最強の武器を持ってしてもちょっとの油断でリスタートするハメになる。 
また、警告マークが画面から見切れる、移動シーンで撃たずに素通りすると敵が消えるなど、調整不足も数え上げればきりがない。

武器に関しては、そもそもゲーム中は1丁しか持ち運べず、ハンドガンか連射系のどちらかしか選べない。 
スナイパーライフルや銃座を使うシーンもあるが限定的であり、自由には切り替えられない。 
また武器の耐久ゲージが下がると弾詰まりを起こしやすくなり、 
突然画面に「弾詰まりを解消するため両手で持ち水平に動かしてください」とデカデカと表示されプレイを中断してくる。 
回避するためには修理費が必要となるが、新しい武器を購入する妨げとなるので非常にうっとうしい。 

システム面でも問題はある。「キャンペーン」は一度クリアすればデータを消さない限り二度とプレイできない、 
「スコア」は3つのセーブスロットの最高得点しか表示しない、そもそもずっと画面上に得点が表示されているので「スコア」自体いらないなど、 
明らかに不要な項目が存在している。タッチスクリーンでしか銃の照準は操作できず、オプションもないため操作変更もできない。

こうしたゲームそのものダメさ加減も相当なものだが、それをさらに悪化させているのがこのローカライズである。 
元々DL専用ソフトだったものをカートリッジ化しているのだが、5ドルから5,000円近くまで値上げしている理由にはならないだろう。 
付属された紙の説明書も1Pしかなく、内蔵版も警告文と会社紹介を除けばわずか5Pでボーナスポイントなど説明不足な部分も否めない。 
たった1ページしかない日本の公式HPからは、開発元のHPにあったトレイラーは削除され極力ゲーム内容を見せない努力が見られる。 

ゲームの仕様から販売方法まで、ありとあらゆる方向で絶大な火力を維持し突撃してきたその姿はまさに重苦しい炎の恥じない勇ましさであり、 
バグに頼らないストロングスタイルは多いにスレ住人を盛り上げた。

そして10月25日。冬の足音が近づく中、再び時期外れなタイミングでとあるゲームがKOTYの舞台に戻ってくる。 
ただし、据置版では惜しくも次点止まりとなってしまった前回と違い、今回は携帯ゲームとして生まれ変わった姿で。 
その名も「Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜」(略:「Pia4」/PIACCI)。 
通常版と謳いながらも限定版がなかったXbox360版とは異なり、今度はきちんと限定版と同時発売された本作ではあるが、 
元々KOTYの次点の選ばれるほどのゲームを丁寧に移植しただけなので、結局は同じレベルのクソゲーでしかない事があっさり判明する。 

それでは、抜きゲーとしての価値のしかないと言われた大元からエロ要素を抜き、 
誰得ゲーム状態であったXbox360版からさらに誰得な移植を果たした本作の概要を見ていこう

本作はPC(エロゲー)、Xbox360とPSPのマルチで移植された恋愛ゲーム。 
大まかな物語は、「Piaキャロット」というファミレスで一か月働き、その間に8人のヒロインと仲良くなるという「恋愛シュミレーション(原文ママ)」。 
タイトルの「恋活」を「バイト」と読むあたり、『パシャット』に近いセンスを感じずにはいられない。 
そのセンスを色ごく反映したのか、プレイヤーの分身であるところの主人公の性格が非常に鬱陶しく、思考パターンにも問題がある。 
ストーカー行為ともとれる犯罪ギリギリのことをやらかす一方、それによってヒロインと恋仲になるというとんでもないシナリオ展開がある。 
こういったとんでもシナリオはほとんどのルートで存在する。 その原因の一つとして挙げられるのは、PC版からの単純なエロ要素の削除だ。 
何の埋め合わせもなくPC版からごっそり絡みシーンを削除しているために前後の脈絡がなく、 
「同僚と格闘ゲームをしていたら彼女になった」「いつのまにか従姉妹を妊娠させている」 
「気付いたら実妹と肉体関係を結んでいた」などの超展開も待ち受けている。

しかし、これらの唐突すぎる展開も、単にライトユーザー向け移植による弊害だけでは片付けられない。 
各シナリオも元から掘り下げが不十分であり、主人公がいてもいなくても何の問題もなかったり、 
相手の父親を助けて付き合いを認めてもらうなどの使い古された手法を用いる等、非常につまらない展開がつづく。 
さらにこのゲームは基本的なキャラ設定をイベント毎に更新しては無視するを繰り返し、一貫性のない主人公の設定もその鬱陶しさに拍車をかけている。 
怪我で断念した陸上を再開すると宣言しながらも一向に何もしない主人公の姿勢は「走る走る詐欺」と呼ばれ、プレイヤー達のストレスを存分に加速させた。

シナリオ面での酷さもさることながら、システム面でもプレイヤーをたびたび苛つかせる仕様がプレイ環境を悪化させる。 
入りたてのバイトがなぜかいきなり人事権を行使できるが、このことによりプレイヤーは好きに仕事を決定できる。 
仕事の内容によってパラメーターが変化する育成SLGとなっているわけだが、 
パラメーターによって途中のシナリオが変化するわけでもなく、それが影響するのはエンディング分岐のみとなっている。 
体調がゼロになると強制的にゲームオーバーとなるが、最初に二回休んでおけばあとは何の問題もなくなるため、 
足りない所を上げる仕事を適当に選ぶだけという単純作業に早変わりする。

仕事による各ヒロインの固有イベントも異様に少なく、なかには無いものさえいる。 
一方で特定の日に同じ部署にいないと強制バッドエンドに突入するキャラもいるが、 
こちらはなんとノーヒントとまさかの鬼畜仕様であり、セーブ&ロードまでもが必須となってくる。 
さらにちょっとでもパラメーターが足らなければヒロインと密接な仲でもゲームオーバー直行なため、 
肉体関係を持った実妹相手に「この一か月間仕事以外の記憶が無い」と言い放ち去っていく主人公の姿も拝める。 
身に覚えのない妊娠やヤリ捨てEDなど、さっそく純粋な恋愛ゲームとはほど遠い内容となってくる。

シナリオやキャラ設定、システム面でも問題が山積している当作品だが、最後の砦となるグラフィックまでもがあっさり匙を投げる。 
パッケージや公式HPのイラストからは想像もつかないほどの作画の崩壊ぶりがあちらこちらで散見しており、 
プレイしたものに「テキストウインドの上はなるべく見ない方がいい」と言わしめる惨状となっている。 
ヒラメのように顔が変形したキャラクターのみならず背景にまで不自然さが目立ち、競技場の中から木が生えていたり、 
コピペや修正跡などの手抜きが素人でもわかるレベルで残されている。 
キャラゲーとしてもシリーズファンから見放される原因はこういった手抜きにも原因があるのだろう。

相も変わらず全方位にクソをぶちまける結果となった本作ではあるが、バグが追加さたXbox360版からの移植に伴っていくつかの改善点はある。 
バックログやスキップの仕様変更やインターフェースの全体的な見直し、バグの除去といった点は素直にいい仕事をしていると言えるかもしれない。 
だが、そもそも存在自体がバグではないかと思われるシナリオとキャラクターが100%そのままの時点で、結局は重度のクソゲーでしかない。 
いくら綺麗に装っても中身が相変わらずならば当然需要もほとんどないに等しく、あまりにも無駄な移植だったと言わざるを得ない。 
あるいは、クソゲーの頂点を目指すためだけに舞い戻ってきたのではないかとさえ思えてくる。

こうして2012年度の四強が一同に年末に出そろったわけだが、長い期間それぞれの選評がとどかなった。 
なぜならば携帯ゲームにおいては2つの大事件が巻き起こってしまい、 
半年以上もの間当スレッドの機能が麻痺し避難所まで設けられる事態にまで発展したからだ。 

その原因の一つが、かの『ラブプラス』の3DS版最新作『Newラブプラス』(略:「NLP」、コナミ、2/14発売)が巻き起こしたバグ騒動。 
バレンタインデーに発売日を合わせたためか、数多くの不具合を抱えたままプレイヤー達の手に渡り、 
多くのシリーズファンらを阿鼻叫喚の地獄にたたき落とした。 
突発的に起きるフリーズによってゲームが中断され攻略対象の彼女との仲違いが発生する、 
グラフィックがおかしくなるなどゲームの根幹部分に差し障るバグが目立った。 
発売当時はまだ3DSにはゲームにパッチを当てる機能がなかったため、スレ内では大賞間違い無しとの意見が圧倒的大多数を占める。

しかし、3DS本体がまさかのパッチ対応可能になったため事態は急変し、当ゲームの扱いに柔軟性が求められる結果となった。 
二回目のパッチとなるVer1.2を経て、致命的なバグの除去、インターフェースの改善、 
ゲームスピードの調整がなされるなどの対応が取られ、一部に細かいバグが残されている状態ではありながらも騒動は概ね収拾される。 
少なくともギャルゲーとしてみた場合残されたバグを含めたとしても、 
シナリオ自体が修正不可能なまでにバグっている『Pia4』とは比較できるようなレベルではないだろう。

その一方で、今度はPSVitaで発売された『シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜』(略:『シェルノ』、ガスト、4/26)がバグ騒動を引き起こし、 
『NLP』の一件と相まって騒ぎを拡大することとなる。 
ヒロインの映像がおかしくなる、フリーズによるプレイ不能、データが破損するなど凶悪なバグが頻繁に発生し、 
パッチが配布されては新たなバグが発生するといったどこぞの麻雀ゲームの様相を呈した。 
元々DLCでストーリーの続きが拡張される予定だったためか収録されている攻略内容は薄く、 
バグ対応によって予定されたDLCが次々と延期を繰り返した結果、話がほとんど進まないまま年末を迎える事となった。 
度重なるパッチ配布によってゲーム単体の重大なバグはそこそこ落ち着きを見せるものの、 
C2をはじめとしたVita本体によるソフトウェアやアプリへのバグが依然として残っている。 
プレイ環境による発生率の差にあまりにも開きがあるため、どこまでがゲーム機側の責任で、 
どこまでがソフト会社の責任なのかの線引きが困難な状況に陥ってしまった。

しかし、仮にバグを抜きにしてても、記憶喪失のヒロインとのコミュニケーションや妖精の育成等の要素が「ゲー無」としては 
『みんなの縁日』や『パシャット』のレベルには及ばず、ギャルゲーにしても『Pia4』の惨状にはほど遠く、 
DLC商法も雑誌等で事前告知がある点で『ヘビーファイア』の10倍値上げとどちらが酷いか等、クソゲーとしてもかなり微妙なラインに立ってしまう。 
オンラインゲームとしての側面や年越しのDLC配信によるストーリーの延長、 
発生条件があまりにも不明虜なバグにより、結局スレでは悪い意味で扱いきれず、 
たとえ扱えたとしても他に挙っている候補に太刀打ちすらできないと判断され、最終的にはクソゲーとしてもいらない子となってしまった。

こうした散々な扱いを受けてはいるものの、当スレッドを一年中引っ掻き回した張本人たちである事には間違いない。 
この二作が巻き起こした騒動のおかげでほぼ一年間、大賞候補となりえる選評が到着する事はなかった。 
しかし、この停滞しきった息苦しい雰囲気の中、颯爽と現れ当スレッドを一瞬にして炎の海に変えてしまった猛者がいる。 

4つの大賞候補最初の特攻隊長にしてKOTYの歴史に新たな一石を投じたその作品、『ヘビーファイア ザ・チョーズン・フュー』。 
大騒動を巻き起こした『NLP』『シェルノ』の二大タイトルを前にして、 
「引き立て役ごくろう」とあざ笑うかのように話題をかっさらっていったその堂々っぷりを讃え、2012年携帯版KOTY大賞の栄冠を送りたい。

『重火』を大賞に推す理由は、やはりその全方向に圧倒的な火力でクソを撃ち込む姿勢にあるだろう。 
まずグラフィックにおいては、総合的な酷さにでは『Pia4』も十分張り合えるのだが、 
やはり『重火』の紙芝居のクォリティは抜群に低く、こと背景においてはもはや手抜きなんてレベルをとうに超えている。 
気持ち悪さでいえば『パシャット』に軍配が上がる所だが、写真機能を使えばとりあえず別のもの差し替えられるあたり、 
そもそもデータ保存時以外は何の役にも立っていない『重火』の写真撮影もここぞとばかりに鈍く輝く。 

BGMでは『パシャット』でさえメイン画面とゲーム画面で二種類とある以上、 
『重火』の1曲収録はもはや擁護不可能なレベルである。

単純作業という点では、実は『パシャット』『縁日』とも共通点がある。 
『重火』では敵以外は基本的に動かないため、「動いたものを撃てばいい」という単純な反射運動に陥り爽快感がかなり失われる。 
しかし、所々で敵と見分けの付かない味方が出てきては誤射を誘発するあたり、余計なものを『パシャット』からぶんどってきたのではないかとさえ思えてくる。 

また同じ3DS作品として比べた場合、間違った方向でとはいえジャイロ機能や写真機能を使おうとする努力が伺える『縁日』に対し、 
プレイヤーに「邪魔なだけ」と言われた弾詰まりやプロフ写真ぐらいでしか本体機能を使えてない『重火』。 
いったい3DSに何をしに来たのかと思わず問いたくなる。 

成長要素としての武器の収拾や改造も、もっとも効率がよく安全な方法が「ステージ1を何度も繰り返す」という苦行そのものであり、 
『Pia4』のSLGパートともいい勝負をしている。ゴールが見えている分『縁日』『パシャット』よりもマシかもしれないが、 
成長しきった最強武器でも最終ステージがクリアできないかもしれないという絶望感は異常としか言えない。 
そしてクリアできたとしても、投げっ放しなEDを見せられた上にストーリーが二度と見れなくなるため、 
それまでの努力が無駄になる「ゲー無」としての素質も垣間みれる。 

移植作品としてみた場合、『Pia4』は直すべき所を全く直してはいないが、一応はインターフェース等での改善点が見られる。 
一方で『重火』は、Wiiware版からの「2P削除」「武器削除」「ゲームバランス崩壊」「操作性悪化」「グラフィックの劣化」「どうでもいいシナリオ追加」と、 
移植としてやってはいけないお手本を次から次へとやらかしている。

プロモーションの仕方でも、公式HPを1Pしか用意しない手抜きはともかく、 
一応はニンテンドーeshopでプレイ映像が見えるので回避する手だてがある『パシャット』に対し、 
開発元まで飛ばなければPVすら見られない点も見逃せないだろう。 
特に『縁日』『パシャット』『Pia4』と仕様通りの素材をCMに使っているのに対し、 
「ゲーム中に存在しないBGMを使う」、「画面を小さく表示して粗を隠す」、 
「映像を加速させる」などのせこい手を使っているのはさすがとしか言えない。 
それに付随してローカライズによる「読みづらいフォントの日本語訳」、「10倍値上げ」とさらなる疾走も見せてくれる。

バグ以外は全てがクソという清々しいまでのその姿は、歴代の覇者達にも引けを取らない風格を存分に見せつけてくれた。 
誰もが予期しなかった海外からの襲撃は、停滞する日本のゲーム業界に「これがクソゲーだ!」と思い出させに来たのだろうか。 
何はともあれ、据置版同様にクソゲー界に新たな風を吹かせた当作品は、2012年最強のクソゲーの名に恥じない健闘ぶりを披露し、 
洋ゲーという新たな道を我々に示してくれたのである。

本年度の携帯板におけるKOTYは混迷そのものであったと言えよう。 
大物タイトルでも焦って販売すれば話題作入りするリスクを露呈する一方で、パッチ等の対応を柔軟に検証するべきとの反省を促す形となった。 
しかしその裏では、注目されていた2010年度覇者『覇王鬼帝』の続編がまさかの良ゲー化という、 
まさに前回の反省を活かした形でのカムバックを見せてくれた。 
かと思えば、昨年の据置での扱いを全く顧みずほとんどそのままの形で携帯板に来場した『Pia4』や、 
6年前とは全く違う方向で自爆する『みんなの縁日』など、反省の方向音痴を見せてしまう困ったちゃんがいたのも事実。 
2012年はスレ内外ともども、「反省」とは一体なんなのかを痛いほど考えさせられる一年となった

・・・が「そんな事よりクソゲーしようぜ」と全く空気を読まずに乱入し、 
瞬く間にスレを火の海へと変えてしまった『ヘビーファイア』の火力はやはり圧倒的だったと言えるだろう。 
据置、携帯双方で洋ゲーという新しい旋風を巻き起きしたその実績(禍根)はあまりにも大きく、 
ローカライズ作品への道を開拓したことは今後のクソゲーへの希望となるかもしれない。 
少なくとも、説明書のイラストを次回作『シャッタード・スピア』のHPに使い回しているあたり、こちらは反省する気はさらさら無いようである。 

そんな『ヘビーファイア』の登場人物からの一言を拝借して、今年度の締めとさせていただきたい: 

「で、お前達のクソゲーはどこだ?」
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